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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu186.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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高橋洋一氏は、東大法学部出身の大蔵キャリヤー官僚たちの数学や
経済の素養の不足を批判というより、明らかに蔑視すらしています。
2009年2月23日 月曜日
◆経済の落ち込みは予想超える=与謝野新財務相 2月18日 ロイター
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090218-00000311-reu-bus_all
景気対策の財源として自民党内などの一部で、政府紙幣や相続税免除付きの無利子国債の発行が検討されているが、政府紙幣について「現代社会ではあり得ない。とるに足らない意見」と一蹴。一方で、無利子国債に関しては「検討に値する」と前向きな考えを示した。
◆宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 2月19日 2500号記念特大号
http://www.melma.com/backnumber_45206_4388790/
(読者の声3)貴誌で展開されている「政府紙幣」発行論と丹羽先生/高橋洋一氏の関係ですが、高橋氏は丹羽理論を勉強して、それに賛同して、今回打ち出したというものではない(特許侵害とか剽窃とか横取りと言ったものではないと思います。
その雑感を・・・・・・。
高橋氏ははじめから政府紙幣の理論的可能性になんらの疑いを持っていなかったと思います。
貨幣論、経済学を素直に学べば政府紙幣の理論そのものには疑いを挟む余地がないと信じていたと思われます。プリンストンでのノーベル級学者との日常的付き合いの中で財政・金融理論は滑らかに形成されていったものと思われます。
日本の経済学者たちは、政府紙幣を丹羽理論を異形の理論として生理的に避けてきました。
日本の学界の空気になじみにくい丹羽理論に、学会は距離を置いてきました。
今回の喧騒の前に政府紙幣に触れた学者、エコノミストはきわめて限定されています。
学会の柵(シガラミ)も仲間や組織の空気を読むというような日本的なものへの配慮や思惑はまったくない高橋洋一氏という人物が登場してきました。だから『さらば財務省』を書くことが出来たのでしょう。
高橋氏は東大法学部出身の大蔵キャリヤー官僚たちの数学の素養の不足を批判というより、明らかに蔑視すらしています。
プリンストンでのノーベル級学者との付き合いには高度の数学の素養が必要です。それをこなしてきた自信が 彼の言動にはじみ出ています。
数学と言えば佐藤隆三先生を思い出します。NYで食事をした際に「どうして先生はサミュエルソンなどの高名の学者とこんなに親しくなれたのですか?」ときいたことがあります。
答えは「わたしは数学が大好きで 抜群に出来たからだと思う。数学ですよ」ということでした。たいへん印象に残っています(ちなみに佐藤隆三先生は政府紙幣の発行には反対の立場と理解しています。反・丹羽理論です。「政府紙幣」と「無利子国債」の発行提言を「有権者を愚弄する奇策にすぎぬ」とこき下ろしていた。『静岡新聞』)。
佐藤隆三先生と高橋洋一氏を重ね合わせれば、高橋氏にとって東大法学部出身の数学に無知な大蔵官僚などは論外で、こと数学能力に関しては、いわゆる経済学者たちを躊躇・忖度することなく軽視(?)するにふさわしい満々の自信、・・・これは推測に難くありません。
高橋洋一氏は日本の経済学界など眼中にありません。
政府紙幣の推進も丹羽理論の学習からではなく、貨幣論の根幹にふれて、率直にそして天真爛漫に、さらに言えばアッケラカンと政策提言をしたものと思います。
政府紙幣の前にすでに国家財政の細部にまで精通した大蔵官僚としての高橋氏は省のタブーである「埋蔵金」パンドラの蓋に手をつけました。
