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『新国防論 9条もアメリカも日本を守れない』著者・伊勢崎賢治さんインタビュー(加憲される前に対案?!)
http://www.asyura2.com/09/kenpo3/msg/459.html
投稿者 戦争とはこういう物 日時 2017 年 5 月 09 日 22:43:22: N0qgFY7SzZrIQ kO2RiILGgs2CsYKkgqKCpJWo
 

自称「支持率5割超でございます」政権が、どんな理由からで有れ「加憲」を言い出した以上は無視できなくなる。ならば、より良い形にまとめる手減をするしかなのか。
 少し古い記事だが、今考えなければいけない話かもしれない。
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読み物:『新国防論 9条もアメリカも日本を守れない』著者・伊勢崎賢治さんインタビュー
https://www.cataloghouse.co.jp/yomimono/160112/
○権力の暴走を止めるための
「護憲的」改憲案を。

 僕はこれまで、憲法9条を変える必要はないという立場でした。変えるのであれば、平和や国防をどう考えるのか、しっかりと議論をする必要があるけれど、「中国の脅威」を煽るばかりの現政権のもとでは、そんなことはとても望めそうにない。だから、いつかは変えなくてはならないとしても、それは今ではないと思っていたんです。
 しかし、解釈改憲で集団的自衛権の行使が容認され、安全保障関連法(安保法)が成立した今の状況にあっては、そうも言っていられなくなりました。ただ「憲法を守れ」と言っているのではダメで、政府の暴走を防ぐための改憲案を、「護憲派」の側こそが示すべきではないか。そう考えるようになったのです。
 なにしろ、今回の安保法だって、あまりにもめちゃくちゃな法律です。改正PKO法一つとっても、安倍首相は「PKO5原則」を振りかざして、「停戦合意が破られたら撤退する」と繰り返していましたが、現在のPKOは紛争当事国の同意や停戦合意とは無関係に、「住民を保護する」ことが最優先任務。任務遂行のためなら、たとえ自分たち自身は攻撃を受けていなくても武力を行使します。戦闘が始まったから撤退するとか、そんなレベルの話じゃないんです。それなのに国内の議論はいつまでたっても、20年前の話で止まったまま。
 こんな無責任なことをこれ以上続けさせないためには、憲法でより明確な縛りをかけるしかない。そんな思いから考えてみたのが、この僕なりの「9条改憲案」です。

【伊勢崎さんの9条改憲案】
※9条を以下のように改定し「永久条項」とする。
日本国民は、国際連合憲章を基調とする集団安全保障(グローバル・コモンズ)を誠実に希求する。
前項の行動において想定される国際紛争を解決にあたっては、その手段として、一切の武力による威嚇又は武力の行使を永久に放棄する。
自衛の権利は、国際連合憲章(51条)の規定に限定し、個別的自衛権のみを行使し、集団的自衛権は行使しない。
前項の個別的自衛権を行使するため、陸海空の自衛戦力を保持し、民主主義体制下で行動する軍事組織にあるべき厳格な特別法によってこれを統制する。個別的自衛権の行使は、日本の施政下の領域に限定する。

○国際社会においては、日本はいまだ「保護観察中」である。

 9条の1にある「グローバル・コモンズ」とは、「世界的な公益」といった意味の言葉です。これを最初に掲げるのには、いくつか理由があります。
 まず、さまざまな脅威を一国家の問題ではなく地球規模の問題として考えようというのが、世界的な動向だということです。地球温暖化などもそうですし、「テロとの戦い」もそう。2001年9月11日のニューヨーク同時多発テロ事件の直後はアメリカの個別的自衛権の話だったのが、アフガニスタンやイラクへの攻撃の際はNATO(北大西洋条約機構)による集団的自衛権の行使になり、今では完全に世界規模の問題、「グローバル・テロリズム」として捉えられています。地球規模の脅威に対して、国連を中心とした国際社会が協力して立ち向かうという枠組みが確立しつつあるんですね。
 そして、忘れてはいけないのは、その国連において、日本は今も「保護観察中」の身だということです。国連とはもともと第二次世界大戦の戦勝国が世界に君臨し続けるために生まれたシステムで、国連憲章には「敵国条項」がいまだ生きている。「敵国」が違法な武力行使などをした場合には、安保理決議なしの武力制裁も容認されると定められています。
 これは、悔しいけれど現実ですから仕方がない。日本は、未来永劫善行を重ねて信頼を醸成し、子どもの代か孫の代か、いつか「もう許してやろう」と言ってもらうことを目指すしかありません。世界全体を敵に回すことができない以上、これはもう僕たちの宿命なんですね。
 もう一つ、国防の問題もあります。戦後、日本は海岸線上に、原子力発電所をずらりと建設してきました。普通に考えたら、国防上ありえない愚行です。これを説明するとしたら、我々は国際社会の良識を前提として国防を考えてきた、というしかありません。つまり、原発を攻撃するという国際人道法違反の行為は、あの北朝鮮政府「でさえ」決してやらない、国際社会は必ず国際法を守るんだという前提の上でなければ、国防についての議論さえできないのが我々の国なんですね。
 こうしたさまざまな要素を考えると、世界的な公益──グローバル・コモンズを希求するんだと、誠実に言い続けるしか私たちには道がない。私の改憲案の9条第1項が意味しているのは、そういうことです。

