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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu202.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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中国は、膨大な為替介入用人民元を、どうやら市場ではなく輪転機
から調達しているようなのです。中国の外貨準備が204兆円になった。
2009年10月16日 金曜日
2009年は輸出が大幅ダウンしたのに外貨準備だけが増えていく?
グラフでは2009年9月末で前年度残高を大幅に越えている。
◆中国の外貨準備高、9月も過去最高 日本の2倍で世界一更新 10月15日 産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091015-00000641-san-bus_all
【上海=河崎真澄】中国政府の外貨準備高が9月末時点で前年同月末に比べて19.3%増の2兆2726億ドル(約204兆5340億円)となり、過去最高を更新した。外貨準備高で中国は2006年2月に日本を追い抜いて世界一となってからも膨張を続け、9月末の日本政府の1兆526億ドルに対し2倍以上の規模となっている。輸出などで得た民間企業の外貨も金融当局が吸い上げる「外貨中央集中性」が背景にあり、その外貨で米国債を大量購入することで対米発言力強化につなげている。
15日付の中国紙、上海証券報によると、中国人民銀行(中央銀行)の調べで9月末時点の外貨準備高は6月末比でも1410億ドル、6.6%増加している。中国の輸出入は11カ月連続で減少し、貿易黒字も縮小傾向が続いているものの、金融当局による元売りドル買いの為替介入や、成長が続く中国へのホットマネー(投機資金)の大量流入、民間からの外貨の吸い上げ策などで「ドル箱」拡大が続いている。
日中の外貨準備高が逆転し、わずか3年で2倍以上も差が開いた。ただ、みずほ総研の鈴木貴元・上席主任研究員(中国駐在)の推計によると、日本の場合は民間が保有する外貨が政府保有の約5倍の約5兆ドルなのに対し、中国の民間保有は政府の2分の1の約1兆ドルという。しかもその1兆ドルの大半は国有の石油大手や商業銀行などの保有で、民間企業や個人保有は制限されている。
中国は、民間も含む経済活動で得た外貨の大半を中央に集中させることで、「強大な政治パワーを与え、国際市場の注目を集める」(鈴木氏)ことに成功した。中国は外貨準備高のうち約8千億ドルを米国債で、約6千億ドルを米政府機関債で保有する米政府にとっての“世界最大のスポンサー”だ。
巨額な対中貿易赤字を抱えながらもオバマ政権が、人民元の切り上げ要求をトーンダウンさせているのもそのためだ。米国から見て同盟国の日本とは異なる共産国家の中国が「世界一」となったことは脅威で、仮に中国が突然、米国債を大量売却する意向を表明しただけで、米国債の暴落は避けられない。中国が外貨準備で米国債を買い続けることで、ドルと米経済が最終的に支えられるとの「人民元アンカー論」も登場した。
こうした米中の構図が続く限り、中国の外貨膨張は当分続きそうな気配だ。
◆中国外貨準備高と人民元の謎 2008年6月26日 三橋貴明
http://blogs.yahoo.co.jp/takaakimitsuhashi/11610589.html
ご覧頂いた通り、世界の外貨準備高は中国が1兆6822億ドルと世界トップになっています。これは別に中国の豊かさとか、金持ちぶりを示しているわけでは全然なく、単に中国当局が人民元高を避けるために、ひたすら為替介入を繰り返している事を表しています。ヤバ中でも書きましたが、人民元が安く押さえつけられた結果、中国一般国民の購買力は上がらず、消費も盛り上がらず、ある意味、中国の巨額外貨準備高は中国国民の貧しさを示しているとも言えます。
当たり前ですが「国家」が外貨を溜め込んで抱え込んでいても、単にドルが固定化しているだけで、国民には何の恩恵も無いのです。むしろ通貨高で生活レベルを上がるのを、妨害されているだけです。