官僚構造に風穴を開けました。大蔵省は内部秘密を暴露(?)し、省益を損ねるKYな高橋氏を、不倶戴天の省賊として追放しました。もったいない話です。
高橋氏は「暴露」とか「内部告発」などという意識はまったくなかったと思われます。
国家財政の諸相を数学的精緻さで追っていけば自明のもので、隠す、隠さないというような下世話な次元の問題ではないという認識だったと推測されます。
こういう人が突然、政府紙幣25兆円を言い出したのですから、たいへんです。
不況の深まりもあって、メディアも含め、世の中は聞いてみようと言うことになります強烈なインパクトです。25兆円程度ならインフレ惹起の心配はないと精緻な数学に基づく提言したのですから迫力も抜群です。
丹羽先生は長年持論を展開してきたものの新しい時代の情報空間においては一般性、普遍性を持つ説得力にはなりえていませんでした。
丹羽理論の支持者は熱狂的でありましたが、きわめて限定的であったのみならず、心の中で賛同しても、その意思を表明するリスクをおかす経済学者は ほとんど見当たりませんでした。そこへ突然出てきた高橋洋一氏が関心を集めることになったというのですから、学士院会員の丹羽先生が複雑な感情を持ったとしても不思議ではありません。同情したいくらいです。
高橋氏は提言に当たって嘗ての上司・竹中平蔵氏に相談などしていないと思われます。
丹羽先生は高橋洋一氏が提言してきたような(25兆円程度の)レベルよりも、はるかにスケールの大きな(たとえば、500〜600兆円)高次元の財政政策・経済政策システムを構想し、それを実現すべきだと提言してきたわけだ、と高橋氏を強く批判しています。
それからも分かるように丹羽理論そのものは高橋氏とは異質の考え方です。
丹羽理論は金本位制 ⇒ 管理通貨制度 ⇒ 政府紙幣制度 高次元システム構築の方向性と道筋を有するものと理解されますが、高橋氏の理論は管理通貨型管理の下に、政府貨幣(コイン)の規模の拡大とコインの紙幣化を図ることで、財政規律を毀損することなく財政出動を容易にするといったものでしょう。
高橋洋一氏は反「官」において、外務省の天木直人氏と類似していますが、天木直人のような屈折感もイデオロギー的な臭気もまったくありません。<数学能力とプリンストン体験>の開放・外延感覚と自信に満ち満ちています。
高橋氏の開放感は爽快でもあります。
政府紙幣については、<そもそも政府紙幣なんて出すこと自体がゆるされるの?><出せたとしてもインフレなどの心配はないの?> そして<具体的に どういう手続きで発行されるの?> の3要素が錯綜し特に素人には「なんとなく・・・」 なじめないものになっています。
また日本銀行とアメリカのFRB(連邦準備銀行)の比較などネット空間には味ある情報が充満していますが、連邦準備銀行の独特にして複雑なイルミナティ的性格からアメリカではなかなか政府紙幣の話は出にくいでしょう。
スティグリツツは政府紙幣には肯定的のようですが、露骨には言えにくい雰囲気があるということのようです。これもFRB のイルミナティ的性格を理解するとことから来ているのかも・・・。
これも邪推ですが、アメリカでも触れられないタブーなのかもしれません。若ければ FRB の研究もしたいところですが、too late です。
マネーの不思議は貧乏人にも尽きない興味を呼び起こします。
高橋洋一氏の発想は丹羽理論の借用ではなく、独自のものであるという独断的推測の論拠を書いてみました。
(TK生、世田谷)
(私のコメント)
バブルの崩壊とは金融資本主義が破綻したことを意味するのですが、日本は90年代の初頭に経験している。それまでは日本の株価や不動産価格の上昇で企業は財テクで利益を上げてきました。企業はスイスの安い金利で資金を調達して株や不動産を買って金融収益を上げてきた。
しかし21日の「株式日記」でも書いたように、金融資本主義はネズミ講であり、子供が増えなくなればネズミ講は破綻して金融資本主義は終わる。サブプライムローンは無理して子供を増やそうとした犯罪行為であり、カードローンも住宅価格が下がれば破綻するのであり、国家が金融機関を救済しようとすれば国家が破綻することになる。
