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「老後2000万円必要」への野党の 見解・詳報は ?(上)
T 「5分で読める報告書を担当の麻生大臣が
読んでいなかったのに驚いた」蓮舫副代表
(cdp-japan.jp:立憲民主党:2019年6月10日より抜粋・転載)
蓮舫副代表は、6月10日、参院決算委員会の質疑後に記者団の取材に応じました。記者からの主な質問とその回答(要旨)は以下のとおりです。
Q:質疑を終えての感想は
蓮舫副代表:予算委員会を長く開きたくないという理由がよく分かりました。都合の悪いことは追及されたくない。それには全然違うことを長々と返す。自分の都合が悪くなると、他の人に答弁を振る。振られた人は何を言っているのか分からない。つまり、問題にまったく向き合っていないという安倍総理・内閣の姿勢がよく分かりました。
Q:2000万円の問題を取り上げてましたが、答弁で気になった点、今後追求していきたい点は
蓮舫: 一番驚いたのは…5分で読める報告書を担当の麻生大臣が読んでいなかったのに驚きました。
しかも都合よく解釈して「25万円あれば豊かな生活ができるが5万円足りない。そこを赤字と言ったのが不適切」と言っていたのですが、この報告書のどこにも「25万円が豊かな生活の額」だと書いてありません。「5万円が収支で足りないから、足らざる部分を補うために2000万円を貯金しろ」という報告書なので、読んでいない人が滅茶苦茶なことを言っている。びっくりしました。
Q:予算委員会の開催に向けて今後どのように行動をしていくか
蓮舫: 今日で、衆院で自民党による予算委員会の審議拒否は100日を超えました。参院では59日です。規則違反です。あまりにもひどい。
しかも年金の財政検証も、本来もう出しておかなければならないものが、トランプさんとの密約と同じように「選挙後」という姿勢も今わかりました。予算委員会を開きたくない理由というのが、むしろ理解できてしまいますが、立法府としては、国民の思いを代弁してしっかり審議すべきなので、引き続き強く要請します。
Q:委員長が「速記を止めてください」という発言以降も答弁を続けている場面がありました。総理が声を荒げて答弁していましたが、その姿勢について
蓮舫: 内閣総理大臣として器が小さい、小さすぎると思いました。
Q:「消えた年金問題」など様々な経緯があったなかで、年金問題に対する総理の姿勢は
蓮舫: 5000万件の記録が出た時、私たちはもちろん批判もしたけれども協力するという話をした、その時、総理は「最後の1人まで」とおっしゃっていました。でも結果として、2000万件がまだ明らかになっていない。
710万件の記録は、もう亡くなっている方。不足、あるいは無年金で亡くなった方たちの思いに、総理はたった一言「申し訳なかった」と。この人は、年金だけで暮らす人の思いに寄り添う人じゃないんだなというのが、すごく残念です。
Q:年金問題は国民の関心が高いですが、選挙でどのように争点になるか
蓮舫: 選挙はもちろんですが、普段のこうした国会審議でも年金というのはしっかり議論をしなければならないと思っています。
ところがその材料となる財政検証がいつまでたっても出されない。今日も総理に出してくれと指示をお願いしましたが、答弁もしませんでした。当然これは、選挙で扱って欲しくないという姿勢のあらわれだと思いますので、選挙の大きな争点になると思います。
Q:久しぶりに焦って大声を上げる安倍総理を見たような気がしますが
蓮舫: あまりにも国会に来ていなくて、芸人とお会いになったり、芸能人とご飯を食べたりとか、ゴルフをしていたので、国会の緊張感を忘れていたのではないですか。
Q:第2次安倍政権下で年金資産の運用益44兆円といった話がありましたが
蓮舫: 確かに単年度の損や利益で考えられるものではないのですが、ただ直近で1年で15兆の含み損が出ていますから、安定的な運用でないことは事実ですよね。国民の年金だからこそ、不安を取り除くために安定運用なんだという説明を歴代自民党政権もしてきましたが、安倍さんはまさにカジノ・博打のように株に投資をする。