ところで、通貨高を抑えるための為替介入とはどんなプロセスをとるでしょうか。
簡単ですね。手持の自国通貨(中国ならば、人民元)で、ドルなどの外貨を購入すればいいだけです。中国が人民元でドルを買うことで、ドルの価値が上昇し、人民元の価値が逆に下落するわけです。
さて、ここからが本題です。
中国が為替介入をする際に、人民元は果たしてどうやって入手するでしょうか。
普通の国(日本とか)は、専用の債券(日本の場合は政府短期証券)を財務省が発行し、調達した円で為替介入を行います。政府短期証券は財務省、つまり日本政府が発行する債券なので、要は国債みたいなものです。
韓国の場合は、同じ債券を発行するにしても、政府ではなく中央銀行(韓銀)が発行する「通貨安定証券」でウォンを調達し、為替介入を行っていました。おかげで中央銀行が通貨安定証券の利払いのせいで赤字になってしまいましたが、基本的な為替介入の原理は別におかしくありません。政府(韓国の場合は中央銀行)が債券を発行し、つまり「借金」をして自国通貨を調達し、為替介入を行うわけです。
数年前に韓銀の高位関係者が「韓銀はウォンを刷ることができるから、為替介入の余力は無限だ」とか莫迦な事を言っていましたが、実際に輪転機回して為替介入用ウォンを発行していたわけではありません。それは少しは新規発行通貨もあるでしょうが、あくまでメインは通貨安定証券、つまり韓銀の借金でした。
なぜ日本、韓国その他の国々が、通貨高防止用の為替介入の資金(自国通貨)を刷らないのかといえば、そんなことしたら市場に自国通貨が溢れ、通貨価値が下落する、つまりインフレーションになってしまうからです。幾ら韓国でも、無制限にウォンを刷ってドルを購入したりしません。
が、どうやら中国は本当に人民元を刷って、為替介入を行っている模様なのです。
中国の外貨準備高は毎年数千億ドル(数十兆円)という物凄い伸びを示していましたので、以前から不思議に思っていました。この金額の人民元を政府なり中央銀行なりが市場から調達し、為替介入を行っていたら、韓国の通貨安定証券(総額で20兆円くらい)以上に問題視されていなければおかしいはずです。日本の政府短期証券にしても、韓国の通貨安定証券にしても、要は政府、中央銀行の借金なわけですから。
ところが中国は、この膨大な為替介入用人民元を、どうやら市場ではなく輪転機から調達しているようなのです。中国の外貨準備が08/03時点で1兆6822億ドルということは、約170兆円分の人民元が市場に供給されたことになります。
この時点で、わたしは愕然としてしまいました。なぜならば、世界第二位の経済大国の通貨である日本円、つまり日銀券の平均残高が74兆円程度でしかないからです。
http://www.nli-research.co.jp/report/econo_eye/2006/nn060808.html
「図表2 日銀平均残高と買入国債の推移」参照
それでは中国の人民元の発行残高は、果たして幾らなのでしょうか。
実は中国は人民元発行残高を公表していません。しかし、柘植久慶氏が最新作「中国大崩壊」(ホームページのトップページで、ヤバ中と櫻井よしこさんの本に挟まれている本)で、100元紙幣の番号を地道に調べるという、ある意味天才的な手法で人民元発行残高を推測されています。
人民元のナンバーはアルファベット二文字に、数字が八桁となっています。単純化して書くと、最初の100元が「AA00000001」そこから100元紙幣が一枚ずつ増えるごとに、数字も一つずつ増えていくことになります。そしてAAが終わると、次はAB00000001と増えていくわけです。
柘植氏は何と、2007年にTCxxxxxxxx(xは数字)の100元紙幣を入手したのでした。このTCで始まる100元紙幣は、日本円にして300兆円超に相当するのです。(時間のある人は、検証して頂けると嬉しいです。やりたいのですが、さすがにちょっと時間が無いのです)
しかもこれは人民元の最高額紙幣である100元紙幣だけで、他の50元、20元などの紙幣は含まれていないのです。少なくとも、中国の人民元発行残高は、確実に300兆円を超えていることになります。日本円の発行残高の、実に四倍以上!
