http://www.asyura2.com/10/hasan70/msg/607.html
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(回答先: 10人に1人が仕事がない? 『社内失業』著者が語る 投稿者 tea 日時 2011 年 1 月 12 日 07:22:21)
高失業に関しては、大企業志向で、自業自得ということらしいが
中小企業も含めて有効求人倍率は低下しているし
社会保障負担の不平等性は無視できないのではないか
http://d.hatena.ne.jp/shanaineet/20100918/p1
「身元の分かる被害者効果」と「若者カワイソウ論」
雑記 | [コメントビューワーで表示] [はてなブックマークに追加] | Twitter
WIRED VISIONで面白い記事が。人間は、統計的なデータよりも、個人のストーリーに心を動かす傾向があるそうです。「身元の分かる被害者効果」というんだそうな。
われわれは、ひとりの子供が井戸に落ちたら心配で目を離せないが、清浄な水が無いことで毎年何百万人もの人が死ぬことには関心を持たない。雑誌の表紙に載ったひとりの戦争孤児には何千ドルもの寄付が行くが、ルワンダやダルフールで大虐殺が起こっていても無視される。マザーテレサの言うように、「数として見た時には行動しない。ひとつの例を見た時には行動する」のだ。
http://wiredvision.jp/news/201009/2010091722.html
感情移入しちゃうんでしょうね。さらに興味深いことに、
分析的な処理傾向の低い人では、被害者が特定の個人と分かる場合に寄付した金額が、複数の被害者の統計データ、またはその両方を提示された場合の金額を上回った。これに対し、分析的な処理傾向の高い人では、寄付金の額に差がなかった。
分析的な処理能力が低い人、つまり深読みすれば、普段何かを分析したりしない”普通の人”というのは、「身元の分かる被害者効果」の影響を受けやすい、という傾向があるのだそう。
この記事を読んで、思い出したのは、海老原嗣生さんの本のことです。
(※ちなみに海老原嗣生さん、っていうのは、エンゼルバンクという漫画の主人公のモデルになった、カリスマ人材コンサルタントみたいなひとで、世の中に出回ってる「若者は、中高年から搾取されててカワイソウ」という論調に、真っ向から異議を唱えてる人です。著書を読んでるとデータ分析力の高さがハンパないんですよ。
雇用の常識「本当に見えるウソ」
雇用の常識「本当に見えるウソ」
* 作者: 海老原嗣生
* 出版社/メーカー: プレジデント社
* 発売日: 2009/05/18
* メディア: 単行本(ソフトカバー)
* 購入: 18人 クリック: 231回
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学歴の耐えられない軽さ やばくないか、その大学、その会社、その常識
学歴の耐えられない軽さ やばくないか、その大学、その会社、その常識
* 作者: 海老原嗣生
* 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
* 発売日: 2009/12/18
* メディア: 単行本
こんな本を書いてる人です)
彼の本って、読んでるとすごい納得させられるんです。データが豊富だし。「データ上は○○ということがはっきりしており、今の若者が特に可哀想ということはない!」という論旨にすごい説得力もある。色んな「若者カワイソウ論」をガンガン論破してる。僕も大ファンです。サインほしい。
だけど、彼の得意技は、あくまでデータ分析なんですよね。
一方で、いわゆる「若者カワイソウ論」っていうのは、豊富な実例によって示されることが多いわけです。新卒なのに仕事が決まらなくてハローワークに通う若者。ネットカフェで寝泊まりする日雇い派遣の若者。過酷な残業を強いられてるのに、昔のように給料が上がらない若者。仕事を与えられずに社内失業する若者。いくらでもインタビュー対象がいるわけですよね。いわゆる「身元の分かる被害者」を沢山連れてこれるんですね。
現代の若者はカワイソウなのか、それともそんなにカワイソウでもないのか。どちらが正しいのか、正直僕にはわかりません。
だけど、海老沢氏自身も
「若者はかわいそう」論のウソ (扶桑社新書)
* 作者: 海老原嗣生
* 出版社/メーカー: 扶桑社
* 発売日: 2010/06/01
* メディア: 新書
の中で、
「日本の長期雇用慣行が崩れている」「最近、若者は3年で辞めるようになった」「成果主義の浸透で職場が殺伐となった」……。数字でこれら風説を論駁してきたが、一向にその成果は上がらず、毎日マスコミは誤った風説を流し続ける。
って書いてる。
データ分析を中心に展開される海老沢さんの主張は、やっぱりなかなか普通の人にまでは届きにくいんじゃないでしょうか。だから、彼の主張は、分析力の高い玄人受けを抜け出せないまま、雇用問題の主流には、なかなかなりにくいんじゃないか、と思ってます。
http://mercamun.exblog.jp/13479132/
貧困社会論、若者はかわいそう論は、ニセ社会問題
浜井浩一や安原女史などの治安悪化神話批判論者たちは、統計上は犯罪が減少していることを根拠に、世間にはびこる治安悪化論をマスコミや評論家等がつくりあげた虚像として断罪してきた。そして、多くのブロガーたちは、世間の常識を覆す治安悪化神話批判論者の言説に追従した。
同じように、統計的事実を根拠に、世間にはびこる貧困社会論及び雇用不安社会論をマスコミや学者がつくりあげてきた虚像として批判する理論が登場した!!
