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新春対談:中野晃教授と志位和夫委員長 !
文明を壊す、安倍政治と決別する「覚醒の年」に (第1回)
(www.jcp.or.jp:共産党:2020年1月1日より抜粋・転載)
国民にポジティブな魅力が伝わる野党共闘へ
日本共産党の志位和夫委員長の新春対談。今年は、中野晃一・上智大学教授(政治学)を迎え、野党連合政権の展望や世界と日本の問題など、縦横に語り合いました。
☆ 志位 明けましておめでとうございます。
☆ 中野 明けましておめでとうございます。
去年を振り返って一番思うのは、夏の参院選で改憲勢力の議席を、改憲発議に必要な3分の2割れに追い込み、それを踏まえて安倍政権が完全に迷走で終わる臨時国会となったことです。
もちろん、特筆することとして「桜を見る会」疑惑の「しんぶん赤旗」日曜版のスクープと田村智子参院議員による国会質問を契機に、野党が最終的には一丸となって追及したことがあります。ボクシングでたとえるなら、安倍晋三首相は倒れてロープに手を伸ばしている状況で、もう恥も外聞もなく逃げたというような形で終わったと思うんですね。
野党共闘の局面でも、参院選でのたたかいをへて、共産党が積極的に、れいわ新選組、社民党、立憲民主党、国民民主党とも対話を深めていって、選挙協力から政権構想に向かって大きなビジョンを国民に提示していく形をつくりました。安倍政権そのものはまだ続いていますが、その先への展望というものを示して1年を終えたと思います。
☆ 志位 そうですね。
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☆ 中野 後ろ向きで文明を壊していくような安倍政治に決別して、少しずつ前に向かっていく、それを市民と野党が一緒になってつくっていく「覚醒の年」にしたい。私たち市民連合にしても、野党にしてみても、共闘の枠組みの中からさらにポジティブ(積極的)に希望を提示していけるような局面をこれから意識していく必要があるのではないかと思っています。
☆ 志位 1年を振り返ってみまして、野党共闘が質的に大きく前進した年だったと思います。
2016年以来の参院選、17年の総選挙、そして去年の参院選と3回の国政選挙を野党共闘で取り組んできたんですけれど、去年の参院選は32の1人区すべてでの野党統一候補の実現とともに、3選挙区5県(徳島・高知、鳥取・島根、福井)で共産党候補で一本化し、お互いに支援しあう、相互乗り入れの協力へ初めて本格的に踏み出した選挙になりました。
そのあと、埼玉、岩手の県知事選挙で勝ち、高知県知事選では共産党県委員の松本顕治さんを「オール野党」で推していただいて大善戦しました。55人もの国会議員(元職を含む)のみなさんが応援にきていただき、各党党首のみなさんもそろって入っていただくという形で、共闘の質的な発展があったと思っています。そういう力が国会にも及んで、「桜を見る会」の疑惑追及をはじめ安倍政権をぎりぎりまで追い詰めつつあるというところまできた。「桜を見る会」の疑惑追及は、「しんぶん赤旗」のスクープ、田村智子さんの国会質問から始まっていったのですけれども、あそこまで大問題にできたのは、野党共闘の力です。
☆ 中野 そうですよね。
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☆ 志位 野党で「追及チーム」をつくり、それを「追及本部」に格上げして、みんなで協力していった力が、安倍政権を断崖絶壁のところまで追い詰めている。ですから、中野さんが言われたように、“反文明的な政権”をいよいよ終わらせるときがやってきたと思いますし、野党共闘も、国民のみなさんからみて、ポジティブで、「それはいいね」と魅力が伝わるような中身をつくっていければと各党のみなさんとも話し合いを重ねてきました。ぜひ今年は、共闘の力で安倍政権を倒して、政権を代えて、新しい政治をつくる年にしたいと思いますし、そのなかで日本共産党自身も伸びていかなくてはと決意しているところです。
☆志位さん 「ウソのない政治」へ頑張りどころ
☆中野さん 有権者が希望持てる政権選択肢を安倍政権をどうやって倒すか
※しい・かずお:1954年、千葉県生まれ。東京大学工学部物理工学科卒業。1990年から2000年まで日本共産党書記局長。2000年から幹部会委員長。衆院議員9期。
