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(回答先: マネー・ドット・カム・カム:映画「天使と悪魔」と意外な景気指標 投稿者 gikou89 日時 2009 年 6 月 10 日 04:39:00)
http://www.business-i.jp/news/bb-page/news/200906090016a.nwc
ガイトナー米財務長官は世界銀行のダラー中国担当局長を米財務省の中国駐在財務公使に指名した。ダラー氏は北京でガイトナー長官の目となり耳となる。ダラー氏の使命は中国が巨額の米国債を投げ売りするのを防ぐこと。ドル売り防止係に「ダラー」とは、なんとピッタリの名前ではないか。
ガイトナー長官は先週、財務長官就任後初の中国訪問を果たした。一方、米金融大手のゴールドマン・サックス・グループは公的資金返済の原資とするために中国工商銀行(ICBC)株を売却した。
今月中に100億ドル(約9844億円)を政府に返済する意向のゴールドマンは、ICBC株売却で約19億1000万ドルを調達した。米銀BOA(バンク・オブ・アメリカ)もこれに先んじて中国建設銀行の株を売却しており、米金融システムの懐の寂しさがうかがわれる。
ゴールドマンは2006年にICBCに投資した。将来の成長を見込んだ中国そのものへの投資でもあった。当時のウォール街は中国に賭けた。あれから3年の月日と金融危機を経て、ウォール街は今、中国から撤退しつつある。
ウォール街はかつて、中国の金融機関への投資を賢く戦略的な動きと自賛した。カネはあるが未発達な経済に、資産運用や証券化、リスク分散の優れた英知をプレゼントするつもりだった。
が、時代は変わった。今やダラー氏と米財務省は、米国債への不安を一掃するという大仕事を抱えている。中国の大手銀行は国有銀行で、ウォール街が資金を引き揚げても困らない。一方、米国は中国の資金無しには生きられないのだ。
◆安心するなかれ
ガイトナー長官は北京で耳に痛いことも聞かされたもようだ。中国人民銀行の元貨幣政策委員、余永定氏はブルームバーグとのインタビューで、「中国には米国債を買う以外の選択肢がないなどと安心し過ぎないように」と米国に警告するつもりだとして、ユーロもあれば商品もあると指摘した。
もちろん、中国も米国を必要としている。中国の大規模な景気刺激策は今年、予想以上の経済成長をもたらすかもしれないが、米国の消費者がすぐにでも中国製品を買うようにならなければ、息の長い成長は望めない。したがって中国にとっても、保有する7680億ドルの米国債を投げ売りするのは得策ではない。
しかし、ともかく最近は中国のほうが有利なようだ。クリントン米国務長官が2月に北京を訪れた際、人権問題には触れず、米国債を保有するメリットをアピールしたことでも分かる。訪中した先週のガイトナー長官にとって、中国が米国債の購入を減らすような可能性は、たとえわずかなヒントですら表に出させるわけにはいかない状況だったに違いない。
ガイトナー長官には前任のポールソン前長官との間に4つの共通点がある。ダートマス大学出身であること、アジア通であること、ウォール街にやや近過ぎると見なされていること、中国に通貨を切り上げさせることが米財務長官の仕事だと考えていること、だ。
◆高まる難易度
しかし、共通点よりも興味深いのは2人の違いだ。06年7月に就任したポールソン前長官が相手にしたのは、輸出を害する貿易戦争を避けることに一心で、切り札などほとんどもたない中国だった。一方、ガイトナー長官の前にある中国は切り札を温存しつつ、いつでもそれを使って勝負を有利に運ぶことをためらわない中国だ。
チャイナ・マネーが米国と金融ハルマゲドンの間に居座るようになった今、ゲームのルールは変わってしまった。(コラムニスト William Pesek)