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安倍内閣の決定:黒川検事長の定年を延長 !
安倍内閣、司法人事への介入では ?
安倍首相の人格・精神への識者の見解・詳報は ?
(www.kyoto-np.co.jp:2020年2月5日 16:00より抜粋・転載)
○社説:検事長定年延長は、 司法人事への介入では ?
安倍晋三政権による司法人事への介入と受け取られかねない。
政府は、7日に定年を迎える黒川弘務東京高検検事長(62)の勤務の半年延長を閣議決定した。国家公務員法に基づく措置という。
検事長の「定年延長」は前例がない。稲田伸夫検事総長の後任に、充てるためと見られている。
検察庁法は、定年を検事総長65歳、それ以外の検事は、63歳とする。
検事総長は、内閣が任命する。
◆黒川検事長は、菅官房長官と の関係が深い !
黒川検事長は、菅儀偉官房長官との関係が深いともいわれており、仮に黒川氏が、検事総長に就任すれば、政権が検察トップを、恣意(しい)的に決めた、とのそしりは免れまい。
安倍首相は、「法務省の人事だ」と繰り返し、菅官房長官も法務省からの要請があった、と説明する。だが、なぜ、定年延長が必要なのかについて、十分な説明が必要だろう。
国家公務員法では、職務の特殊性や、職務遂行上の特別な事情がある場合、1年を超えない範囲で、勤務を継続することを認めている。
黒川検事長の場合、どんな事情があるのだろうか。
森雅子法相は、重大で複雑・困難な事件の捜査や、公判に対応するため、「黒川氏の指揮監督が不可欠」と主張したが、詳細は明らかにしていない。
ゴーン被告逃亡事件などが、念頭にあるといわれるが、それなら半年程度の延長では、済むまい。
検察官の定年延長に、国家公務員法を、適用できるかも疑問である。
◆三権分立の原則も、破壊か ?
森法相は、国会で、「検察庁法は、国家公務員法の特別法にあたり、特別法に書いていないことは、一般法の国家公務員法が適用される」と説明したが、理解しにくい答弁である。
政治家への捜査を行う、可能性もある検察官には、高い独立性が求められている。
一般の公務員とは、異なる法律で、特別に定年を決めているのは、そうした理念に基づくためではないのか。
安倍政権による勤務延長は、黒川検事長の今後の業務の正当性にも、疑問符を付けかねず、三権分立の原則も、揺るがしかねない問題もはらむ。
◆安倍政権の独善性を、ますます際立たせた !
安倍政権は、2013年、「憲法の番人」ともいわれる、内閣法制局長官に、集団的自衛権行使を容認する、元外務官僚を起用する、異例の人事を行い、安全保障関連法の成立に、道筋を付けた。
2017年には、日本弁護士連合会が推薦する、候補者とは異なる人を、最高裁判事に任命した。
これも従来の慣行を、破るものだったという。
人事権を使い、官僚機構ばかりか司法まで支配下に置こうという姿勢は、安倍政権の独善性を、ますます際立たせているように見える。
(参考資料)
安倍総理と「傲慢症候群」組織や社会を「死に至らしめる病」、
一刻も早く“権力中毒”から覚めよ !
(webronza.asahi.com:2015年07月25日より抜粋・転載)
香山リカ、精神科医、立教大学現代心理学部教授:
傲慢症候群|安倍政権|権力中毒
自民党勉強会での百田尚樹氏の発言について、イギリスの政治家で神経科医でもあるデービッド・オーエン氏が提唱した「傲慢症候群」の概念を用いて解説したところ、多くの反響があった(「“百田発言”と『ヒューブリス(傲慢)症候群』 とりかえしのつかない失敗に突き進む危険性も」)。
○安倍総理と傲慢症候群 !
今回は、さらに一歩、踏み込んで「安倍総理と傲慢症候群」について語ってみたいと思う。
拡大安保関連法案や原発政策など安倍政権の政策に反対する人たちが、日比谷野外音楽堂に集まった=2015年7月24日午後6時37分、東京都千代田区、仙波理撮影
安倍総理は、5月の衆院平和安全法制特別委員会での審議で、質問していた民主党の辻元清美議員に「早く質問しろよ!」とヤジを飛ばした(後に民主党が抗議したため、総理は陳謝)。また2月の衆院予算委員会では、旧大蔵省出身の民主党議員の質問の最中、「日教組どうすんだ!日教組!」と繰り返しヤジを飛ばし、委員長からたしなめられる一幕もあった。
ヤジは国会につきものではあるが、現役総理とは思えないほど品位もなく、傲慢無礼な態度だと言える。
これは、安倍総理のもともとの性格ゆえなのだろうか。どうもそうではないようだ。
私は、安倍総理は「傲慢症候群」と名付けられた一種の“権力中毒”に陥っているのではないか、と考えている。
○ジャーナリスト・野上忠興氏の見解:
この5月『週刊ポスト』に集中連載されたジャーナリスト野上忠興氏によるノンフィクション「安倍晋三『沈黙の仮面』」には、今の姿からは想像つかない少年時代、青年時代の“人間・安倍晋三”が描かれていた。
たとえば、大学を卒業してアメリカに留学した安倍青年は頻繁に日本の友人や家族に連絡し「毎晩のようにかけてくる国際電話代が10万円にもなる月が続いた。さすがに晋太郎さんが『何を甘えているんだ。
それなら日本に戻せ!』と声を荒らげた」とか、さらに議員になってからも「安倍さんが岸総理の安保改定は正しかったと論じることはあっても、核武装を言い出すなんて。彼は、そんなタカ派ではなかったと思う」と友人たちが首を傾げた、といったエピソードが紹介されている(前掲連載より)。
私は、人間としての安倍晋三氏はごく温厚で柔和な人がらだったのではないか、と考えている。
昨年、作家の林真理子氏との対談で妻の安倍昭恵氏が語っている安倍総理の“本当の夢”もウソではないのだろう。
○安倍首相の妻・昭恵夫人と作家の林真理子氏の対談:
安倍:主人は、映画監督になるのが夢なんですよ。
林:エーッ、知らなかった!
