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欧米で、2016年6月以降、「反グローバリズム」の旋風は、大きく吹き始めた !
安倍自公政治は、米国・巨大資本に従属の政治だ !
(「植草一秀の『知られざる真実』」:2018/05/30より抜粋・転載)
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1)〜5)は前回投稿済みです。以下はその続きです。
6)マスコミ報道とは違って、「五つ星運動」が、
単独政党としては、第一党に躍り出た !
ところが、選挙の結果、この「五つ星運動」が、単独政党としては、第一党に躍り出たのである。
イタリア政治情勢を踏まえれば、十分にその可能性が存在したが、メディアは、意図的に五つ星運動の躍進を、阻止するための情報誘導を行ってきたのだと、思われる。
日本のメディアも、五つ星運動を報じる際には、常にポピュリズム=大衆迎合主義という、枕詞(まくらことば)を用いてきた。
しかしながら、イタリア総選挙で、第一党に躍進した際にも、日本のメディアの、紙面上での取り扱いは、最小にとどめられてきた経緯がある。
7)日本マスコミも五つ星運動を軽視し、
中道右派を大きく報道した !
ベルルスコーニ氏が率いる、中道右派のフォルツァ・イタリアは、獲得議席数でも、同じ中道右派の「同盟」に及ばなかったにもかかわらず、日本のマスメディアは、グループとして、中道右派が多数議席を獲得したことをもって、ベルルスコーニ氏が、勝利したかのような報道を、展開した。
「五つ星運動」が、なぜマスメディアによって、敵対視されているのかに、問題の本質が隠れている。
五つ星運動と同盟による、連立政権が樹立される寸前で、マッタレッラ大統領が、新政権の発足を妨害した。そのために、金融市場も動揺しているのである。
8)欧米で、2016年6月以降、「反グローバリズム」の
旋風は、大きく吹き始めた !
2016年6月に、一気に表面化した、「反グローバリズム」の旋風は、大きく吹き始めたばかりである。
米国大統領選にも、この「反グローバリズム」旋風は、重大な影響を与えた。
欧州で、この風が強まるのは、むしろこれからであると、考えられる。
政治情勢の変化、そして、金融市場の変動に対する、深い洞察が必要になる局面が、到来している。
グローバリズムとは、国境を超えて、活動を続ける巨大資本が、その利益を極大化させるために、市場原理のみによって、経済社会を動かすことを、目指す運動のことである。
9)グローバリズムとは、労働コストを最小化
させるための運動といえる !
資本が、利益を極大化させるための最大の方策は、労働に対する分配を、圧縮することである。
グローバリズムとは、労働コストを最小化させるための運動と、言い換えてもよいだろう。
*補足説明:グローバリズムとは ?(知恵蔵の解説)
多国籍企業の地球大の戦略。資本調達、人員の雇用、生産、マーケティングなどを、一国経済を超えて、世界的規模で展開すること。英国では、2016年6月の国民投票で、EU離脱の主張が勝利した。
グローバリズムの進展で、外国人が、大量に英国に流入し、英国人の雇用を奪うとともに、英国人の賃金を引き下げる、大きな要因になった。グローバリズムの運動に対して、発生しやすい運動のひとつが、ナショナリズムであり、外国人の流入に対する反発が、英国でも拡大した。
10)「反グローバリズム」として、
ナショナリズムが増大していく !
グローバリズムに対する反応として、ナショナリズム=対外的な排斥運動が、生じるのが常であり、グローバリズムか、それともナショナリズムか、という二項対立の図式が、すぐに提示される。
しかし、そうではない、第三の道がある。地域主義、ローカリズムという道である。
「幸せの経済学」の作者である、ヘレナ・ノーバーグ・ホッジさんは、グローバリズムがもたらす害悪を鋭く指摘して、新しいライフスタイルを提案するとともに、ローカリズムの主張を展開している。
そして、このホッジさんの主張とイタリアにおける、新しい政治運動である、五つ星運動とが、密接に関わっているのである。―この続きは次回投稿します―
(参考資料)
アベノミクス・TPPの正体は、大資本の利益増大を狙っている事だ !
(「植草一秀の『知られざる真実』」:2018/04/13より抜粋・転載)
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◆政治が、国民の生活を直撃するから、
政治が重要であるのだ !
小沢一郎氏は、「国民の生活が第一」というスローガンを掲げ、多くの主権者がこの考え方に共鳴した。現在の安倍政権は「アベノミクス」という言葉を掲げて経済政策を実行しているが、その政策によって「国民の生活が台無し」という結果がもたらされている。4月19日の学習会では、アベノミクスの本質とは何であるのかを明らかにし、その上で、アベノミクスに代わる新しい、主権者のための、経済政策の体系を、提案する予定である。
◆アベノミクス・TPPの正体は、
大資本の利益増大を狙っている事だ !