☆ 中野 安倍政権をどうみるかですが、権力や富を集中させた人たちが、わが物顔に立憲主義や民主主義のタガを外してふるまっているという状況が展開していると思うんです。人類史には、さまざまな悪政がありました。しかし今の状況は、その悪政の名前をつけようがないくらいひどいものになっているのが特徴だと思います。
安倍首相、トランプ米大統領の政治は、「アベイズム」「トランピズム」と無理して言えなくもないのですが、中身がない。新自由主義経済を推進したイギリスのサッチャー首相の政治は「サッチャリズム」として、サッチャー首相は何をやろうとしていたのかという一定の方向性があった。ところが安倍首相にあるのは単に、「支配したい」「屈服させたい」というものです。
では、支配させ屈服させて何がしたいのか、彼らなりのポジティブなビジョンがとくにない。空疎な文明破壊が行われていっているだけです。改憲右翼団体の「日本会議」メンバーが内閣の多数を占め、歴史修正主義という極右的要素はありますが、ひたすらそれにまい進するほどの一貫性があるわけでもない。たとえば、ナショナリストであればやらないような外国人労働者の受け入れを、使い捨ての形で拡大していく。結局、何でもあり。とにかく力で押さえつけたい、支配したいというようなところがある。
ただ、同時にその中身のなさ、あまりに筋が通っていないということが、たたかいにくさにつながっているところもあると思います。「桜を見る会」もそうですが、怒っているんだけれども、人によってはその中身がばかばかしすぎて国会前の抗議に行くのがしんどいと。為政者に向かって「ウソをつくな」と叫ばなければならないほどレベルが下がっているのか、というつらさです。もうどうでもよくなっちゃうという、独特の“ゆがみ方”ですね。
☆ 志位 いま中野さんが話された点で思ったのは、安倍首相にしてもトランプ大統領にしても、共通しているのは、真実、ファクト(事実)に対する誠実さがないということですね。簡単にいえば、ウソを平気でつく。そして、そのウソにまわりがつじつまを合わせて、ウソの合唱になっている。これはほんとうに究極の政治の堕落です。
それに対して、国民の側も、たしかに怒るよりあきれるという感じもあると思うんだけれども、やっぱり民主主義の国として、政治のトップリーダーがウソをついて平気だということを許しておいたら、もう土台から腐っていきますよね。ここはやっぱり頑張りどころだと私は思うんですよ。
相手は“ウソをつき続けても、最後は慣れてくれるだろう。最後はあきらめるだろう”とタカをくくっている。そういう慣れとあきらめの中で国民の支配を続けようというのが腹ですから、慣れてもいけないし、あきらめてもいけない。とことんウソのない政治をつくらなければいけない。今度の「桜を見る会」疑惑は、もうウソがいよいよ通らなくなった問題だと思う。
「モリカケ」(森友・加計問題)と構図は非常に似ているんですけども、違いもあります。「モリカケ」の場合は、関係者は少数じゃないですか。ところが「桜を見る会」は何千人もいる。隠し通せるものではありません。それから、実害を受けた被害者が「ジャパンライフ」の関係者だけでも7000人もいる。
老後のなけなしの貯金をすべて持っていかれて、路頭に迷っている方が何千人といるわけです。安倍首相に直結する政治資金規正法とか公職選挙法とかもろもろの法律違反の疑いもある。これだけ積み重なっている。だから、今度ばかりは年貢の納め時だと。
☆ 中野 そうですね。
☆ 志位 私たちは、通常国会の冒頭から野党共闘で徹底的に追い詰めて、安倍首相を辞めさせるという決意で臨もうと話し合っています。いいかげん「ウソの政治」はもう終わりにしましょう。
☆ 中野 自民党はこの間の国政選挙で得票率をとくに伸ばしているわけではありません。だから安倍さんの手法は、野党を分断して多くの人に棄権してもらう、うんざりしてもらえれば、自分たちの持っている固定票だけで、とにかく小選挙区、地方の1人区などで議席を維持することができるというものです。意図的に私たちにあきらめさせ、もう政治なんかどうでもいいだろうと思わせてきている。
その点で問題だと思うのは、参院選が終わっての安倍首相のウソです。改憲勢力が3分の2を割り、さらに自民党は参院で単独過半数を割った。公明党の協力がなければ法律一本通せないのに、安倍首相は選挙直後の記者会見で、「改憲論議を前に進めてほしいという民意が示された」とまったくのウソをいうわけですよね。