安倍:DVDを見ながら、「おれだったら、こう撮るのにな」とか「このセリフはいらない」なんて言ってますよ(笑い)。だから、総理大臣を辞めて、議員も辞めた後は、映画監督に…。(『女性セブン』2014年5月8・15日号)
では、なぜそんな安倍晋三氏が国勢の場では“唯我独尊”のごとく振る舞い、国民の過半数が今国会での安保法制成立に反対しているにもかかわらず、暴走を続けているのだろうか。
もちろん、現実的な次元では「アメリカとの約束」が大きいと思われるが、さらにその背景には、第二次政権が始まるときに安倍氏が陥った「傲慢症候群」という問題があるのではないか、と考える。
ここで、「傲慢症候群とは何か」について改めて説明しておこう。
簡単に言えば、これは「権力の座にある者に起きる特有の人格の変化」だ。一般のパーソナリティ障害が人生の早期からその特徴が見られる半ば生得的なものであるのに対し、傲慢症候群が発生するのは、あくまで権力を手にした後である。
この概念を生み出したデービッド・オーエン氏も、自著の論文に「獲得された(後天的な)パーソナリティ障害なのか?」という副題をつけている(Owen D. Hubris syndrome: An acquired personality disorder?.Brain 2009;132)。
だとしたら、ほかのパーソナリティ障害に比べてこの傲慢症候群は軽症と言えるのだろうか。
そうとは言えない。この症候群にかかるのは権力者であるがゆえに、その影響は甚大なのだ。
とくに深刻なのは政治家の場合だ。オーエン氏は先の論文でこうも言っている。
「政治家の傲慢症候群は、彼ら自身の指導力にとっても、われわれの世界の適切な統治にとっても、一般的な病よりはるかに大きな脅威となるのである。」
オーエン氏がこの症候群の存在に気づくきっかけになったのも、長年の政治家としての経験の中でであった。
自らも大臣経験者であるオーエン氏は、謙虚だった同僚が首相を始めとする要職につくと次第に尊大になり、「聞き役」だったはずがいつの間にかいっさい人の話を聞かずに自分の功績やビジョンを一方的に話しまくるようになる、という実例を目の当たりにしてきたのだ。
傲慢症候群の特徴として、オーエン氏があげているのは次の14項目だ。
ここでは、企業CEOのケースなどをあげながらこの傲慢症候群についてくわしく紹介した今年3月15日の朝日新聞デジタルの記事から、14の特徴をそのまま引用させてらもらうことにしよう(「傲慢トップは経営リスクか 『人格障害』ビジネス界注目」)。
ちなみにオーエン氏の別の論文では、このうち3つないし4つがあてはまれば傲慢症候群と考えてよい、と記されていた。
@自己陶酔の傾向があり、「この世は基本的に権力をふるって栄達をめざす劇場だ」と思うことがある
A何かするときは、まずは自分がよく映るようにしたい
Bイメージや外見がかなり気になる
C偉大な指導者のような態度をとることがある。話しているうちに気がたかぶり、我を失うこともある
D自分のことを「国」や「組織」と重ねあわせるようになり、考えや利害もおなじだと思ってしまう
E自分のことを王様のように「わたしたち」と気取って言ったり、自分を大きく見せるため「彼は」「彼女は」などと三人称をつかったりする
F自分の判断には大きすぎる自信があるが、ほかの人の助言や批判は見下すことがある
G自分の能力を過信する。「私には無限に近い力があるのではないか」とも思う
H「私の可否を問うのは、同僚や世論などのありふれたものではない。審判するのは歴史か神だ」と思う
I「いずれ私の正しさは歴史か神が判断してくれる」と信じている
J現実感覚を失い、ひきこもりがちになることがある
Kせわしなく、むこうみずで衝動的
L大きなビジョンに気をとられがち。「私がやろうとしていることは道義的に正しいので、実用性やコスト、結果についてさほど検討する必要はない」と思うことがある
M政策や計画を進めるとき、基本動作をないがしろにしたり、詳細に注意を払わなかったりするので、ミスや失敗を招いてしまう
たしかにこのような人といっしょに仕事をするのは、部下や秘書としては愉快なことではないだろう。
しかし、問題はそれだけではない。傲慢症候群のリーダーを仰ぐ側の人々にとって最も重要なのは、上記の特徴のLやMだ。彼らはあまりにひとりよがりな成功物語にとらわれて現実を見失い、細部に目が行かなくなるため、結局、その統治は破綻に終わるのである。
いくら威張っていても自画自賛が激しくても、
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