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9・30・小池都知事の会見:東京五輪の会場見直し案について
(上)
(logmi.jp:2016年9月30日 より抜粋・転載)
オリンピック・パラリンピックの会場見直し案
◆司会者: 幹事社の読売新聞のキノシタから何点か質問します。盛り土の前に、端的に2問うかがいます。
昨日、都政改革本部の第2回会議のなかで、オリパラ調査チームの報告書が出まして、さまざまな抜本的な見直し案が盛り込まれていたんですけれども。それを受けて、競技団体や競技者の間に不安の声や反発するような声もあがっているんですが、それいついて端的にどのように受け止められますでしょうか?
☆小池百合子氏(以下、小池): オリパラ調査チームは極めて大胆に、そしてまた経営的な手法でいくつかの提言をしてくださいました。
とくに、大会が終わってからの利用頻度であるとか、それからそれによるロスが出るのか出ないのか、出るとしたらどれぐらいのものになりそうなのか、オリンピックを開いて、そして廃墟となった建物なりを、残っているそういった各国の例なども参考にしながら割り出した、客観的な報告書であります。
提言についてはたいへん重く受け止めております。なぜかというと、それは結局都民のみなさま方に負担をお願いしなければならない、その1点だからであります。
もちろんアスリートの団体でありますそれぞれの競技団体、これは国内、それから国際、そしてさらに全体的に申し上げればIOC、これが理事会等々を開いて、そして場所を決定する。
その過程については、私自身、競技の協会に携わって、さまざまなその流れについては存じ上げているつもりであります。ですから、みなさん、びっくりなさったことかと思います。各団体については。
しかし一方で、ベニュー、会場を作ることについては、今回分析させていただいたのは、都が関係している、都がまさしく主体となっている会場のことでございまして。とくにお金、金額が上のほうにある、上位3つの会場をチェックしたわけでございます。
これは報告書として、報告としてしっかりと受けて、検討していきたいと思っております。で、総合的に判断を下していきたいと思っております。
いずれにしましても、これまでの……これまでのというか、これからのですね。東京の次、2024年で各国・各都市が、例えば手をあげていたハンブルグとか、ボストンとか、それからローマですけれども、元気に手をあげてきたのがだんだん今手が下がりつつあって、もうwithdrawしてしまっていると。
その理由というのは、財政、それから環境に対していろいろと会場を作ったりすることに対しての問題点ということで、だいたい市民・国民からの反発ということで、手を下ろしたということでございます。
ですから、やはりこのお金の問題というのは、作る部分と、そのあとの利用の話とがございますので、だからこそ総合的に考えて判断していきたいということでございます。
それから昨日の報告書のなかで、上山(信一)教授らが一番訴えていきたかったところはガバナンスの問題だとおっしゃっておられました。
「社長も財務部長もいない」などと厳しい言葉をおっしゃってましたけれども。ぜひガバナンスという観点でしっかりとした方向性というものがより見えていけばよろしいのではないかと思っております。
○ベンゼンとヒ素が検出されたことについて
◆司会者: 2点目なんですけれども、昨日、青果棟の近くの3ヵ所でベンゼンとヒ素が初めて環境基準を超えたと。知事も延期の判断をする時に最重視したモニタリングで初めて出たということなんですけれども。
モニタリングを今後も継続していくというお話をされていると思うんですが、9回目、最終回が1月に出るんですが、その後も続けていくんでしょうか?
