http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/433.html
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(回答先: 幻の柴田罫線 投稿者 中川隆 日時 2010 年 11 月 24 日 23:51:18)
ジョン・メリウェザーはソロモン時代にはジェームズ・ウォルフェンソーンのパートナーであった。
ウォルフェンソーンは、ロスチャイルド財閥のS・G・ウォーバーグの創業者ジークムント・ウォーバーグが自ら育てた人物だった。
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/e/40632fabc91ec12292dbc3579e2cf2c5
本日は、ジョン・メリウェザーをアゴで使う財閥ネットワークの整理です。
図表の右半分は、1990年の株式バブル崩壊の犯人「ソロモンブラザーズ」だが、この会社のお得意は「国債」。
80年代に、アメリカ国債を日本の銀行・生保に(強制的に)売りつけた「売りキチ兄弟」で、超円高のおかげで、買い手は目も当てられない大損害を被った。
「株式バブル」を壊すテクニックは、「膨大なる国債の投売り」で長期金利を一気に引き上げ、これと同時に現物株と借株を大量に売りまくるという手法だった。
株価を暴落させるために「国債」を使うという「ソロモンの悪知恵」は、旧約聖書を読んでいる個人投資家でもご存知あるめぇ。キチ外に刃物、売りキチ兄弟に国債、である。
この「売りキチ兄弟」の会長ウォルフェンソーンは、ソロモンを卒業したあとは、FRBの議長ポール・ヴォルカーやヘッジファンドの巨人ジョージ・ソロスと手を組んで、ウォール街の買収再編の仕掛け人となる。
世界銀行では10年間総裁を務め、世界中の「市場荒らし」を推進する。
ジョン・メリウェザーは、国債をこねくり回す犯罪で引責辞任となるが、犯罪者精神が旺盛で、LTCMというヘッジファンドをつくり、大財閥のご用聞きとなる。
http://www.mypress.jp/v2_writers/hirosan/story/?story_id=1316818
1929年10月24日、ニューヨーク・ウォール街では、世界大恐慌の引き金となって、株式大暴落が起こりました。そして、あれから60年後、今度は日本を叩き潰す為に、1990年2月、巨大な経済の逆回転が始まり、平成バブル経済が崩壊しました。
平成バブルが崩壊するバブル・ピーク時、CIA(Central Intelligence Agency/アメリカ大統領直属の中央情報局)は、ベルリンの壁が崩壊し、東西冷戦後の次の敵は、日本だと考え始めていました。
事実、1989年秋から始まった、アメリカ系証券会社の株価動向は不気味な動きをし始めました。バブルと、その崩壊に携わったのは、ユダヤ系の金融機関であるソロモン・ブラザーズという証券会社でした。
ソロモン・ブラザーズは資本主義の歴史に詳しく、また日本の昭和初期の経済にも精通していて、1989年11月、ニューヨークで「日経平均株価が大暴落したら大儲け」という『プット・ワラント』のデリバティブ商品を機関投資家や大口投資家に大量に売り始めたのでした。それ以来、ソロモン・ブラザーズが中心になって、債券、為替、株価のトリプル安が始まります。これがバブル崩壊の裏側に隠れたメカニズムだったのです。
バブル崩壊のシナリオは、どのようにして仕組まれたのか、その筋書きを追ってみましましょう。
バブル絶頂期は、1989年にそのピークを迎え、株価は天井でした。この時、多くの日本人は、株価の高騰並びに地下の高騰に、湧きに湧き、怕(こわ)いもの知らずで、日本の投機家達は今迄になく傲慢になっていました。そしてこの頃、事実CIAは、アメリカの敵は日本であると考え始めていました。
CIA経済部門のスペシャリスト達は、アメリカ系証券会社のソロモン・ブラザーズと手を組み、日本経済の崩壊作戦に向けて本格的に動き出しました。これが今日の不況を長引かせる要因を作ったのです。これが日本株式市場に於ける下落のシナリオ「バブル崩壊作戦」でした。
ソロモン・ブラザーズは、1989年当時の沸き立つような好景気も、60年前のアメリカ・ニューヨーク.ウォール街での大恐慌と同一のものであると、そのバブル崩壊を予測したのです。
かつて、国際金融資本の総帥・ロスチャイルドの配下であったロックフェラーやデュポン(世界最大の化学メーカー)らは、この大恐慌を利用して天文学的な巨富を手にしていました。ソロモン・ブラザーズはこれに因み、バブル崩壊を企てる研究に取りかかったのです。
「どうしたら一儲けできるか」からはじまり、「どうしたら日本経済を徹底的に叩く事が出来るか」という結論を導き出し、日本経済崩壊に向けて模索し始めたのです。
60年前のウォール街での「暗黒の木曜日」の立役者は、国際金融資本の総帥・ロスチャイルドの息の掛かる東部のエスタブリュシュメント達(ロックフェラーを筆頭に、デュポン、ケネディ、オナシス、アスター、バンディ、コリンズ、フリーマン、ラッセル、ファンダイン、リー・クアンシューの超大富豪十二家)でした。
この者達は手持ち株を売り捲り、その結果、下落に下落を重ね、二束三文になった株式を買い叩いたのです。それで巨万の富を手にしたのですが、今日とは情況が違うことに気付きます。この難題に、しばらく苦慮しますが、ついに糸口を掴んだのです。
その糸口とは、「何が株価を暴落させる要因になるか」と言うものでした。つまり株価が暴落する切っ掛けを作ればよいのです。そして、「下落によって、下がった株で大儲けできる商品を持っていればよい」ということに行き当たったのです。それが「デリバティブ」でした。
デリバティブとは、金融派生商品(通貨・金利・債券・株式・株価指数などの金融商品を対象とした先物取引)のことで、「先物取引」という意味合いを持っています。
次の研究課題は「どうやったら大暴落を人工的に作り出し、然も、そのタイミングに合わせて、自分達の狙うポイントに、総てを集約することが出来るか」という研究に取りかかったのです。
人工的に大暴落を作り出す場合、60年前の大恐慌では、アメリカの大富豪達による「大量売浴せ」という手法が使われました。
大量売浴せとは、売方が買方の買数量より、多量の売物を出して買方を圧倒し、相場を押し下げようとすることで、「売り崩し」とも言われます。
しかし、それでは巨額な資金が必要であり、当時と違って、それほど経済構造は単純なものではなくなっていました。研究に研究を重ねた結果、巧妙な手口を考え出します。
それは、「膨らんだ風船を、更に膨らませる手口」だったのです。
風船は、空気を送り込んで膨らませれば、それだけ膨らみますが、その実体は「バブル」です。膨らむものは、いつか破裂して、大爆発を起こす物理的法則に制約されます。経済とて、この法則下に制約されているのです。彼等はこれに気付いたのでした。
彼等はそのシナリオを、綿密なストーリーで組み立てました。徐々に膨らみを見せる風船に、意図的に、頃合いを見計らって、更に膨らませ、次に急激に膨らませるという巧妙なストーリーを演出したのです。風船は、今まで徐々に、周囲の状態に馴染みながら膨らんでいたのですが、これに急激な吹圧を掛け、パンパンの膨張状態を作っておいて、一挙に破裂させるという巧妙な演出を画策したのでした。
彼等は、この原理を東京株式市場に応用して、バブル崩壊を目論んだのです。
そして彼等は「デリバティブ」という、風船を一突きにする「針」を手に入れ、膨張し過ぎて破裂状態になったところで、一突きにする演出を手がけたのでした。
1989年当時、日本人エコノミスト達は「デリバティブ」という「先物」の実体を知りませんでした。経済や金融の専門家でも、この実体が何なのか、未だに分からず仕舞いでした。またこの事が、バブル崩壊の悲劇を大きくし、当時の日本経済界は全く無防備であったと言えます。
ソロモン・ブラザーズは裁定取引を使って、意図的に、無防備な日本経済に先制攻撃を仕掛けたのです。
「梃子の原理」(レバレッジ)を利用して、なるべく少ない資金で、効果的にバブル崩壊に導く人工爆発の状態を作り上げる研究をしたのです。
次に、バブル崩壊に導く為に、彼等は日経平均の株価操作の研究に没頭しました。
彼等は、この二つの研究から面白い現象に気付きます。それは日経平均株価が単純平均で作られた「指数」から出来ている事と、もう一つはこれらの指数の分析から、品薄な銘柄を意図的に買うと、少ない資金で日経平均株価を持ち上げることができるという経済現象に気付いたのです。
こうして研究の成果を、実行に移した時期が1989年の秋から冬に掛けての事でした。日経平均株価は瞬く間に膨らみ、バブルは天井へと向かっていました。
その頃、日本の話題はベルリンの壁が崩壊し、東西冷戦構造が終焉を迎えれば、世界市場に進出できる等と、日本人経営者の多くが高を括っていた頃で、日本人の思い上がりの裏側では、こうした巧妙な仕掛けが、水面下で仕掛けられていたのです。
大蔵官僚も、エコノミストも、この仕掛けには全く気付いていなかったのです。
ソロモン・ブラザーズの真の狙い
当時の多くの日本人投資家は、「日経平均株価は10万円に到達する」と信じて疑わない人が多くいました。誰もが強気で、今こそ、この好景気に乗って、買いに転じる時機だと確信していたのです。その結果、バブルは急速な加速度をつけて、瞬く間に膨らみ始めました。
この時、ソロモン・ブラザーズは信じられない事をニューヨーク・ウォール街で展開していました。
1989年11月、彼等は「東京株式大暴落の図式」に則り、『プット・ワラント』という金融派生商品を売り始めていたのです。
『プット・ワラント』とは、「日経平均株価が大暴落したら大儲け」という新商品であり、この商品をアメリカの大口機関投資家に大量売り込みを図っていたのです。また、これには大口投資家も飛びついたのです。
彼等の新商品に対するキャッチ・フレーズは
「年末から年始に掛けて、日本の株式は大暴落するから、60年前の《1929年10月24日の暗黒の木曜日》の時と同じくらいの大儲けが出来ますよ」
でした。 1990年1月2日、ニューヨーク・ウォール街では、日本とは逆に、信じられない現象が起こっていました。突然、為替が円安へと向かったのです。この円安はソロモン・ブラザーズが『プット・ワラント』販売に因み、債券や為替や株価の「トリプル安」を企てたものでした。
そして1月が過ぎ、2月に入り、その月は既に中旬に入っていました。この頃、日経株価はジリ安でしたが、大暴落の兆しは現われていませんでした。
日本人はまだ、この時にも何も気付いていなかったのです。そして日本経済が、瀕死の重傷に陥っている自覚症状すら、エコノミスト達は感じ取ることが出来なかったのです。
当時の政治背景としては、自民党の政治家は2月中旬の衆議院選挙で大勝したことに祝杯を上げていた頃で、政界も財界も危機管理意識はなく、全く無防備でした。 日本人は、まさに「ライオンに、餌を差し出す為に手を伸す呑気な兎」でした。腕ごと食いちぎられるか、体ごと丸呑みされるかの、こうした危険すら感じる事もなく、呑気な行動をとっていたのです。
日本人投資家が、株を買いに奔走している頃、アメリカの金融の裏側ではソロモン・ブラザーズの売り攻勢が激化を極め、これまでジリ安で状態であった株価は、一挙に大暴落へと転じました。バブル崩壊の引き金はこの時に引かれたのです。
ついに1990年2月末には、膨らむだけ膨らんだバブルは、日経平均15,000円台を大幅に割れ込みました。一挙に大暴落が起こったのです。
ソロモン・ブラザーズの秘密兵器はデリバティブでした。
デリバティブは現物と先物との価格差を狙った「サヤ取り」であり、「裁定取引」と「オプション」で、日本の株価は下落したら大儲けという派生商品です。この派生商品を、至る処に仕掛けておいて、株価を自由に操ったのです。バブル崩壊の大暴落は証券会社のみならず、大蔵省までを翻弄の渦に巻き込んだのです。
この巧妙な仕掛けでソロモン・ブラザーズは、僅か三年の研究とその実行で、一兆円にも昇る莫大な利益を手にしたのです。
そしてこの後、日本では更に悲惨な状態が続くことになります。
日経平均株価の大暴落は、株式市場の株価下落だけに止まらず、不動産の分野にも悪影響が及びます。この悪影響は、政府が不動産融資へのマネー供給を停止するという事から始まり、今まで高騰を見せていた大都市の不動産の資産価値が急速に下落したことでした。
この現象は大都会だけに止まらず、地方にまで波及していきます。不動産の資産価値が下落するとは、それを担保にしていた金融機関の担保価値も大幅に減少したということになります。こうして不良債権の波及が表面化するのです。
これに対して政府の後手政策は、次から次へと傷口を広げ、日本の資産とマネーの急速な収縮は、今日に見る不景気と連動し始めることになります。
昇り詰めたものは、いずれ落ちる。これは物事の道理です。この道理に随い、ソロモン・ブラザーズは、次のプロセスへと準備にかかります。
ソロモン・ブラザーズの真の目的は、ただ単に、日経平均株価を下落させて大儲けすることだけではなかったのです。
彼等の真の目的は、日本人の個人金融資産の1300兆円にも上る郵貯(郵便局で取り扱う国営の貯金事業で、元金・利子の支払いは国によって保証される)の食い潰しでした。日本のエコノミスト達は、この事すらも見抜けなかったのです。
ソロモン・ブラザーズが研究の末に計画した事は、こうした下落が生じた時、政治家はもとより、財界人を始めとして、証券会社等が「これを何とかしろ」と、政府に詰め寄り、殺到することを計算に入れていたのでした。これこそ彼等の真の目的であり、ここに「日本発世界大恐慌」を画策した真の狙いが、ここにあったのです。
http://www3.ocn.ne.jp/~saigouha/paper03/kinyukeizainobokkou02.html
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_______ハ___ 地獄
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/ /JMアドバーザーズマネジメント
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/ ./ JWMパートナーズ
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1. LTCM(ロング・ターム・キャピタル・マネジメント)が破綻した理由
一人の男がぶつぶつ呟いています。
「うーむ、あれをやるには・・・やっぱあいつしかいないか・・・」
その男の名はジョン・メリウェザーと言います。
彼はかの有名なソロモンブラザーズで特に優れた成績を収め、神格化された債券トレーダーでした。
一人で呟いていた理由は次世代のヘッジファンドをどう立ち上げようかを考えていたのです。
彼の頭の中にはもうすでに債券でどう儲けるかの優れたシミュレーションができていました。
そのシュミレーションを現実のものとするために協力者を探していたのです。
そんな折、彼の頭の中に色んな奴らが思い浮かんできます。
それこそ、今までトレーダーとして生きてきたありとあらゆるコネクションが頭の中を駆け巡っています。
今まさに神格化された男によって神々の集団が生み出されようとしているのです。
「おお、マイロン、元気だったか?」
「メリウェザーさんじゃないですか? どうしたんすか。こんなところで」
「実は君に頼みたいことがあるんだ・・・」
このマイロンと呼ばれる人物はスタンフォード大学教授であり、後にノーベル経済学賞を受賞する男です。
マイロンにメリウェザーが耳打ちをします。
「えっ!?まさかそんなことが・・・・いや、待てよ。考えてみれば理論上それは可能」
「実はもうロバートにも頼んでいるよ」
ロバートもまたハーバード大学教授であり、はたまた後にノーベル経済学賞を受賞するのです。
「あいつが応諾したんですか? だとするならこれはすごいことになる・・・・」
「これから我々の時代だよ」
(怖ろしい人だ。しかし、やってみたい。僕の理論が正しいか、どうか。実戦で・・・
それにあのロバートも動き出したって言うし、もう誰も止められない)
今まさに理論と経済学の最先端を極める博士たちが参加する前代未聞のヘッジファンド、LTCMが立ち上げられようとしていたのです。
ジョン・メリウェザーはどす黒いイスに座りながら延々と思索に耽ります。
「どうにも、後は資金だな。」
ジョン・メリウェザーはすぐにアメリカの連邦準備制度理事会の副議長をしていたデビッド・マリンズ氏を首脳陣に迎えます。
「これで決まったも同然だ。」
メリウェザーがなぜそう思ったか、それは実に単純なことでした。
連邦制度理事会の副議長をしていた人間を首脳陣に迎えることによってLTCMの信頼を手に入れたのです。
何せ、アメリカの中央銀行にあたる連邦制度理事会の副議長をしていた人間です。
信用しない人間の方が少ないんじゃないんでしょうか?
