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(回答先: ヤマハの梶川社長「下期の見方を誤り、責任を痛感」 投稿者 gikou89 日時 2009 年 8 月 14 日 12:28:44)
【大紀元日本8月14日】昨年末、金融危機の中国経済に対する衝撃が各領域に波及しはじめた時、多くのエコノミストは、中国政府が提出した2009年における8%の経済成長目標に懐疑的な態度をとった。世界銀行やIMF、OECDによる今年の中国経済の見通しは、中国政府が策定した成長目標よりも低いものであった。しかし、先月、中国国家統計局が公表した上半期の経済統計から見ると、今年における中国経済の「保八」には何の問題もない。
中国の経済統計が「粉飾されている」という意見について、私は根拠が十分でないと考えてきた。地方政府の官僚は、経済統計をもって自身の出世の原動力とするインセンティブが存在するものの、総体的に見て、過去多年にわたる中国経済の成長速度は、やはり人々にとって実感できるものであったと私は考える。中国における都市建設の規模、農民工の増加などを見るだけでも、中国経済の高度成長が大体において事実であったことが分かるであろう。私は今まで、主に中国経済成長の構造や質の問題、および成長の代償である環境問題、持続性の問題などを懸念していたが、経済統計の「真偽」については、論じてこなかった。
しかし、今年上半期に国家統計局が公表した数字を見ると、中国の経済統計は信憑性に欠けていると言わざるを得ない。私の疑義は、主として中国の賃金の伸びに関する統計である。中国政府の統計によると、今年上半期における中国の都市労働者の賃金は、前年同期比で12.9%、都市部住民の平均可処分所得は9.8%、農村の平均現金収入は8.1%の伸びであった。一般民衆の収入の指標であるこれらの数字が、いずれも、GDPの成長速度である7.9%を大きく上回っていたのである。
私は、中国政府が発表したデータの一次資料を入手することはできないし、また、各資料の真偽を逐一検証する方法がない。しかし、たとえそうであっても、上半期における賃金収入の統計は非常に疑わしい。この私の疑義は、一般的な常識、すなわち、関連するいくつかの経済事象を対比・分析した結果に基づくものである。
第一に、中国都市部住民の収入が大幅に伸びたことと、失業率が上昇を続けていることは、論理的に矛盾している。通常、賃金の伸びは、失業率の上昇に伴って減少するものである。つまり、賃金は、労働力の市場価格であり、労働力が不足した時にはじめて、その伸びがみられる。逆に、大量に労働力が余っている時は、賃金が伸びない。中国では、安定した賃金の引き上げを保証する労働組合は全く存在しない。このため、失業率がアップした時の賃金の伸びに対する影響は、更に大きくなる。今年上半期において、中国の雇用情勢は非常に深刻であった。数千万人もの農民工が職を失ったほか、数百万人の大学生は就職先が見つからない。雇用問題については、中国の総理や政府系メディアが繰り返し強調してきたことだ。賃金の大幅な伸びと、政府が懸念している失業率の上昇は、論理的に両立し得ない。
第二に、都市部住民の収入の大幅な伸びと、中国の対外貿易における大幅な減少は、矛盾している。今年上半期において、対外貿易は、23%減少した。中国の前商務部長・薄熙来や他の商務部官員による談話によると、中国の貿易業に携わる就業人数は、1億2000万人であるが、この人数は所得のある人口の20%前後を占める。貿易の減少は当然、関連産業の賃金が伸びないことを意味する。5分の1の労働者の賃金が伸びない一方で、社会全体の平均賃金の伸びが依然として13%前後というハイペースを維持しているのは、確かに不思議なことである。
第三に、これはもっとも重要な疑問であるが、今年上半期における賃金の伸びは、すでに過去最高であった年度のそれを上回っている。賃金の伸びは、非常に重要な経済指標であり、経済全体の趨勢を占うバロメーターである。仮に、中国の賃金の伸びがかくも良好であるというならば、中国において、なぜ4兆元もの景気刺激策が必要であったのだろうか?なぜ、銀行が、経済を刺激するための拡張的な金融政策を実施する必要があったのだろうか?
http://www.epochtimes.jp/jp/2009/08/html/d90939.html