☆小池: その件につきましては、私も昨日報告を受けまして大変驚いたところでございます。今、水の点でいうと、例の地下空間からのたまり水と、今度はまた別の水の話ですから、ここは間違えないようにしていただきたいのですが。
これは決められた観測井戸から採水した地下水で、定期的に行ってきた地下水のモニタリングの一環でございます。
環境基準を超えたということは初めてでありまして、
ベンゼン、ヒ素が検出されてきたわけでございます。
豊洲市場の用地には、設置している観測井戸が201ヵ所あるわけですが、今回が5街区の2ヵ所からベンゼン、1ヵ所からヒ素が検出されております。5街区というのは、青果棟になります。
今回、一部の井戸から少しではありますけれども、少量ではありますが環境基準を超える物質が検出されたわけでございまして、昨日発表されたので、図表に出るのはこれだけになりますけれども。
これまで8回モニタリングしておりますが、これは前回もご説明するときに使ったものですけれども、この検出の値は、単純な時間が経れば……経時変化ではないということを前回申し上げたところなんですね。
これを見ていただいても、だんだんおさまったかなと思ったら、今回このような高い数値と言いますか、基準値を超えてしまっているということでございます。
結論から申し上げると、モニタリングは続けます。今回、(モニタリング期間が)2年間ということですから、まず2年間をきっちりやります。それは11月に採水をして、その結果が1月に出て、その時点での……2年間をきっちりやると。
今回私がこだわっていたのは、まず2年間きっちりやりましょうよと。決められていることでしょうと。
それをオリンピック・パラリンピックの道路をつくるために、逆算して早くしましょうよと、切り上げみたいな話だったので、それは違うという話を申し上げてきたわけです。
今回このように(環境基準を超える数値の物質が)出てしまったことに驚くわけではありますけれども、今後も2年間のモニタリングは引き続き続行していくということで、9回目、11月に採水して、1月にその結果が出る、ということのモニタリングを継続していくということと、そのあとどうしますか、ということについては、まず平田(健正)先生が座長の専門家会議、それから市場問題プロジェクトチームによる検証も行ってまいります。
それから細見(正明)先生もおられますので、こちらは土壌汚染対策工事と地下水管理に関する協議会、こちらも細見座長などに専門家の見地からのご判断をいただくことになろうかと思います。
○職員の処分は情報をさらに収集してから考える
◆司会者: 2年間の9回、全体で判断すると。
☆小池: そうです。そこは専門的に、科学的に判断していきたいと思っております。
司会者: 盛り土の話について、1点だけなんですが、結局段階的に集まっていったと。ピンポイントで特定することは難しくて、流れのなかでということなんですが……。
一番関心があったのは、「誰が、いつ」というところだったんですけど、これ以上は詰め切れないというご認識なのか。誰がというのは決めきれないので難しいかもしれませんが、今後職員の処分も考えていらっしゃるのか。その2点を教えてください。
☆小池:「誰が」ということについては、明確な答えには
まとまっていないと思います。
だからこそ、これからも公益通報制度も活用して、情報収集をさらに進めていくということであります。
処分については、もう少しそれらの情報を確認しなければできないものだと思っております。
◆司会者 幹事社からは以上です。質問のある社は挙手の上、指されてから名前と所属を述べてから質問してください。
◆記者1: ジャーナリストのイケガミと申します、お疲れ様です。豊洲で基準値を超える汚染が出たことについてなんですけれども、今後、土対法(土壌汚染対策法)上の汚染区域の指定解除を行なうのであれば、汚染が残っているかの周辺調査をした上で対策が必要になると思うんですけれども。
今後も指定解除を行うことを目指すのかどうか、ということを都の方針として、知事としてはどうお考えなのかということをお聞きしたいです。
☆小池: 土対法の観点からいたしますと、2年間のモニタリングをしてきたわけですね。それで、形状変更時の届け出区域の指定解除、そのために2年間続けるということでございました。豊洲の市場用地というのは土対法上、これは土壌汚染対策法上でありますけれども、土壌汚染の摂取経路というのが、そもそも土壌とか地下水の飲用利用というのはない。
そして、健康被害が生じるおそれがない区域というものでございます。ただ、これらについては自然由来のものが含まれるということですから、そもそも解除というものにはならないのではないでしょうか。
対象としてね。その土地、そのものが。ということで、台帳からは消えないということになろうかと思います。
◆記者1: 汚染区域の指定解除というのは、市場の人たちが求めている安全宣言の前提になるものではないかなと思うのですけれど、その辺についてはどう思いますか?