この信頼を武器に一気に資金を集めることに成功しました。
とうとうメリウェザーは兼ねてから構想していた債券で儲けるためのシミュレーションを実行に移します。
メリウェザーは債券の性質を理解していました。
債券の利回り格差は一時的に広がったとしても、必ず戻るということを知っていたのです。
だから利回り格差が広がったら、金利の高い債券を買い、金利の安い債券を売るという、ある種のサヤ取りのような技術を用いたのです。
これによって確実に利益を得られるのですが、あまりにも微々たる物です。
それがゆえに多くの数をこなさなければなりませんでした。
ここでノーベル経済学賞を後に受賞する二人の大学教授の出番が来るのです。
彼らは緻密な計算に基づき、利回り格差が広がったら、「自動的」に金利の高い債券を買い、金利の安い債券を売るというプログラムを作り上げました。
まさに近代経済学の英知が終結された最高傑作ともいえるプログラムの登場です。
これにより、LTCMは年40%という圧倒的な利率を実現し、金融業界に激震を走らせるのでした。
「マイロン、君の理論は正しかった」
「これでも一応大学教授なんですよ」
「我々は神々になるよ。そして世界の金融を支配する。ついて来てくれるか?」
「ええ、もちろんです」
一般の人々には知れ渡ってはいませんでしたが、当時の金融業界では知らぬものはいない存在でした。
それほど年40%の利率はすごかったのです。
しかも安定してそれを上げ続けました。
この事実を前に誰もが信じ込みます。LTCMは潰れない。
神々で構成されたかつてないほどの最高の集団だと。
ありとあらゆる金融工学の英知を結集した存在でもあると。
もはや誰も止められないはずだったのですが・・・・
「ロバート」
「なんだ?マイロン」
「これから僕たちの時代だよ。大学教授は研究室に篭ってるん場合じゃない。
金融工学を無知な人間に知らしめ、その偉大さを示す時が来たんだ」
「本当にそう思ってるのか?」
「えっ?」
「俺達は神じゃない。結局は人間に過ぎないんだよ。
驕ればいずれ有頂天になって何も見えなくなる。
メリウェザーはそれをわかっちゃいない」
「ロバート・・・・」
(俺は俺の理論が試せればそれでいい。それ以外に興味なんてないね)
LTCMに陰りが見え始めました。
その亀裂は小さなものに過ぎないというのにあたかも決定的な、何かを感じさせるものでした。
LTCMはいつしか、本当の神であるかのように驕り出すのです。
そんな中、ロシア政府は財政的に苦しんでいました。
脱税などが横行し、収入は減るというのに支出は増え続けていたのです。
そこにアジア通貨危機が起こり、その衝撃がもろにロシア経済にダメージを与えることになります。
なぜならアジア通貨危機により、投資家たちは安全な投資というものを優先するようになったからです。
事実上、ロシア経済はハイリスクハイリターンの市場で資本が逃げ出すのは必然でした。
そこにマイロンとロバートが開発した自動システムがロシアの債券を買え、買えと指令を出します。
そのシステムは必ず反発することを前提としていたものでした。
ロシア経済の低迷は一時的なものに過ぎないと判断していたのです。
メリウェザーはすぐにそのシステムに従います。
しかし、おそるべきことにルーブルの暴落は止まらず、すぐに逃げ出そうとするももはや手の付けられない状態でした。
「どういうことだ!?あのシステムは完璧のはずだ・・・」
自動システムは虚しく、買え、買えといまだに指令を出しているに過ぎませんでした。
「あのシステムがいうなら・・・・必ずだ、必ず反発する。
我々は神だ。この自動システムがあれば、我々に不可能はない」
「メリウェザー!もう無理なんだ。俺達のシステムでも想定できないことが起きたんだよ」
「嘘だ! あのシステムに想定できないことなどない!!」
「メリウェザー!聞くんだ。このままだったら俺達のせいで世界が崩壊してしまうんだぞ!」
資本は逃げ出すこともできず、暴落のさなか紙切れとなるルーブルとともにLTCMの存在価値も紙切れとなるのでした。
LTCMはレバレッジをきかせることによって一兆ドルとも言われるお金を動かしていました。
つまり100兆円以上の金を動かしていたのです。
そんなLTCMの崩壊が意味するところは世界経済の破綻なのです。
それを止めるためにアメリカの金融当局は半ば脅し気味に14以上の銀行を説得し、LTCMを資金的に助けるのでした。
絶対にとめなければならない未曾有の金融機関の連鎖破綻を封じ込めるためにこれは仕方ないことです。
LTCMは創立から5年目の1998年9月24日で幕を閉じました。
神々と呼ばれる存在が破綻するという衝撃、それは金融の神様が本当に死んでしまったかのようでした。
この自体の収拾のために骨を折った人間達は途方もない数であったことでしょう。
にもかかわらず、LTCMの社員の数は170人しかいなかったのです。
世界経済を破綻に追いやりかねない影響力を持つほどのヘッジファンドの社員の数が170人しかいなかったなんて意外なことです。
まぁでも170人のほとんどがスーパーが付くエリートですけどね。
このことから学ぶべきことは魔法のツールなんて存在しないってことじゃないですかね。
もちろん、他にもきっと学ぶべきことはたくさんあると思われます。
もしかしたら彼らは一時的であれ、本当に金融の神々だったのかもしれません。
http://tennsaitati.fc2web.com/soubasitati/dream.html
オプション理論に魅せられた3人の金融工学者たち
金融市場におけるオプション取引とは、『約束の日時に約束価格で原資産を売買する権利』のことを指す。
身近な例として、海外旅行保険をあげよう。私たちは海外旅行をする時に、盗難や怪我の際に備えて保険に加入する。保険会社は「保障内容を満たす損害が起きた場合、約束していた価格でその損害を負わせる権利」を私たちに売り、私たちは料金を支払ってその権利を買うことができる。その料金が保険料であり、これがオプション価格(プレミアム)といわれる。
オプション取引では権利を売るほうは義務であって、権利を買うほうは義務ではないので放棄することができる。
これを投資に置き換えても、同じことが言える。すなわち、投資家にとっては、ある一定のコストを負担することでオプションの購入者には利益稼得の上限がない上に、損失の可能性だけを限定することができる。
他方で、相場はほとんど変化しないだろうと読んでいるオプションの売り手は、オプションプレミアムを稼ぐことができる。
要するに、ヘッジ(回避)したい人々と投機したい人々の双方のニーズをオプションは満足させてくれるわけだ。
そんなオプション理論に興味を持った3人の旗手たちがいる。
その名はフィッシャー・ブラック、マイロン・ショールズ、ロバート・マートンの3人である。
応用数学博士としてコンサルタント会社でオペレーションズリサーチを扱っていたブラックとMITで助教授だったショールズは共に経済学に深い関心を寄せ、特にリスクを最小限に抑えるオプション取引についての共同研究をすることになった。
これに興味を持ち、2人の数学的成果について疑問を投げかけ、さらに細かい証明を行うことで公式の正しさを表現したのが、同じくMIT出身でハーバードビジネススクールで教えていたマートンであった。
彼らは算出が難しいオプション価格を高度な数学を駆使して公式化し、1973年3人はそのブラック=ショールズの公式を経済紙に発表するのである。
1973年はシカゴのオプション取引所が事業を開始した年である。その影響もあってか今までどこの金融専門誌に投稿しても「難解で特殊すぎるもの」として受け入れられなかったブラック=ショールズ式が猛烈に使われだした。それまで勘と経験に頼って価格割り出しを行っていた投資家たちは、情報技術の発展によってコンピューターのキー操作だけで算出できるこの素晴らしい手法にほれ込み、あらゆる金融取引に使われることになった。やがてブラック=ショールズの公式を用いた財務戦略が金融市場のブームとなるのである。
<なぜブラック=ショールズの公式が広く使われることになったのか>
まずブラック=ショールズの公式は、「株式や債券などの現物とオプションを組み合わせることでよりリスクを抑える」ことを表している。例をあげて説明しよう。
今A社の株式を1枚とA社の株式オプションを併せ持つことを考える。
A社の株式が1000円とする。そして今後A社株は下がると読んでいる。
このまま持っていると、株価が下落し損をする可能性が高い。そんな時はA社株をそのまま持っておき、同時に1枚の権利証書を買い持つ。
「A社株式を将来1000円で買い取らせる権利」をタダで買うのである。
もしA社株が900円に下落した場合、株だけを持っていれば100円の損になるが、オプションも併せ持っているので権利を行使すると1000円が手に入る。
こうして理論上ではタダで権利を買うことで損失を全く生み出さない取引が行われるが、現実はタダなどあり得ない。
ではオプションの値段はどうやって決まるのか。低すぎず高すぎず、最適なオプション価格を決めるのは難しい。
それを可能にしたのがブラック=ショールズの公式である。それは
□□□□□□□□□□□□□□
という形をしている。これはえんぴつと手元にある紙だけで簡単に計算できるものではない。情報産業が進歩し、優秀なプログラムの開発があったからこそ、誰もがコンピューターで計算できるようになったのだ。
天才たちのその後
LTCMに携わった天才たちは現在どのような人生を送っているのだろうか。
マートンはハーバードのビジネススクールの教授として、現在は学術顧問委員会のメンバーや競争市場顧問評議会のメンバーなどを兼任しながら研究を続けている。
ショールズはスタンフォード大学でファイナンスの教授として教鞭をとる傍ら、ファンドの顧問として管理委員会に属し、自らの研究と経験を生かしている。
そして「リスクが高すぎる」として、LTCMから設立の誘いを断り、一人LTCMの手法に限界を警告し続けていたブラックは95年に喉頭がんで亡くなった。
時代の流れとともに大きく変動してきた市場取引を数学的に表現することで、彼らは簡単な論理で正確なリスク管理を行う手法を発明してきた。その中でリスクを完全に封じ込める金融商品を開発したことは金融業界にとって奇跡であった。
しかし現実には、理論では計測されないリスクがあり、LTCMの破たんではそうしたことが運悪く起きてしまったのだ。この破綻によって金融市場における異常な舞い上がりを見せたブームがある程度鎮静化し、金融工学者や投資家たちも今までの手法は万全ではないと認識できた、という面から見ればLTCMの破綻も無駄ではないだろう。
http://www.econ.hokudai.ac.jp/~hasimoto/Report%20on%20Economic%20Thought%202009-1.htm
マイロン・ショールズ
マイロン・ショールズ(Myron S. Scholes, 1941年7月1日 - )は経済学者。
ブラック-ショールズ方程式の有名な起草者の一人。
現在スタンフォード大学教授であり、また、マサチューセッツ工科大学スローン経営大学院でも教鞭をとる。
マイロン・ショールズカナダのオンタリオ州ティミンズ生まれ。1962年、地元のマックマスター大学を卒業。シカゴ大学において、1964年MBAを、1969年博士号を取得。その後、スローンに移り研究を続け、フィッシャー・ブラックと出会い、1973年有名なブラック-ショールズ方程式を完成させることとなる。(伊藤清の業績の上に立つ。)
1997年にブラック-ショールズ方程式を理論面から完成させたロバート・マートンとともに、ノーベル経済学賞を受賞。
その直後の1998年、この2人が経営陣に名を連ねた巨大ヘッジファンドLTCM(Long Term Capital Management)が空前の損失を出して倒産するという皮肉な経験をしている。
さらに2008年、新たに自身が設立したヘッジファンドであるプラチナム・グローブ・コンティンジェント・マスター・ファンドが一年間に38%の損失を出し解約を停止、LTCMに続く2度目のファンド運用失敗となった。
ロバート・マートン
ロバート・コックス・マートン(Robert Cox Merton, 1944年7月31日 - )は、ニューヨーク市マンハッタン生まれのアメリカ合衆国の経済学者で、フィッシャー・ブラックとマイロン・ショールズが開発したブラック・ショールズ方程式の数学的証明で1997年ノーベル経済学賞を受賞。
コロンビア大学の著名社会学者ロバート・キング・マートンは、彼の父親である。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%B3
LTCMにマイロン・ショールズとロバート・マートンという、ノーベル経済学賞受賞者が関与することで信頼を得ていたことに、ノーベル賞委員会は当惑し、二人に対する受賞の撤回とともに、ノーベル経済学賞自体の廃止さえ検討したと言われる。
http://ja.wikipedia.org/wiki/LTCM
ノーベル賞学者の我を信仰せよ!
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ドリームチームヘッジファンド「LTCM」とそれに群がった投資銀行
1980年代、アメリカの大手投資銀行ソロモン・ブラザーズは敏腕トレーダーのジョン・メリウェザー率いる債券アービトラージ部門の上げる莫大な利益により右肩上がりの成長を続けていた。
債券アービトラージの基本的な考え方:
(例)ある国債について先物で買いポジションを持ち、現物で空売り(価格が下がると儲かる取引)のポジションを持つ。
買いと空売りのポジションを持つ事で一方で利益を得て、もう一方では損失が出る。
先物は普通現物を下回る水準の価格で取引されている。
先物と現物のスプレッド(先物と現物の価格差)は拡大し過ぎると、いずれは縮まる。
つまり先物の上げ幅が現物の上げ幅をわずかに上回るか、先物の下げ幅が現物の下げ幅をわずかに下回っている限り、当たった見通しで得る利益は、外れた見通しで失う損失を上回る事になる。
メリウェザーの率いる債券アービトラージチームは主に学問の一分野として市場をとらえられるトレーダー(クォンツ)達によって構成されていた。
構成メンバーは
ハーバード・ビジネス・スクールで助教授だったエリック・ローゼンフェルド、
ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの金融学修士号を持つイラン系アメリカ人のビクター・J・ハガニ、
MIT(マサチューセッツ工科大学)で金融経済学博士号を持つグレゴリー・ホーキンス、
MITの博士号を持った数学的思考を得意とするエコノミストにしてハーバードでローゼンフェルドの同僚だったウィリアム・クラスカー、
MITの2つの博士号を保有するローレンス・ヒリブランド。
このチームが後にメリウェザーが設立するヘッジファンド「LTCM」の中核となるメンバーとなる。
1989年、部下の不正によりメリウェザーはソロモンの共同CEOの座から下ろされる。解雇は免れたものの自身への待遇を不満を持ったメリウェザーはソロモンを辞職し、ソロモンとの絆を断ち切った。
1994年、メリウェザーはヘッジファンド「LTCM」を設立する。
創立時のパートナー達の構成は
メリウェザーのソロモンの債券アービトラージ部門時代の構成メンバーに加えて
ハーバード大学教授でファイナンス理論をリードする学者C・マートン、
ブラック・ショールズ式を編み出した学者の1人マイロン・S・ショールズ、
グリーンスパンに次ぐNo.2のFRB副議長であったデビッド・W・マイルズ。
後ろ盾には投資銀行メリルリンチがついた。
出資者の中には投資銀行ベア・スターンズCEOのジェームズ・ケインズや日本からは住友銀行も含まれていた。
集めた資金は12億5千万ドル。報酬体系も他のヘッジファンドを凌駕していた。
LTCMは創設後、莫大な利益を上げていき、それを見ていた銀行はLTCMに融資をしたがっていた。高いレバレッジを用いた取引手法を取っていたLTCMも融資を必要としていた。LTCMは自分たちに有利な形で投資銀行と契約を結んでいった。LTCM側と契約をしたかったがために譲歩してしまった投資銀行は後にこの事を後悔することとなる。
1997年、LTCMは儲けるだけ儲けたのちに一部の投資家を除いたほとんどの投資家へ利益を還元し、投資家の希望を考慮せずに一方的に契約を解約し、パートナーたちの個人資産と契約を解除されなかったこの時点では幸運な投資家の資金だけでファンドを運用するようになる。
7月、アジアではヘッジファンドがアジアの通貨が過大評価されていると考え、空売りを各国に仕掛けていた。それにより、固定相場制を採用していたアジア諸国は変動相場制に移行せざるを得なくなる。
1998年、この頃になると金融システムでのレバレッジの高さについてゴールドマン・サックスのパートナーのロイド・ブランクファイン(現ゴールドマンサックスCEO)とリーマン・ブラザーズのエクイティ・デリパティブ部門責任者ジョン・サッコは懸念を抱き始める。
サッコは投資家向けセミナーでウォール街の経営陣の連中は社内の26歳のトレーダーたちが今日どれほどのリスクを取っているかちゃんと把握していないと述べた。
リーマンの経営陣はちゃんと報告受けていると述べ、保険をかけたが、効かずに、先見の明があるサッコーはリーマン・ブラザーズを追われた。
1998年5月、モーゲージ担保証券が値を下げ、ヘッジファンドはやむなく他の市場のポジションを取り崩した。その対象に選ばれたのがアジアだった。静寂に向かっていたアジアがまた騒がしくなった。
投機筋は次のターゲットに凶兆著しいロシアを選んだ。
6月、ロシア政府はゴールドマンサックスを主幹事に据え、12億5千万ドルの5年物のユーロ債を年率12%で発行。投資家はロシアの問題は収束すると思った。この起債でゴールドマンは主幹事として数千万ドルの手数料を頂いた。
また、この時、ゴールドマンはロシア向け融資残高2.5億ドルを抱えていたが、起債と同時にロシアはこれを返済している。ゴールドマンとしては自社の株式公開を予定していたのでバランスシートからロシア向け融資を削除しておきたかった。
そして、ゴールドマンは自らローンチしたロシア債を抱え込まないよう、早々に在庫を放出した。
6月、ゴールドマンがJPモルガン、ドイチェ銀行と組んで発行したこの新発債のおかげで、外債市場にロシア債があふれかえり、ロシア1年債の利回りは一気に90%まで上昇した。
ロシア危機の影響はアメリカの株式市場にも影響を与え、これらのオプション取引とロシア債でポジションをとっていたLTCMは巨額の損失を出す。これ以降LTCMは巨額の損失を出し続けることとなる。
LTCMが損失を抱える中ショールズは当初の方針を忘れ、投機に走っていたこのファンドに見切りをつけ、個人資産をファンドから引き揚げていた。
メリウェザーはこの損失を一時的と捉え、余裕しゃくしゃくと中国を旅行していた。
ハガニはすでにロシア債の保有で損失を抱えているにも関わらず、買い時と判断し、ヘッジもかけずにロシア債を買いまくっていた。社員も呆れていた。
その後、メリウェザーたちの思惑とは裏腹にLTCMの損失は更に広がり始め、とうとうLTCMの命も危うくなり始めていた。彼らは保有しているポートフォリオは売りたくても売れない状況にあった。買い手がいないのだ。