それが、人事コンサルタントの海老原嗣生氏による「若者はかわいそう論」のウソ データで暴く「雇用不安」の正体、という書である。
端的に言うと、同書は、貧困社会論批判、雇用不安社会論批判の書である。また、加えていうと、俗流若者論批判批判の書でもある。
同書では、統計的根拠に基づき、若者の焦点を絞り、貧困社会論にまつわる通説をことごとく否定する。
若者の就職難はウソである。大企業の求人も減っていないし、中小企業の求人は非常に多いという。からくりは、大学進学率の増加によって大学生の数=母数が増加し、学生たちが中小企業の求人を拒否し、大企業の求人に殺到することにあるという。椅子取りゲームの椅子ではなく、椅子取りゲームの参加人数に原因があり、競争倍率を吟味することなく、殺到する若者たちの就職意識に問題があるわけである。湯浅氏の反貧困論はここで破綻する。これは、大企業への就職競争に殺到する若者たちの自己責任なのである。中小企業を選択すると、椅子取りゲームにはならないのである。椅子取りゲームは社会から強制されているのではなく、プライドの高い若者の自己選択の結果、つまり自己責任である。また、20代の前半の正社員が激減しているというのも、学生アルバイトの増加を考慮しない虚像なのである。職業の選り好みという若者の自己責任要因によって、就職難の体感意識が形成されていると考えられるのである。
貧困社会論、つまり日本が貧困になった、貧困格差が拡大したというのもウソである。OECDの貧困率(平均所得以下の世帯の割合)については、高齢者世帯の増加が考慮されていないわけであり、貧困率をもって貧困格差が広がったと言い辛い。全体世帯の7%弱の非正規社員が増加して貧困率があがったのは、ウソである。つまり、ワーキングプアが増加して日本社会が貧困になったというのは、マスコミがつくったウソである。
市民活動家、マスコミ、ブロガー、政党が貧困社会論や格差社会論を煽り、人々に日本は貧困化しているとの意識を植え付けたのである。その結果、国民の一億総中流意識もなくなってきたのである。これは、もはや貧困論におけるモラルパニックである。日本が貧困化してきているという貧困社会論は世間の常識となったのである。
海老原氏の貧困社会論批判は、広い射程をもつ。一つには、貧困社会論の大御所である反貧困論の虚構を暴いた点があげられる。椅子取りゲームの前提は崩れた。椅子取りゲームになるような雇用情勢は、大企業就職を希望する若者のプライドの高さによる自己選択の結果である。雨宮氏などのワーキングプア論も一部の現象であり、全体の貧困率とはあまり関係がないことが実証された。
もう一つは、社会から若者がバッシングされているという「若者はかわいそう論」や俗流若者論批判も虚像であったことがわかった点である。少なくとも雇用面では排除されているわけではないことになる。排除されるのは、ひきこもり系の対人折衝の苦手な若者たちであり、それ以外の大多数の若者は排除されていない。「若者はかわいそう論」や俗流若者論批判などに共鳴する若者たちは、おそらく自らが不登校やひきこもり体験をもつなど、一部の内向的な若者たちであり、そのイデオロギーに基づくものと考えられる。あたかも全ての種類の若者が社会全体からバッシングされていると虚像をつくりあげる後藤氏の俗流若者論批判には注意しておこう。若者の雇用不安とひきこもり系若者の雇用不安は区別されるべきなのである。
ともあれ、貧困社会論、若者はかわいそう論(俗流若者批判等)などは、同書によってニセ社会問題であることがわかった。高齢化社会問題、学歴社会問題こそが、隠された本当の社会問題だと思う次第である。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4594062164/hatena-hamazou-22/
「若者の3人に1人は貧しい非正規社員」「終身雇用と年功序列は崩壊した」
「派遣は貧困の元凶」「若者の安月給は“搾取”のせい」
「新卒就活で敗れたら、リベンジは一生ムリ」……は、全部ウソ!