○武力ではない手段で紛争予防や信頼醸成に貢献する。

 その一方で、私の改憲案の9条2項では、そのグローバル・コモンズの実現のためであっても、我々は武力を絶対に行使しないということを宣言しています。たとえ国連PKO(平和維持活動)であっても、武力は使わない。では、代わりに何をするのか。国連の軍事監視団に自衛隊員を派遣するというのが一つのあり方だと思います。
 これは、各国の司令官クラスの軍人たちによる非武装の監視団で、現地の武装勢力と対話を重ねて信頼関係を構築することがミッション。もちろん危険だけれど、非常に名誉あるポジションです。一つの監視団は数百人規模ですから、そこに十数名の自衛隊員を送るだけでも、大きな存在感を発揮できるでしょう。
 あるいは、あらゆる手段を通じて、紛争そのものの予防に貢献する。紛争が起こる国というのは往々にして、独裁者がいたり民族差別があったりと、内政問題を抱えています。そうした政府に対して、ODA(政府開発援助)などと引き換えに「軍備を増強するな」「マイノリティへの弾圧をやめろ」といった「注文」を付けて、影響力を行使していくわけです。
 実は日本は、1990年代後半から国際社会で進んだ拳銃などの小型武器規制においても、主導的な役割を果たしていました。そのように、「平和国家」のイメージをうまく活用して、武力行使以外の方法で紛争防止に貢献するやり方はいくらでもあると思います。
 現在、国際社会にとって最大の脅威とされている「イスラム国」に対しても、今できることは少ないかもしれませんが、いつか必ず周辺勢力との間で力が均衡して、停戦に向かう時期が来ます。そのとき、日本のように利害関係の少ない国こそが、率先して停戦監視などの役割を果たせるのではないでしょうか。

○自衛のための戦力を規定して法律で厳しく規制する。

 さて、9条3項では、「我々は個別的自衛権しか行使しない」ということを、高らかに宣言しています。この条文があれば、かつてのアフガニスタンやイラクでの戦争にも、給油活動などを含め参加できないことになる。一言でいえば「自分の国が攻められたとき以外は武力行使しない」ということですね。
 その「自分の国」とはどこかを定めたのが、9条4項です。これはシンプルに「日本の施政下」。日本の国土と領海のみです。自衛のための先制攻撃は禁止で、たとえ北朝鮮がロケットに燃料を入れたという情報が入ったとしても、攻撃はできません。国連憲章にも反しますから、当然です。
 そして、自衛のための戦力──自衛隊でも自衛軍でもいいんですが──を保持し、その戦力は厳格な特別法によって統制される、と明記しました。軍隊というと、すぐに軍国主義と結びつけられがちですが、本来は立憲主義や民主主義が機能する空間を守るために存在しているもの。それも一切持たないというのは理想ではありますが、現実的にはなかなか難しい。それなら、社会における最強の殺傷兵器を独占することを許されている集団として、通常よりも厳しい戒律で縛る必要があるということです。
 同時に、現状では、自衛隊員が海外に出て過失で現地住民を殺めてしまった場合に、どの法律で裁くのかというきちんとした定めがありません。そこをちゃんと規定することで、「軍事組織を海外へ派遣する」ということの重みも伝わるのではないかと思います。  この9条の4つの項目を「永久条項」化してはどうかと僕は思っています。将来、憲法を変えることがあっても、ここは変えられませんよ、ということですね。