投資家たちはリスクをとることを恐れ、比較的な安全なアメリカ国債や日本国債に向かっていた。
LTCMのポートフォリオを構成している銘柄は新興市場などのジャンク債で投資家たちにとっては手を出したくもない商品だった。LTCMが無理にそれらを投げ売れば、価格は暴落し、市場に影響を与えるだけでなく、損失は一気に今よりも膨れ上がる。
メリウェザーたちはジョージ・ソロスに助けを求めた。ソロスはLTCMのポートフォリオの内容に興味を示す。実際、LTCMのポートフォリオは相場が回復すれば魅力的だった。いずれは回復する。メリウェザーたちもそれはわかっていた。だが、回復するまでにLTCMがもたない。そこで、ソロスは1週間後にも5億ドルを投資しても良いと言った。ただし、LTCMが独自に5億ドルを調達し、自己資本を立て直す事が条件だった。この時点での自己資本は27億ドルだった。
そこで、メリウェザーたちはJPモルガンに支援を求めた。JPモルガンはLTCMの帳簿を調べ、2億ドルなら用意できるだろうと請け負った。だが、残りの3億ドルを入手できずにソロスの助け船は去ってしまった。
メリウェザーたちはウォーレン・バフェット、大型ヘッジファンド、リーマン・ブラザーズに助けを求めたが、3つとも答えはノーだった。
メリウェザーたちにとって希望の星となったのがゴールドマン・サックスだった。
ゴールドマンのCEOだったコ―ザインはLTCMの取引の詳細を閲覧できる事を条件に資本提供に同意した。
だが、その後LTCMの自己資本はゴールドマンの査察を受け入れてから急激に減り続けていた。
LTCMのポートフォリオを閲覧し、内容を知ったゴールドマンが構成銘柄の空売りを行っていたことはすぐに想像がつく。あくまでゴールドマン側は否定している。
LTCMの損失についにNY連銀も動き出した。LTCMの破綻は金融市場に混乱をもたらし、金融危機を引き起こす可能性があったからだ。NY連銀総裁の幕ウィリアム・マクドナーは何度もメリウェザーからLTCMの状況報告を受けていた。
一方、ゴールドマンサックスはゴールドマン・サックス、ウォーレン・バフェット率いる投資会社バークシャ・ハザウェイ、保険会社AIGの3社によるLTCMの共同買収を模索していた。
マクドナーはLTCMを救済するためにFRBが介入しなければならないと考えていたが、介入すればFRBが非難の的になる事恐れていた。それだけは避けたかった。連銀の権力を控えめに振るわなければならなかった。それができる唯一の方法はウォール街の民間銀行に協調体制を取らせ、解決方法を探すことだった。
1998年9月23日水曜日、マクドナーによってNY連銀ビル10階の役員会議室にバンカース・トラスト、ベア・スターンズ、チェース・マンハッタン、ゴールドマン・サックス、JPモルガン、リーマン・ブラザーズ、メリルリンチ、モルガン・スタンレー・ディーン・ウィッター、ソロモン・スミス・バーニー(旧ソロモン・ブラザーズ)の各社トップ、米銀のほか欧州系の大手銀行、NY証券取引所理事長たちが招集された。
この時、ゴールドマンは自社の計画(共同買収案の事。バフェットがなかなか決定を下せずにいた。)のことは黙っていた。
この時点でLTCMの自己資本は5億ドルに減っていた。
連銀の考えは全銀行14社によるLTCMの共同買収であった。JPモルガンもこの方法しかないと考えていた。JPモルガン2つのシナリオを考えていた。1つはLTCMを破綻させる事。そうすると融資を行っていた銀行は担保を押さえることに走りだし、結果的に主要行1社当たり5億ドルから10億ドルの損失を出すことにつながる。もう1つはJPモルガン単独でLTCMのポートフォリオを買い取る事。このシナリオの問題点はポートフォリオの内容をJPモルガン以外にもゴールドマン・サックスなど他社も知っているため、売りの攻撃されるのは必至だった。そのため、連銀の提案通り買い取るなら全員でやるしかなかった。
しかし、この案に乗り気でない銀行もあった。ベア・スターンズのCEOケインが自社はLTCMの救済策に応じないと宣言した。他社は猛反発した。
そんな中、ゴールドマン・サックスに朗報が入った。バフェットがLTCMの3社共同買収に賛成したのだ。バフェットは契約書をLTCM側に送ったが、LTCM側は契約書の不備を指摘し、これではサインできないとして、共同買収は中止になった。残された道はただ1つ14社による買収しかなかった。
メリルリンチのハーバート・アリソンがLTCM支援反対派への説得し、14行全社が救済する事で合意。11銀行がそれぞれ3億ドル、フランス勢とリーマン・ブラザーズ分を加えて36億5千万ドル用意し、LTCMの残った資本を加えることで40億ドルを確保するこができた。
その後、LTCMのパートナーたちは最後の抵抗を行い、LTCM買収後のポストに留任する事に成功する。だが、運用などの決定権はあくまで買収した14社側にあった。こうして、LTCMは14行によって買収されてた。
http://ameblo.jp/24-2001-start/page-5.html
コネチカット州グリーンウィッチに本社を置くロング・ターム・キャピタル・マネジメントは、きわめて富裕な投資家が出資する強力なパートナーシップで、秘密のベールに包まれてきたが、ロシアの通貨危機をきっかけに激震に見舞われた。
大手投資銀行、ソロモン・ブラザーズの元副会長、ジョン・メリウェザーとFRBの元副議長、デイビッド・マリンズが1994年に設立し、ノーベル賞の受賞者がふたり、博士号の保有者が何人もくわわっている。いわゆるヘッジ・ファンドだ。
ヘッジ・ファンドは、相場の上昇が予想される場合でも、下落が予想される場合でも積極的に動く。それぞれの時点で上昇が予想されるものを大量に買うと同時に、下落が予想されるものに空売りをしかけて、両方から利益を得ようとする。また負債比率がきわめて高い。LTCMは運用する資金の95パーセント以上を借入で賄っている。
(中略)
1994年と95年、LTCMは年に40パーセントを超える利益を稼ぎ出している。これは、パートナーや投資家から集めた数十億ドルの資金に対するものだ。
さらに1千億ドルをゴールドマン・サックスなどの大手金融機関から借り入れている。
おなじ手法を使うヘッジ・ファンドが増えて競争が激化したのに伴い、LTCMは債券だけでなく、株式投資や為替取引に手を広げていった。
だが、ロシアの債務不履行で総崩れがはじまった。債券価格はLTCMが想定する適正水準に戻るどころか、懸け離れる一方になった。9月初め、LTCMは純資産の半分近い18億ドルの損失を出したと投資家に知らせた。驚くべき損失額だ。世界の債券市場が凍りついたようになっているため、既存のポジションの多くは解消できない。
9月18日金曜日、ニューヨーク連銀のマクドナー総裁は古風で豪華な執務室で、LTCMのメリウェザーとマリンズからの電話を受けた。野心に満ちたLTCMが窮地に陥っていることはすでに承知していた。
ふたりが伝えた内容は単純だった。巨額の損失を被っており、債務不履行を避けるため、融資してくれる銀行や投資会社を探しているが難航しているという。狼狽した様子はない。
総裁が知るかぎり、メリウェザーは狼狽した姿などおそらく見せない冷静な相場師であり、マリンズは真の意味で市場のプロだ。このふたりが、みずから報告してきたのだ。純資産が底をつきかけている。重大な問題なのでFRBと財務省の幹部にコネチカットの本社に出向いてほしいという。「帳簿をよく調べて、実態を把握してもらいたい」
この要請はただごとではない、にっちもさっちも行かなくなっているに違いない。問題がよほど大きくなければ、世界でも指折りの秘密主義の金融集団が部外者を引き入れるはずがない。マクドナー総裁は自分が戦場の司令官のような立場にあると考えている。だから、FRBの幹部を派遣するかどうか自分の判断にかかっている。とはいえ金融政策にもかかわる問題なので、少なくともグリーンスパン議長の耳に入れ、承認を得なければならない。
自分が議長よりも積極介入派であることも自覚している。議長は市場への介入を嫌い、自由市場での解決を望む。だが、コリガンの伝統を受け継いだニューヨーク連銀総裁としては、積極派であるべきなのだ。ここはその役割をしっかり果たした方がいい。ある面で、自分はFRB議長に派遣されたニューヨーク代表だ。そのための代表なのだから、前に出なければならないときもある。
マクドナー総裁はグリーンスパン議長に電話をかけて状況を説明し、LTCMに何人か派遣したいと言った。状況が詳しくわかれば対処のしようがあるが、人を派遣しないかぎりわからない。だれにも全体像が見えていない。われわれがやるしかない。
グリーンスパンは承諾した。
これを受け総裁は、10社あまりの銀行や証券会社の経営者に電話し、「何が起こっているのか。どう言われているのか」と尋ねた。だれもがLTCMの損失と、それが世界市場に与える影響を懸念していると話してくれた。そして、遠まわしに自社への影響を口にした。
つぎに総裁はルービン財務長官に電話をかけた。長官は、FRBと財務省のチームがLTCMの帳簿を調べていることが漏れた場合のリスクについて指摘したが、リスクを冒すだけの価値はあることに同意した。知らなかったで済まされるような問題ではないからだ。同時に、LTCM自体は小さな問題だろうが、市場の規律の乱れを示すものだと語った。それ自体が大問題を引き起こすことはないとルービン長官はみていた。
マクドナー総裁はロンドンで講演を行う予定になっている。講演をキャンセルすれば、そしてこのキャンセルと、LTCMにFRBと財務省のチームが派遣されている事実が結びつけられれば、正真正銘のパニックを引き起こしかねない。総裁はロンドンに向かった。
9月20日日曜日、ニューヨーク連銀のピーター・フィッシャー副総裁がコネチカットに派遣された。午前10時、長くてくせ毛、ハーバード・ロー・スクール出身のフィッシャーがLTCMに到着した。なんの変哲もないレンガづくりのビルにあり、歯科の診療所といってもよさそうだ。
フォッシャーは6時間あまり帳簿を調べた。大きな驚きがいくつもあった。第一に、株式オプションで巨額のポジションをとっている。ある推計によれば、LTCMの売買額が全体の3割を占める投機的市場があり、同社は株式の価格変動性が低下すると予想してオプションを売っている。第二に、あらゆる融資にクロス・デフォルト条項がついている。つまり、ひとつの貸し手に対し債務不履行を起こせば、自動的にすべての貸し手に債務不履行を起こすことになる。ひとつの債務不履行が起これば、すべての資産、すべての投資を貸し手が背負い込むことになる。
債務不履行がひとつ起これば、LTCMのファックスが休むことなく取引清算の注文を貸し手に送りつづけることになるだろう。
ゴールドマン・サックスやメリルリンチをはじめ、16社もの大手銀行や証券会社がLTCMに融資している。
同社が破綻すれば、その衝撃がアメリカや世界の金融システムを直撃する。見切りのポジション解消が、唐突で無秩序な取引清算が連鎖反応を呼び、さらなる売りにつながる。投資家の信認は急落する。債券市場からの資金逃避が起こり、社債と米国債の利回り格差はますます拡大する。こうした悪循環でアメリカ企業の信用コストが上昇し、アメリカ経済に多大な影響を及ぼす。ただでさえ市場が円滑に機能していないときに、こうした事態が起こるのだ。
百年に1度の崩落として歴史書に記録されるかもしれないとフィッシャーは思った。マクドナー総裁に電話をかけた。
アメリカの債券市場を1週間あるいは1カ月、壊滅状態に陥れる可能性が10パーセントある。その後どうなるかは、まったくわからないと伝えた。
9月21日月曜日、アジアで大規模な売りが起こった。早朝のニュースによれば、ルインスキー問題に関するクリントン大統領の大陪審証言がテレビで放映されたからだという。フィッシャーは思わず笑った。賢明な投資家がLTCMの破綻を予想し、投げ売りしているのだろう。
この日、グリーンスパン議長はFOMCの電話会議を開き、自身の議会証言の内容について同意を求めた。議長やFOMCの手を縛らないようにしながら、利下げが近いとはっきり示唆したいと考えている。異論はなかった。
マクドナー総裁は火曜の深夜、ロンドンから戻った。調査結果は恐ろしいものだった。LTCMの取引を唐突に、無秩序に清算する事態になれば、アメリカ経済は深刻な危機に陥りかねないと考えていた。水曜朝の時点で、LTCMはどこかに買収されるか、数十億ドルの資本注入を受けなければ立ちいかないのが明白になった。この日のうちに決まらなければ、LTCMは翌日に破綻する。
マクドナー総裁とフィッシャーは、ゴールドマン・サックスなどの大手投資銀行がある面で、LTCMと変わらぬほど負債比率が高い取引を行っていることを知っている。取り付け騒ぎになれば影響は測りしれない
フィッシャーは、水曜の午前10時、16の銀行と証券会社の代表をニューヨーク連銀に集める手はずを整えていた。ほとんどがCEOだ。そこに、ゴールドマン・サックスのジョン・コーザイン会長から、投資会社、バクシャー・ハザウェイの会長で世界第二位の資産家、ウォレン・バフェットが投資グループを結成し、LTCMを買収する可能性があるとの連絡が入った。
本人に確認をとりたいとマクドナー総裁は答えた。バフェットなら人柄をよく知っている。ほんとうに40億ドル投資するつもりなら、よくよく考えたうえでのことだ。
バフェットは、マイクロソフトの会長で世界一の資産家、ビル・ゲイツとともにモンタナ州にいた。4組の夫妻とイェローストーン国立公園を周るバス旅行の最中だった。LTCMの買収には乗り気だ。40億ドル投資すれば、世界の市場を落ち着かせることができ、数十億ドルの利益を手にできると踏んでいた。バフェットほどの資産があれば、大きな獲物がやってくるのを待っていればいい。まさにいまが、その機会だ。
マクドナー総裁は、バフェットの非公開の番号に電話をかけた。この番号には、いつも本人が出るが、話してもいい相手だとわかるまで、バフェットは声色を変える。
感じのいい穏やかな中西部訛りの声が電話口に出た。
「ビル・マクドナーですが、バフェット氏につないでいただけますか」
「やあ、ビル」とバフェットが答えた。買収提案はほんとうで、書類にしてある。破綻するのを放置はできない。しかし、債券相場の変動が極端になっているので、提案の有効期間はせいぜい1時間だ。午前中にLTCMからの回答が欲しい。
安堵した総裁は、16社のCEOや代表が待つ理事会会議室に向かった。
別の提案があった。多くの方々には、どんな案よりも魅力的な解決策だし、これで問題が完全に解決すると思っていただけるだろう。申し訳ないが、1度お帰りになるか、適当に時間を過ごして午後1時に戻ってきていただきたい。
おなじ水曜日の朝、グリーンスパン議長は懐かしい声の電話を受けた。ニューヨーク連銀の前総裁で、1987年の株式暴落の際に陣頭指揮をとったジェラルド・コリガンだ。現在はゴールドマン・サックスのシニア・パートナー兼マネージング・ディレクターであり、同社のリスク管理委員会の共同委員長をつとめている。
アラン、ちょっと耳に入れておきたいことがある、と親しみのある低い声で話しはじめた。反応やコメントは期待していないし、ほしくない。
グリーンスパンは耳を傾けた。
市場の流動性がまったくなくなっている。もちろん、ご存知だろうが。数億ドルの支払い期限が、この夜に迫っている。それが滞れば……。ニューヨーク連銀でさまざまな会議が開かれていることは、もちろん議長も知っていた。非常に危険だ。1987年の株価暴落ほどでないにせよ、それに近い。
コリガン博士、ありがとう。議長はそう言って電話を切った。
午後0時30分ごろ、LTCMがバフェットの買収提案を断ってきた。出資者との取り決めで、バフェットへの売却を決める権限がないのだという。
モンタナではバフェットが、国立公園めぐりは数十億ドルについたとビル・ゲイツに冗談を言った。ニューヨークにいれば、買収をまとめられたはずだと確信していた。
マクドナー総裁は、メリウェザーとマリンズにとって、この話が流れたのは好都合だったのだと気づいた。バフェットに買収されれば、自分たちはすぐに追い出される。だが、これでいずれ会社を辞めるにしても、カネをもらえる機会が生まれた。
この時点で、LTCMに融資している16の金融機関が救済策をまとめるしか道はなくなった。これら金融機関のトップが、会議室で待機していた。
(中略)
さまざまな点で、つぎの段階に何をすべきかは明白だと総裁は考えた。FRBは本来なら介入すべきではないが、何もしない場合のリスクが大きすぎるので、自分が一肌脱ぐのは許されるはずだ。主要金融機関を招集したのは、ある意味で、燃え盛る火事の現場に急行するために、消防車で一方通行の道を逆走するようなものだ。被害がきわめて大きくなりうる場合、通常の規則は適用されない。いまこそFRBが乗り出すべきであり、混乱を収拾するのが自分の役割だ。
こうした会議に乗り込み、こうすべきだと言わなければならないときがあるとマクドナー総裁は考えていた。大上段から解決策を押しつける。だが、今回は違う。こちらは秘密を握っている。向こうにも自分たちの危険を理解するだけの材料が揃っている。市場の混乱が収拾できなくなれば、何社かは経営が破綻しかねない。ヘッジ・ファンドと変わらぬほど巨額の借り入れで投機的な取引を行っている金融機関があり、危険な状態にある。自分は目立たない方がいい。ここに集まった金融機関にとっては、どうすべきかは考えるまでもない。別の道を選べば悲惨な結果になるのだから。なんとかしてLTCMを救済する方法を考えるしかない。
金融機関側が恐れていることにも総裁は気づいていた。だれも舵をとっていないからだ。通常なら、市場が王であり、舵をとっている。その市場が機能していないのだ。
テーブルを囲んでいるのは、いまの「宇宙の支配者」であり、野心的で、秘密主義で、競争好きな面々だ。不信と猜疑心が渦巻いている。怒りをあらわにしている者もいる。それぞれが発言すると、問題の深刻さについて、それぞれまったく異なる見解を述べた。みな自社を代表して話すことはできるが、カネを注ぎ込むのであれば取締役会の承認を得なければならない。
マクドナー総裁は、サンドイッチとコーヒーを勧めた。そして、バフェットの買収提案が拒否されたと報告した。公共の利益を考えるなら、LTCMのポジションは市場に投げ売りしない方がはるかにいい、LTCMは破綻させない方がいい。今日中にみなさんが手を打たなければ、明日には破綻するとわれわれはみている。そう総裁は語った。
メリルリンチでCEOにつぐ地位にあるハーバート・アリソン社長が立ち上がった。小柄で、頭が禿げ上がった同社長は、背筋をピンと伸ばしてメモを読み上げた。会議室に集まった金融機関の損失は合計で200億ドルになりうる。LTCMが生き延びるのに必要な40億ドルの数倍だ。200億ドルもの損失は破滅的だ。だが、これすら始まりにすぎない。LTCMが必要とする40億ドルを調達しなければ、明日には破綻する。破綻すれば、取引に応じる者のいない巨額のポジションが宙に浮く。それで終わりだ。途方もない額の狼狽売りがはじまり、相場は暴落、だれもが逃げようとする。システム全体が危機に瀕している。「われわれは国民に対する義務を負っているのではないか。責任は自社や顧客に対するものだけではない。この点ではみなおなじだ」