バブルが崩壊した結果、信用収縮が起きて実体経済に限りなく近づいていきますが、放置すれば大恐慌になってしまいます。日本で起きた信用収縮は1500兆円ぐらいになるのでしょうが詳しい統計数字はない。株や不動産の値下がりを集計すればそれくらいになります。その穴を国家が財政支出で埋めなければ大恐慌が起きます。
日本のバブル崩壊は政府の財政出動で埋めてきたのですが、最近の財務省は歳出カットと増税で財政再建しようとしている。与謝野大臣も基本的には財務省任せであり、思い切った財政出動は望めそうに無い。国家のGDPの60%は消費であり、消費が増えなければ景気が回復するはずが無い。
ではどうしたら消費を増やす事ができるだろうか? 政府日銀のダム理論では上流から下流に流れるように輸出産業の好業績が従業員の給与上昇が波及していって消費が拡大する政策でしたが、輸出企業は株式配当や内部留保に使ってしまって従業員の供与上昇はならず、かえって非正規社員を増やして賃金水準を引き下げてしまった。
オーソドックスな方法としては、大減税を行なって消費に回させる方法ですが、国民のローン返済に回ってしまって消費はなかなか拡大しない。さらに国家は財政出動で公共工事などで信用収縮の穴を埋めようとしましたが、バブル崩壊の穴は大きくて18年経ってもその穴は埋まらない。
消費を拡大させる為には減税の他にも、政府紙幣を国民に配って消費に使ってもらう方法があるのですが、定額給付金はそのテストケースなのだろう。しかし12000円では何の効果も無く消費は増えない。毎年10万円づつ政府紙幣を配り、デフレが解消されて3%のインフレになるまで続けるという政策はどうだろうか。
あるいは子供が一人生まれるたびに300万円の給付金を与えたらどうだろう。財務省は財源がないと言うが政府紙幣を発行すればいいだけの話だ。少子化対策にもなり消費を増やす対策にもなる。貧しい家庭でも子供を10人産めば3000万円配布される事になる。子沢山ほど豊かな生活が保障されれば、結婚して子供を作る家庭が増えるだろう。
昨日の吉田繁治の記事にもあるように国債を発行しても市中で消化されなくなり、残された財政手段は政府発行紙幣しかないだろう。株式も7300円まで下がっては銀行も自己資本が足らなくなって国債を買うどころではなくなってきた。株式は信用収縮のバロメーターですが、財務省や日銀は株式に対しては無関心を装ってきた。
日銀はようやく株式やCPを直接購入に動くようですが、政府が株式は相続税の対象から外すと言えば、資産家たちは相続税対策のために株式を買うようになるだろう。ゼロ金利国債より景気回復効果があると思う。1500兆円の個人金融資産の一部が株に回るだけでも株価は20000円を回復するだろう。
「株式日記」では株式税制を抜本的に見直せと主張してきましたが、総合課税ではめんどくさくて個人は株を買わなくなった。麻生総理は以前に株式配当課税は300万円まで無税にするという話をしましたが、一体どうなったのだろう。老人は一人当たり1500万円の金融資産を持っているのですが、預貯金だけではなく株式や不動産投資するようなインセンティブを持たせたらどうだろう。
私自身は金融資産はほとんど無く、不動産運用で生活しているのですが、8%の利回りを上げている。1500万円を不動産投資していれば年120万円の利回りになるのですが、サラリーマンを定年退職した団塊の世代は退職金と年金だけで生活してはいけない。世の中は様々な詐欺事件が横行していますが、それだけ騙される老人が増えているのだ。
現在のところ政府紙幣を発行できる国は世界を見回しても日本ぐらいであり、経常収支は黒字であり、円は高くなる一方だしインフレよりもデフレ状態になってしまっている。日銀の金融が締め過ぎであり、政治家も経済が分からないから官僚に丸投げしてしまっているからこうなるのだ。政治決断できる政治家がいなくて首相の首のすげ替えばかりやっている。
当分は二桁のマイナス成長が続きそうですが、バカな財務官僚や日銀官僚に任せていたら、中川大臣を見殺しにしたように日本という国家も見殺しにするだろう。オバマ大統領は思い切った政治決断を下しているのに、日本の政治家は思い切った政治決断をせず、官僚に任せて小出しの経済対策に終始している。東大法学部を出た連中は馬鹿であり数学も経済も分かっていないのだ。