★阿修羅♪ > 憲法3 > 430.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
原告の準備書面(1)
http://www.asyura2.com/09/kenpo3/msg/430.html
投稿者 松岡竹童 日時 2014 年 6 月 18 日 17:32:50: 6feYd/iNgrqtw
 

(回答先: Re: 「恩給期間を追加費用削減対象期間として共済年金を減額する規定」の違憲国家賠償請求事件について 投稿者 松岡竹童 日時 2014 年 1 月 10 日 12:55:26)

第2回口頭弁論(4月23日)では、被告が4月9日提出の第1準備書面に対応して、原告が準備書面(1)を6月16日までに提出するよう裁判長から指示あり。民事裁判では刑事裁判と違って、法廷での派手な論争は行なわれない。裁判官の心証を形成するのは準備書面である。よって、原告・被告ともに準備書面の作成に心血を注ぐ所以である。
第3回口頭弁論期日(6月25日)に備えて、原告は下記準備書面(1)を6月13日に裁判所に提出した。


平成25年(ワ)第4126号 国家賠償請求事件
原告 松岡竹童
被告 国

準備書面(1)
平成26年6月13日

福岡地方裁判所第5民事部合議B係 御中

原告 松岡竹童

原告は、本準備書面において、被告の第1準備書面「第2 被告の主張」に対して認否するとともに、原告の主張を補充する。

第1 被告の第1準備書面「第2 被告の主張」に対する認否について
 1 被告の主張の要旨
(1)認める。
(2)争う。
 2 退職年金制度の概要等について
おおむね認める。
 3 本件減額立法に違憲違法とされるべき点はないこと
争う。 
4 結論
  争う。

第2 原告の主張の補充について
  被告は第1準備書面「第2 被告の主張」で、1から4に至るまで縷々論述しているが、法的な争点について、原告は以下のとおり反論する。

1  被告は本件減額立法に於ける共済年金27%減額は当然の如く主張しているが、被告提示の、最高裁判所昭和53年7月12日大法廷判決(民集32巻5号946ページ)は、「法律でいつたん定められた財産権の内容を事後の法律で変更しても、それが公共の福祉に適合するようにされたものである限り、これをもって違憲の立法ということができないことは明らかである。そして、右の変更が公共の福祉に適合するようにされたものであるかどうかは、いったん定められた法律に基づく財産権の性質、その内容を変更する程度、及びこれを変更することによって保護される公益の性質などを総合的に勘案し、その変更が当該財産権に対する合理的な制約として容認されるべきものであるかどうかによって、判断すべきである。」と判示している。

ここに、恩給制度は国家補償の性格を有する年金制度であり、他の公的年金は相互扶助の精神に基づき保険数理の原則によって運営される、社会保険方式の年金制度である。したがって、その考え方、制度の仕組み等、基本的性格は異なるものである。

然して、立法者が通常の常識人であれば、保険数理に基づく計算の結果、あまりにも高率な、共済年金27%減額の数値が出たときに、社会通念上「これはおかしい、恩給は保険数理になじまない」と、国家補償方式の恩給と社会保険方式の共済年金制度の違いに気付くはずである。しかも恩給期間が長いほど、つまり、年齢がより高齢になるに従い減額率が逓増するが如き、恰も長生きは悪だと言わんばかりの不条理な本件減額立法は、財産権に対する合理的な制約として容認されないことは明白である。立法裁量権の逸脱・濫用であり、財産権の侵害を禁じた憲法29条に違背するものである。

2  被告は軍人恩給とその余の恩給との取扱いに差異があることについては、事柄の性質に即応した合理的な根拠があり、軍人恩給がその余の恩給に優位すると主張しているが、被告提示の、最高裁判所昭和39年5月27日大法廷判決(民集18巻4号676ページ)は、「法の下の平等を定める憲法14条1項は、事柄の性質に即応した合理的な根拠に基づくものでない限り、法的な差別的取扱いを禁止する趣旨であると解される。」と判示している。

ここに、昭和21年連合国最高司令官の指令により、重症者に係る傷病恩給を除き、旧軍人軍属の恩給廃止(勅令第68号)の措置が執られた経緯がある(甲第4号証)。

然して戦後は、軍人恩給がその余の恩給に優位するとの考えは払拭されるべきであり、本件減額立法が軍人恩給を対象としていないことは、事柄の性質に即応した合理的な根拠に基づくものでないことは明白である。立法裁量権の逸脱・濫用であり、法の下の平等を定めた憲法14条に違背するものである。

3  軍人恩給が未だに減額されることなく支給されているのは、恩給制度が富国強兵の国策に沿って創設されたという歴史的な背景に加えて、恩給制度は国家補償の性格を有する年金制度であることを考慮すれば、条理上当然の帰結である(甲第4号証)。よって、そもそも本件減額立法に於いては、実質は恩給の高率減額である追加費用削減という発想そのものが、立法裁量権の逸脱・濫用と言わざるを得ない。

本件減額立法(被用者年金一元化法のうち、恩給期間を追加費用対象期間として共済年金を削減する部分)の違憲無効は、上述のとおり明白であるから、本件減額立法の速やかな廃止が希求される所以である。
(以上)

参照(http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/onkyu_toukatsu/onkyu.htm)甲第4号証(恩給制度の概要)


本稿 2014.06.17.
 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:

このページに返信するときは、このボタンを押してください。投稿フォームが開きます。

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)  recommend
★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
  削除対象コメントを見つけたら「管理人に報告する?」をクリックお願いします。24時間程度で確認し違反が確認できたものは全て削除します。 最新投稿・コメント全文リスト

▲上へ      ★阿修羅♪ > 憲法3掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
この板投稿一覧