そして当然株価が上がる。問題は出口。国民から株式投資をやめてくれという声が多くなった時、出口をどのようにするのか。株価は当然暴落します。そういう部分ではずいぶん、国民の年金保険料を自分の政権運営維持のために使っておられるのではないか。これは絶対に許してはいけないと思います。
Q:答弁の中で、報告書について総理が不正確で誤解を与えるものだと弁明していましたが
蓮舫: 報告書は極めて明快です。高齢世帯の収入も支出もこの数年どんどん低下をしている。これから年金給付はマクロ経済スライドで調整されて下がっていく。
保険料や税負担は上がっていく。今でも平均的な夫婦2人の世帯では、5万円足りないから、これから20年30年生きるには、1300万、2000万必要だという、極めて明快な報告書なのに、書きぶりが赤字だったから不適切だという説明はびっくりしました。
読んでない、そこに尽きるのだと思います。読んだら明快なのは今でも5万円足りない。もっと言ったら、国民年金だけで暮らしているお二人は政府試算の19万よりはるかにすくない11万円ですから、その方たちの足りない不足額、いわゆる赤字額はもっと広がります。
どうしてそういう、生活が苦しい、そしてこれから年金をもらう年齢までに達していく若い子たち、非正規で頑張っている人たちに、お金を貯めろと上から目線でいうことができるのか、私たち立憲民主党の考え方とは立ち位置がまったく逆だということが、明らかになりました。
Q:2000万問題についてフォーカスして答弁されたねらいは
蓮舫: 33分という短い時間だったので、いわゆる農産品の密約問題もありますし、日朝外交、日韓外交もありますし、あるいは経済、消費増税の話、いろいろありますが、やはり国民が今最も関心を持っているのは、100年安心、裏切られたという思いですから、ここについてちゃんとした答弁がいただけたら。
他にも質問を用意していましたが、そこには至りませんでした。答弁があまりにも粗すぎました。
Q:総理答弁の中で、民主党政権との比較というのをあえて強調されていましたが
蓮舫: 古い思い出にいつまでも浸っていてくださいという感じです。
Q:総理がマクロ経済スライドで説明していたのは、将来の経済状況にあわせて給付を変えていくので、破綻はしない、持続・続いていくものだということだったと思いますが、一方で100年安心と国民が思っていたのは年金を中心に生活が成り立つという意識、この乖離だと思うのですが
蓮舫: 答弁と使い分けておられた。マクロ経済スライドが効くということは年金給付額は下がるということです。これは少子化高齢化による理由はあるのですが、そこを聞いたら100年安心の財政設計の話をする。
財政設計100年の話ではなくて、経済スライドで下がるという前提で金融庁が足らざる部分を自分で貯めろとしたことを聞いているのに、巧妙にすり替えて自分たちの政権ではうまくいっているかのような答弁をするのは、国民に対して不誠実だと思います。
Q:衆参同日選を見送った上で、予定通り消費増税をするというような見方も強くなっていますが
蓮舫: 解散権は総理にしかありませんから分かりませんが、ある意味、言い方によっては解散権は枝野代表が持っているかもしれませんので、そこは当然見極めていきたいと思います。
Q:報道で会期延長しないというのが出ていますが、自民党としては支持率好調で参院選単独で十分で、解散を見送ったという見方も一部で出ていますが
蓮舫: 先週末までは延期する方針と報じられていました。たぶんこの週末、自民党の議員は地元に帰って2000万問題で相当言われて真っ青になったのではないでしょうか。
だから週が明けていきなり延長がなくっている、解散もなくなっているという憶測になっていると思います。いずれにせよこの年金問題は衆院でも参院でも私たちも問わせていただきたい問題ですので、枝野代表ともよく話をしたいと思います。
U 「都合の悪い報告書なかったことにするなど
言語道断」年金不足問題で原口国対委員長
(www.dpfp.or.jp:国民民主党:2019年6月13日より抜粋・転載)
原口一博国対委員長と日吉雄太委員長代行:
