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(回答先: 原音とは何か? 投稿者 中川隆 日時 2018 年 7 月 13 日 16:58:13)
コンサートホールの音響ランキング
https://lavender.5ch.net/test/read.cgi/classical/1585741833/l50
2020年 10月 17日
オーケストラを部屋に持ち込む
https://tannoy.exblog.jp/31773802/
生のオーケストラを部屋に持ち込む、そんな大それた事を思いだしたのはいつ頃からのことでしょう。小学生の頃から工作は好きで、戦前からの古い真空管でラジオを作っていました。中学生になりたてのころ、担任の先生が16mmフィルムの映写機で「青少年の為の管弦楽入門」という映画を見せてくれました。それは新鮮で驚きに満ちた体験でした。その映画でオーケストラに興味を持った私が幸運だったのは、荻窪の杉並公会堂で、渡邉暁雄さんの指揮で日本フィルの演奏会がテレビ収録されていたのです。それに何度か潜り込みました。それが生のオーケストラとの出会いでした。今思えば幸運でしたね。自分たちの街にオーケストラがあったのですから。
そうした経験が積み重なり、73年からの4回に渡る文化会館でのムラヴィンスキー体験、78年のムジークフェラインにはじまり、80年代から90年代の初めにかけて世界中の名高いホールを訪れるようになりました。中でも、ムジークフェラインとコンセルトヘボウは格別のホールトーンがしていたのです。ウィーンの音は聞き慣れたDECCA・Londonの明快な音とは違い、美しい生の楽器の柔らかな音が混然としてハーモニーを作っていましたし、アムステルダムのコンセルトヘボウ(コンサートホール)で聞いた響きは、まさしくPHILIPSのレコードと同じ音がしておどろきました。
https://tannoy.exblog.jp/iv/detail/?s=31773802&i=202010%2F17%2F99%2Ff0108399_06381597.jpg
このコンセルトヘボウでの体験中に、後ろの席の音なら、ひょっとしたら自分の部屋の中で、この音そのものを、再現できるかもしれないと感じたのです。そう思ったきっかけは、SD05で鳴らしたGRFから聞こえてきたあのホールの響きだったのです。ブラームスのセレナーデ、マーラーの第四番など、一連のPHILIPS録音のアナログレコードとデジタル録音の初期盤のCDでした。初期盤と断るのは、再発盤や同じ盤でも後年の発売の盤は、細部の柔らかさ、繊細さ、そして安定性が無くなっていくからです。
SD05は、無帰還アンプです。NFBが掛かっていると、SP自身がマイクになって拾った部屋の音を、アンプの入り口までフィードバックして、その部屋の特性が強調されてしまいます。今でも、戦前からの無帰還アンプが愛用されている理由の一つです。SD05は、アンプ内でアナログ信号を扱いません。通常、電圧増幅段を通る間に、左右の音がクロストーク(交差)して起きる、左右の音の混合がないのです。
左右のクロストークがない音とは、右と左にセパレートする音ではありません。今まで薄かった中央部の音が充実して聞こえてくるのです。モノラル的と言っても良いほどです。左右にセパレーションがいい音がクロストークが少ないと思っていた観念をSD05が正してくれたのです。クロストークがなくなった音は、センタースピーカーがないと中央から音が聞こえないと思っているマルチチャンネルのイメージを払拭してくれました。いままでクロストークで音が打ち消されていた中央の音場に、木管楽器が浮かび上がり、ヴィオラやチェロの旋律の低音楽器のパートが聞こえ始めて、一気にオーケストラの音が出てきたのです。
その時ならしていたGRFのタンノイ・モニターゴールドは、1950年代に設計され60年代に作られた、同軸型のスピーカーで、低音はバックロードホーンで、高音のホーンとバランスが取られ、同軸状に展開した二つのスピーカーは、極めて聴き心地のよい音がしてきました。コーナーに置かれて、ぴったりと45度づつ内向きに置かれて、前方で90度に交差された音像は、立体的な音像を再現したのです。それは、今までのアンプでは聞いたことのない音場でした。その時聴いたコンセルトヘボウの音場の経験が、10年後のTroubadour とTW3で花が咲くのです。
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SD05でならしたGRFは、それまでのタンノイのイメージを一新する物でした。
これがGRFの音?
https://tannoy.exblog.jp/2878185/
その驚きは私だけでは無く、石田さんご自身もタンノイの音を見直すぐらいでした。しっかりとバックロードがかかり、ブーミーな低音はすっかりと消えたGRFは、タンノイのアルニコスピーカーが本来持っていた、バランスの取れた音でなり始めたのです。同じタンノイでも、フロントホーンとバックロードを組み合わせた「オートグラフ」では、低音が膨らみ、中音もフロントホーンで膨らんだので、フロントホーンのないGRFのような音場は出せませんでした。
GRFを幅二間半の間隔でコーナーに置くと、充分に広い音場が現れます。壁から二間近く離れたところで、交差した音場は、大きな直角三角形を構成して、立体的に部屋に飛び出してくるのです。交差法の名前の由来ですね。音場は、前に飛び出してくるばかりでは無く、SPの後方にも奥深く展開します。GRFは左右と高さの二次元では無く、前後も再現する三次元の音、正確には三次元の音を再現していました。左右からぴったりと合い、低音のかぶりも無く再現されると、そこにステレオ本来の立体音像が再生されていたのです。
コンセルトヘボウで聴いてきた音の半分ぐらいは出現したと思える瞬間でした。その時点でGRFを使い始めてから30年を迎えていました。大事に使ってくれば、この様な展開にもなると驚いていました。ステレオ再生は、しっかりとした低域に支えられ、高域の焦点が合ってくると、そこに広大な演奏会場が浮かび上がってきて、我が家がコンセルトヘボウになれるという確信を得たのです。その頃、SD05を通じて知り合った横浜のMさんご夫妻がお見えになって、奥様から褒めていただいたのは嬉しかったです。
https://tannoy.exblog.jp/31773802/
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