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(回答先: 【第5 章 政党の危機管理の観点からの分析】 投稿者 小沢内閣待望論 日時 2009 年 6 月 13 日 23:41:53)
第6 章 政治的観点から見た民主党の対応
1. 対応の前提
1―1.当事者的立場にある政治家と政党の区別
1−2.今回の事件の特殊性
1−3.検察に関する発言の問題
2. 民主党代表としての小沢前代表の説明について
3. 民主党の対応について
3−1.立場の区別と党外への訴えかけ
政党において、所属議員に問題が起こったときの対応には、固有の難しさがある。それは、
政党が集団でありながら、所属議員は国会議員として、固有の独立性を持っている点である。
そこで、所属議員の問題を、政党全体の問題と区別し、所属議員が問題を処理できるように
支援しつつ、問題の分離を図ることが必要となる。まして、今回の場合には、政党の代表者
について疑惑を持たれるという難しい事案であって、処理に苦慮したことは理解できるが、
これについても、より洗練された対応が行われるべきであったと考える。
先に述べたように、政党として、事件の当事者的立場となった代表とは、独立の立場で問
題に対処しうることを示すことは重要であり、実際に、そのための体制整備が求められる。
たとえば、問題に関する判断までも、民主党として、小沢前代表に委ねるということになれ
ば、立場の区別ができないために、政党としての判断に問題が生じることも考えられる。従
って、代表を除く執行部がこの問題について、自律的に対応できるための方策を考えておか
ねばならない。つまり、小沢前代表の政治家個人の問題と、政党の問題を区別するためには、
小沢前代表が自身の問題に関わる側面では行動しにくくなった状況において、民主党が政党
として独自の立場を持つことを示す仕組みを備えるべきであった。
これに関連して、民主党の仕組みとして、代表に問題が生じたときに、その問題に関して
代表ぬきで党の方針を決める仕組みがないことが明らかになった。確かに、議員に問題が生
じたときの機関に、常任幹事会の諮問機関と位置づけられている倫理委員会がある。ただ、
倫理委員会は倫理的に問題のあった議員の処分を決めるためのもので、今回の場合には使え
ない。その点で、政治家個人の問題が発生したとき、党外から見て、問題を審査・評価するた
めの仕組みが見えにくいのは問題である。
なお、当委員会は、民主党から独立した純粋な第三者委員会であり、また実態の究明を目
的とする機関ではない以上、民主党の説明責任を肩代わりすることはできないことを付言し
ておきたい。
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今回、民主党内から代表の対応についての批判が噴出しなかったことは、代表に対する信
頼と党内の一致結束を優先した多数の所属議員の判断によるものと見られる。しかし、党内
の議論を行って、その姿を示しながら党内の認識統一を図る方が、好感を持ってみられたの
ではないか。その点で、政治家個人の問題に関して、民主党内で弁明ないし説明する機会を
設け、小沢前代表と所属議員など民主党関係者が、疑問点について直接意見を交換する姿勢
を社会に示すことが求められた。また、これを踏まえ、民主党が代表の問題に関して、代表
個人の判断とは別に、政党としての意思決定を適切に行いうることを示すべきであった。そ
うした手順を経て、代表の置かれた状況を民主党として正しく理解し、多くの所属議員が代
表を支持するという形になれば、より説得力のあるかたちで民主党の立場を主張することも
可能であったであろう。
いずれにせよ、党首に疑惑が提起され、批判を受けるという事態のなかで、政党がとるべ
きことは、党内状況の流動化を防いで、政党としての活動を正常に継続することだけではな
く、対外的に積極的なアピールによって、ダメージを最小にすべく努力することである。