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(回答先: 松下幸之助の“これが理想的な国家だ”/佐藤悌二郎(PHP総合研究所取締役・経営理念研究本部長) 投稿者 gikou89 日時 2010 年 6 月 28 日 01:25:21)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20100625-00000301-cyzoz-soci
──裏社会を舞台にしたBL作品が腐女子に人気だ。あらゆるタイプの男性が描かれるこのジャンルでは、ヤクザ×警察官、用心棒×組長など、取り扱いはなんでもあり。なぜ腐女子たちは危ない世界の男たちの愛に熱狂するのか? その理由を真剣に考えてみた。
ヤクザやマフィアなど、裏社会をテーマにした小説やマンガの男性人気が高いのは、周知の事実。ハードボイルドで“これぞ、雄の中の雄!”ともいうべき男の美学炸裂な世界に憧れを抱いているから、男性はそういった作品を好むのだろう。その一方で、裏社会をテーマにした作品は、一部の女性…… ボーイズラブ(以下、BL)好きの腐女子をも虜にしてきたことは、男性諸氏にはあまり知られていない。
実は、BL小説・マンガの中では、“ヤクザ×ヤクザ”“ヤクザ×警察官”“ヤクザ×医者”【註:×前はセックスの際挿入する側の“攻め”を、×後は挿入される側の“受け”を指す】などのカップリングはド定番で、裏社会をテーマにした作品も多く見受けられるのだ。ただ、腐女子が好むヤクザは、仁義に熱く、男性がロマンを感じるようなヤクザ像とは少し異なっている。
「暴力団という組織自体が軸になると、BLとしてはかなりシビアな物語になってしまうので、男性向けノワール小説に登場するようなドシリアスなヤクザモノが好きという方はかなり少数派だと思います。メイン人気は、極道的なしがらみをバッサリ排除し、設定としてだけの“なんちゃってヤクザ”。アウトローな攻めと一般人の受けが出会い、受けがアウトローな世界に巻き込まれていくパターンや、アウトローな攻めを仕事で追う刑事や探偵が受けで、対峙しながらラブな展開になっていくパターンがBLではひとつの典型です」(BL専門レビューサイト「ちるちる」代表・井出洋氏)
どうやら腐女子はヤクザという生きざまにではなく、肩書に萌えを感じている様子。それはつまり、昔の少女マンガにありがちな、“怖い不良だと思っていたアイツが、捨てられた子犬に餌をあげているところを見ちゃって……今、胸キュン!!”的な、女子の大好物であるギャップ萌えを、ヤクザに見いだしているということなのか。
「そうですね、ヤクザモノ人気の理由は、『不良が実は優しいとポイントが高い』というパターンの延長線上にあると思います。社会人を主人公にした場合、一番ギャップ萌えを描きやすいのが恐らくヤクザです」(同)
だが、ギャップ萌え要員のなんちゃってヤクザとはいえ、BL読者は、物語として楽しめる作品でないと満足しないので、アウトローのディテールはしっかりと描かれている。そういった部分もふまえて、英田サキ著の人気シリーズ『エス』など、BL小説を手がける大洋図書・SHYノベルズ編集部は、裏社会モノの魅力をこう分析する。
「恋愛モノは障害があればあるほどおもしろくなります。そういう意味では、裏社会をテーマにした作品は、一般社会にはないルールや駆け引きがあり、ドラマが生まれやすく、男同士の絆や男としてのプライドをより明確に読者の皆さんに提示できるので、とても魅力的な素材なのだと思います」
■ホモソーシャルゆえに感知されるBLフラグ
では、BL界で裏社会モノが勢いに乗り始めたのは、いつ頃なのだろうか。BL作品に詳しいやおい・BL研究家の斎藤みつ氏は、次のように語る。
「裏社会モノは昔から存在しましたが、小説で人気作が増えてきたなという印象を持ったのは、05年あたりですね。小説の場合、人気が高いとシリーズ化されることが多く、英田サキさんの『エス』シリーズ(ヤクザ×刑事/大洋図書)や高岡ミズミさんの『VIP』シリーズ(ヤクザ×会員制高級クラブの支配人/講談社)は現在も続いています。樹生かなめさんの『龍とDr.』シリーズ(組長×医者/講談社)も、02年に初めて出版され、05年に再刊されています。マンガはひとつのジャンルがブームになることがあまりありません。ですが、根強い人気のある西田東さんの『願い叶えたまえ』(ピアニスト×ヤクザ/芳文社)も、05年に出版されています」
