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http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920012&sid=aQn611FObed8
6月29日(ブルームバーグ):著名投資家のジョージ・ソロス氏はドイツに対して「激しい非難」を浴びせかけている。同氏は先週、ドイツが賃金を抑制し財政均衡を積極的に推進することで欧州連合(EU)を危険にさらしていると指摘した。ソロス氏によれば、ドイツがけちけちしたせいで、ユーロは崩壊するかもしれない。
ソロス氏はまるで、ドイツのメルケル首相に親切に講義してあげているようだ。ソロス氏はベルリンのフンボルト大学で講演し、ドイツが堅実さを追及するのは理解できるとしながらも、同国は自ら歳出を増やすとともに、欧州投資銀行(EIB)による積極的支出と欧州中央銀行(ECB)による金融緩和を支持するべきだと付け加えた。
さらに、オバマ大統領が威勢よく支出し、バーナンキ連邦準備制度理事会(FRB)議長が量的緩和を進める米国を、ドイツは見習うべきだとほのめかした。またしても教師の口調になったソロス氏は、ドイツは明らかに「自分で何をやっているか分かっていない」と諭した。
翻って、ソロス氏にこそ「激しい非難」をぶつけるべきではないか。放漫財政・金融緩和を勧めるソロス氏こそ、ユーロを危険にさらしているのではないか。そのような政策は欧州諸国の財政を悪化させ、ユーロをソロス氏のようなトレーダーからの攻撃にさらされやすくする。恐らく、メルケル首相と同様にソロス氏も、よく分かった上でユーロを危険にさらしているのだろう。
反論
ソロス氏に反論してみよう。同氏に倣って、まずユーロの誕生から見ていこう。欧州はユーロ創設に伴い金融政策を統合したが、政治的統合は後回しだったため、各国政府は共通通貨を圧力にさらすような財政政策を独自に取ることができた。
ソロス氏はこの構造について「明らかな瑕疵(かし)」と指摘する。しかし、全く逆の議論も可能だ。ユーロ圏市場へのアクセスという素晴らしい「ニンジン」は、各国に財政規律を維持させる大きな動機付けとなる。適切な財政措置をさっさと取らない国は、債務削減のために特別増税や歳出カットを実施するか、通貨統合からの離脱を強いられるかの選択肢に直面する。
これは、1990年代初めに英国に起こったことだ。ソロス氏は英ポンドを欧州為替相場メカニズム(ERM)からたたき落とし、英国に30億ドルの損失を負わせると同時に自身は10億ドルの利益を上げた。
メルケル首相の記憶
東ドイツ出身のメルケル首相は、良貨を持たない国では人材という資源が無駄になることを身に染みて知っている。首相が若かったころの東ドイツ・マルクは、本物の通貨というよりは政治的ファンタジーだった。科学者のメルケル首相は、西側の科学者と対等に競争するために必要な機材を買う金もなかっただろう。
ソロス氏のトレーダーたちが英国を攻撃した時のことを、ドイツ人は米国人よりもよく覚えている。ドル以外の通貨は、たとえ地域の中心国の通貨であっても、容赦なく売りたたかれる。
メルケル首相個人の記憶に加え、ドイツ人には1920年代のハイパーインフレという国民的記憶がある。戦争賠償金の支払いに苦しむワイマール共和国はハイパーインフレに見舞われ、中産階級の貯蓄を消し去り経済を低迷させ、ヒットラーの台頭を許すことにつながった。
ソロス氏、そしてオバマ政権からの圧力は、メルケル首相や他の欧州首脳が自身の健全な直感に従うのを難しくする。財政規律と成長を両立させるドイツの政策の良さを見えにくくする。
二者択一
支出か痛みかのどちらかを選ばなければならないというケインズ主義的な二者択一議論は真実ではない。例えば、デフレは必ずしも痛みをもたらさない。ドイツがハイパーインフレに苦しんでいた1920年代に、米国はデフレの中で繁栄を謳歌(おうか)していた。競争力を高める税制と組み合わせた財政引き締めは、欧州を成長軌道に乗せ、将来的にはユーロを、世界の基軸通貨としてドルへの真の挑戦者とするだろう。
ソロス氏を弁護する最良の議論は、同氏が勧めるドイツとユーロ圏の景気刺激策が実際に力強い成長を生みリセッション(景気後退)を防ぐだろうという点だ。しかし、その後はどうなるのか。米国と同様に欧州の成長率も、毎回のリセッションを財政出動で乗り切れるほど高くはない。2010年もしくは11年のユーロ圏の大規模歳出をドイツが容認すれば、欧州諸国は人の弱みに付け込む為替トレーダーの格好の獲物になるだろう。
オバマ政権の支出奨励も不誠実だ。外交問題評議会(CFR)でのわたしの同僚、セバスチャン・マラビー氏が指摘するように、基軸通貨としてのドルの地位は、通貨への攻撃から身を守る防弾チョッキだ。ユーロには防弾チョッキがない。
ソロス氏はオバマ政権を援護したいのだろう。欧州も盛大に支出すれば、米国だけが目立つことはない。欧州が放漫財政を取れば、ユーロによってドルの地位が脅かされにくくもなる。いずれにせよ、ソロス氏が「自分で何をやっているか分かっていない」とは考えにくい。(アミティ・スレイズ)