アリソン社長は救済策の原案を示した。16社が2億5千万ドルずつ拠出する。リーマン・ブラザーズの代表が、それはむずかしく1億ドルしか出せないと発言した。さらに2社が減額を申し出た。とくに規模の大きい機関が拠出額を3億ドルに引き上げることになった。緊迫したやり取りは5時間に及び、午後6時ごろようやく合意に達した。全体で36億ドルを拠出することが決まった。LTCMを買収し、市場が落ち着けば、投入した資金は取り戻せるし、わずかながら利益も得られるだろう。
全員が歓声をあげた。
シティコープでは、ジョン・リード会長が詳細な報告を受けていた。シティ自体がLTCMに融資しているわけではないが、同社の優良顧客であるゴールドマン・サックスやメリルリンチ、ソロモン・スミス・バーニーが身動きとれなくなっている。笑いごとではない。これらの機関には多額を融資している。ニューヨーク連銀に集まった機関への融資残高は合計数百億ドルにものぼる。どこかひとつがおかしくなれば、うちもおかしくなる。直接に関与はしていなくても、わずか一歩の距離しか離れていない。リードは融資部長にそう話した。
LTCMに関する合意ができ、市場はいくぶん落ち着きをみせたが、翌週末にかけ5回にわたって合意がこわれそうになった。ある銀行が資金を引き揚げようとしたためだが、最終的には救済にくわわることに同意し、9月28日月曜日に契約が締結された。
マクドナー総裁は、誠実な仲介者として触媒の役割を果たしただけだとグリーンスパン議長に説明した。公的資金の注入が検討されたことはない。圧力をかける必要はなかったが、関係者を一同に集められたのはFRBだからこそだと総裁は自負していた。
グリーンスパン議長としては面白くない。マクドナー総裁は、ニューヨーク連銀の名前を貸したのだ。会議は、ニューヨークのどこかの企業の役員室を使えばよかった。FRBがお膳立てをする必要はなかった。総裁は判断を誤り、少しばかり焦ったのだろう。LTCMの破綻が世界の金融システムを揺るがす可能性は50パーセントを大きく下回る。とはいえ懸念するのは当然だ。ある時点まで、議長の心は揺れていた。しかし、事は終わった。いまは、連邦準備制度理事会の団結を維持するのが自分の役割だ。そのためには、マクドナー総裁を支持するのが最善の方法だと議長は考えた。
以上、『グリーンスパン』P.340〜353より。
アメリカの巨大ヘッジファンドLTCM破綻と救済メカニズム
絶対に損失は出ないはずだった。ところが98年8〜9月にかけて、ヘッジファンドLTCMがロシアの金融崩壊の影響を受けて40億ドルの損害で破綻し、一時ウォール街が大暴落した。しかしウォール街とホワイトハウスをあげて、LTCMは直ちに救済された。
LTCM経営者ジョン・メリウェザーは、91年にアメリカ国債を一手に引き受けていたソロモン・ブラザーズの副会長で、ソロモン時代にはジェームズ・ウォルフェンソーン(のちの世界銀行総裁)のパートナーであった。
ウォルフェンソーンは、ロスチャイルド財閥のS・G・ウォーバーグの創業者ジークムント・ウォーバーグが自ら育てた人物で、シュローダー銀行幹部、ソロモン・ブラザーズ・スミス・バーニー会長を歴任したあと、ウォール街の買収ブローカー「ウォルフェンソーン・インコーポレイテッド」を経営し、93年にソロスをパートナーとして1兆円以上の企業買収を成功させ、95年から世界銀行総裁に就任した。同僚のスミス・バーニー副会長だったのが、J・P・モルガン財閥の当主ジョン・アダムズ・モルガンであり、その一族であるJ・P・モルガン会長プレストンの後任総裁として、ウォルフェンソーンが選ばれたのである。
ところがメリウェザーは、ソロモンでの国債の不正入札が発覚して辞任に追い込まれ、LTCMを設立した。その経営に参加したのが、かつて株価暴落に関する大統領調査特別委員会の事務局次長だったデヴィッド・マリンズであった。これは不思議な関係であった。
マリンズは連邦準備制度理事会副議長だった人物で、当時FRB議長ポール・ヴォルカーの部下だったから、後年の両者のLTCM経営参加の関係から、マリンズから国策情報がメリウェザーに筒抜けとなって、2人が組んで不正入札がおこなわれたと考えるのが自然である。ソロモンが扱っていたアメリカ国債を、日本の金融機関は大量に買わされたが、アメリカは日本から金を集めるため、95年まで一時は1ドル80円台という円高に誘導した。この政策をディーリング・ルームで実現したのが、FRBと、ソロスたちヘッジファンド・プレーヤーの連携プレーであった。メリウェザーとソロスは、アメリカの国家利益を代行していた。
その人物が設立したヘッジファンドLTCMに、ロバート・マートンが経営参加した。マートンは、ノーベル経済学賞受賞者ポール・サミュエルソン理論の研究者で、彼自身もノーベル経済学賞を受賞したが、日興證券とソロモンを買収したトラベラーズの投資部門重役でもあった。マートンのドイツ語読みはメルトンだが、ロスチャイルド財閥のドイツ最大の金属カルテル「メタルゲゼルシャフト」の創業ファミリーのメルトン家であり、同家はソロスが頻繁に利用した投資銀行シュローダー・ワッグの中興の祖であった。
またサミュエルソンの甥が、日本に圧力をかけ続け、世界銀行幹部から99年7月にクリントン政権の財務長官にのぼりつめたローレンス・サマーズであった。
要約すると、為替レートを差配するソロスと、そのレートに従って利益が変動する国債を販売したマリンズと、国債を引き受けたメリウェザーと、その国益を受けるサマーズとヴォルカーと、LTCMを運営したマートンが、みなウォール街の同胞で、ここまでに登場した民間バンカーはすべてロスチャイルド財閥のファミリー企業であった。
LTCMでは、投資家から集めた22億ドルの元手を担保に、最後に600倍の1兆2500億ドル(150兆円)まで投機運用額がふくらんだという。日本の国家予算の2年分に相当する額が破綻したのである。LTCMの救済に、ヴォルカーの後任者アラン・グリーンスパンの号令でアメリカの金融界が総力を結集したのは当然であった。
絶対に失敗しないはずの資産運用法をヘッジファンドと呼び、その理論をマートンたちが構築してみせたが、LTCMが破綻する前に、ソロスがこの手法の限界を見抜いて、全世界に破綻の警告を発していたという事実がある。この警告、そしてその後たびたびソロスが口にした「資本主義の限界」という言葉こそ、彼らが金儲けを非難されないためのヘッジであった。実際には、ソロスの言葉は嘘だらけである。ソロス不動産ファンドのエヴァン・マークス社長は、「日本の不動産市場は回復に向かう可能性が高い」と94年に発言したが、それ以後99年まで、日本の地価は一直線に下降してきた。相場の予見者として、まるで事実と合致していない。被害を受けたのは、ウォール街が挙げてLTCM救済資金をひねり出した場所、すなわち国際金融マフィアが集金に行った先の日本とアジア各国と中南米のマーケットであった。
LTCM事件は、全世界の市場を次々に食いつぶした彼ら自身が投資先を失って、破局に至ったという点が重要である。
J・P・モルガン会長ルイス・プレストンと、ソロスのパートナーだったジェームズ・ウォルフェンソーンが総裁をつとめてきた世銀は、公的な機関ではない。
アメリカ中央銀行の総裁ヴォルカーが、退職してすぐにウォール街でソロスの投機屋仲間となり、99年には前述の長銀救済グループ「リップルウッド」の顧問として再登場した。しかもLTCM創業者メリウェザーが、不正入札でソロモン副会長を辞任したあと、ソロモン会長に就任した人物が、“フォーブス”で、ビル・ゲイツにその座を譲る93年まで全米大富豪400人のトップにランクされたウォーレン・バフェットであった。バフェットが経営するバークシャー・ハサウェイの傘下にある保険会社サイプレス・インシュランスに、ヴォルカーが経営参加したのである。公私も何もない。
公的機関はすべて、ウォール街とロンドン・シティーのファンド・マネジャーと、スイスの銀行秘密口座管理人と同じ金融人脈で構成され、同じ人間が流動しているにすぎない。まったく危険なひとつの集団である。敢えてそれを2つの金融力に分類すれば、ヨーロッパのロスチャイルド財閥とアメリカのモルガン財閥が提携した力、と定義することはできる。
以上、『アメリカの経済支配者たち』P.178〜182より。
ジェームズ・D・ウォルフェンソン
世界銀行グループ総裁
(前略)
この投資会社設立以前にも、金融界で数々の重職をこなしてきました。ニューヨークのソロモン・ブラザーズの取締役パートナーや同社の投資銀行部門部長、ロンドンのシュローダーズ社の取締役副会長兼社長、ニューヨークのJ.ヘンリー・シュローダーズ・バンキング・コーポレーション社長、さらにオーストラリアの投資会社ダーリング&カンパニー・オブ・オーストラリア社の専務取締役を務めています。
ウォルフェンソン氏は、その長い職歴を通じて、舞台芸術を中心とする文化活動やボランティア活動にも幅広く活発に携わってきました。1970年には、ニューヨークのカーネギー・ホール理事となり、1980年から1991年までは理事長として同ホールの改修事業を成功に導きました。現在は名誉理事長を務めています。1990年には、首都ワシントンのジョン・F・ケネディー舞台芸術センターの評議委員長に就任。1996年1 月1 日、名誉委員長に選出されました。
さらに、多発性硬化症国際協会会長、持続可能な成長のためのビジネス・カウンシル理事、ロックフェラー財団財務委員長および理事、人口評議会理事、ロックフェラー大学理事も務めました。
現在、同氏は、世界銀行グループの総裁を務めるかたわら、プリンストン高等研究所の理事長の職にあります。さらに、ブルッキングス研究所の名誉理事、外交問題評議会員、ニューヨークの文化団体センチュリー・アソシエーション会員でもあります。
1933年12月にオーストラリアで生まれたウォルフェンソン氏は、後に米市民権を獲得しています。同氏は、シドニー大学で学士号(BA)と法学学士号(LLB)を取得し、ハーバード大学で経営管理修士号(MBA)を獲得しています。
ハーバード大学進学前には、オーストラリア系法律事務所アレン・アレン&ヘムスリーで弁護士として活動したほか、王立オーストラリアの航空士官でもありました。また1956年の夏季オリンピックでオーストラリアのフェンシング・チームの一員として活躍した一方、アメリカ芸術科学アカデミーとアメリカ哲学学会の研究員でもあります。同氏の行ったボランティア活動に対して数々の賞が贈られています。例えば、文化と芸術に貢献した同氏の活動を称えて、ニューヨークの近代美術館から贈られた初のデイビッド・ロックフェラー賞もその一つです。
1995年5 月には、同氏の芸術への貢献を称えて、イギリスのエリザベス女王からナイトの爵位が授与されました。その他にも、オーストラリア、フランス、ドイツ、モロッコ、ノルウェーの各国政府からも叙勲されています。
ウォルフェンソン夫人(イレーン)は、教育関係の専門家で、ウェルズリー大学から学士号(BA)、コロンビア大学から修士号(MA)と教育修士号(MEd)を取得しています。夫妻の間には、サラ、ナオミ、アダムの3 人の子どもがいます。
http://siteresources.worldbank.org/EXTABOUTUS/Resources/PresidentsBio-J.pdf
http://d.hatena.ne.jp/HEAT/20070303
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2.「高度な金融工学を駆使した取引」はカジノのギャンブルと何ら変わらなかった
【相場師列伝】 世界金融を震撼させた最強ファンド「LTCM」の崩壊劇
筆者はギャンブルが好きで、ラスベガスにもこれまでに4回行ったことがあります。
カジノの世界では「マーチンゲール法」と呼ばれる必勝法のように"見える"賭け方が昔からあります。
たとえばルーレットの赤か黒かに賭けるときのように、勝てば賭け金と同額が得られるようなギャンブルの場合、次のような戦法をとります。
(1) まず1ドル赤に賭ける。勝てば1ドルを得る。
(2) 負けた場合、次は2ドルを賭ける。勝てば最初に負けた分を差し引いて1ドルの勝ちになる。
(3) さらに負けた場合、次は4ドルを賭ける。そこで勝てば2回の負け3ドルを差し引いて1ドルの勝ちになる。
(4) 以降、負けるたびに賭け金を倍にしながら勝つまでつづける。
こうすると、何連敗しようともただ1回勝ちさえすれば1ドルの利益を得ることができます。
そうしたら手順の最初に戻ってやりなおせば、1ドルの勝利を何回でも積み重ねることができるので必勝法というわけです。
マーチンゲール法の弱点はもちろん負けがつづいたときにあります。
賭けをつづけるためには莫大な資金が必要です。
勝率1/2のとき10連敗する確率は1/1024なのでかなり低いですが、もしそれが起きた時11戦目にチャレンジできるようにするには2048ドルが必要になります。20連敗(確率100万分の1)に耐えられるようにするなら200万ドル強が必要になります。
これだけの資金を用意しても、1ドルずつコツコツと勝つことしかできない上に、もし資金が尽きるほどの連敗をすれば壊滅的敗北になるので、マーチンゲール法は賢い戦法とは言えません。
LTCMのやっていた「高度な金融工学を駆使した取引」は実はカジノでマーチンゲール法でギャンブルをするのと大して変わらないことだったのですが、それを見抜くことができたのはもちろん当時は誰一人いませんでした。
ハリウッド俳優並みに稼ぎ始めたファンドマネージャー
LTCMは1994年にジョン・メリウェザーという男によって設立されました。
メリウェザーは1980年代中盤にソロモン・ブラザーズで債権の裁定取引部門を率いており、100人のチームで総勢6000人のソロモンの全収益の半分を稼ぐほどの活躍をしていました。最近批判にさらされたウォール街の破格の報酬が定着したのもこの時期で、1989年にメリウェザーとソロモンは会社にもたらした収益の15%を個人にボーナスとして分配する契約を結んでいます。
これによって、メリウェザーとその部下たちは得意満面でした。なにしろ、数年前まで大学院生だったようなごく普通の若者や、顧問として招かれた経済学の教授のおじいちゃんが、トム・クルーズやブラッド・ピットと同じくらい稼ぐようになったわけですから。
顧問の教授の中には、マイロン・ショールズとロバート・マートンがいました。
ショールズはブラック・ショールズ微分方程式の開発者の一人であり、マートンもこの理論の構築に関わった人物です。
ブラック・ショールズ式はオプションの理論価格をはじめて数学的に解明した方程式であり、その結果の方程式のみならず方程式を導きだす数学的なテクニックがその後の金融工学に大きな影響を当たりました。
http://moneyzine.jp/article/detail/119028
◇管理部門の不在
LTCM内では通常管理部門がリスク管理しているが、パートナー達が決定権を握っており、口出しする事はできなかった
◇誰が客なのか?
お金を払う人が客であるのに対し、徹底した秘密主義をとり、どんな取引をしているのかどころか、どの程度リスクがあるのかさえ示さなかった。
確かに優秀なドリームチームではあったが、そこにじゃぶじゃぶ資金を入れた銀行を始め投資家も、問題である。
(投資家レターの中ではLTCMが今後5%の損失の可能性は5ヶ月に1回など示したが、
半分以上失う可能性は地球が誕生してから1回あるかないか程度としている)
◇確率だけでは勝てない
2つのサイコロを振って5回連続合計が2(1と1)が出る確率は非常に少ない。合計7が一番多い訳だが、絶対に2が出ないという保証はなく出るかもしれないのが相場である。
確率・数値だけで、リスク管理を行い、合計2は出ないと勝手に決めるのは絶対によくない。
いつか火傷するだけである。
オプションではリスク管理がとても重要です。
http://opuken.my-sv.net/modules/pico/index.php?content_id=21
Arbitrageで大もうけしたLTCMのドン、金儲けの神、メリウェザー。
この金儲けの神の会社、LTCMも破綻した。
ノーベル経済学賞学者を抱えていても破綻した。
これが、ものの本によると、その理論の前提を見落としていたことが、その破綻の原因だとかなんとか。
彼らの手法はArbitrageと呼ばれる、市場の歪みを利用して、サヤをとるというもの。
Arbitrageとかはなかなか面白い。
さっき完備市場と書いたが、どんな市場かというと、任意の金融商品は、他の金融商品の組み合わせを用いて常に復元可能であるというような市場。
うまいことやると、ある株式と全く同一のリスク・リターンを持つ株式の組み合わせを再現することができるわけだ。 で、同一のリスク・リターンを持っているわけだから、両者の価格は同一でなくてはならない。
これぞArbitrage Pricing Theory、略してAPT。
で、実際の市場には情報の不均一性というか、なんというかそういうのがあるために、歪みが生じている。
そのため、この同じであるはずの金融商品の価格が異なることがある。
すると、儲けたい人は何をすればよいのかと言うと、高いものを売って、安いものを買えば良い。
何れは理論的な価格に鞘よせされてくるのであれば、ノーリスクでリターンを実現することが可能となる。
そんなこんなで大もうけしたLTCMが破綻。何故か?
まぁこの手の理論というのは、市場には無限の流動性があり、売りたい時に売れる、買いたい時に買える、みたいな前提があるんだとか。
彼らの場合、あまりにばかでかいポジションを取ってしまったがために、自分達の売りで値崩れを起こしてしまうような規模だった。
つまり、流動性がほぼ無い状態を作り上げてしまったわけだ。
そこでは理論は通用しない。
なす術も無く破綻していくLTCMであった。
http://blog.livedoor.jp/tomumeda/archives/13480552.html
債権の裁定取引の魅力にとりつかれたメリウェザー
ソロモン・ブラザーズでは違法行為に加え脱税も発覚し、メリウェザーは罰金と3か月の就労禁止処分となりましたが、当然ソロモンを辞職せざるを得ませんでした。
しかし、債権の裁定取引の魅力にとりつかれていたメリウェザーは、新規にヘッジファンドLTCMを設立してソロモン時代と同じことをしようとしました。
ショールズとマートンの両教授や元FRB副議長のデビッド・マリンズを取締役として招き、ソロモン時代の部下やマートンの教え子の金融工学のエースたちで構成されたチームを率い、ソロモン時代に荒稼ぎしていた手法にさらに磨きをかけて取り組もうというのです。
その自信は手数料設定に表れています。
ヘッジファンドが取る手数料は、投資資金の1%と利益の20%、というのが相場でしたが、LTCMは「1%と20%」ではなく「2%と25%」でした。
しかも投資額は最低1000万ドル(現在の相場で約90億円)、申込から3年間は解約不可、という条件でしたので一般の個人を対象にしたものではありませんが、金融機関や大学の基金、映画スターや有名スポーツ選手の個人資金を集めることに成功したのです。日本の投資家で最大だったのは住友銀行でした。
ところで、メリウェザー心酔の「債券の裁定取引」とはどのようなものでしょうか?