その下地として、裏社会モノは90年代前半からじわじわと盛り上がりをみせていたという。
「ヤクザモノの元祖は恐らく、小説では花郎藤子さんの『禽獣の系譜』(広域暴力団の若頭×組長の17歳の息子/92年・白泉社)、マンガではこだか和麻さんの『KIZUNA 絆』(ヤクザの妾の子×一般高校生男子/92年・ビブロス、現リブレ出版)。いずれもヤクザモノの定型のひとつといえる作品だと思います」(同)
BL専門の商業誌が広く一般の書店で扱われるようになる以前から裏社会モノが登場していたとなると(BL商業誌創刊ラッシュは90年代中盤以降)、やはりそこには腐女子を悶えさせるツボがあるはずだ。そのツボを、斎藤氏はこう分析する。
「ヤクザとは絶対に、“世界の中心で愛を叫んじゃいけない”人種。義理や盃を交わした兄弟など、本来は恋人への愛よりも優先させるべき大事なものがあります。そんな人たちに、BLでは最終的に、受けへの愛を選ばせる。そこがツボなんだと思います。現実は別として、日本にはかつての任侠映画、主演の高倉健や、深作欣二監督、五社英雄監督などの作品に影響された、ヤクザ・極道のイメージがあると言えるでしょう。“極道=ストイックな男”──女を抱いても溺れない、優先するのは仁義と組、というイメージがありますよね? そんな男たちが大義に反し、物語の中で“お前だけだ!”と言う。読者の女性には、普通の男性キャラが言うよりグッとくる。それを言われるのも男となると、腐女子の心には、よりいっそう響くわけです」
さらに、極道の世界には古い歴史があり、閉鎖的な独自の組織形態や様式美もあるので、そんなところも萌えるツボなのだろう。現に、長い歴史を持つイタリアマフィアや中国マフィアを描いたBLも定番化している。ヤクザやマフィアは、男社会。基本的には同性同士の深い人間関係を重んじるホモソーシャルな集団だ。そんな世界を目の前にして、腐女子がBLフラグを感知しないはずがないのである。
「家庭を持ちながらも“アニキのため、仲間のために命を張る”とかって、客観的に見るとおかしいところがいっぱいあるじゃないですか。奥さんや子どもだって大事でしょ?(笑)そんな超ホモソーシャルな世界を舞台に、BLでは“男同士”というものすごい障害を乗り越え、たったひとりの男に愛を捧げちゃうんです。通常、任侠映画などだと、ヤクザが仁義よりも恋人を取ったらもう逃げるか死ぬしかない。そこで男のストイシズムの物語が破綻するから。でもBLに登場するヤクザは、もともと地位や才覚のある人。たとえ仁義より愛をとってもカネと権力があるので、受けを大切にしながら、ヤクザとしてものし上がっていくんです。攻めと受けはさまざまな困難にぶち当たりますが、2人でそれを乗り越えます。“幸せになるために……”という指向性があることは、特にBL小説の裏社会モノに顕著な特徴のひとつです。“明るい未来が約束されたノワール”というのは、実は非常に矛盾した物語なのです。けれど、それを成立させてしまうBLの方法論は、すごいものだと思います」(同)
受けとの幸せな未来を実現させるためには、攻めが組織の中で地位が高く、金と権力を持っていることは、大切な条件のひとつのようだ。
「BLはよくファンタジーだといわれます。ですが、こういったお金の問題などは、非常に現実的な女性の欲求の現れだと思うんです。もちろん設定は浮世離れしていますけど(笑)。読者である女性の願望を反映し、単純なファンタジーではなく、ちゃんと地に足が着いている部分があるんです」(同)
現在も絶えることなく、描き続けられている裏社会モノのBL作品。一般のノワール作品を消化し、オチがダークすぎて毎回ヘコんでいるという男性諸氏には特に、ゴールに幸せが待っているノワール……裏社会モノBLを一読してみてほしい!
(取材・文/小石川光希)
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