本書は、『エンゼルバンク』の“カリスマ転職代理人・海老沢康生”のモデルにもなった海老原嗣生氏が、
得意のデータ分析と実地調査をもとに、そんな「若者はかわいそう」論をバッサリ斬る。
ロスジェネ、就職難の学生、その上司・親世代にとっての必読の書。
<主な内容>
●ベストセラーを論駁する(『ワーキングプア』著者・門倉貴史氏/『仕事のなかの曖昧な不安』著者・玄田有史氏/『若者はなぜ3年で辞めるのか?』著者・城繁幸氏)
●対談:鈴木寛文部科学省副大臣、ノンフィクション作家・稲泉連氏、元「派遣村」村長の湯浅誠氏とのスリリングな対談を収録
●大胆提案:外国人労働者を受け入れる/ノンキャリア正社員を創設/公的派遣が弱者を救う
まず玄田有史、門倉貴史、城繁幸、
ワカモノ労働論を展開している三氏の書籍の反論から始まる。
これは、前書より理解者しやすく説得的だった。
どの分野でもそうだが、
一冊読んで“だいたい分かった”つもりになるのは危険だ。
私自身も含めて一般読者はデータを
出されると検証せずに鵜呑みにしがち。
本書を読むと明らかに間違った箇所があること、
データを曲解していることがよく分かる。
(特に、玄田氏・門倉氏。反論もあるだろう。ぜひ聞きたいもの。
城氏は自身のブログで反論していて、
課長補佐の数を課長の数に入れ込んでいるとデータ曲解を指摘)
さて、著者のメインメッセージはこう↓読み取った。
「若者=ロスジェネ世代は、別にかわいそうじゃない。
不況ってのは、昔だってあったし、
そこで思い通りの就職できなかった学生もたくさんいた。
今は第二新卒市場が形成されていて、リベンジ転職だって出来る」
「就職率が低い低いって言うけど、
ホワイトカラーの求人が減ったんじゃなくて
大学生の数が増えただけ。分母が増加したってこと」
「円安で工場が海外移転して、
ブルーカラーの求人が減ってることが、真の問題」
ん?と感じるところもあるが、分析は的を得ていると思う。
けれど、
社会保障と負担する税金の額とか年金とかの
世代各格差の話をしないで、
若者はかわいそうじゃない!ってのは根拠に欠ける。
雇用論だけでなく、パッケージで論を進めていかないと。
あと分析は緻密だが、
その解決策があらいと思う。
移民受け入れの政策は理解できるが、20年の期限づけとか。
日本で家族を作ったりして社会に解け込んだ移民を
簡単に帰すことなど出来ないと思う。
そこで、さまざまなトラブルがおきるだろう。
というように、「雇用・労働」以外の視点が貧弱なのだ。
マクロ視点、社会学的見地が無いというか。
なので、「若者の雇用・労働」の分析に限るなら読んでいい
「若者はかわいそう」論のウソ(特に雇用不安等のデータ部分)を丁寧に暴いている点は、それはそれで重要な指摘だとは思いますし、ビックネームとの対談も数本収録(湯浅誠さんの無敵ディペートぶりには思わず苦笑)するなどボリュームもたっぷりで値段の割にはお得感も充分なのですが、タイトルから多くの読者が期待するであろう「若者はかわいそうではない」と思える事実はこの本のどこを探しても載っていません。
その上、筆者が問題の本丸という3つの地殻変動(為替レートの変化、大学進学率の上昇、出生率の急低下)を突き詰めて考えると、残念ながら「やっぱり今の時代を生きる若者はかわいそうだ」との結論になってしまうのではないでしょうか。
一連の著作をうまくまとめた本。
読んだことのない方はまず本書からどうか。
著者は一貫して今まで日本の雇用形態の特色である終身雇用・年功序列は現在も大して変わらず維持されかつそれなりに有効であり、能力主義や自律・自立主義はマスコミ等が過剰にあおったものであると主張する。
本書の目的はそういった現実的でない「新しい神話」を打ち砕きこれから就職しキャリアを積み上げていく求職者や労働者に現実的な絵、それもそこそこに満足がいくもの、を見せることである。単純な日本的な雇用制度の支持者ではない。本書でも現状の各種問題に対する提言が展開されている。
データを組み立て、「若年層の雇用者に占める非正規社員の比率が5割に迫る」等の各種俗説や有名なOECDのレポート、「日本の貧困は非正規が主因」を斬るのは読んでいて面白い。
著者独自の指摘もかなり新鮮で考えさせられる。
例えば日本の産業構造の変化によって農業や製造業など対人スキル(対人折衝能力)をあまり問われない業種が縮小しほとんどの仕事が営業、販売、接客業となったため、対人スキルをあまり問われない業種を希望する若者に合う職場がなくなったことが彼らの就職を難しくしたとの指摘は新鮮で考えさせられた。
ただ日本社会で本当に「かわいそうな」若者に対する理解や提案などは弱いと感じた。