○地位協定を改定して、真に対等な日米関係に。

 ただ、この「改憲」にあたっては、日米地位協定を改定することが大前提です。

【伊勢崎さんの9条改憲案】
日本の施政下のすべての在日米軍拠点(基地および空域)における日本の主権を回復する。

具体的には、
・地位協定の時限立法化(更新可)、もしくは、米軍の(段階的・完全)撤退時の状況をビジョン化(日本がすべての隣国との領土、領海問題の完全解決等)
・在日米軍基地に米軍が持ち込むすべての兵器、軍事物資に対する日本政府の許可と随時の検閲権。
・在日米軍基地が日本の施政下以外の他国、領域への武力行使に使われることの禁止。

 現状の協定では、米軍はどこでも好きに軍用機を飛ばせるし、兵器の持ち込みに許可もいらないし、駐留期限の定めすらない。日本に、まったく統治権がないんです。こんなこと、他の主権国家ではありえません。
 この異常さは、アメリカが他の国と結んでいる地位協定を見てみれば分かります。対イラクの協定にさえ、僕がいま挙げたようなことはきちんと定められていました。駐留期限についても「2011年末までに米軍は完全撤退する」とある。国民の反米感情の高まりを受けて、イラク政府が米政府と粘り強く交渉した結果です。そういう条件交渉は、十分に可能だということです。
 多くの日本人にはそもそも、他国の軍が自国にいることがおかしいという感覚がありません。でも、ずっと占領状態が続いていていいはずはないんだから、「どういう状態になれば米軍基地がいらなくなるのか」というビジョンを持つべきです。例えば「すべての近隣諸国と領土・領海紛争がなくなったとき」というような……。
 これは、日米関係を解消するとか、そういう話ではありません。ただ、国内にある米軍基地を、他の国にあるのと同じレベルの「普通の基地」にしようということです。それによって初めて、日本は本当の意味でアメリカと対等な同盟国になり、主体性を取り戻すことができる。僕は、そう考えています。

○重要なのは「何のために」結集するか。議論を避けるべきではない。

 この「新9条案」については、すでにいくつかの集まりや取材でお話ししたのですが、いわゆる「護憲派」の方からも、賛同の声をたくさんいただきました。
 一方で、「こんなことを言い出すのは護憲派の間に分断を生む」と批判する方もいます。でも、分断って避けるべきことでしょうか? 意見の違いがあるからこそ議論が深まるのではないのでしょうか。「対安倍政権に向けた野党の結集を邪魔する」と言う指摘も受けましたが、重要なのは「何のために」結集するかです。そこを議論して明確にしないままの「結集」に、意味はありません。
 また、現政権はすでに憲法を無視しているわけで、「いくら条文で厳しく縛りをかけてもまたそれを無視されるだけだ」という批判も受けました。でも、現憲法は自衛隊の海外での活動に対して、理念的にはともかく法的に明確な縛りがあるとはいえません。その憲法のもとで、日本は安倍政権以前からさまざまな特措法をつくって戦争に参加してきましたが、安保法制の成立という「底上げ」がされてしまった今後は、さらに直接的な形での戦争参加──例えば、現地友軍による地上戦への後方支援とか──を可能にする特措法がつくられる可能性も十分あります。それを止めるために、憲法でより明確な縛りをかけることには意味があるはずです。
 護憲派の側からこうして「改憲」を言い出すこと自体が、改憲へのハードルを下げて安倍政権を利することになるという声も聞きますが、現政権はすでに動きはじめています。安倍首相は今、政治生命をかけて「最後の賭け」に出ていると僕は思う。南スーダンPKOなどで自衛隊員に犠牲が出れば、それをすべて「9条のせい」にして、一気に改憲になだれ込もうとするでしょう。「改憲」という言葉に触れずにおけば大丈夫だというような段階では、すでにないのではないでしょうか。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(ここまで)
 ただし、より増しな改憲が実現しても、政府が「解釈」で変えてしまえばどうしようもないが。
 

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コメント
 
1. 戦争とはこういう物[2044] kO2RiILGgs2CsYKkgqKCpJWo 2017年5月10日 17:08:02 : 9PG0M0b68Q : jKnbezZWN40[687]
 訂正です。

X 、より良い形にまとめる手減をするしかなのか。
O 、より良い形にまとめる提言をするしかなのか。


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