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9・30・小池都知事の会見:東京五輪・豊洲市場問題等について
(下・完)
(logmi.jp:2016年9月30日 より抜粋・転載)
オリンピック・パラリンピックの会場見直し案
○ベンゼンとヒ素が検出されたことについて
☆小池:環境基準を超えたということは初めてでありまして、
ベンゼン、ヒ素が検出されてきたわけでございます。
○職員の処分は情報をさらに収集してから考える
○五輪費用は「爆弾を頂戴したので、起爆剤に」
☆小池:ひと言で言えば、やはり調整会議の調整という言葉が示すように、いくつものステークホルダーが組織委員会であったり、東京都であったり、それからJOC、JPC、そして国、文科大臣がいて、オリパラ大臣がいてということで、船頭はたくさんいるわけです。
○豊洲市場盛土問題の責任の所在はいつ明らかに?
以上は前回投稿済みです。以下はその続きです。
◆記者4: 時事通信のサイトウです。「豊洲市場の盛土の問題」についてお聞きします。都の今回の調査結果というものをこれからも深掘りしたいと知事はおっしゃていますけれども、職員の手による調査でこれ以上の結果が望めるのかということを1つお聞きしたいです。
例えば、先日の都議会の経済港湾委員会でも、延期や今回の問題について、A4、1枚で報告を済ませようとしているようなこともありました。なので、市場問題PT(プロジェクトチーム)だとか、それから外部の人による調査っていうことは考えていらっしゃらないんでしょうか?
☆小池都知事: 今のご質問は、先ほど私が「ホイッスルブロワー」の話をさせていただいたわけでございまして。匿名・実名を問わず、今回のこの報告・検証の対象にはならずとも、それになんらかの関わりをもった方々などから、一報をいただくという、そのような装置を作らせていただいたということで。まもなくそれが稼働するということを申し上げたわけでございます。
まあ仲間でございますので、職員同士のなかで、やれ「あいつがこうした」とか、なかなか言いにくいのは、私はよくわかります。というか、なかなか難しいものだと思いますけれども。
しかし、そういうコミュニティとしての都庁と、それから機能体としての都庁は違いますので、その機能体を確保するためには、そうやっていろんな情報をこれからもいただきたいと、こう思い、そのチャンネルを作ったということでございます。
◆記者5: 東京新聞のサカキバラです。今の質問に関連しまして、その「豊洲の盛り土問題」の最終的な報告、所信表明では「責任の所在を明らかにする」とおっしゃっています。これはいつ頃までに終えたい、責任の所在を明らかにしたいとお考えですか?
☆小池: 今回の自己検証報告書というのが、今日、みなさま方にお伝えしている部分ではありますけれども、今申し上げましたように、これだけでは「誰が」というところ、責任の所在はいったいなにか。
まあ、山本七平さん的に言えば、「日本の空気の研究」という、それでは大学の論文で終わっちゃいますので、それではなく、やはりもう1つ、もう1歩・2歩前に進めさせるために、さらに情報収集を進めていくということで、そのときには内部の情報、内部の通報制度を確立していくということでございます。
また、今なによりもメディアのみなさま方が、すさまじいスピードでいろんな調査をなさっているようでございますけれども、それが正確かどうかはまた別にしましても、いろんな調査が進んでいくんだろうと。それを総合的に判断してまいりたいと思っております。
○市場関係者への補償にはしっかり取り組む
◆記者6: 読売新聞です。築地の関係で、(移転)延期の表明からまもなく1ヵ月経つかと思うんですけれども、今新たな問題が次々と発覚していて、移転時期の決断の時期ですとか、新たに市場関係者への補償など、今どのようなことを考えているのか、そのあたりを教えてください。
☆小池: 時期につきましては、先ほども申し上げましたように、地下水のモニタリングについては引き続き行うということでございまして、その結果は年明けになります。
それから今、プロジェクトチームでそのほかの安全性、例えば建物、それから空間があったわけでございますが、それによる耐震性などはどうか、新たな検証も必要であります。
そういったことを含めて、安心・安全、これらが科学的に、みなさま方が感覚的にもわかっていただけるような説明の努力をしなければ、「ヒ素」とか聞くとそれだけで「え!?」ってびっくりされるわけですけれども、水のなかにも環境基準以下で入っているケースは非常に多い。
要は、ゼロリスクはないということなんですが、そこらへんがなかなか、国民のみなさま方からすれば、非常に敏感に感じとられる部分がございます。そこはきっちりと説明していかなければなりません。
それらのことをふまえて、どのような判断であれ、ファイナルな結論というのは、それらをベースにして進めていきたいと思っております。
◆記者6: 市場関係者には……?