アベノミクスは、金融緩和、財政出動、成長戦略の三つを柱にしているとされるが、内容を吟味すると、その骨格に位置づけられるのは「成長戦略」である。この「成長戦略」と表裏一体を為すものとして「TPP」を挙げることができる。
安倍自民党は、2012年総選挙に際して、「TPP断固反対」のポスターを、貼り巡らせて、選挙を戦っておきながら、3ヵ月もたたないうちに、TPP交渉への参加を決め、その後は、TPP推進の先頭に立った。
そして、日本国民の利益を損なう方向に、TPPを誘導し、米国に先駆けて、国会でこの条約を承認した。幸い、米国が、TPPから離脱したから、これでTPPは、消滅するはずであったが、国会での答弁を覆して、安倍政権は、TPPの見直しに突き進み、米国抜きのTPP合意に突進した。
◆安倍政権が推進する、TPPは、日本を破壊
し尽くすことになると懸念される !
このTPPが、日本を破壊し尽くすことになると懸念されるが、この問題を、反対運動の先頭を走り続けてこられた山田正彦元農林水産大臣が解説する。
米、麦、大豆の主要農作物の生産を支えてきた種子の公共管理を廃絶する種子法廃止も強行された。
これがもたらす恐るべき影響についても山田元農水相が解説する。ぜひ学習会に参加賜りたく思う。
本ブログ、メルマガでアベノミクスの問題点を指摘してきた。
金融緩和=インフレ誘導の問題点を明らかにしてきた。
◆「財政出動」が、2014年に放棄され、庶民の生活
を踏みにじる消費税大増税が強行された !
財政政策については、当初の「財政出動」が、2014年に放棄され、庶民の生活を踏みにじる消費税大増税が強行された事実を指摘した。そして、アベノミクスの核心が「成長戦略」にあることを指摘してきた。
その成長戦略の中身について、詳しく考えてみよう。
「成長戦略」の言葉の響きは良いかも知れないが、「誰の」「どのような」成長を追求するものであるのかが重要である。
◆安倍政権の「成長戦略」の正体とは、
「大資本の利益の成長」なのだ !
安倍政権が提示する「成長戦略」とは、「大資本の利益の成長」なのである。
そして、「大資本の利益の成長」が同時に、「一般労働者の利益の圧縮」を意味していることが重要なのだ。安倍政権は「トリクルダウン」の言葉を用いて、大資本の利益拡大が、やがて一般労働者の所得拡大につながると説明してきたが、そのような現実は生まれていない。
大資本利益だけが拡大し続けていて、一般労働者の実質賃金は減少し続けているのが現実なのだ。
成長戦略の柱となっているのは、
農業自由化、医療自由化、労働規制撤廃、法人税減税、特区創設の五つである。
◆成長戦略の五つの柱は、すべてが、
大資本の利益増大政策だ !
これらのすべてが、大資本の利益増大政策であって、一般労働者にとっては害しか与えぬものである。
安倍政権は農家の農業を廃絶して、日本農業を大資本による農業だけで占有させようとしている。
しかし、その結果、私たちの暮らしは破壊されることになる。
食の安全は崩壊し、地産地消も崩壊する。
同時に農業を支えてきた農家が消滅し、地域の共同体文化も消滅することになる。
食料自給率はさらに低下し、主食でさえ、自給できない状況に、追い込まれることは、明白である。
◆安倍政権は、共同体が、消滅することの
重大性も、完全に無視している !
◆TPP推進によって、医療難民が、
大量に発生することになる !
医療の分野に、貧富の格差が持ち込まれ、米国のように、医療難民が、大量に発生することになる。
日本の主権者が、このような日本社会を望み、それを選択するのであれば、それは日本の主権者の選択ということになるが、現状は違う。日本の主権者が望んでいない方向に、日本社会の改変が強制されているのである。
もっとも深刻な影響が広範に広がると考えられるのが労働規制の撤廃である。
資本の利益を拡大させる究極の方法は単純明快である。
◆安倍政治は、労働の取り分を最小化して、
資本の取り分を最大化する事を狙っている !
◆安倍政権の「働き方改革」の正体は、
「働かせ方改悪」である !
「働き方改革」などという言葉に騙されてはならない。
その内容の実態は「働かせ方改悪」である。
過労死をもたらすような長時間残業を合法化すること。
正規労働者の処遇を切り下げて非正規労働者との格差を縮小させること。
残業代を払わない「定額残業させ放題」労働制度を広げること。
さらに、外国人労働者を大量導入して、国内賃金に下方圧力を与えること。
少額の金銭補償でいつでも簡単に解雇できる制度を構築すること。
行き着く到達点は、労働所得の最小化である。
◆「働き方改革」の正体は、資本の利益の極大化を狙っている !
◆過去27年超、大企業と超富裕層の税負担を軽減
し、国民に、税負担を転嫁してきた !
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