裁定取引とは、本来同一のものに異なる場所で異なる価格がついているとき、一方を買いもう一方を売ることで価格差を利益とするものです。
同一のものなので最終的には価格は一致するはずという原則に従い、取引を行ったあとの値動きとは関係なく必ず利益になるというのが重要な点です。
単純な例としては、同じ会社の株式がたまたま東証と大証で異なる価格で取引されていれば、安い方を買って同時に高い方を売れば必ず利益になりますね。
当然、こんな単純な裁定取引は誰でも思いつくのでそのようなチャンスが実際に発生することはありません。ところが、債券は種類が無数にあり(そのデリバティブまで含めればさらに膨大な種類です)、しかも取引所がなく売り手と買い手の直接交渉による市場しかないので、十分に頭が良ければ裁定チャンスを見つけることができます。
http://moneyzine.jp/article/detail/119028?p=2
設立当初はリスクの低い商品を中心に売買を繰り返し、レバレッジ(手持ちの資金を担保にしてたくさんのお金を借りて運用すること)をかけることで、莫大な利益を上げることに成功していました。
次第に周りの会社もこのシステムを利用してお金を儲けようと考え始めるのです。
そこで、儲けが少なくなったLTCMはリスクの高い商品を運用する事となります
そして、1997年に事件が起こります。
http://www.keizai-teian.com/finance/13000005.html
神々の崩壊:世界を揺るがすヘッジファンド危機 98年10月13日 田中 宇
関係者以外の人々にとってはほとんど無名の、アメリカの金融会社の破綻が、世界の金融システムを崩壊させようとしている。ニューヨーク近郊のコネチカット州グリニッジという町にあるロングターム・キャピタル・マネジメント(LTCM)という会社である。
LTCMは、従業員170人ほどの小さな会社だが、世界の金融システムにとっては、扇の要のような、目立たないが重要な存在であった。そして、その重要さが世の中に認識されたのは、9月下旬にLTCMが倒産の危機に陥ってからのことだった。
LTCMは、いわゆる「ヘッジファンド」の一つだ。だが、世界に3000社あるといわれるヘッジファンドの中では、ずば抜けて運用成績が良かった。1994年に設立されたLTCMは、95年には43%、96年には41%という、高率の運用配当をあげることに成功した。
アメリカの国債金利が5%前後のときに、40%もの儲けが出せるというのだから、驚異だ。そのため、LTCMは一般の人々には無名だったが、金融業界の人々では、知らぬ者のないような存在だった。
LTCMの創設者は、大手金融機関であるソロモンブラザースの債券トレーダーとして、ソロモンに巨額の利益をもたらし、副会長までのぼりつめたこともあるジョン・メリウェザー氏。「投資の神様」と呼ばれた彼が目をつけたのは、異なる種類や満期の債券の利回り格差が、一時的に変動しても、その後ある程度の時間がたてば、再び一定に戻る、という債券の市場原理を使って儲けるということだった。
債券とは金利付きの借用証書であるが、借り手が誰であるかによって、その利率は違ってくる。アメリカや日本などの政府が借り手となる国債なら、予定通り返済されないリスクが低いので、金利は比較的低くなる。
一方、企業が借り手となる社債は、倒産のリスクがあるので、金利がその分高くないと貸し手が現れない。経営難の企業の社債(ジャンク債)は、優良企業の社債より、金利が高くなる。アメリカでは、住宅ローンや自動車ローンの債権を証券化した債券などもある。
これらすべての債券は、格付け機関によって格付けされ、それによって金利が違ってくる。たとえば、5年ものの米国債は、「BB3」と格付けされた5年ものジャンク債より、2%ポイントだけ利回りが低いのが普通だ。どちらかの債券の需給が一時的に変化すると、この利回り格差が広がったり、縮んだりするものの、数時間から数日のうちに、市場原理が働いて、元に戻っていく。
LTCMは、この米国債とジャンク債の利回り格差が広がったら、ジャンク債を買い、米国債を空売りしておく。やがて利回り格差が縮み、ジャンク債は金利が下がる半面、国債の金利が上昇する。債券は、金利が低いほど、多くの人々がその債券をほしがっている(金利が低くても買い手がいる)、つまり価値が高い。
利回り格差が縮むと、LTCMが買ったジャンク債は値上がりし、売った米国債は値下がりしたことになり、両面で儲けを出すことができる。
●ノーベル賞学者が作った取引プログラム
とはいえ、1回ごとの利回り格差の拡大や縮小はわずかなもので、いわば水面に立つさざなみだ。それを利益に変えるのは、さざなみを使って波力発電をするようなもの。膨大な量をこなさないと、十分な利益が出ない。つまり、自動化が必要だ。
そのため、LTCMは、複雑なコンピュータープログラムを組み、無数の債券どうしの利回り格差の変化を自動的に判断できるようにした。そして、そのプログラムを組んだのは、スタンフォード大学教授だったマイロン・ショールズ氏と、ハーバード大学教授だったロバート・マートン氏という、2人のノーベル賞受賞者だった。
2人は、金融デリバティブの理論を解明し、デリバティブの評価基準や新商品を作りやすくしたことを評価され、1997年にノーベル経済学賞を2人で受賞している。デリバティブの生みの親ともいえる存在だ。そんな2人が作ったプログラムだから、完璧さはピカイチだった。
さらに、経営者のメリウェザー氏は、1990年代初頭に、アメリカの中央銀行にあたる連邦準備制度理事会(FRB)のナンバー2(副議長)をしていたデビッド・マリンズ氏を、自社の首脳に据えた。
ウォール街の天才トレーダーが取引手法のアイデアを考え出し、ノーベル賞学者がプログラムを作り、中央銀行の元首脳が加わって会社に箔をつける・・・。LTCMは、これ以上の組み合わせはない、といえる「神々たち」の集団だった。そして、会社設立の翌年に40%もの利益をあげたとなれば、関係者の注目を集めないわけがない。
ウォール街は、巨額の利益をあげる人々を神格化してしまう場所である。アメリカからだけでなく、ヨーロッパやアジアからも、大手の金融機関が、投資したい、融資したい、といってやってきた。集めた資金を使い切れず、一部を返還しなければならないほどだった。
●ヘッジファンドとは
ヘッジファンドは、100人以下の個人や法人から資金を集めて運用する金融会社である。無数の人々から金を集める銀行などに比べ、はるかに公共性が低いため、金融当局による監督や規制をほとんど受けていない。
ヘッジファンドには、大きく分けて2種類がある。一つは「マクロファンド」と呼ばれるもの。下落しそうな通貨や、倒産しそうな会社の株を空売りしておき、予想が現実となるのを待つ(または予想が現実となるように仕掛ける)という、クモが巣を張って獲物を待つような手法である。アジアを通貨危機に陥れた元凶と名指しされるのが、この手のファンドで、ジョージ・ソロス氏の「クオンタム・ファンド」もこの部類だ。
一方、LTCMのようなヘッジファンドは「市場中立型」と呼ばれる。市場が変化するのを待つのではなく、変化した後で再び元に戻る動きを利用する。マクロファンドのように市場を一方向に揺さぶったりしないため、中立型と呼ばれる。
LTCMの手法は「中立」で、しかも市場原理に基づく失敗のありえないやり方なので、金を貸しても安全だ、という考え方が、欧米の金融機関の間に広がった。
資本金50億ドル(約6500億円)のLTCMが、その20倍にあたる1000億ドル(約13兆円)の資金を金融機関から借り、「絶対儲かる取引」を拡大した。
●世界的信用縮小が始まった
だが、「絶対に沈まない」と言われたタイタニック号が、あえない最期を遂げたように、LTCMのビジネスにも、落とし穴が待ちうけていた。
昨年、アジアに始まった国債金融危機は、今年に入ってロシアへと飛び火し、中南米市場、そして国際金融の総本山であるアメリカ市場をも、脅かすようになった。ロシアが事実上の債務不履行を宣言した8月あたりから、欧米投資家の不安が高まり、ロシアや中南米に投資されていた資金が、欧米に逆戻りするようになった。
世界経済は、1989年のベルリンの壁崩壊以降、欧米や日本からの資金が、アジアやロシア、中南米などの「新興市場」に投資される、という流れが続いたが、それがなだれを打って逆流し始めたのである。同時にアメリカでは、ジャンク債や住宅ローン担保債など、比較的リスクの高い債券が敬遠されるようになった。
世界的な信用縮小が起こり、行き場を失った資金は、最も安全と思われる米国債市場へと流れ込んだ。そのため米国債は値上がり(利回りは低下)し、ジャンク債などは値下がり(利回りは上昇)した。
普通ならこういう場合、しばらくすると米国債からジャンク債などに資金が流れるはずだが、投資家のほとんどは不安に駆られているため、そうならなかった。逆に「ジャンク債は危ない」という心理に拍車がかかり、格差は広がるばかりとなった。
「広がった格差は必ず元に戻る」という「原則」に基づいて取引プログラムを組んでいたLTCMは、短期間に巨額の損失を抱えることになった。9月に入っても市場に「原則」は戻らず、9月18日ごろにはついに、LTCMの危機的状況が、ウォール街の誰の目にも明らかになった。
●金融機関の連鎖倒産もありうる
13兆円という巨額の負債を抱えたLTCMが破綻すると、金を貸していた金融機関の中から、いくつも連鎖破綻が出てきかねない。しかも、LTCMは「運用の神様」だったから、多くの金融機関が、LTCMと同じ運用ポジションを取っていた。金融機関にとっては、貸した金が返ってこなくなるばかりでなく、自社の運用部門も大損を被ることになった。
ただでさえ、ロシア経済の破綻やアジア経済のさらなる悪化で、世界の金融機関の損失は増える傾向にある。LTCMの破綻は、世界的な金融破綻につながる可能性があった。LTCM経営悪化のニュースが広まると、世界各地の株価が下落し出した。
こうした状況をみて、アメリカの金融当局が動いた。ニューヨーク連邦準備銀行は9月20日ごろ、LTCMに融資しているところを中心に、欧米の金融機関15社に声をかけ、LTCMに緊急融資をすべきだと働きかけた。9月23日には、ニューヨーク連銀に15社の代表が集められ、救済融資を渋る各社を連銀が説得、あるいはおどし、35億ドルの救済計画を組み上げた。
連銀自体は金を出さず、公的資金が使われることはなかったが、日本の大蔵省が金融機関を「指導」するのと同じような、当局の圧力による救済策作りだったことは間違いない。こうした、当局による圧力は、アメリカが日本や他のアジアに対して「そういう不透明なことはするな」と批判しつづけていたことである。
香港やマレーシア、タイなど、ヘッジファンドによる攻撃の被害を受けた国々の当局者は、アメリカの金融当局が、民間金融機関に圧力をかけてヘッジファンドを救済しようとしていることを、強く批判した。世界経済の模範であったはずのアメリカに対する不信感が強まった、と指摘する専門家もいる。
●名門銀行も傷ついた
信用を落としたのは金融当局だけではない。LTCMに融資していた欧米の金融機関の信用も失墜することになった。銀行業務の基本からみれば、資本の20倍もの金を借りているLTCMにそれ以上融資することは、かなり危険なことだ。しかもヘッジファンドは当局の監督をあまり受けていないため、経営の実態も不透明だ。
そんなLTCMに巨額の融資が集まったのは、経営陣が「神様」で、「失敗するはずのない手法」をとって、驚異的な利益をあげていたからだが、LTCMが破綻してみると、それらはすべて「神話」であった。神秘のベールがはがされてみると、貸し手の金融機関は「何でこんな会社に、こんなに貸したのか」と批判されることになった。
最大の債権者となりそうなスイスの名門銀行UBSは、3人の経営陣が引責辞任した。イタリアの中央銀行は2億5000万ドルを投資していたが、担当者は「LTCMがヘッジファンドだとは知らなかった」とコメントした。
LTCMが破綻する直前、FRBのグリーンスパン議長は、ヘッジファンドについて米議会で証言し、「融資している民間金融機関の方が、政府よりもヘッジファンドの実態を把握しており、彼らが(融資を通じて)ヘッジファンドを管理してくれる」と述べた。だが実際には、それは全くの空論だった。
FRB主導の緊急融資によって、 LTCMの危機が終わったわけではない。一時しのぎのつなぎ融資をしただけだ。しかも、他のヘッジファンドの中にも、経営難に陥るところが出てきた。最近のドル安円高傾向は、こうしたヘッジファンドが、円安を予想して持っていたドル買いポジションを崩したことにより、発生している。
FRBやヨーロッパの金融当局は、世界的にヘッジファンドに対する規制強化を検討した。だが規制を強めれば、ヘッジファンドは誰の規制も受けないオフショア市場へと逃げた上で、同じことを続けるだろう。むしろ、貸し手の金融機関の経営体質を見なおした方がいいのだが、これは短期間に達成することはむずかしい。問題は解決されぬまま、存在しているのである。
http://tanakanews.com/981013LTCM.htm
Long-Term Capital Management(ロングタームキャピタルマネジメント、通称:LTCM)は、かつてアメリカ合衆国コネチカット州に本部をおいて運用されていたヘッジファンドである。
創業と当初4年間の成功
LTCMはソロモン・ブラザーズ(現在はシティグループの一ブランド)で活躍していた債券トレーダーのジョン・メリウェザーの発案により設立され、1994年2月24日に運用を開始した。
このファンドはFRB(アメリカの中央銀行)元副議長デビッド・マリンズや、ブラック-ショールズ方程式を完成させ、共に1997年にノーベル経済学賞を受けた経済学者であるマイロン・ショールズとロバート・マートンといった著名人が取締役会に加わっていたことから「ドリームチームの運用」と呼ばれ、当初より12億5000万USドルを世界各国の証券会社・銀行などの機関投資家、富裕層から集める事に成功した。
メリウェザー自身は25億ドルの資金を集めることが目標であったが、この募集金額は、ファンド創始時のものとしては史上最高額となるものであった。
これはマリンズの加入によって民間のファンドでは通常ありえない投資資金の流れが生まれたためである。
主なものとしては、香港土地開発局、シンガポール政府投資公社、台湾銀行、バンコク銀行、クウェート国営年金基金、イタリア銀行などがある。日本では住友銀行が1億ドルをLTCMに投資していた。
また著名人も数多くLTCMに投資した。ハリウッドエージェントのマイケル・オビッツ、ナイキのCEOであったフィル・ナイト、ベアー・スターンズCEOのジェームズ・ケインなどが多額の資金をLTCMに提供した。さらにはセント・ジョーンズ大学、イェシバ大学、ピッツバーグ大学なども資金を提供したことから、いかにLTCMが世間から期待され信用されていたかが伺える。
その運用方針は、流動性の高い債券がリスクに応じた価格差で取引されていない事に着目し、実力と比較して割安と判断される債券を大量に購入し、反対に割高と判断される債券を空売りするもの(レラティブ・バリュー取引)であった。
コンピュータを用いて多数の銘柄について自動的にリスク算出、判断を行って発注するシステムを構築した。
また、個々の取引では利益が少ないことから、発注量を増やし、レバレッジを効かせて利益の拡大を図った。
その後、1995年にはM&A、1996年には金利スワップ取引、1997年には株式やモーゲージ取引のように、流動性が低く、かつ確実性の低い市場取引にも参入していった。
特定の市場や国などに攻撃を仕掛けるマクロファンドと異なり、市場に対して中立的な方針をとるこのファンドの運用は1998年初めまで成功し、当初の投下資金は4年間で4倍に膨れ上がった。
平均の年間利回りは40%を突破した。
結果としてLTCMへの信用が高まり、資本金65億USドル程度の会社が、UBSなど各国の金融機関の資金1000億USドルを運用するところまで規模を拡大した。
経営危機
しかし1997年に発生したアジア通貨危機と、その煽りを受けて1998年に発生したロシア財政危機が状況を一変させた。アジア通貨危機を見た投資家が「質への逃避」を起こしつつあった所へロシアが8月17日に短期国債の債務不履行を宣言した事により、新興国の債券・株式は危険である、という認識が急速に広がり、投資資金を引き揚げて先進国へ移す様になったのである。
LTCMはロシアが債務不履行を起こす確率は100万年に3回だと計算していた。
LTCMの運用方針では、この新興国に対する投資家の動揺は数時間から数日の内に収束し、いずれ新興国の債権・株式の買い戻しが起こることを前提としており、それに応じてポジションをとった。
これはブラック-ショールズの式に基づいた考えであったが、これらの経済危機によって生まれた投資家のリスクに対する不安心理は収まらず、むしろますます新興国・準先進国からの資金引き上げを加速させていった。先進国の債券を空売りし、新興国の債券を買い増していたLTCMの経営は深刻な状態となった。
結果としてLTCMの運用は破綻し、資産総額が下がり始めてから約8ヶ月の間で1994年の運用開始時点の額を下回り、1998年9月18日頃には誰の目にも崩壊寸前である事が明らかとなった。
救済
だが、前述の通りLTCMは欧米の金融機関から投資された47.2億USドルを元手に、25倍のレバレッジをかけて、1290億USドルもの資金を運用しており、さらには1.25兆USドルに上る取引契約を世界の金融機関と締結していた。そのためLTCMが崩壊すると、ただでさえ前述した経済危機により不安定となっていた金融市場に多大な影響を与え、恐慌への突入も危惧された。また、その成功を見た多くの金融機関がLTCMの運用手法を模倣しており、それらも多大な損失を生み出していた状況であったため、なおさらのことであった。
そのため、一私企業の救済は自由経済の原則にそぐわないとして反対する声を押し切り、ニューヨーク連邦準備銀行の指示によりLTCMに資金を提供していた15銀行が、LTCMに最低限の資金を融通し、当面の取引を執行させて緩やかに解体を行わせていく事にした。
またアメリカにおいてはFRB議長アラン・グリーンスパンの指示により、短期金利のFFレートを1998年9月からの3ヶ月間で3回引き下げるという異常なまでの急速な対応をとり、LTCM破綻危機により拡大した金融不安の沈静化を図った。
これらの行動を受け、日本でも同様に1999年初めに金融恐慌を発生させないため(日本長期信用銀行・日本債券信用銀行などの破綻の影響もあったが)、銀行への公的資金注入と、ゼロ金利政策の実施がなされている。
ただし、この救済融資は、融資先がヘッジファンドという従業員個人の才覚が財産である性格の組織であるため、日銀特融のような単純な緊急融資ではなかった。例えば、パートナー(運用者)らは、返済まで3年間は退職することは許されず、ボーナスや運用報酬はほとんどゼロというトレーダーには屈辱的な契約を結ばされた。
また、この危機の最中にジョージ・ソロス、ウォーレン・バフェットという世界的な投資家やゴールドマン・サックスなどの巨大投資銀行がLTCMのノウハウを独占するために、共同あるいは単独で、足元を見た買収を打診しており、
この救済も「FRB主導で行われた事実上の買収だったのでは?」という見方も出ている。
当然のことながら、この一連の危機でLTCMのノウハウはすっかり流出してしまった。
ジョージ・ソロスや投資銀行が、アジア危機、ロシア危機の余波を受けて身動きが取れなくなったLTCMを陥れるため、意図的にエマージングマーケット(en:Emerging markets)に売りを浴びせ「質への逃避」を加速させたとの説もある。
中心人物であったジョン・メリウェザーは負債清算後に開業した「JWMパートナーズ」の説明会で「自然災害に対して保険を掛けるのは理に叶っている。しかし、相場の暴落に対して保険を掛けるのは間違いである。なぜなら、彼ら(保険の契約相手)は暴落を引き起こす能力を往々にして持っているからだ」と意味深なコメントを残している。
http://ja.wikipedia.org/wiki/LTCM
「LTCMの破綻について」
ロバート・マートン及び、マイロン・ショールズ、という相場の世界で最も有名なノーベル賞学者2人を抱えている巨大ファンド、LTCM (ロングタームキャピタルマネジメント) の先頃の破たんについて解説と考察を試みてみます。
現在から振り返って数年前の出来事を考察してみると、一見全てが容易に解明出来るかのように思えます。世界のデリバティブのシステムを考案した権威そのものである2人が加わっていながら、なぜこんなにも凄まじい破たんをきたしたのか、と不思議な気さえします。
しかし、相場の事情というものは、その時の同時性に立ち返った時に、果たしてそれほど容易に先を見通せるものでしょうか。まず破たんの最大の原因を一言でいうなら、それはソビエト連邦の崩壊が引き起こしたエマージング債の大暴落、及びドル債の大暴騰、ということに尽きます。
もともとこのファンドの特徴としては、世界のデリバティブの構造に対して非常に強く、あらゆる売買システムの間隙をついて確実に利ざやを狙う、という特徴がありました。金利スワップ、債権先物・オプション、各国通貨、などなど複雑極まりないシステムをその考案者が加わっているファンドが運用するのですから、それは当然といえば当然なことなのですが。そしてその当時は、ドル債、例年のように高くなったところを売り、エマージング債買い、というサヤ取りの真っ最中でした。
この2種類の債権のさやは小幅ですが、確実に拡散と収縮を繰り返します。いわば一定のレンジ幅で繰り返されるうねりを何度も確実に取って行く投資方法です。彼らは各種デリバティブのさまざまな組み合わせを探って、たとえ幅は小さくても、最も確実なサヤを取る、ということを常に投資のターゲットとしたわけです。
そしてファンドとしての運用額の巨大さ及び、常に狙い目としているサヤ取りの利幅の小ささ、この2つを前提としたときに、解決策はただひとつ、ということになったわけです。つまり、投資対象としてサヤを取る為に選択するのは、非常にレバレッジ(投資倍率)の高いものに集中していきます。レバレッジつまり、証拠金に対する損益倍率のことですが、先物をやったことのある方なら誰でもご存じのことですが、各銘柄の倍率、つまり1枚50,000円から100,000円ほどの証拠金に対して銘柄の実際の値動きが何千倍という倍率が文字通りその銘柄の投資妙味を決定する、といっても言い過ぎではないことです。
それぐらい倍率というものは、重要な要素です。そしてこのファンドは当時、ドル債売りとエマージング債買いというストラドルの基本的投資額として20億ドル投じていました。利益目標としては、4%から12%も動けば十分というスタンスでの投資でした。そして20億ドルという投資額に対する問題は、丸代金です。例のレバレッジは約40数倍、つまり、投じた金額は20億ドルでも、実際に丸大金として投資していることになっている全額はなんと、9兆円以上。
世界情勢に特別な変化がなく、例年と同じように推移していれば、それは限りなく完全に確実に取れるという方法と思えるものでした。少なくともその当時のファンドはそれで順調な運用を続けていました。しかし国際的に通用する巨大債権というのものは、歴史的大変動というものがあれば、それは実に恐ろしい動きをするものです。ソビエト崩壊という未曾有の事態の出現によって、その他もろもろのを周辺の債券類−エマージング債からの資金逃避、および大変動の際にはただひたすらドル債への異常なまでの資金集中を起こったのです。
彼らのもくろんでいた、デリバティブのシステムを巧みに組み合わせて、限りなく安全確実という路線でやっていたはずのサヤ取りは、このようにしてほとんど脳天逆落とし、というぐらいの真っ向からの大負け、大曲がりとなってしまった訳です。
いくらなんでも。代金9兆円という賭けをするなんて、と思われるかもしれませんが、その程度の出動は巨大ファンドは結構どこでもやっています。いずれとりあげますが、ジョージ・ソロスの今年年明けの60億ドルの大負け、というのも出動資金全額は、まとまった天文学的な額であったはずです。
少ない利幅でも安全確実なうねりを繰り返し取り続ける、このような投資方法も30年に1度、あるいは50年に1度という大変動が訪れれば、もろくも崩れ去ります。とりわけその小さな利幅をレバレッジの高い市場システムを利用して巨額の利益を上げようとする戦法には、常に恐ろしい危険がつきまとう、と言える訳です。 現在銀行など10数社が共同で36億ドル融資して、このファンドの再建が続けられているそうです。
このファンドの破たんが示していることは、我々個人投資家にとっても、非常に身近な要素があります。投資資金、値洗い損益の倍率、証拠金、投資妙味の大小、そしてそれに伴うリスクの大きさということが、常に表裏一体となっています。損益倍率の大きさに引かれて賭け続けて行くうちに、いつの間にか相場そのものは、どうしようもなく小さなもみ合いに入っている、ということは誰もがよく体験することだと思います。それでも倍率が高ければ、少し動けば手数料などはすぐに抜けられる、という希望が常に目先にちらつきます。そして小動きモミ合いにすっかり感覚が慣れたころいきなり大冒頭、暴落という事態が出現するわけです。
昨年のゴールドが最も典型的な例です。仮にあの時にゴールド売り、シルバー買いというストラドルを1万組み建てていたら一体どうなっていたでしょうか。このファンドの破綻のミニチュア版という事態出現となることは請け合いです。相場システムに余りにも通じていること、相場システム自体で利益を確保できると思うこと、これらには常に大きな危険が潜在している訳で、どのような動きも結局のところは相場そのものに他ならない、という基本は忘れてはならないわけです。
最も良い投資の王道は、少ない建玉、大きなトレンドの丸取りに尽きます。しかし大きなトレンドの出ない時の相場の空しさ、もどかしさ、というものも実に限りないものがあります。その様な状況の時にこそ、むしろ市場管理行政は倍率の思い切り高い設定をしなければならないのです。逆説的に聞こえるかも知れませんが、倍率の異常な低さが揉み合い相場への巨額投資、相対的な手数料のバカ高さ、そして綿糸、大豆のような人気離散を生み出してしまうのです。倍率が高ければ高い程、無相場というものはなくなるのです。
ただしそこで、余りにも倍率は高く、値動きは小さい、という場面に大きな資金をつぎ込む、という愚を冒しつつある、という時には、ロバート・マートン、マイロン・ショールズ、この2人のノーベル賞学者の顔を想い浮かべることです。
http://www.mmjp.or.jp/sunrise-co/kiji.html
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3. アメリカ金融業界の寵児は唯の詐欺師?
