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日銀の白川方明総裁は14日の会見で、物価下落が原因となる景気悪化の可能性を注意していく、との見解を表明した。
時限措置の取り扱いにかかわらず、超低金利を維持していくスタンスを鮮明にしており、超緩和策が長期化する弊害への言及は目立たなかった印象だ。
日銀は足元の国内経済が、デフレに陥っているという認識には至っていない。そうした中での白川総裁の発言である。日銀が下方向へのリスクに敏感になっていると受け取ってもいいのではないか。
実際、国内のGDPギャップは、最近の生産回復基調をもってしても、依然としてかなりの規模になっているもようだ。このことは国内物価の下押し圧力が小さくなっていないことを意味し、悪い物価下落になる兆しが出始めているのではないかとの疑念も出てくる要素になる。
一方、コーン米連邦準備理事会(FRB)副議長は、13日のセントルイスでの講演で「基調的なインフレ率は当面、一段と低下するリスクの方が上昇するリスクより大きいとみている」と述べるとともに、潜在成長力を「大きく下回る」状態がしばらく続く公算大であるとの見解を示した。
さらに米失業率が2010年初頭までに10%に達する可能性が高いことにも言及した。これで早期に利上げできるのか──。答えは「ノー」だろう。
米国の過去の金融政策の推移をみると、失業率が上昇を続けている間に引き締めに転じたことは1度もなく、上昇から低下に転じても、直ちに利上げしたことはない。
さて、日銀はどうするのだろうか。10月30日に展望リポートを発表する。そこでは2009年、10年、11年の経済見通しを示す。11年になっても消費者物価指数の前年比がマイナスのままという見通しなら、利上げまでの道のりがかなり遠いということを示すことになるのではないか。
利上げを正式な「出口」とするなら、その姿はまだ、見えていないというのが白川総裁の本音ではないかとみるが、どうだろうか。