原口一博国会対策委員長は、6月13日、定例記者会見を国会内で開いた。同日朝に開かれた年金問題に関する野党合同ヒアリングでは、野党が求めた資料提出について政府側から満足のいく提供がほとんどなかったと報告。
安倍内閣に対する不信任決議案の提出については「その前段としてまず予算委を開くべき」、麻生太郎金融担当相に対する不信任決議案の提出については「他党や党内メンバーらとよく協議した上で決めたい」と述べた。
野党合同ヒアリングについては、麻生太郎金融担当相が年金不足問題の審議会報告書を「これまでの政府の政策スタンスと異なるので受け取らない」と表明したことに関連し、「これまでの政府のスタンスと、このワーキンググループ報告書のどこがどう違うのかといったことを尋ねたが、まともな答えは返ってこなかった」と述べた。
また、野党側が求めていた「金融審報告書における『モデル世帯』(40年間厚生年金に加入した元サラリーマンの夫と、40年間専業主婦の妻の世帯)に当たる人がどのくらいの割合いるのか」といった点についても、厚生労働省側からの資料提供がなかったと述べた。
さらに5年に1度の年金財政の検証の公表についても、公的年金の運用損の公表を遅らせていた3年前の参院選時と状況が酷似している、と指摘。結局、野党が回答を求めたほとんどの項目について、事実上のゼロ回答であったことを報告した。
こうした点も踏まえて原口委員長は、「安倍内閣になってから年金が約6%カットされた。マクロ経済スライド、それからキャリーオーバー導入ということでさらに年金がカットされている。これに加えて、自民党あるいは未来投資会議の提言を受けて在職老齢年金の廃止・縮小も今、計算をしている。
どこまで国民の安心の年金を削って、国民の不安を煽ればよいと考えているのか」と、政府のこれまでの年金政策を批判した。
内閣不信任決議案提出の可能性について記者団に問われると、「今、それに触れることはまだ時期尚早。まず予算委員会を開いて論点整理をする必要がある」との認識を示した。
また麻生大臣に対する不信任決議案提出の可能性については、「どこかでけじめをつけてもらわなければいけない」との考えを示したものの、その具体的な形については、「各党間や党内でよく協議・議論をした上で決めていきたい」と述べるにとどめた。
日吉雄太国対委員長代行は、イージス・アショアの配備についての秋田県の現地視察を野党間で調整している旨を報告した。
V 衆院委:年金不安、真剣議論を宮本議員、「2000万」否定論を批判
(www.jcp.or.jp:共産党:2019年6月15日より抜粋・転載)
日本共産党の宮本徹議員は、6月14日の衆院財務金融委員会で、公的年金削減で老後に2000万円の蓄えが必要とした金融庁の審議会報告書を麻生太郎金融相が「政府の政策スタンスと異なる」と受け取り拒否したことを批判。
「国民の批判が広がったら、あわててごまかすのではなく、年金の現状を国民に説明し、どういう年金制度なら国民の生活の安心がつくれるか真剣に議論すべきだ」と主張しました。
宮本氏は、米軍への思いやり予算の縮減や防衛費の後年度負担の抑制を求める財政制度等審議会の報告書は政府の政策とは違うのに受け取っているとして「金融庁の報告書だけ受け取らないというのは、ご都合主義だ」と批判。
しかも、報告書をまとめたワーキンググループの出発点は2018年6月に閣議決定された「未来投資戦略2018」だとして「政府の政策スタンスと違うどころか、政府の考え方を正直に書いているだけだ」と指摘しました。
麻生氏は「(報告書が)大きな不安を広げている点が問題」などと答えました。宮本氏は、年金が減り続けるとの報告書の指摘は事実だとして「貧困な年金制度をそのままにして、自助努力にまかせようとしているから不安と怒りが広がるのではないのか」とただしました。
しかし、麻生氏は「年金は負担と給付のバランスを取れるようにした」というだけ。宮本氏は「このままでは基礎年金は3割減る。これでどうやって生活できるのか。国民の不安や怒りを真剣に受け止めるべきだ」と訴えました。
―この続きは次回投稿します―
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