ジョン・メリウェザーは、91年にアメリカ国債を一手に引き受けていたソロモン・ブラザーズの副会長で、ソロモン時代にはジェームズ・ウォルフェンソーンのパートナーであった。
ウォルフェンソーンは、ロスチャイルド財閥のS・G・ウォーバーグの創業者ジークムント・ウォーバーグが自ら育てた人物で、シュローダー銀行幹部、ソロモン・ブラザーズ・スミス・バーニー会長を歴任したあと、ウォール街の買収ブローカー「ウォルフェンソーン・インコーポレイテッド」を経営し、93年にソロスをパートナーとして1兆円以上の企業買収を成功させ、95年から世界銀行総裁に就任した。同僚のスミス・バーニー副会長だったのが、J・P・モルガン財閥の当主ジョン・アダムズ・モルガンであり、その一族であるJ・P・モルガン会長プレストンの後任総裁として、ウォルフェンソーンが選ばれたのである。
ところがメリウェザーは、ソロモンでの国債の不正入札が発覚して辞任に追い込まれ、LTCMを設立した。
その経営に参加したのが、かつて株価暴落に関する大統領調査特別委員会の事務局次長だったデヴィッド・マリンズであった。これは不思議な関係であった。
マリンズは連邦準備制度理事会副議長だった人物で、当時FRB議長ポール・ヴォルカーの部下だったから、後年の両者のLTCM経営参加の関係から、
マリンズから国策情報がメリウェザーに筒抜けとなって、2人が組んで不正入札がおこなわれたと考えるのが自然である。
ソロモンが扱っていたアメリカ国債を、日本の金融機関は大量に買わされたが、アメリカは日本から金を集めるため、95年まで一時は1ドル80円台という円高に誘導した。
この政策をディーリング・ルームで実現したのが、FRBと、ソロスたちヘッジファンド・プレーヤーの連携プレーであった。メリウェザーとソロスは、アメリカの国家利益を代行していた。
http://d.hatena.ne.jp/HEAT/20070303
FRBはLTCMを救済したことを一時期マスコミから非難される日が続いた。
買収後もLTCMのポートフォリオは損失を出し続けていたが、1999年に回復し、LTCMは借入を返済し、2000年に清算される。
ジョン・メリウェザーはハガニ、ヒリブランド、レーヒー、ローゼンフェルド、アージュン・クリシュナマッカーと共に1999年ヘッジファンドJWMパートナーズ創設。
2008年時点で12億ドルの自己資本を保有する。
http://ameblo.jp/24-2001-start/page-5.html
ジョン・メリウェザーの名前を見たのはライブドア・ショック(マネックス・ショック)のとき以来、だいたい1年ぶりくらいだろうか。
ジョン・メリウェザーとドイツ銀行のグレッグ・リップマンが先日の「世界同時株安」での“勝者”だったと欧米紙が書いている。
今回の「2007年 2月 27日 世界同時株安」では“チャイナ・ショック”という文字が躍っていたけど、
こういった“ショック”のときに名前が登場するメリウェザーって‥‥
メリウェザーは、ソロモン・ブラザーズ時代に国債の不正入札が発覚して辞任、
そしてLTCMは破綻、つまり2度も大問題を起こした要注意人物。
99年に立ち上げたJWMパートナーズの経営者として「3度目の正直」なのか「2度あることは3度ある」になるのか‥‥
頭の中でいつもゼニ勘定ばかりしているようなメリウェザーが正直であるはずもなく、そのうちまた大問題を引き起こすかもしれないし、
じつはとんでもない悪さを重ねているのにただ発覚していないだけかもしれない。
メリウェザーとその周囲にいるヤツらは、質的にも規模としても、ニック・リーソンの何倍も“危険な集団”なんじゃないだろうかと、再考察してみるいい機会。(2007/03/02 18:35)
http://d.hatena.ne.jp/HEAT/20070303
ジョン・メリウェザー(John Meriwether、1947年8月10日- )は、元ソロモン・ブラザーズ(Salomon Brothers)の債券トレーダー。アメリカのイリノイ州シカゴ生まれ。
ノースウェスタン大学で学士号を、シカゴ大学ビジネススクールでMBAを取得。
ソロモン・ブラザーズに入社し債券トレーダーとなり、1980年代前半には国内債券取引グループのヘッドに、1988年には取締役副会長にまでのぼりつめ、将来の社長候補と目されていた。
しかし、1991年に財務省の長期債券競売における不正入札が発覚し、当時ソロモンブラザーズの副会長であったメリウェザーは5万ドルの民事制裁金を支払い引責退社した:
アメリカの財務省は、国債の入札において1社が落札できる割合に上限を定めていました。
しかし、メリウェザーの部下だったポール・モーザーは、国債を多く保有して価格形成をコントロールすることによる利益に目がくらみ、入札の名義を偽装して複数社が入札しているようにみせかけることでこの上限を突破したのです。
この違法行為に加え脱税も発覚し、モーザーは罰金に加え生涯にわたって証券取引業務にかかわることは禁止、ソロモンの社長・会長も解任という事態に発展します。
メリウェザーも罰金と3か月の就労禁止処分となり、ソロモンを辞職せざるを得ませんでした。
http://moneyzine.jp/article/detail/119028?p=2
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%82%B6%E3%83%BC
「歴史は繰り返す」なのか − ジョン・メリウェザー氏の運用ファンドに大打撃
2008-03-30
LTCMの再来か、という週でした。
メリウェザー氏のHF、年初来の運用成績がマイナス28%に(asahi.com)
” 1998年に破たんしたヘッジファンド、ロング・ターム・キャピタル・マネジメント(LTCM)の共同創設者で元ソロモン・ブラザーズ幹部のジョン・メリウェザー氏が運営するファンドの年初来の運用成績がマイナス28%に落ち込み、同氏は再び、損失に歯止めをかけ投資家のファンド離れを食い止める対策に追われている。
米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が27日報じた。
レバレッジドボンドファンド「レラティブ・バリュー(RV)・オポチュニティー」の運用成績は1月1日から2月末までに9.19%のマイナスとなり、その後今月に入って落ち込みに拍車がかかった。
同じくメリウェザー氏の会社であるJWMパートナーズLLCが運営する「JWMグローバル・マクロ」ファンドも、2月末までの運用成績がマイナス6%となった。
WSJ紙はメリウェザー氏が株主に送った3月18日付の書簡を引用し、米連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)や米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)の保証したモーゲージ証券、地方債関連取引、トリプルA格付けの米商業用不動産ローン担保証券(CMBS)などで損失を被ったと報じている。
同紙によるとメリウェザー氏は、厳しい市場環境を生き残り、約14億ドルの資産を堅持すると懸命に投資家を説得しているという。”
非常に厳しい数字であり、これでは解約の嵐でしょう。
見事に証明された「歴史は繰り返す」。
市場の前ではメリウェザーとて万能ではありませんでした。
今はセンチメントが脆弱になっていますので、複合的な危機の前兆に警戒が必要です。
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/19731facdf1e34761f4b57f2cf00e93b
LTCM創業者のメリウェザー氏、ヘッジファンドを閉鎖へ=関係筋
ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)米著名トレーダーのジョン・メリウェザー氏(62)は、もう一つのヘッジファンドを閉鎖する予定だ。
事情に詳しい関係者によると、メリウェザー氏はLTCM破たんのわずか1年後に設立したヘッジファンド「JWMパートナーズ」の投資家に資金を返還している。
一方、同氏の長年にわたるパートナーのうちの何人かは、新たなベンチャー事業のための資金調達を中止しており、低リスクの投資や一部顧客に対する手数料の引き下げを勧めているという。
メリウェザー氏は3月に、JWMの旗艦ファンド「レラティブ・バリュー・オポチュニティ」の顧客に大半の投資資金を返還したという。
JWMは、ピーク時には約26億ドルの資金を運用していたが、今はLTCM時代から使用しているオフィスにごくわずかな従業員がいるだけで、トレーダーはいない。
同氏は、自身に近い人々との会話の中でも、自分が次に何をするかをほとんど言わないのが特徴だが、ここ数カ月は新たな事業提携の可能性について語っていた。同氏を知る人々は、同氏が近い将来、引退する公算は小さいと言っている。メリウェザー氏にコメントを求めたが回答はなかった。
JWMからの独立を望んでいる幹部の中には、パートナーのリチャード・リーヒー氏もいる。リーヒー氏は、メリウェザー氏の後についてLTCMからJWMに移った実力者グループの1人で、LTCMの前はソロモン・ブラザーズの債券部門に勤めていた。
事情に詳しい筋によるとリーヒー氏は、グリニッジとロンドン以外の場所で新たなヘッジファンドを立ち上げたいと考えている数人のJWMマネジャーの1 人。今年回覧された販売用資料によると、「エピステーメー・キャピタル・パートナーズ」という名前のヘッジファンドは、先物、株式、債券の各市場で運用する計画だ。これにはJWMロンドンのマネジャー、エイドリアン・エテロビッチ氏も関与している。
当時、リーヒー氏とエテロビッチ氏は、JWMの既存顧客がこのファンドに資金を移すよう誘い込もうとしていた。巨額の損失に頭を悩ませていた JWMの投資家に対し、両氏は同ファンドがどれだけ利益を上げても、3年間は成功報酬を徴収しない条件を提示した。両氏がまだこの条件を提示しているかどうかは分からない。
これに対し、JWMが運用していたファンドを含む大半のヘッジファンドの投資家は、ファンドマネジャーに運用利益の20%という高額な成功報酬を支払っている。
リーヒー氏とエテロビッチ氏に電話と電子メールでコメントを求めたが回答はなかった。
1998年、ロシアがデフォルト(債務不履行)を起こしたことなどからLTCMは40億ドルの損失を出し、金融市場は危機に陥った。
メリウェザー氏は1999年にJWMとともに再び表舞台に現れ、数年をかけて投資家の信頼を取り戻した。
だが昨年、JWMは旗艦ファンドの資産が 42% 減少するなど、複数のファンドで数億ドルの損失を出した。
同氏と幹部らは、年末に償還を制限し、新たな資金の調達に奔走した。
だがうまくいかず、投資家あての書簡によると、同氏らは2月、償還を希望する人すべてに償還を行うとしている。
http://opuken.my-sv.net/modules/pico/index.php?content_id=21
LTCMを解体後、ジョン・メリー・ウェザーはJWMパートナーズという新たなヘッジファンドを立ち上げたが
2009年7月 資産の42%減少し、閉鎖しました。 ソースNIKKEI NET
反省する事無く同じ過ちを2度も犯し、この人は足りない所があると感じました。
学力・リーダーシップ等は人より勝っていても相場で絶対に勝てるという事では無い。
オプションではリスク管理がとても重要です。
私達も2度3度勝ったらからといって、天狗にならずに、初心を忘れずにいきましょう。
http://opuken.my-sv.net/modules/pico/index.php?content_id=21
ジョンメリウェザーがまたなんかやるらしいですよ
まぁ、ファンド設定するならちょうど今!という感じでしょうか。
LTCMの悲劇をまた繰り返すのでしょうか。
メリウェザー氏、新ファンド立ち上げ中
ヘッジファンド・マネジャーかつLTCM社の裁定取引者だったジョン・メリウェザー氏が、現在、彼の3番目の新しいヘッジファンドの立ち上げ最中である。
この動きは、メリウェザー氏の2番目のファンド管理会社のJWMパートナーズを閉鎖すると決定後3カ月で明らかになったものである。
JWMパートナーズの投資対象は、金融危機の間、44%以上価値が下落しており、その後ファンドは、償還されている。
パートナーズは、1998年のメリウェザー氏の最初でかつもっとも悪名高いファンドLTCMの崩壊後、間もなく立ち上げられた。
このLTCMの崩壊は、世界市場の混乱を引き起こし、連邦準備局に数十億米ドルの救済策の画策を進める前代未聞の一歩である。
メリウェザー氏の新しいベンチャーはJMアドバイザーズマネジメントと名付けられ、以前のヘッジファンドマネジメント会社両者と同様に、コネチカット州のグリーンウィッチに設立された。
しかしながら、状況を知る人々によれば、ファンドは、いまだファンドが外部からの投資を受け入れ開始を始めていないという。業界紙HFMWeekによれば、ファンドは、2010年に投資家に公開される予定だ。
ファンドは、LTCM及びJWM両社と同様の戦略、いわゆるレラティブ・バリュー・アービトラージと呼ばれる、定量分析投資戦略を用いると予想される。この戦略は、メリウェザー氏が、ソロモンブラザーズ社で1980年代に大規模な成功を導いた債券アービトラージグループのトップだった時にメリウェザー氏が開発したものである。
http://smart.fm/users/lilyaugust2004/journal/2009/10/22/182833
天才トレーダー・メリウェザー氏が新ヘッジファンド
最終更新:2009年10月22日 13時14分
元天才トレーダーのジョン・メリウェザー氏(John Meriwether)が、新しいヘッジファンドを立ち上げることが分かった。
英紙フィナンシャルタイムズによると、新ヘッジファンドは
「JMアドバーザーズマネジメント」(JM Advisors Management)
で、米コネチカット州グリーンウィッチに拠点を置く。来年スタート予定。
1994年にはLTCM(The Long-Term Capital Management)を設立。
98年のロシア危機でアッサリと崩壊した。
その当時は25倍以上のレバレッジで勝負していたというが、現在はその教訓なのか10倍以内でトレードしているようだ。
http://media.yucasee.jp/posts/index/1898
John Meriwetherが戻ってきた、リスクも戻って来たに違いない。 2009年10月 23日
元Salomonの債券トレーダーでLTCMの天才62歳John Meriwetherが戻ってきた、4度目。
1980年代を覚えていない人たちに、John MeriwetherはWall Streetの‘big swinging dicks’『超最高の大物』で、Salomon Brothersの債券部門を先導し巨額の収益を上げた。
名を冠した本Liar’s Pokerでもてはやされ、映画の『Bonfire of the vanities』でのインスピレーションとなった。
MeriwetherとSalomonの浮上が公証人によって支配された巨大投資銀行の風習をアイビーリーグの典型的大学生銀行員から口汚いトレーダーと債券の数学おたくクォンツの風習に変えた。
投資銀行によって支配されていたGoldamn Sachsからトレーディングへのへんこうはこの証拠である。
不幸にも、Meriwetherがトップにたどり着いてからのキャリアの経由はかなり厳しいものとなった。
最初に、巨額のTreasury Bondスキャンダルがあった。
それでMeriwetherは部下のPaul MozerにTreasury入札で顧客の名義でうそビッド入れ、オン・ザ・ランの物件の独占する試みをした。
緩い監督規制でMeriwetherに$5万の罰金とSalomonには$290Mlnの罰金が課された、現在においても最高額である。
Salomonの代表であったJohn Gutfreundは辞任してWarren Buffettが取り締まり役に就任(CitigroupによってOccidental Petroleumに最近売却されたPhibroはSalomon Brothersである。)MeriwetherはSalomonを去った。
その直後すぐ、Meriwetherは、1993年に設立されたGreenwichベースのヘッジ・ファンドLong-Term Capital Managementに戻ってきた。
そこでは有名にもレバレージを100:1にし、それには資本$5Blnに対して$1兆のデリバティブのエクスポジャーは含んでいなかった。
この企業は毎年40%以上の業績を上げ何年間継続し、ロシアが自国通貨の評価を下げ負債をデフォルトした1998年で劇的な崩壊をした。
Meriwetherは奇跡的にその翌年に再開することができた。
それは株価のバブルに助けられリスク増強となった。
彼は1999年にJWM Partnersは創立し、何年間かの収益を残し、このファンドも信じられない損失(昨年に44%)を出し清算された。
現在米国市場の株価は60%近く上昇し、予想通り、Meriwetherが戻ってきた。
そして彼は投資家を探している。
今回はJM Advisors Managementとよばれ、これもGreenwichが本拠となる。
このファンドはLTCMとJWMの両方で使った同じストラテジーを使って金を稼ぐ:
relative value arbitrage(レラティブ・バリュー・アービトラージ)と呼ばれ、Meriwetherが道を開いたquantitative investment strategyで、1980年代にSalomon Brothersで巨額の成功を導いた。
そのストラテジーは、ノーベル省を受賞したエコノミストMyron Scholesによって巨大な掃除機と同種のものであると説明されている、全世界中から小金を吸い上げ、相場の転落に続く時期に高度の成功を収める。
レラティブ・バリュートレードは証券間の異常な価格付けに賭けて収益を上げ、それらが歴史上の通常の状態に戻ることを予測する。
トレーダーたちは、現在の市場ではこのストラテジーは巨大なリターンを生み出す可能性を秘める、多くの銀行のプロップ・トレーディング・デスクが規模を縮小し、かなりヘッジファンドの数も減ってきた。
多分これには資金が流入してくるだろう。
モーゲージと銀行に起きている状況下でこの時期が興味深い。
Meriwetherは同僚のLewis Ranieriと一緒にモーゲージ・バック証券の作成のど真ん中にいた。
Ranieriによって経営されていたFranklin Bank Corpは金融危機で不良貸付にぶち当たり最近FDICによって押収された。
そのコストは納税者に$1.6Blnの負担となった。
1994年、メリウェザーはコネチカット州グリニッジにヘッジファンドのLTCM(The Long-Term Capital Management)を設立。
しかし、1998年8月に起こったロシア金融危機を発端に1998年10月破綻。
1999年には新たにヘッジファンド・JWMパートナーズ(JWM Partners)を立ち上げ、運営していたが、
2007年からはじまった世界金融危機_(2007年-)により大きなダメージを受け、2009年7月に閉鎖に追い込まれた。
現在は、三度目のヘッジファンドとなる、JM Advisorsを2010年に立ち上げ運営している。
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4. この師にしてこの弟子あり
1) 古きよきソロモンの知恵に預かる「売りキチ」兄弟たち
本日は、松本大(マネックス証券)をアゴで使う財閥ネットワークの整理です。
図表の右半分は、1990年の株式バブル崩壊の犯人「ソロモンブラザーズ」だが、この会社のお得意は「国債」。
80年代に、アメリカ国債を日本の銀行・生保に(強制的に)売りつけた「売りキチ兄弟」で、超円高のおかげで、買い手は目も当てられない大損害を被った。
「株式バブル」を壊すテクニックは、「膨大なる国債の投売り」で長期金利を一気に引き上げ、これと同時に現物株と借株を大量に売りまくるという手法だった。
株価を暴落させるために「国債」を使うという「ソロモンの悪知恵」は、旧約聖書を読んでいる個人投資家でもご存知あるめぇ。キチ外に刃物、売りキチ兄弟に国債、である。
この「売りキチ兄弟」の会長ウォルフェンソーンは、ソロモンを卒業したあとは、FRB(連邦準備制度理事会)の議長ポール・ヴォルカーやヘッジファンドの巨人ジョージ・ソロスと手を組んで、ウォール街の買収再編の仕掛け人となる。
世界銀行では10年間総裁を務め、世界中の「市場荒らし」を推進する。
マネックス証券の松本大が「ネ申」と仰ぐジョン・メリウェザーは、国債をこねくり回す犯罪で引責辞任となるが、犯罪者精神が旺盛で、LTCM(ロング・ターム・キャピタル・マネジメント)というヘッジファンドをつくり、大財閥のご用聞きとなる。
◆サンプラザ中野VS松本大(スペシャル対談):第1回ヘッジファンドのドリームチーム「LTCM」
<ジョン・メリウェザーが率いる超優秀な人材たち>
松本:僕の師匠は、ジョン・メリウェザーという人です。
中野:あ、ぼく、知りません。
松本:LTCMって聞いたことありませんか?
