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(回答先: 哀れ、無残…「最後の0系」新幹線、無償譲渡も7年間放置 無計画で持て余し、歴史的資料をないがしろ? 投稿者 ピノキ 日時 2016 年 1 月 22 日 13:46:57)
大阪府吹田市が、平成21年にJR西日本から無償譲渡された初代「0系」新幹線の先頭車両を、具体的な展示計画を決めないまま約7年間にわたって放置している問題が発覚した。市の担当課には、市民や熱心な鉄道ファンから、保存方法についての苦情や今後の公開予定に関する問い合わせが相次いでいる。市は30年度中の公開を目指すとしているが、公開予定地の開発計画の進捗(しんちょく)が不透明で、車両の劣化対策に多額の費用がかかるなど解決すべき課題は少なくない。公開を待つファンにとって、やきもきする日々は当分続きそうだ。
連日問い合わせ…釈明に追われた市職員
「一体いつになったら公開されるんですか?」「こんな保存方法でいいと思っているのか!」
1月下旬、0系がシートをかけられたまま長期間放置されていることが報じられた直後から、吹田市役所には連日、市民らから問い合わせの電話があった。
中にはこれまでの市の対応を厳しく指摘する意見もあり、担当者は「現在、公開に向けて準備を進めているところです」と繰り返し、釈明に追われた。
吹田市に無償譲渡されたのは、20年12月のラストランで走った3編成のうちの1両だ。
JR西によると、現存する「最後の0系」は2両だけ。吹田市のほかには、製造元の川崎重工業(神戸市)が兵庫工場で保存・展示している。
移送直後2日間だけ公開
吹田市は21年、博多総合車両所(福岡県)から約2700万円かけて、JR岸辺駅(同)北側の吹田操車場跡地まで0系車両を輸送した。同じ高度成長期のシンボルである万博記念公園(同)の「太陽の塔」前を通る様子を報道公開するなど大々的に宣伝した。
当初、市は吹田操車場跡地の再開発に合わせ、鉄道博物館を建設して0系車両を一般公開する、という青写真を描いていた。だがその後、市長の交代に加え、跡地への国立循環器病研究センター(国循)の移転案が浮上し、いつしか博物館構想が消滅した。
鳴り物入りで運び込まれた0系車両は、移送直後に2日間だけ公開された後は、開発予定地の一角で約7年もの間、白いシートをかけられて放置され続ける事態になった。ほぼ野ざらしの状態だ。
すでに税金4千万円投入
博物館構想が消え、市は方針転換を迫られている。担当者は「開発予定地なので恒常的な一般公開はできない。安全のため、人を中に入れることはできないので…。外から車両を見てもらおうとも考えたが、部品などが盗まれる恐れがあるため断念した」と語る。
さらに費用もかさむ。
市によると、車両にかぶせたシート(約300万円)▽盗難防止のため車両の周囲を囲むように設置したフェンス(約550万円)▽警備費用(約200万円)−など、移送費用と合わせると、4千万円近くの税金が投入されたことになる。
対応に苦慮した市は、車両を無償で提供してもらったJR西側に返却を打診したが、あえなく断られたという。
市は周辺に公園を整備して現地公開の方針を決め、29年度にも工事に着工、30年度中の公開を目指すとしている。しかし、長年風雨にさらされた車両は一部塗装が剥げており、劣化の程度が懸念されている。塗り直すとすれば多額の費用がかかるのは必至だ。
「変な新幹線」もようやく再塗装へ
吹田市の車両放置のニュースは思わぬ「余波」も生んだ。
吹田市のお隣の摂津市では、昭和57年から市内の公園で初期型の0系の先頭車両を展示。塗装が剥がれた0系を新幹線の特殊な塗料を使わずに水色に塗り直し、実際と異なる色合いになっていたが、今回の件が報道された後、「変な新幹線」を一目見ようと見物客が増えたというのだ。
0系が置かれた公園の利用者のため開放している市は庁舎の駐車場が「報道直後の週末、まだ桜の時期でもないのに、いつもより人出が多かった」(市関係者)。
0系の上に屋根をつけて展示しているとはいえ、野外展示のため経年劣化が進み、市はこれまで数回、色の塗り直しを行ってきた。一般的に電車の車両は高速走行や悪天候に耐えられるよう、何度も塗料を重ね塗りして仕上げるため費用は高くなる。専門業者に依頼すべきだという意見もあったが、「どこにそんな金があるのか」と却下されたという。
しかしその後、「本物と色が違う」という苦情があったことなどから、ようやく市は、専門業者に依頼して本来の色に塗り直すことを決定。現在の塗装を剥がして車体を研磨し、再塗装を行う予定で、一緒に展示している電気機関車の補修と合わせて、平成28年度予算案に計約2900万円を盛り込んだ。
塗り直しは5月から行う予定。「元の色に戻る前に、珍しい水色の新幹線を見ようと、多くの人が来てくれているのでは」と関係者。大金をはたいて塗り直すことを決めた直後だけに、思わぬ展開に複雑な表情をみせていた。
マナーの悪さに悲鳴
日本初の高速鉄道の初代車両として足かけ44年間にわたって活躍し、19年に定期運行を終えた0系新幹線。先頭車両の丸い風防が特徴で、引退した今も多くの鉄道ファンに「団子鼻」の愛称で親しまれている。こうした0系人気にあやかろうと、いくつかの自治体や博物館などが引退した0系車両を引き取り、展示している。
そこに押し寄せるファンが新たな問題を引き起こしているケースもある。
関東地方のある自治体は、JR東海から引退した0系車両を引き取った。塗装費用が議会などで繰り返し指摘され財政面での課題も抱えているが、それよりも悩ましいのが見学に訪れる人の「マナー」だ。
この0系は内部も公開されており、運行当時の内装を楽しむことができるところが売りのひとつだった。ところが現在、座席の一部にはカバーがかけられている。
担当者によると、「0系目当てに多くの人が来るようになったのはいいが、座席に穴をあけられた」という。「この座席は当時のもので替えはきかない。やむなくカバーをしているが、これでは展示が台無しだ」と憤る。
「そもそも0系の展示を決めたのは、地域の人たちに喜んでもらうため。こんなことになるぐらいなら誰も来てほしくない」と担当者は訴える。
一口に引退車両の展示といっても越えるべきハードルは数多い。高度成長期の日本を支えた夢の高速鉄道、0系新幹線。平穏な第二の人生は、いつ訪れるのだろうか。
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珍百景と化しているな。
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