これはインフレにならない方がおかしいでしょう。と言うか、下手をしたら近い将来、人民元は高騰するどころか、逆に暴落する可能性もあるのではないでしょうか。その上、中国の外貨準備(ドル)の方も、どうやら相当に怪しい使われ方をしているようです。
もしも「そんなことは無い!出鱈目を書くな!」と中国政府が反駁するならば、少なくとも以下二つの疑問に答えなければなりません。
1.どうやって毎年何十兆円もの為替介入用の人民元を入手したか?(政府の債券で調達したのなら、逆に財政問題になるはず。毎年何十兆円!もの借金です)
2.現時点での、人民元の発行残高は?
賭けてもいいですが、中国はこの二つの問いに明確に答えられないと思いますよ。 結局、中国は資本主義の真似事をした挙句、資本主義の論理によって破滅しそうです。
(私のコメント)
中国政府が発表する経済統計数字は何一つ信用が出来ないのですが、相手が存在する統計数字はごまかす事ができない。為替取引も相手が存在する取引なのでごまかす事が出来ないから信用が出来る。それによれば中国政府の外貨準備高が過去最高の額となり2兆2726億ドルで日本円に直すと204兆円になる。
日本政府の外貨準備高が1兆526億ドルだから日本の倍以上の規模になっている。2006年に日本を追い抜いて3年余りで倍の金額になっている。非常なハイペースなのですが、貿易黒字で貯まった外貨ではなく輪転機で作られた人民元紙幣でドルを買いあさっているようだ。
産経新聞では民間企業のドルを政府に集めてドルを買っているということですが、そんな事ができるのだろうか? むしろ人民元紙幣を印刷してドルを買っているのではないだろうか? 中国も2008年末からアメリカへの輸出が大幅にダウンして外貨がそんなに貯まるはずがないからだ。むしろ投機的なドル売り人民元買いが行なわれて、政府がそれに対抗してドルを買いまくっているようだ。
日本も90年代からドル買い円売り介入を行なって外貨準備高を増やしましたが、最近は為替介入は行なわず外貨準備高も増えてはいない。100兆円もドル建て外貨を持っても意味がないから米国債などで運用していますがゼロ金利では利息も入らない。米国債は暴落するリスクがあるから超低金利では買い手がいない。しかし中国が一手に買ってくれている。
「株式日記」では人民元高は中国自身にとっても利益だと書きましたが、安い人民元=ドルで石油や鉄鉱石を買えば割高になり、アメリカやEUに輸出してもドル安でダブルパンチになるだろう。日本は円高で輸出には確かに不利ですが、石油や鉄鉱石といった輸入では円高で割安になるからトータルでは大きな損失にはならない。もし1ドル=90円の円高になっていなかったらガソリン価格は1L=160円ぐらいしているかもしれない。金も石油も値上がりしているからだ。
中国の人民元固定相場制ではアメリカにとっては安くなるドルを一手に買い支えている事になりますが、アメリカは以前のように輸入して消費してはくれなくなった。だからユーロ高のヨーロッパ向けで輸出を回復させましたが、人民元をいつまでも安く固定しておく事はドルという外貨を増やすだけで、ドル安リスクを一人で背負う事になる。だから個人ではドルを持たずに金などを買ってドル安リスクを回避している。
産経新聞の記事にもあるように、中国がドルを売るといっただけでドルが暴落して、2兆ドルあまりの外貨準備は大損失をこうむる事になる。まさに米中の抱き合い心中状態になりつつあるのですが、日本は抱き合い心中に巻き込まれないようにドルを手放しておくべきだろう。日本は民間には5兆ドルものドル債権があり、今のうちに売り抜けてユーロでも買っておいた方がいいはずだ。