☆ 志位 それはまったくウソですね。一事が万事、すべてウソをいっている。 安倍政権が「選挙に勝っている、勝っている」というのだけれども、対有権者比でみると、安倍政権になってからの国政選挙の比例代表で一度も2割をとったことがない。
すべて1割台です。「勝っている」といっても、要するに投票率が低いもとで、小選挙区制という選挙制度のゆがみで何とか「虚構の多数」をつくりだしているだけです。
もう一つは、この選挙制度によって、自民党執行部が、金と公認権を握り、党内を独裁的に支配して、異論を封じ込めてきた。安倍政権は「1強」と言われるけど、「1強」でも何でもない。いま棄権している方々も含めて、「おかしいぞ」という声を上げれば、一挙にひっくり返る、もろいものなのです。
☆ 中野 「桜を見る会」では、公然と公金を使って自分の選挙区の人たちを招待してもてなすという“買収行為”をしている。
志位さんがおっしゃった選挙制度のゆがみにくわえて、安倍政権はこんな私物化までやっているのか。これ以上分かりやすい話はありません。それで捕まらず、うやむやにされてしまうのは、どうみてもおかしい。
選挙区の有権者に対する買収行為では公職選挙法違反などが指摘された大臣らが少なくとも辞めているわけですから、本来であれば安倍さんは議員辞職、最低限でも内閣総辞職ですし、捜査の手が入ってもおかしくありません。今年の冒頭、安倍さんが「この先は進めない」と感じるようなスタートをつくっていくのが非常に重要だと思います。
☆ 志位 「桜を見る会」疑惑の追及は徹底的にやるつもりです。真実をあばき、首相を辞めさせるまでやり抜きます。
◆内政と外交の行き詰まり
☆ 志位 内政や外交の本体の部分でも、安倍政権の行き詰まりは、「ゆきつくところまできた」という感がありますね。
たとえば経済問題を考えても、消費税10%増税に対して、「こんな不景気の時にやるのは自殺行為だ」と強く反対したんだけれども、私たちが警告した通りの事態になっています。増税後の経済指標をみますと、家計消費も、景気動向指数も、日銀短観も、すべてがひどい落ち込みです。2014年4月に8%に上げた直後よりもっと悪い。新たな大不況が始まっているという状況です。
ところが、またぞろ26兆円規模の経済対策だといって、13兆円も財政支出を行うという。13兆円ものお金があるのだったら、私たちは「緊急に消費税の5%への減税を」と言っていますが、消費税を下げるべきですよ。安倍政権の経済運営はでたらめの極み、行き詰まっています。
外交はどうか。安倍政権は三つの覇権主義への「ペコペコ外交」をやっている、と私は言っているんです。
☆ 中野 「ペコペコ外交」ですか。
☆ 志位 ええ。まず米トランプ大統領には、言われるまま武器を「爆買い」して、言われるままに農産物の市場開放をやって、「思いやり予算」の途方もない増額を求められても反論の一つも言わない。異常な対米屈従外交です。
ロシアのプーチン大統領に対してはどうか。領土問題で、「2島で決着」と、これまでの日本政府の方針からいっても説明のつかない譲歩をし、それもプーチン大統領から拒否され、まったく展望のないところにきて、まさに国益を損なった。対中国外交も、今春の習近平国家主席の国賓訪日ありきで、尖閣諸島の問題や香港の問題などいろいろな中国の問題点があるのに、言うべきことを言わない卑屈な外交姿勢に終始しています。
対米、対ロ、対中の3方面の覇権主義にペコペコしている。それで韓国に対しては居丈高にしている。これは最悪だと思いますね。自主的外交に根本的に切り替えないといけないと思いますね。
☆ 中野 私もまったく同じ評価です。先ほど申し上げたような、「中身のない支配」というものが、まさに、そこにあらわれている。要は、強いところには服従するが、国内では自分が一番強いということで、自分より弱いと思ったら、とにかく屈服させようとする。そういうことでしか世の中が見えていないと思うんです。
☆ 志位 ええ。それは安倍政権の外交姿勢によくあらわれていますよね。
☆ 中野 覇権国に関してはペコペコするが、韓国には「生意気だ」とむやみに高圧的な態度をとる。こうした外交姿勢にはまったく中身がないし、方向性がない。外交の貧困どころか失敗、破綻という状況で、本当に深刻だと思うのです。
―この続きは次回投稿しますー
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