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(回答先: 景気悪化に備えた「資本緩衝」を、米銀ストレステストでFRB 投稿者 新世紀人 日時 2009 年 4 月 30 日 15:19:57)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/910
海外>Financial Times [Financial Times]
米銀ストレステストの行方
オバマ大統領の頭痛を悪化させる難題
2009年04月20日(Mon) Financial Times
(2009年4月17日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
外交に心を奪われる日がいつになく早くやって来る?〔AFPBB News〕
歴代の多くの米国大統領――直近2人を含む――は、国内問題に重点的に取り組むと約束して任期を開始しながら、最後には結局、外交政策の虜になった。
18日に米州サミットのために中米トリニダード・トバゴに向かい、途中、フェリペ・カルデロン大統領を訪問するためにメキシコに立ち寄ったバラク・オバマ大統領にとって、この転換点はいつになく早くやって来るかもしれない。
前任者たちよりもワシントンの政治課題を世界に押しつけるのが難しくなっているとしても、オバマ大統領は諸外国から歓迎されている。一段と多極化した世界に対応するという難しい現実も、大統領が国内で直面している頭痛の大きさに比べればまだましだ。
オバマ政権は今後2週間以内に、長く待ち望まれた国内大手銀行19行の「ストレステスト(健全性審査)」の結果を一部公表することになっている。真実を語るなら、本来これらのテストは何週間も前に、午後半日もあれば終わっていたはずである。
だが、政府は一息つく時間を稼ぐために、最後の審判の日を先送りした。
それ以来、米国経済には回復の「若芽」が1つ、2つ見られるものの、政治情勢は悪化する一方だ。これらの若芽さえ、銀行の資本増強が失敗に終われば、その凍てつく霜によって簡単に死んでしまうかもしれない。
ストレステストの3つのシナリオ
オバマ大統領の自由になる駒が不足していることを考えると、誰も上首尾の展開を期待すべきではない。
7000億ドルの不良資産救済プログラム(TARP)資金のうち、残りがわずか320億ドルしかない――あるいは財務省の保証をどう見るかによって、その額は1350億ドルまで増える可能性がある――ため、オバマ大統領には、銀行のバランスシートを増強する資金が不足しているのはまず間違いない。しかも米議会は、大統領にこれ以上カネを与える雰囲気ではない。
ストレステストの結果次第で、市場が再び大揺れする可能性がある〔AFPBB News〕
こうした状況を打開する方法として、3つのやり方が考えられる。
1つ目は、景気が一段と悪化しても、今後数カ月間は銀行がそれを乗り切れるという結果をストレステストが示すことである。
この楽観的なアプローチが成功するためには、政府のストレステストの負荷が十分だったことを市場に納得させる必要がある。だが、19行すべてが資本が十分だという考えにくい結果を公表するようなら、それは無理な要求というものだ。
2つ目は、ストレステストが大幅な資本不足を明らかにすることだ。そして財務省が生存能力のある銀行に6カ月間の猶予を与え、民間市場から不足分を穴埋めする資金を調達させることになる。
このグループの中で恐らく最も堅調なゴールドマン・サックスは、それができると自信を示している。しかし、市場は振れやすい。財務省がすぐに穴埋めできない資本不足があると宣言することは、もう一度、市場崩壊を招く危険を冒すことにもなりかねない。
そして、それが信用収縮に対するオバマ大統領の取り組み全体に対する信頼の危機を引き起こす可能性がある。
結局は国有化しかない?
3つ目は、オバマ大統領が債務超過にある銀行を破産管財人の管理下に置き、利害関係者――上位の債権者を含む――を一掃することだ。別の言い方をすれば、国有化である。しかし、ティモシー・ガイトナー財務長官もオバマ大統領も、誰かが買ってくれないかと願っている不良資産と同じくらい政治的に有毒だと考える国有化という方法をほぼ除外している。
もっとも、オバマ大統領には常に、考えが変わったと言う選択肢がある。例えば、ストレステストは予想していたよりはるかに悪い状況を示しており、唯一実行可能な選択肢として残っているのは大手銀行の一時国有化だけだ、と宣言するのだ。
あるいは、大統領の大きな政治資本を駆使して、これらの銀行に資本注入するための追加資金を承認するよう議会に訴えることもできるだろう。
どの選択肢も、決して魅力的とは言えない。しかし、景気回復という上げ潮が銀行を岩礁から離れて浮上させてくれるのを期待することは、数カ月後に、もっと悲惨な、そしてもっと高くつく難破の危険を冒すことを意味する。
それは、大統領就任後これほど早い時期に遭遇したくない難局である。
一方、世間のムードは着実に不快なものになっている。非主流派のいくつかの共和党系組織は15日、増税に抗議する「テーパーティー*1」を全米各地で開催して、話題を提供した。オバマ大統領が、わずかにせよ大多数の米国人のために減税を実施しているという事実も、彼らの怒りを鈍らせることはなかった。
ウォール街救済に対する国民の怒り
15日には全米各地で抗議活動が繰り広げられた(写真はワシントン)〔AFPBB News〕
また、ルパート・マードック氏の「公正で偏りのない」放送局、フォックス・ニュースがこの「草の根」抗議運動の重要なスポンサーになっていたという事実(このことは、この運動が実は「草の根」行事よりもむしろ「人工芝(草の根運動に見せかけた組織的政治運動)」だったことを意味する)も、抗議活動の基本的なメッセージを拭い去ることはないはずだ。
大部分の米国人は――民主党員を含め――ウォール街を救済することをひどく嫌がっているのである。オバマ大統領は一体どっちの味方なのか、銀行か、それとも国民か、と疑問に思っているのだ。
オバマ大統領は最近、シニアバンカーらとの私的な会合で、自分が、バンカーと「熊手を手にした」怒れる人々との間に立つ唯一の存在だと警告した。時間が経つにつれて、オバマ大統領は、経済的理由と同じくらい大きな政治的理由によって、国有化があらゆる悪い選択肢の中で一番ましな方法だと結論づけざるを得なくなるかもしれない。
*1=1773年のボストンティーパーティーにちなみ、TEA(Taxed Enough Already)パーティーと名づけられた抗議活動。15日は米国の確定申告の提出期限だった
By Edward Luce in Washington© The Financial Times Limited 2009. All Rights Reserved.
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