☆小池: 重要な点ではございますけれども、市場関係者の方々には、本当にこのようなことにおいて、たぶん怒りを超えてがっかりされているんだろうというふうにお察しします。
今、私はこうやって職員のことを言ったりしますけれども、私自身、都知事でございまして、今おかけしている市場関係者の方へのご労苦・ご心労には本当に申し訳ないと思っております。
そしてまた、なかにはやはり、この11月7日(の移転)に向けて準備をされてきた方、もしくはそれ(移転延期)によって、もう廃業しようと決めた方々もおられるわけでございます。実際に、冷蔵庫や機材などのリース代が発生していることも事実でございます。
これについては、もともと東京都がつくっているわけでございますので、それについての補償にはしっかりと取り組ませていただきたいと思っております。
結局、築地であれ、豊洲であれ、市場は市場関係者の方々が動かすわけでございますので、そのみなさま方が、東京都と「引き続きやろう」という、そういう関係を作っていかなければ、築地のブランドにしても、豊洲の新天地にしてもうまくいかなくなってしまうというところで、大変懸念しているところでございます。
いずれにしても、市場関係者の方々、賛成・反対いろいろな方を含めて、「やっぱり、安心安全の確保が第一だよね」ということを言ってくださっている、とうかがっております。やはりその点をきっちりと確認するというのが、今の私にとりまして最優先すべきことであると、このように考えております。
○「希望の塾」を立ち上げた意図
◆記者7: テレビ朝日です。ちょっと話が変わるんですが、ホームページ上で、「希望の塾」が立ち上がったと思うんですけれども、これの意図と狙い、これが新党につながっていくのかどうかというところを教えていただければと思います。
☆小池: 政治を学ぶ場としての希望の塾を立ち上げ、今募集をしているところでございます。私のFacebookとTwitterで発表したところ大変多くの反響を頂いているところでございます。一応、知事選の最中からも多くの街頭演説にお集まりいただいた方々から、「もっと政治について知りたい」というか、「街頭演説なんて一度も行ったことがありませんでした」という方が、本当にたくさん集まっていただきました。
そして、今もいろいろなイベントには、ご本人たちがどんなイベントがあるのか調べて、現在でも来られるというありがたい状況でございます。そこで、政治って意外と日本の学校の場では教えていないんですね。今、大統領選の真っ只中のアメリカなどでは、シミュレーションゲームみたいにそれぞれが民主党や共和党になって、ロールプレイングゲームじゃないけどそういうことをやったりして。
子供の頃からディベートなどに慣れているのは、日本とは大違いでございます。要は、意外と政治って学ぶところがあるようでない、ということで、塾と名付けて希望の塾とさせていただきました。日本に一番足りないのは、そして東京に今ほしいのは「希望」という2文字ではないかなと思いまして、自ら命名したものでございます。
ですからここで、私自らではありますけれども、そしていろいろな講師の方々をお招きして、例えば地方自治の在り方とか、今日の環境の問題と、それから豊洲の問題とか築地の問題等々具体例がいっぱいありますから、それらをいろいろな講師の方々に、紐解いてもらうというようなことで学ぶという意欲に対して、私なりにお応えをしてまいりたいと思っております。
数はまだ存じておりませんけれども、ホームページというかFacebookには、数百のレスポンスなどがあったということでございます。新党になるかどうかというのは、私は新党を立ち上げるのがどんなに大変かよく知っている1人でございます。そしてその効果とその寿命についてもよく知っている1人でございます。
まずは、この希望の塾ということをベースにしながら、互いに、私はそこから塾生になる方々から意見を聞く場にもなり得るかと思いますので、そういったことも参考にしながらまずは希望の塾を進めていきたいと思っております。
○都政には「甘えと油断があった」
◆記者8: インターネットのニュースメディア、THE PAGEのグシケンと言います。豊洲の問題に関連して、今回の報告の件で、いつ誰が判断したのか特定できない、ということなんですけれども。無責任に責任の所在がわからない仕事をしてしまうというのは古今、日本にわりと偏在するなと思うんですけれども。
個々人が責任を持った仕事ができないのは、単にシステムの問題なのか、それとも個々人の資質の問題なんでしょうか。また、個々人が責任を持った組織にするためにはどういったことが必要だとお考えでしょうか?
☆小池: 本当いいご質問ありがとうございます。長年の仕事が、まあ先輩がそうだったからというか。やはり東京都というのは不交付団体ですしね、そういうなかで非常に豊かな財政をバックにして、ほかの地方公共団体とはまったく、まったくというかだいぶ違う行政を進めてこられたのではないかなというのが、知事になってまだ2ヵ月の私の率直な見方であります。
あと、やはり企業においても、もうぎりぎりのところの会社と、それから将来を見据えて、そして若い人たちにもどんどん仕事をさせるベンチャーのようなところは違いますよね。
ですから、その意味でいえば、豊かさゆえの、それから大組織がゆえの、一種の甘えと、それから油断があったのではないかと。
最近、幹部の方々ともお話をするんですけれども、「都政大改革だ」とかいろいろ言ってますけれども。でも「これを改革のいいチャンスにしたい」とおっしゃってくださる方はけっこう多いんですね。とはいえ、勝手が違うといって、戸惑っている幹部の方も多数おられるとは思いますけれど。
だけど、ここで今のような無責任体質を今後も続けていくことは、私はありえないと思うし、なによりもメディアが都政にこんなに注目したのはこれまでにないことですから、だからもう無責任体制でやっていられない都政になったと、結果としてね、思います。
ですから、みなさんもしっかりこれからも都政をチェックしていただきたいし。また、そのことが都の職員を鍛えることになると思いますし。みなさんにそれをお願いするというのもどうかとは思いますけれども。
しかし、全体的な、まさしく山本七平的、空気の研究という観点からも、今回の都政のさまざまな課題というのは生じてきたようにも思います。しっかりウォッチを続けていただきますよう、お願い申し上げます。
最後にお1人いきたいと思いますけれども。それでは、後ろから2番目の。
◆記者9: TBSのスギヤマと申します。豊洲新市場もそうですが、見直しが検討されているオリンピックの会場に関しても、江東区にできる施設だと思います。
ただ、江東区議会のなかで、区議や区長から「変更の連絡がない」と不快感が示されています。この根回しなしや連絡なしというトップダウンについては、どのようにお考えでしょうか?
☆小池: これは都政改革本部によります分析の報告を受けたわけでございますから、これで決めたわけではございません。決めるときには、それをふまえて、しっかりとご連絡をするということになろうかと思います。
まずは報告を受けた、という段階でございますし、それによって必要なときには、実際にその会場が存在するといったところにご連絡するのは当然のことだと、このように思っております。
それでは時間になりましたので、失礼をさせていただきます。ありがとうございました。
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