中野:ありません。
松本:ロングターム・キャピタル・マネジメント。
「ドリームチーム」と呼ばれたヘッジファンドです。ジョン・メリウェザーという人が率いてたんですけど、彼は、若くしてソロモンブラザーズの副会長だった人で、ソロモンブラザーズが'92年ぐらいに、米国債の不正入札っていう事件を起こして、その引責で辞めさせられた人なんですけどね。
で、彼のもとに、ノーベル賞学者がふたり。
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この「ドリームチーム」は、ロシア投資に失敗し、1998年8月に推定4000億円の赤字を抱えて破綻する。
松本大の師匠は、債券で「不正入札」をするわ、ノーベル賞の数式で煙をまいて客に大損をこかせるわ、なるほど反面教師として学ぶところがたくさんある人物である。
この破綻事件の顛末だが、アメリカ政府の通達を受けた財閥金融機関が、「穴を埋める」べく資金拠出を行って事なきを得たという話になっている。
松本大が信じるストーリーによると、ジョン・メリウェザーはその後の投資運用で借金をすべて返したから「すごい」のだという。
この事件はBCCI事件(1991年)に匹敵するインチキな事件である。
ジョン・メリウェザーには、首にナワがついているのではなかろうか。
借金を返しきっていないので、財閥にノルマを献上するべく「売り仕掛け」を命じられたのかもしれない。
日本には彼に忠実な「お弟子さん」がいるので、師弟の再会の感涙がきわまり、古きよきソロモンの栄華を偲んで「売りキチ」をやってしまったのであろう。
図表の左半分は、この「売りキチ」ブラザーズを呑み込んだ、サンフォード・ワイル(Sanford Weill)帝国の推移である。
最初は証券会社のいちオーナーであったワイルだが、アメリカン・エクスプレスで修行を積んだあと、あれよあれよと拡大し、シティバンク(CitiCorp)すらも傘下に入れてしまった。
ホリエモンが夢見ていた世界一の企業とは、「ワイル帝国」のことだったのか。
いや、ホリエモンが目指していたのは「リーマン帝国」かもしれない。
リーマンをただの証券会社・投資銀行だと思ったらおおまちがい。
世界最大級の金融財閥「リーマン」さまは、日本人を奴隷にすべく、今日も朝から大忙しである。
リーマンをなめたらあかんぜよ。
(そのうち「Lehman Brothers」もまとめるね。ではでは)
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参考までに 2006/2/7(火) 20:46 アルルの男・ヒロシ
元ソロモンのJames Wolfensohn は、世銀総裁になるまえ(1992−95)には、イギリスのBaron Jacob Rothschildと組んで、J. Rothschild Wolfensohn & Coという投資会社を運営しており、その会長には、David Rockefeller,Srとも近い、FRB元議長のポール・ヴォルカーPaul Adolph Volcker がなっていた時期もあります。
このような巨大帝国にとって、ホリエモンは「いい駒」だったのではないかと私は見ています。私は株式投資はやりませんので、実際に被害は被っていないのですが、被ってしまった一般の人の怒りやさぞやと言う気がします。
マネックスの松本氏が堂々とメリウェザーの名前を出す当たり、彼には「オレにはバックがある」という余裕を感じてしまいます。
「情報を独占している人たち」がいる以上、公正な市場などた保たれようもありませんがそれもまた現実ですね。
http://www.mypress.jp/v2_writers/hirosan/story/?story_id=1316818
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2) 師との感動の再会 _ 会えばすぐに悪事の相談が始まる
2006/ 1/17ライブドアショック_ 大ちゃんも日本投資家全員を敵に回して獅子奮迅の大活躍だったね
本日の株価急落の原因となりましたのは、ライブドア社が東京地検に証券取引法違反の疑いで家宅捜査を受けたことで、積極的な事業展開を繰り広げていた他のネット関連企業にまで連想が広がったことが株式市場全体の足を引っ張りました。
ただし、お昼休み前後には、日経平均がプラスに転じていたことを踏まえますと、後場から取引時間終了にかけての一段安は、一部のネット証券(マネックス証券=ゴールドマン・サックス元社員)がライブドア株式等の代用有価証券の掛目の引き下げを発表した(信用取引の保証金代用有価証券として評価されなくなった)ことから需給悪化懸念が一気に広がったことの方が、本日の株価急落の直接的な要因と言えるかもしれません。
17日午前は、紛れもなくライブドアショックであったが、株価を大きく下げたのは寄り付かないライブドア関連株と新興銘柄にほぼ限られており、資金はむしろ東証などに流れ始め主力銘柄は値を上げていた。
ところが午後の取引に入って、ライブドアや新興とは関係のない優良株までが突然値を崩し始める。
その引き金を引いたとみられるのが、マネックス・ビーンズ証券。
ライブドア関連の株を担保に信用取引きをしていた個人投資家が、追証から逃れる為に他の銘柄株を投売りしければならなくなった為と思われる。
メールを受けたのはマネックス証券の一部の顧客とされているが、取引時間内にいきなりあちこちで、ライブドアとは関係ない銘柄まで売られ始めるのを目の当たりにしてパニック、狼狽売りにより、売りが売りを招いて全体の暴落につながった様です。
http://asyura2.com/0601/hasan44/msg/381.html
今回のマネックス証券の暴挙は米国ゴールドマン・サックス証券がライブドア社強制捜査前日に大量に日経先物のプット(売り建て)を仕込んでいたことが大きく関連しています。
これは日々開示される手口情報で誰でも見る事が出来ます。
マネックス証券の松本大氏はゴールドマン・サックス証券出身であり、米国からゴールドマン・サックス関連ヘッジファンドのトレーダーが何故か来日していた事も明らかになっています。
そして強制捜査の翌日、東証は大幅安で寄り付いた物の日経平均はゴールドマン・サックス証券の意に反して続伸して、前場を終えました。
それから30分後、マネックス証券からLD関連株の代用掛目ゼロ発表。
しかも、かつて前例の無い即日適用。
もう、分かりますよね?
もちろん投資は自己責任ですから、LDの強制捜査に寄って破産に追い込まれるLDホルダーを擁護しているのではありません。
しかし、マネックス証券はもちろんの事、日本を代表するトヨタとか松下とかそういう企業の株のホルダーまで一気に地獄の底まで突き落とすような相場操縦事件に当局の捜査やマスコミの言及が及ばないのは非常に納得行きません。
http://messages.yahoo.co.jp/bbs?.mm=FN&action=m&board=1008698&tid=8698&sid=1008698&mid=83548
ホリエモンは無罪:ゴールドマン・サックスとマネックス証券の「暴落」仕掛け
2006/1/23(月)
株式市場の大暴落も、東証システムの破綻も、すべては「ライブドア強制捜査」をきっかけとした「個人の狼狽売り」が原因である・・・
という話が大々的に宣伝されているが、これは実に巧みな情報操作である。
みなさん、騙されないように!
◆東スポ:「日経平均 株価下落はホリエモンのせいじゃない」 証券関係者が口揃え解説(2006/1/21)
ライブドアショックを受けて17、18日の日経平均株価は1000円以上値下がりする場面もあった。個人投資家からは「あの野郎!」と堀江社長を恨む声が聞かれるが、実は株価の激下がりは、堀江社長の逮捕にかこつけたヤラセの可能性が高いことが本紙の調べで明らかになった。
ライブドアの家宅捜索の影響で日経平均株価は17日に485円安。18日は735円安まで売り込まれる場面があった。この原因はライブドアの強制捜査によって、個人投資家の狼狽売りが多発したためといわれている。しかし、証券関係者からは、原因はホリエモンではないという重大な証言が飛び出している。
「ライブドアの強制捜査が終わった17日午前、日経平均株価は200円安した後持ち直して、一時前日より70円近く上がっていたんです。しかし午後になって再度急落した。
ヒューザーの小嶋社長の証人喚問で安倍官房長官の名前が出てきたからといわれていますが、
ホントはこの時を待っていた人物によるカラ売りが原因と噂されているんです」
その売りを仕掛けたのが、
外資系証券会社のゴールドマン・サックスと、
ネット専業のマネックス証券、さらに
ヘッジファンド界の超大物ジョン・メリーウェザー氏
のグループだと関係者は口を揃える。
マネックス証券の松本社長はかつてソロモンブラザーズ証券に勤務していたことがあり、ソロモンブラザーズの副会長だったジョン・メリーウェザー氏とは今も深い仲だ。
また、松本社長はゴールドマン・サックスにいたこともあり、現在も密接な関係にある。
ゴールドマン・サックスは政府関係の情報収集能力がダントツといわれており、事前にライブドアへの強制調査をキャッチし、松本氏やジョン・メリーウェザー氏とともに売りを仕掛けたというストーリーなのだ。
「日経平均が突如暴落したのはマネックス証券がライブドア株を担保にして、株を購入している投資家に対し、『ライブドア株の担保能力をゼロにする』と発表したのがきっかけ。
この瞬間に、ヘッジファンドや外資系証券が、猛烈に売ったことが確認されており、日経平均はその時点から1000円以上も下げた。
このグループが儲けた額は100億円以上にもなるといわれています」(同)
ゴールドマン・サックスが情報をつかみ、
マネックスが下げのきっかけを作り、
ジョン・メリーウェザー氏の巨額な資金を使って売りを仕掛ける。
アメリカ在住のジョン・メリーウェザー氏がなぜ17日に特別に来日していたのかも、噂に拍車をかけている。 (以下略)
暴落前日の1月16日に、ゴールドマン・サックスがアッと驚くような膨大なプット・ポジション(記憶では7000枚前後のプット)を取っていたことは、私もこのサイトで目撃している。
ゴールドマン・サックスは、かつてはジョージ・ソロスとも手を組んだ、アメリカ最大級の投資集団である。クリントン政権下では、ゴールドマン・サックスの共同会長(ロバート・ルービン)が米政府の財務長官を務めている。
そしてソロモンブラザーズは「売り仕掛け」がお得意の会社で、1990年からの株式バブル崩壊で先物とオプションを駆使して、推定1兆円の利益を上げた会社である。
(参考:1990年の株式バブル崩壊のメカニズム(2005/10/14))
ロスチャイルド系内部の買収再編が続いたため、ソロモンブラザーズ・アジア証券は、日興ソロモン・スミス・バーニーを経て、現在は日興シティグループ証券になっている。
松本大は、ソロモンブラザーズとゴールドマンの両方の経歴があり、特にゴールドマンでは「ゼネラル・パートナー(共同経営者)」となっており、単なる転職組や起業家ではない。
「秘密結社」の幹部になった以上、一生涯「あちらの世界」から足を洗うことは不可能だろう。
http://www.mypress.jp/v2_writers/hirosan/story/?story_id=1313928
ホリエモン事件について。既に外資がライブドアを買うというシナリオが動き始めている。この事件は彼らにとって「想定内」である。
とくに、リーマン・ブラザーズにとっては、堀江逮捕は願ってもないだろう。堀江に対する捜査は、彼の「刺客出馬」によって、しばし中断させられていたが、東京地検は本当は1年前から内偵捜査をしていたことが、今朝の「産経新聞」によって報道された。
昨日のニュースでは、いかにも「負け組」という感じの若者達が「堀江さんに期待していたのに・・・」「堀江さん逮捕は残念です。私たちの世代を代表するような人だったので・・・」という街頭インタビューを流していた。
金融業という「虚業(金融ユダヤ人の業)」でのし上がった、ライブドアという会社は、言ってみれば、名うての外資であるリーマンにとってはもっとも操りやすい存在であっただろう。わずか数年の歴史しかないライブドアとは、全然歴史が違うというわけだ。
私は、ライブドアがリーマンから800億円の融資を受けるため転換社債を発行した、と聞いたときからそう思っていた。どこかでリーマンはライブドアを乗っ取って、「優良企業」に再生してぼろもうけするはずだ、と。
資本の論理とはそういうものである。リーマンがクズ値になったライブドアの株式を、社債の株式転換を行うことで大量に保有し、お仲間の外資系ファンドにばら売りすることになっているはずだ。
<マネックス証券会長を訪問したLTCMの雄、ジョン・メリーウェザー>
実は17日に、元ソロモン・ブラザーズ社のジョン・メリーウェザーが来日している。
ソロモンと言えば、1990年代初頭に「年明けの日本売り」をやらかして、バブル崩壊を招いた引き金となった証券会社。 ライブドア株の担保価値を否定した、マネックス証券の松本大氏の昔いた会社である。
このマネックスの決定がきっかけで東証クラッシュが起きたのである。しかも、松本氏はゴールドマンにいたこともある。ゴールドマンでは「ゼネラル・パートナー(共同経営者)」。
現在、メリーウェザーは、コネチカット州グリーンウィッチに本拠を置く、ヘッジファンド「JWM Partners LLC Greenwich, Conn」を運営している。
しかも、マネックス証券にはメリウェザーのファンドも出資者になっている。
同証券の株主は、ソニーをはじめ、IIJ、JPMorgan、KGI Limited、リクルート、Goldman Sachs、ヘッジファンド3社(Soros Fund management、Tudor Proprietary Trading、JWM Partners Investments)などとなっているが、各比率は依然として非公開であるという。
取りあえず、「グーグル」でローラーをかけただけでもこれだけの情報が出てきたから実際にはもっと深い関係があるとみていい。
ゴールドマンとリーマンとソロモンというのはユダヤ系同志仲良く内部ではツーツーになっているであろうから、ライブドアの売却についても裏で話が進んでいるに違いない。全部裏で仕組まれているということがこれだけでも判るだろう。この問題がブログ上ではもうかなり広まっているようだ。
となると問題は誰が捜査情報を、ゴールドマン・松本ラインに流したか、と言うことである。
竹中平蔵ではないのか?
結局、ホリエモンは、ヤクーザとユダヤ人を甘く見すぎたのだ。どちらも生き馬の目を抜く、仁義なきビジネスの世界である。ホリエモンはゲロったら報復されると恐れているだろう。検察の捜査に対して容疑を否認しているだけではなく、調書への署名を拒否しているという。
<竹中の首を取らなければトカゲの尻尾きりで終わり、外資が笑う>
さて、私が聞いたところによると、竹中大臣本人が関わっているかは判らないが、外資系に中小企業の不良債権をバルクセール(まとめ売り)して外資系に便宜を図るようなスキームが既に出来上がっているという。
外資が紹介した会社に、都銀が貸付けて、そして回収不能になる。それを見越して、二束三文この融資額をそのまま、債権譲渡で買い受けて、その資金を回収して儲ける、という形で外資が儲けると言うことらしい。
英語でこういうのを「リパッケージ・オブ・デット・ポートフォリオ」というらしいが、分かりやすく言えば、バルクセールで松竹梅と投資案件を割り振るというものだろう。
今年の元旦に竹中大臣とはかつては盟友だった木村剛氏の関わっている、日本振興銀行がらみのスキャンダルが朝日新聞に出たが、すぐにしぼんでしまった。この銀行に竹中平蔵自身が何らかの口利きの形で関わっているのだろうから、圧力が掛かったのだろう。
最近の総務大臣インタビューをみてみても、マスコミが竹中大臣に対して腫れ物に触るような態度に出ているのがありありと伺える。20日の松原委員会(NHK再編問題)のあとの会見で竹中大臣は次のように軽くこの問題に関して流している。広島の選挙区に自身が応援に行って、「掘江と一緒に小泉改革を推進する」と云ったことの責任をどう取るつもりか。
http://amesei.exblog.jp/2582208/
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え〜〜〜今回の事件はあのマネックスの松本氏がゴールドマン・サックスの手先となって市場操作したという疑惑についてです〜〜。
ここで疑問が2つあります〜〜〜。
ひとつはな・ぜ・マネックスはこんな非常識なことをしたのでしょうか〜〜という点ですが〜〜〜え〜〜〜
松本氏は早期に投資家に注意喚起する目的だったと(笑)〜〜言っています〜〜
しかしこれは注意喚起というよりも、追証を納めろ、できなければ持ち株を売れ!といっているに等しいんですねハイ〜。当然多くの投資家はとりあえず持ち株を売ることにしたんです〜〜。
もうひとつの疑問は、掛け目をいきなり0%にしたことによって、日経平均が400円以上も値下がりするほど大きな影響力が果たしてあるだろうかという点です〜〜。
これについては松本氏自らいい情報を提供してくれています〜〜。かれのblogです〜〜〜。
1月18日つまり掛け目を0に変更した日の翌日ですが〜〜
松本氏はゴールドマン・サックス系ヘッジファンドのジョン・メリーウェザー氏と面会したと書いているんです〜〜。
ゴールドマン・サックスといえば、松本氏も過去に務めていたことがある証券会社ですが〜〜
ジョン・メリーウェザー氏は米在住で、めったに日本には来ないそうです〜〜。
何のために、松本氏と面会していたんでしょうか〜〜。
そうです〜これが今回の事件を紐解く最大のポイントでした〜〜。
まずこれが、今泉君に調べてもらった、1月16日の日経先物プットの手口情報です〜〜。
これによれば、ゴールドマン・サックスは16日にプットを6000枚仕込んでいます〜〜。
プットのみを〜〜売りだけですハイ。
さらに〜証券関係者の証言から、1月17日の後場、掛け目を0にしてからすぐに、外資系ヘッジファンドからの猛烈な空売りが観測されています〜〜。
まるで、掛け目を0にするのを知っていたかのようなタイミングです〜〜。
追証に伴う投売りと、他の証券会社も追従するかもという連想売り、さらに外資の空売りと、ライブドア関連銘柄のストップ安が、この市場操作には必要十分な条件でした〜〜。
すべてが同時に起こって、はじめて大きな利益になると〜〜考えたのでしょう。
外資とぐるになって、混乱に乗じて個人投資家を食い物にした仕業、許されるものではありませ〜ん。
ただしこの犯罪において、松本氏は掛け目を0にしただけです〜〜。これでは不法行為に問えませ〜ん。
しかも、掛け目を0にしたことと値動きとの因果関係を証明できませ〜んから、松本氏は疑われても決して逮捕されない立場がはじめから約束されています〜〜。
わたしはこれほど完璧な証券取引法違反を知りませ〜ん。
http://messages.yahoo.co.jp/bbs?action=m&board=1008698&tid=8698&sid=1008698&mid=88342
ホリエモン逮捕の先を考えてみる
東京地検特捜部が堀江貴文容疑者ら4人を証券取引法違反の疑いで逮捕しました。捜査を始めて一週間での逮捕はあまりに早すぎるというのが正直な印象です。
マスコミにとっては順風満帆の逮捕劇なのでしょうが、ここまでの経緯は謎が多いように思えます。
釈然としない点に何故マスコミにこんなに情報が流れるのかが疑問です。
フライング報道があったように明らかにマスコミは事前に情報を入手しています。
マスコミ独自の取材で特捜部の捜査情報が漏れるとは考えられません。
特捜部が恐らく間接的に意図的なリークを行っているのでしょうが、何のために情報をリークしているのでしょうか?