(アミティ・スレイズ氏は、ブルームバーグ・ニュースのコラムニストです。このコラムの内容は同氏自身の見解です)
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コメント
東京株式市場の動きがどうも鈍いようです。今日も円高の影響で後場早々急激に下落し、前場の上昇をも打ち消し、菅新政権のもと株価が上昇するのではなく、下落へと突き進んでいるようです。
そのような状況の中、ドイツ市場は堅調であり日本のような大きな下落はなく、企業にしてもユーロ安の恩恵を十分に受けているようです。
ただ、この二カ月の市場の調整はちょっと行きすぎとの感情もありますが、東京市場に限ってはどうも4月の高値を超えるような状況は生まれないのかもしれません。
東京市場に限ってはいつまで下落をつづけていくつもりなのでしょうか。菅民主党政権は、新経済成長戦略を出したわりには市場は、いい印象をもっていないのかもしれません。
G20にて財政健全化を菅総理は宣言したようですが、すでに日本に対してはG8から実質はずされているような状況であり、G20での日本は例外という言葉もそれを現わしているのかもしれません。
消費税にしても菅総理は、小沢元幹事長にしばらくは静かにしてほしいという発言をしたのですが、どうも小沢元幹事長からみれば今の執行部に黙ってはいられないという党内状況にいたったようです。
前回の衆議院選挙に民主党に投票した有権者からみれば、1年もたたずに公約をあきらめる民主党の姿、そして公約を実現しようとする努力さえ有権者に見せることができなかったにもかかわらず、総理を入れ替えたからと言って公約を見直しすること自体がおかしく、小沢元幹事長が語ったことがいかにも当然と見える状況が、もっともらしくも見えます。
どうであれ、菅新政権は、すでに前原病にかかっており、政権担当能力無しといつ有権者が見限るかというところまで追い込まれるのかもしれません。
たぶん、外国の高官もそう見ているでしょう。
消費税増税にしても官僚からみれば、1000兆円の債務の中、税収が40兆円を超えない状況が続きそうな日本経済の状況、官僚を含む公務員も消費税増税として負担することで平等だとの感覚があるようですが、これまた役人の奢りかなとも感じます。
すでに自民党政権下でも官主導政治といわれており、税収が下落するなか、GDPさえ増えない状況、役人の人件費だけが市民の待遇よりも恵まれてきているということがおかしいのであり、市民目線に戻るならば、このような財政状況にした責任を官全体で被るべきかなとも感じます。
一部の大手民間企業にしても年収1億円を超えるサラリーマン経営者が公表されていますが、その企業で働く派遣などの非正社員に対しては、リストラ後生活保護に頼るような待遇にさせ、株主にいたっては、日経平均の最高値から3分の1以下まで株価を下落しつづけている状況、やはりちょっと今の日本企業の経営者は、おかしいと株主そして低待遇な労働者もおかしいと感じているのではないでしょうか。
また、エコ減税などの恩恵を受けている企業経営者が、続々と高額所得として公表され、銀行経営者にいたっては、預金者には雀の涙の利子を与え、利用者の手数料はしっかりととり、資産の目減りを促進するような手数料稼ぎの投資信託を押し売りし、株価は、低迷、税金は払えないというその中でそこの正社員だけが恩恵を受けているという
高所得の金融機関経営者などは、通常の社会ならば多くの批判がでるはずなのですが、やはり、日本は、批判さえできないような沈んだ社会と変わりつつあるのかもしれません。
政治家自らが緊縮できず、公務員改革さえ一向に進まず、国民に対しては緊縮を強要する今の姿こそが日本の姿なのかもしれません。
このような者の集まりである自民党、民主党の支持者が、世論調査で半分を占めている状況、無党派層などの有権者は、本当に彼らにこの国の未来、現在を任せていいと感じているのでしょうか。
武力などが使えない状況、やはり無党派層にとっては投票が無力となるのかもしれません。
今回の参議院選挙は、今後現状のまま増税路線に向かうことを世界に宣言しているような民主党、自民党に対して、増税する前にするべきことがあるだろうという声こそ本来の無党派層の有権者の役目かとも感じます。
社民党にしても共産党にしてもリストラ、待遇削減には、反対の立場であり、本来はリストラがあって初めて成長路線が組めるという考えを支持するべき時かなとも感じます。
阿久根市長にしても、インタビューの中で今の市役所の役人をそっくり入れ替えたいという表現をしていましたが、まさしくその通りであり、意識改革こそが日本に必要なのかもしれません。
その意識改革の原動力が無党派層の投票意識と投票行動なのかもしれません。
国民の多くは貧しいけれども日本国自体は、金満国家としてみられており、狼がその獲物をどうやって狩ろうかと待ち構えられているのが今の世界の中での日本の状況なのかもしれません。狙い撃ちにあうのは、ユーロではなく日本というのが、今回の金融危機の役割ともなるのかもしれないという状況かなとも。
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