著者が取り上げてる事例は主に大卒のキャリアであり、高卒や高校中退、長期フリーター、ニートなどのより深刻な問題の記述は少し説得力に劣る。この点は貧困問題の最前線に立つ湯浅氏との対談でも「見てる現実が違う」と指摘されていた。
http://muratyan.cocolog-nifty.com/book/2010/06/post-ca2b.html
以前ご紹介した「エンゼルバンク」というマンガに、本書の著者、海老原さんをモデルにした「海老沢康生」がメインキャラクターとして登場しています。ここで語られる「常識のウソ」には、毎度説得力がありました。
本書の「まえがき」も、それを彷彿とさせる文章です。簡潔なのに、実に分かりやすく書かれています。これを読んだだけで、目次を見ることなく購入を決めました。以下にかいつまんでご紹介します。
雇用・人事関連のジャーナリズムに名を連ねる関係から、この分野で幅をきかせる誤った風説に反論を展開してきた。具体的に数字を示し、「日本の長期雇用慣行は変わっていない」「昔から日本の若者は3年で辞めていた」「成果主義なんて形だけ」と主張してきたものの、一向に成果が上がらない。
それで今回は「若者かわいそう」のみを俎上にあげることにした。こうすれば主張がシンプルになる上、今目の前にある「若者かわいそう」以上に深刻な事態について提案をしたかったからだ。
これは、まえがきの要約であるとともに、本書の要約といっても差し支えないでしょう。海老原さんが書いておられるように、本書の主張はとてもシンプルなのです。とはいえ、それは「軽い」ということではありません。一つのことを多面的に説明している、なかなかユニークな本でした。
まず先制パンチとして繰り出される第1章は、「『若者かわいそう』ベストセラーを論駁する」と題して、「ワーキングプア」「仕事のなかの曖昧な不安」「若者はなぜ3年で辞めるのか?」の3冊に対する反論です。本の記述を引用し、その根拠となる数字を読み解きながら、問題点を具体的に指摘します。その上で、こうした誤った風説は、次の3つの手法で造り出されていると言うのです。
1. 都合のいい数字だけをピックアップする
2. 周辺事情を割愛する:20年前と比較して、若者の非正規労働者が増えているというが、大学生は6割も増え、そのほとんどがバイトをしている。
3. 分母隠し:15年前に比べて若年正社員が266万人も減少したと言われるが、実は若年人口自体が570万人も減っている。
これは詐欺的商法でもよく使われているのではないでしょうか。よく「レモン○個分のビタミンC」という表現があり、なんだかたっぷり入っているように感じますが、レモンは決してビタミンCを多く含む果物ではないとのこと。事実が真実を表しているわけではないということですね。
私たちは数字を示されると、なんとなく説得されてしまいます。けれども数字には、それが導き出された経緯(理由)が存在しているのですから、そこを知らなければあまり意味はないと言えそうです。こういう力もメディアリテラシーの一つなのかもしれません。
海老原さんは、このように「若者かわいそう」のウソを暴いて行きますが、決して現在の日本に貧困問題がないと言っているわけではありません。むしろ、大きな貧困問題が存在していると述べています。政府やマスコミは、この問題こそを取り上げなければならないのに、「若者かわいそう」論が見えなくさせてしまっていると言うのです。
この大きな問題については、ぜひ本書をお読みください。何しろ主張自体はシンプルな本ですから、ネタバレになるのは申し訳ないので。
ただ私は、海老原さんが「大きな貧困問題に比べればかわいいもの」と述べている、「若者かわいそう」論による世代間対立は、結構深刻なのではないかと思いました。日本の若者の自尊感情が低いのも、仕事に対するイメージが持てないのも、「大人は逃げ切ってずるい」「自分たちの世代だけが割を食っている」という感情が根底にあるような気がしてなりません。実際ネットにはそうした言説があふれています。
高等学校の新しい指導要領には、キャリア教育がさらに全面に出るそうです。そこでは、海老原さんの主張する
* 若者は決して搾取されているわけではない
* 若い頃任される一見雑用に見える仕事も、キャリアアップの仕組みの一環
* 頻繁な転職はキャリア形成の上でも生涯賃金の上でも非常に不利
といった説明は、ぜひ高校生に聞いて欲しいと思いました。そのためにも、進路担当の先生には、ぜひお読みいただきたい本です。
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