マスコミの報道を真に受けるとライブドアの大罪を特捜部の必死の捜査で逮捕までこぎ着けた印象になりますが、正直風説の流布や株式分割、ライブドア本社への金の環流など犯罪ではないものも含まれていますし、今後の捜査待ちですが大した罪にはならないでしょう。
今回の捜査はヒルズ族に対する牽制の意図はあると思うのですが、微罪を暴くためにわざわざ特捜部が動くでしょうか。当然、他の目的や意図があって然りです。
ライブドアがターゲットでないなら本当のターゲットは何なのでしょうか?
http://miracledragons.blog2.fc2.com/blog-entry-218.html
ライブドア株価の下落措置をとる東証の狙いは?? 2006/1/27(金) 14:11 田舎トレーダー
ライブドア株は25日に155円で寄り付きました。詳細は以下です。
日付 始値 高値 安値 終値 出来高
2006年1月25日 155 164 128 137 421,556,096=>約定平均151円くらい
2006年1月26日 135 136 105 113 118,728,520=>約定平均124円くらい
大下落から寄った25日は出来高4.2億株で、約定平均は151程度で、
翌日(昨日)は124円くらいで出来高1.2億株。
今現在、寄り付き前のライブドアが気配値100円まで下げてきてます。
買いは2000万株ほどです。非常に少ないともいえると思いますが、それには明確な理由が有ります。
さて、25日寄ったにもかかわらず、なぜこうもズルズル下げているのか?
上場廃止懸念も高まり人気が無いという言い方も出来ますがそれだけではないと言えます。
26日から東証が取ったおかしな規制があります。
http://www.tse.or.jp/news/200601/060125_e.html
立会時間の短縮はシステムの処理能力からであってある意味仕方の無いことでは有りますが、大量に変われた25日の翌日26日から注目すべき規制が下されました。
それは、
1)「買付代金(現金)の即日徴収」と
2)「信用取引禁止」です。
2)もまあいいでしょう。
特に1)は、ネット証券経由では事実上買えないということです。
(具体例として上げると、ライブドア証券、コスモ証券ネットレなどは対応していない。他の証券会社は調べていないが、買えないところが多いと思います。)。
これはどういうことか?
25日には買いの規制が無いから買うことが出来て4.2億株も出来ました。しかしながら、翌日から買えない口座が増えましたから更に下げるしかなくなったと言えるのです。
東証はライブドアの25日に寄らせた後、下げを推奨するようなものですね。
25日に買った人たちを殺そうとする規制ともいえます。(笑
私は26日昨日買おうかと思いましたが、コスモ証券ネットレを使っていますので買えませんでしたし、もちろん今日も買えません。
途中でルールを変える措置が如何に市場を混乱させるものであるか、東証はいったい何を考えているんでしょうかねぇ。
ズルズル下げさせて安くし、ハゲタカさん達の一気の買占めをサポートするという魂胆でしょうかね?(笑
http://finance.yahoo.com/currency/convert?from=JPY&to=KRW&amt=1&t=1y
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5. ヘッジファンドは丁半バクチの世界
ジュリアン・ロバートソン氏が率いるタイガー・ファンドは解散、
ソロスのクオータム・ファンドは低リスク低収益商品にすると発表。
ヘッジ・ファンドの解散か縮小が加速している。これはなぜでしょうか?
ソロスの運用は、国の金融担当者の裏を掻く方法で、巨利を得ていたのです。
これは、前回のソロスの戦略で述べている。
この裏を掻く運用方法を全世界の金融担当者が知り、米ドルとの市場変換性を柔軟にして、ソロスが入り込む隙を与えなくなったのです。
それと、ソロスやロバートソン両氏はインターネット株での転換が遅くなり、上値で掴んでいる。
日本のインターネット株へのシフトも遅れた。このため、インターネット株暴落で大損失を出すことになるのです。
ヘッジは、得するときも大きいが、損する時も大きいのが特徴。
もう1つが、デリバティブの使い方、計算方法が世界に拡散し、裏を掻くことができず、運用実績も上がらなくなってきたのです。
私でもデリバティブはできるし、円のヘッジは多くの人が参加している。
この状態では裏を掻くのは難しい。
米国からのグローバル化、インターネット化で、世界の他地域と差があったことが、ソロスなどのヘッジ・ファンドの儲けの構造であったのだと思う。その構造が拡散し、均一化したためにヘッジ・ファンドの優位性がなくなったのでしょう。
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/kak1/1205251.htm
ヘッジファンドの正体は丁半バクチの世界で9割が負ける
− ヘッジファンドの数は異常に増えており、だんだんと競争が厳しくなっている。成功しているファンドは20%ぐらいと見ていいか?90年代は半分以上のファンドが成功していたが今は少ない
− 今年は過去にないほど厳しく、平均的には伝統的なアセットマネジメント会社とヘッジファンドは同じぐらいのパフォーマンスしか上げれていない。来年・再来年につぶれるファンドもたくさんでてくる
− ファンドのパフォーマンスが10−20%マイナスになるようなことがあればファンドを畳まなければいけなくなる
− 多くの若手は投資銀行よりも安い給料に甘んじているし、パフォーマンスが良くないファンドに数年働くとその後のキャリアステップがなくなり得るぐらいリスクは高い
− 給料格差は若手の間でも激しく、20代前半・半ばぐらいで既に1億円弱ぐらいもらっている人間もいるが、そのレベルはヘッジファンドの若手の中でも数%程度
肩書きやら学歴なんてはっきりいって全く関係ない完全な実力主義世界がヘッジファンドにはあるわけだ。MBAが役に立たないとは言わないがMBAの知識がすぐ生かせるとかそんな次元の話じゃないし、社内政治やらリーダーシップやら人徳やらそんなことも全く関係ない。
ものすごく優秀な人間が集まっているし、ヘッジファンドに入るだけでも普通は大変だろうが、その中での生き残り競争は想像を絶するほど過酷だ。正直、一寸先は完全な闇の中、手探りで必死に生きている人々の方が圧倒的に多い。
もちろん信じられないような成功を若いうちに手にしている人々もいるが、ほんの数%と言っていい。皆がいずれはポートフォリオマネジャーになる、あるいは自分のファンドを立ち上げたいと頑張っているが、ほとんどの人は実現できていない。ほぼ全ての人は実現できない、に同義語に等しいぐらい厳しい。
今のヘッジファンドに比べたらIBやPEでさえミドルリスク・ミドルリターンに見えてくる。
2年前まではNYのヘッジファンドもブームに乗って儲けまくったファンドも多かったらしいが、ここに来て数が増えすぎたのとマーケットのパフォーマンスの低さから一気に冷え込んできている。
また、NYのヘッジファンド業界は、東京・ロンドンと比べてもこの1・2年で一気に競争が厳しくなったという印象を持った。ターンオーバー(人間の入れ替わり)は3年経てば75%は首になり、100人のファンドにいれば3年で100人入れ替わるぐらい回転スピードは速い。
彼らは違法すれすれのことをしながら稼いでいる。だからホリエモンみたいな連中がファンドを運用して成功すれば億の金を一年で稼いでしまう。
ヘッジファンドと言っても必勝法などあるわけがなく、昔と違ってコンピューターや電子取引を使って科学的に見えるだけで、後はカンと経験と度胸のバクチ場なのだ。
裁定取引とかデリバティブとかいってもみんなが真似しだせば儲からなくなる。私も株式のパソコンソフトでいろいろ試してみたが全然ダメだった。最近は売買手数料が安くなったおかげでデイトレードが大流行ですが、儲かっている人はどれだけいるのだろうか。おそらくヘッジファンドのマネージャーと同じく数パーセントに過ぎないだろう。
相場が上がっている時は大儲けする人が続出しますが、相場が変調をきたせば損する人が続出して生き残る人が数パーセントに過ぎなくなる。ノーベル賞をもらった学者ですらLTCMの事件のように業界を揺るがすような破綻を生ずる事は免れない。
たとえば99%の勝率でも1%の失敗でいままでの儲けをふいにしてしまうし、金融工学などと言うものは詐欺師の使う言葉だ。
結局はヘッジファンドと言っても勝ち組に入るのは一部のカンと経験と度胸のある人物だけが勝てるのは昔と変わりがない。
http://www.asyura2.com/0505/hasan42/msg/463.html
「敏腕為替ディーラー」の実力は本物なのか
有名な為替投資家と言われても勝ちが長続きしない人もいるし、実際に身近で有名な為替投資家をみた人の話では「言われているほどの実力ではない」というケースも多い。
私が見てきた敏腕投資家ややり手ディーラーに共通する特徴
すべらないFXを超体験「これまで見た敏腕ディーラーにはどのような人がいましたか?」と聞かれることがあるが、なかなか為替業界では敏腕ディーラーという方を取り上げるのが難しい。
私自身は為替で大もうけをして長者番付にのったという人もみたことがない(管理職で番付にのった人はいた)。会社という組織でやっている方が多いので個人としての報酬は少ないかもしれない。
また為替相場での勝負というのは試合時間が決まっているわけでもないし、取り引きする金額も大きく違う。なんらかの商取引で、あるいはそのヘッジとしてやっている人もいる。
また会社でやっていると、特に日本の会社では大きな損をしても個人のジョブセキュリティーとは関係がない人も多い。外資系や個人で為替をやっている人との緊張感はまったく違う。
また有名な為替投資家と言われても勝ちが長続きしない人もいるし、実際に身近で有名な為替投資家をみた人の話では「言われているほどの実力ではない」というケースも多い。
たとえば英中銀をポンド売りで負かしたといわれるソロスファンドもそれ以降は為替業務から撤退したと言われているし、
1980年代に世界的に有名になった米銀為替オプションディーラーも、その後日本の金融会社を合弁のヘッジファンドで一緒に仕事をした人に聞くと儲かってはいないと言う
なかなか常時儲かっていて為替長者のような人を探すのは難しい。有名な為替ディーラーとかいってもポジションを持ったことのない単なる解説者であることも多い。
実際に儲けた人であり、予想屋さんではない。実際にポジションを持って取り引きするのとただ予想することはまったく違うことはFXで実際に取り引きしてみるとおわかりでしょう。夢をこわすようなことを言ってしまったが、強いて言えば、私の身近な方で比較的的確に相場で儲かった人の特徴といえば次のような人であった
相場で儲かった人の特徴
インターバンク直結提供 相場に強い人には以下の特徴があると言えるだろう。
・自分のシナリオを持っている人
・人とつるまない人、天の邪鬼ということではなく、多くの人に同意を求めない人
・お人よしではない人
・人に嫌われていない人
・着手が早い
・スポーツなり勝負事の経験のある人=負けを認めることができるから。学業だけの秀才はなかなか負けを認めないで損失を大きくする
・情報を大事にする人
・万が一損切る時も人と相談しない
・相場を楽しむ人
・儲けるパターンをいくつか持っている人
・人の悪い人(疑い深い人注意深い人)
・二手先ほどは読んでいる人
ただ注意点は為替相場は他の金融商品ほど値幅が大きくないことだ。また同じ相場を行ったり来たりする。だから熟考してつくった自信のある相場のシナリオでも簡単に反転してしまうので同じポジションを長く持つことは効率的でない。いわゆるプロップトレーダー(ポジションテーカー=中期的なポジションを取る人)の収益が頻繁に売買するトレーダーにかなわないことが多い。
また以下は今回の表題には関係がないかもしれないが儲ける人について過去の経験で書いてみた。
どこのディーリングルームでも朝の会議がある。私は参加するのが苦手であった。そんなところでみんなの意見が一致しても相場がその方向へいったためしがない。相場はやはり個人技である。
良質の個人技の集まりがチームワークである。また朝の会議で3人のディーラーがドルが下がると言って、夕刻に実際にドルが下がっていたとしても、必ず3人とも儲かっていることもない。
夕方に下がる事実は当っていても、その経過で相場がアップダウンし、ポジションを振らされ損になる者、そのアップダウンにしぶとくついていって儲ける者、アップダウンしているうちにストップロスをつけられる者、あるいは外出していて乱高下も知らずストップロスもつけられず楽して儲かっている者、または銀行間のダイレクトディールや顧客にドルを買わされ、下がったときには大ドルロングになって大損している者、いろいろなパターンで相場観は当っていても儲かったりやられたりする。毎日が悲喜こもごもである。
相場観よりも技術論や度量、資金量も収益を大きく左右する。相場観はあやふやだけどしっかり動きにしがみついて儲ける人もいるのが、銀行の短期的なポジションをとる人々である。頭の良さとはほとんど関係がない。どんな人が適しているかは言うに尽くせないが、一言で言えば「人が悪い」人種で、いい人は儲けにくい。いい人は素直な動きの金利をやるべきだろう。
儲かる人は逆張りをするというが、よくやられるディーラーがいた。そこで上司がとうとう注意した。「お前の考える逆をやれ! それなら儲かる。簡単やろ。」 しかし簡単でもないらしく悩んで私のところに相談に来た。
「俺、今ほんとうは売りたいんでっしゃろか、買いたいんでっしゃろか」
「自分が何考えてるんか、わからんようになってしまいました」
逆張りは難しい。乖離指標であるボリンジャーバンド、ストキャスティックス、RSI、などを頼りにするしかない。が難しい。特に意味のない朝の会議で結論など出てしまうと、その逆をやればいいのだが、それをやる空気にはなかなかなれない。
相場には「ネガティブ・インディケーター」という言葉がある。たとえば、ある人(機関)が方針転換すると、相場がその逆に振れることが多いので、周りの人にとってはその人の言動が逆バリのサインとなるのだ。
しかし面白いのが、ある時、よくネガティブインディケーターにされている有名人と話したらその人もしっかりインディケーターになる人を持っていた。自分がインディケーターになっているなどとは思っていらっしゃらなかったようだ。
よく儲かる人はやはり逆張りというか、他と違っている。まずあまり相談、会議はしない。変な人が多い。理屈はこねない。人が悪い。
やられる人は本当にいい優しい人が多いものだ。結論を言えば勝負根性のある人が儲かるとしか言えない。
http://www.asyura2.com/10/hasan67/msg/795.html
米ゴールドマンの旗艦ヘッジファンド、2007年 8月は22%下げ−過去最悪
9月13日(ブルームバーグ):米ゴールドマン・サックス・グループの旗艦ヘッジファンド「グローバル・アルファ」は8月に、資産価値の22.5%を失った。投資家への報告によると、為替と株取引で損失を出した。月間ベースでは過去最悪の成績となった。
マーク・カーハート氏とレーモンド・イワノースキ氏が運用する同ファンドは年初来、資産価値のほぼ3分の1を失った。
2006年3月のピーク時からは 44%下落。
投資家は8月に、同ファンドから16億ドル(約1830億円)を引き揚げる意向を通知した。
同額は7月31日時点の運用資産のほぼ20%に相当する。
グローバル・アルファは数量分析に基づいて売買する「クオンツ」ファンド。
ゴールドマンはもう1つのクオンツファンド「グローバル・エクイティ・オポチュニティーズ(GEO)」が8月の最初の8営業日で28%を失ったことを受けて20億ドルの自社資金を同ファンドに注入した。
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=avC_mMDGz9cg
ゴールドマン・サックスのヘッジファンドの問題
昨晩、ゴールドマン・サックスが最近の株式市場の動きの中で、大きな損失を被ったヘッジファンドに対して、300億ドル(1ドル117円で換算して、3510億円)の救済融資を行うことを発表しました。
- 今回追加融資を行うのは、Global Equity Opportunities Fund
* 融資前の時価は約$3.6Bで、このFundは先週(だけで)30%以上のロスを被った。
* 追加融資に関しては、$2BはGoldman、それ以外に$1B他の投資家からの融資分がある。
- Global Alpha(上記とは別、今回は融資は行わない)は年初から比べて評価額が27%下落している。下落分の内、約半分は先週下落した分である。
- 問題となっているGlobal Alpha, N American Equity Opportunities, Global Equity Opportunitiesの先週金曜日の時点での評価額は、合計で約100億ドルである。
これらの問題となっているヘッジファンドは、Quantitative Hedge Fundと呼ばれるもので、コンピュータのソフトを利用して売買を行っているそうです。
投資のスタイルは、マーケット・ニュートラルで、過去の似た取引パターン等を分析して、上がりそうだと予想されるものを買い、下がりそうだと予想されるものに空売りをするものだと思います。
このコンピュータを利用した売買を行うアプローチが先週の株式市場の動きで、完全に裏目となってしまい、非常な大きな損失を被ってしまったとのことです。
”コンピュータを使って取引をする”と言うのは、合理的で、効果的なときもありますが、時としてこの様な事態になることは、リスクとしてはあると思います。
その辺りのヘッジをしていなかったのでしょうか?少し気になります。
http://alpha75.blog107.fc2.com/blog-entry-114.html
エコノミスト誌も指摘しているとおり、今回の金融危機は、今の国際金融界のシステムの根幹を機能不全に陥らせている。たとえば、米大手投資銀行のゴールドマンサックスが、コンピューターのプログラムによる自動売買で利益を出すファンド「Global Equity Opportunities」が2007年8月上旬の1週間に30%以上の大損失を出したと発表したことに、事態が象徴されている。
このファンドは、無数の債券の価格(利回り)の変化にわずかな遅延が起きることがあることを利用して、少しでも高く売って安く買うことをプログラムしてコンピューターを回し、無数に自動売買して儲けを積み上げる。
このファンドは最近まで利益を出していたが、8月上旬の債券市場の混乱によって、相場は「10万年に一度しか起きない」とされる未想定の事態となり、コンピューターは制御不能に陥って、損失を出す方向の自動売買が急拡大してしまった。SFマンガの筋書きのような話だ.
ゴールドマンは、自社だけでは処理しきれないので、盟友関係にある他の何社かの機関投資家に頼んで、大損したこのファンドに金を入れてもらい、何とかしのいだ。自社だけで抱えていたら、ゴールドマンは潰れていたかもしれない。
金融界で最も地位の高いゴールドマンは、損失とそれに対する処理を発表したが、同社以外にも、多くの金融機関が似たようなプログラムを組み、同様のファンドを持っている。プログラムの多くは似たような構造になっているので、他にも損失を出しながらまだ隠している金融機関があるはずだ。
この手のプログラム売買ファンドは、1998年に潰れた米ヘッジファンドLTCMが盛んに手がけ、破綻したのと同種の仕組みである。
LTCMの破綻は、世界の金融界に大打撃を与え、97年からの世界通貨危機にとどめを刺した。まさに「歴史は繰り返す」である。だが、今回の事態は、98年の危機をはるかにしのぐ大きさだ。98年にはLTCMだけが危機の震源地だったが、今回はゴールドマンのファンド破綻は、危機全体の一こまにすぎない.
「10万年に一度の事態」などと数値的な言い方で誤魔化しているが、今回の危機で暴露されたことは、コンピューターのモデルが対応できるのは平時の取引だけで、市場全体がパニックになった時には対応しきれずフリーズしてしまうということだ。
LTCMの時に、この手のプログラム売買の限界は分かっていたはずだが、その後も目立たないように、この商法はまかり通っていた。
http://tanakanews.com/070821credit.htm
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( ,.‐''~ ワー | ::::/\::::\ ゴールドマンが来たぞ〜
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