日本も2004年頃まで為替介入してきましたが短期国債で資金を調達してドルを買ってきた。いわゆる特別会計ですが、外貨準備を積み上げても何の利益も無いわけでドル安リスクを抱えるだけで売るに売れない債権になってしまう。お金は使ってこそ価値があるものであり、使わずにドル暴落で価値が下落する事が一番馬鹿げている。中国は否が応でもドル買いをして人民元を安くしないと輸出競争力が無いから他に手段はない。
アメリカはもはや消費大国としてのパワーが無くなったのであり、中国がドルを買い支える意味も少なくなってきている。むしろユーロ高でヨーロッパへの輸出で打開の道を開いてくるだろう。世界一の外貨準備も国民には縁の無い話であり中国の国内の購買力も一部の富裕層しか持っていない。それでも数億の富裕層がいるのだから大きな市場だ。
アメリカの株式市場が10000ドルを回復しましたが、これも中国が米国債を買ってその資金が市場を潤して回復したのだろう。2004年ごろに日本がドルの大量買い介入して住宅バブルが起きたように中国のドル買いがニューヨークの株式バブルを引き起こしている。アメリカがドル紙幣の輪転機を回してばら撒けば、中国も人民元紙幣の輪転機を回して対抗している事になり、こんなことがいつまでも続くはずが無く、いつかはクラッシュする時が来るだろう。
円やユーロは米中の資金供給合戦のとばっちりで上がっているのですが、日本も円高でデフレなのだから輪転機を回して市場に供給してバランスを保つべきなのですが、日銀のデフレ政策は円安やインフレを恐れてのものだろう。
アメリカと中国の紙幣供給合戦と紙幣を供給しない日本の円高
◆お札を刷らない日銀 デフレ不況と円高助長 10月11日 田村秀男
http://tamurah.iza.ne.jp/blog/
≪かたくなに量的緩和拒否≫
日銀は、平時の政策にちょっぴり味付けしただけだった。資金繰りに困った企業からCP(コマーシャル・ペーパー)と呼ばれる債務証書を買い付けてきた。ところが日銀資金の発行量は今年9月末で前年比5%強しか増やしていない。余っている設備や労働を動かすためのカネが回らない。カネの流れを仲介する銀行など金融機関は民間に貸そうとしないので、不況がひどくなる。その金融機関に日銀が資金を流し込めば、金融機関は有り余るカネを放出せざるをえなくなる。これが量的緩和と呼ばれる政策なのだが、日銀はかたくなに拒否する。
日銀の白川方明(まさあき)総裁は物価下落が激しくなっているのに、デフレではないと言い続ける。揚げ句の果てにCP買い上げの打ち切りなど「出口戦略」までも口にする。雇用に配慮するのも中央銀行の使命という国際常識が欠如している。
鳩山政権は財政と連動して日銀の金融政策を機能させない限り、公約通り国民生活をよくはできないだろう。
(私のコメント)
中国は一応GDPが延びているから資金供給しても経済の裏打ちはあるのですが、アメリカの場合は政府やFRBが金融機関の債券などを買って資金供給している。だから一息ついているのですが、「株式日記」でも100兆円で銀行の不良債権を買えと書いてきました。アメリカはずばりその政策を行なって危機に対応している。日銀は頑なに円の価値を守ると称して円高にしている。
田村秀男氏が言うように日銀はなぜ資金供給が少ないままなのだろうか? 白川総裁を任命したのは民主党であり、このまま資金供給しなければ景気は回復せず鳩山政権も倒れるかもしれない。日銀のデフレ政策は何を意味しているのだろうか? 速水総裁の頃も構造改革が進まなければ金融緩和はできないと言うスタンスを今も続けているのだろう。
つまり白川日銀総裁は鳩山首相よりも大きな権限を持っていると言える。