☆小池: それについては、土壌汚染の対策法上とすれば、この土地がそうであると今申し述べたとおりなんですけれども。それについては、土対法という観点と、それから全体的な観点と、いつも私は「総合的」と言うんですけれども、
農水大臣の方に、「この土地は市場に適していますから、指定をお願いいたします」ということをお願いする。そういうポイントがございますから、このときは総合的な判断になろうかと思います。
それこそが、市場が求めておられることではないかと、このように考えております。
○五輪費用は「爆弾を頂戴したので、起爆剤に」
◆記者2: ニコニコ動画のナナオと申します。よろしくお願いします。東京五輪についてです。昨日、上山教授がこれまで国と組織委員会、いずれも東京大会の総費用を積算していないことを指摘されたと思います。
それぞれがそれぞれの立場で、「2兆円を超えそうだ」あるいは
「3兆円になる可能性」と言われても、都民としてはなにか
ごまかされているという印象を持ちますし、そもそも、東京五輪に
いくらかかるか、その情報共有がない。ここが大きな問題であるという指摘がございます。
方法としては、例えば国と組織委員会が共同で総費用を積算して、都民・国民に示すことはできないのか。三者が共同で総費用の積算作業をする中で、相互理解も進みますし、今後のコンパクト五輪を現実的に進めていく上での共通のマイルストーンになるのではないかという指摘がありますが、この点いかがお考えでしょうか。
☆小池: 昨日、リオのオリンピック・パラリンピックのほうが無事終了し、それぞれ視察等をし、そしてその上での調整会議が開かれたわけでございます。そしてその後に、改革本部の方から「総予算は場合によっては3兆円」という話が出て、そしてまた問題点として、ガバナンスについて、さらに社長や財務部長がいないという大変手厳しい分析をされておられた。
1つの企業が事業をする際に、予算というものを組み立てて、そのためにはなににどれくらい使われるのか。国や都についても事業を行う際は同じように予算を組み立てて、承認いただいて、ということであります。
ひと言で言えば、やはり調整会議の調整という言葉が
示すように、いくつものステークホルダーが組織委員会
であったり、東京都であったり、それからJOC、JPC、
そして国、文科大臣がいて、オリパラ大臣がいてという
ことで、船頭はたくさんいるわけです。
それで、それぞれがそれぞれの感覚で、お財布で、もしくはお財布がないからいろいろ知恵を出して、ということで、寄せ集めという言葉は使いたくないですけれども、そういう状況になってしまっている。だからこそガバナンスという言葉が使われている。
私は、リオのオリンピック・パラリンピックも終了いたしましたので、まさしくこれから本腰を入れるところ。改革本部によります大胆な報告というのは、もう一度改めてワイズスペンディング、本当になにが必要で、なにが国民にとってプラスで、都民にとってプラスで、そして楽しみにつながっていくかというポジティブな部分を出していく。
これからチャンスにするためにも、そういった本当に必要なことについては話し合おうということだと、このように思っております。
もっとも調整会議も時間も短く、また、みんな遠慮し合うような
ところもあって、なかなか本音で話すような状況にはならないの
が実情かなと思っております。
1つ、昨日は改革本部から爆弾を頂戴いたしましたので、むしろこれを起爆剤にして、もう一度原点に立ち戻る。
もちろん現実がございますので、相手があることでございますので、それらを総合的に判断して、都としてどうするかというのは、これからさらに詰めるところは詰めて、そして進めていきたいと思っております。
○責任の所在はいつ明らかに?
◆記者3: テレビ東京のモリモトと申します。築地市場についておうかがいします。豊洲市場が東京の台所として安全性が確保できないとなった場合、移転自体を白紙撤回するという可能性はあるんでしょうか。さらには、築地市場を再び改修して使うというようなことも選択肢としてあるんでしょうか?
☆小池: それについては、先ほど申し上げましたように、安心安全、これを確保する。それなしに市場というのはそもそもありえないと思っております。
よってこれから、モニタリングも続けますし、市場プロジェクトチームもスタートいたしましたし。それからこれまでの平田座長による専門家会議、そしてまた土壌対策等の細見座長の会議、いろいろともう1回動かしております。そういった総合的な判断を待っていきたいと思っております。
仮定の話かとは思いますけれども、今はこれらの科学的なデータをもとにした判断ができる、そのタイミングを計っているところであります。
−この続きは次回投稿します−
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