http://www.asyura2.com/09/dispute30/msg/653.html
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キッカケとなったのはNHK2号機・3号機メルトダウン番組。彼の人の番組評の全編は3号機から始まり後編は2号機のはずだったが、未だ筆が進まないのは番組のあまりの衝撃に愕然としているのだろう。
仕方ないので3号機から派生させた数々の問題に頭を突っ込みワーワーと騒ぎたて、片端から断罪し当たり散らしている。彼の人は自分が積み重ねてきたマヤカシやデタラメには頬かむりして、人さまのそれは遠慮なく裁き断罪するのである。他人のマヤカシを糾弾し続ける限り自分のマヤカシはウヤムヤにできる可能性が期待できる。
だが、のたうちまわるほどに益々ズダボロになって行く。彼の人との間の議論はとっくに破綻しているので、ここでは一般の読者を念頭に、2号機についてその後の情報も踏まえて彼の人の主張を再吟味してみた。
(引用はじめ)
[2号機圧力抑制室(サプレッションチェンバー)はどうして壊れてしまったのか?] (その2)
http://www.asyura2.com/11/genpatu9/msg/550.html
投稿者 あっしら 日時 2011 年 4 月 19 日 12:40:52: Mo7ApAlflbQ6s
>このため、主蒸気逃がし安全弁を通じて圧力を低下させることになるが、主蒸気が逃げる先は圧力抑制室であり、主蒸気逃がし安全弁からサプレッションプールまでつながる10数本のパイプがそれを担う。
水がない圧力抑制室ということを考えれば、それは、温・高圧の蒸気が水で冷却されることなく、いちばん壁が薄いといわれる圧力抑制室を直撃することを意味する。
圧力抑制室が損壊してしまうのも当然であろう。
(引用おわり)
上が彼の人の2号機チェンバー損壊説の核心部分。
圧力抑制室付近で衝撃音が起きたのは、15日午前6時頃であった。だから彼の人の説によればこの時刻とほぼ同時かやや先行した時刻に「主蒸気逃がし弁」の開放操作が行われなければならない。だがこの番組では8つあるSR弁(主蒸気逃がし安全弁)の開放にことごとく失敗したとしている。S/Cに水があろうとなかろうと、この部分の整合性がとれなくては彼の人の説は根底から崩れ去るのである。苛立ちも最高潮!!
他方ではSR弁は何回も開閉したという指摘もある→(http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120724/t10013821551000.html)。
どちらが正しいのかここでは深入りしない。ここでのテーマはSR弁の開放が空のチェンバーを直撃して損壊したという説の可否の検証である。
だからかの人は、ほぼこの時刻にSR弁の操作をして成功したという確たる事実を突き付けて証明しなければならない。その時、S/Cに水がなかったことも。計算上この時刻に水はなくなるはずだや、それを失念したなどという想像ではダメである。なんらかの確たる事実を突きつけなければならない*。
あとでの専門家の検討では、格納容器の圧力が想定外の6〜7気圧まで上昇すれば、窒素ガスの圧力ではこれに打ち勝って開けることができないというSR弁の構造的欠陥を指摘したが、この番組の目玉ではあった**。
格納容器のベントの失敗も、空気を送り込む配管が地震によって損傷したのではないか、という指摘である。ここも各種の事故調よりはるかに踏み込んでいる。
これについても全般的な指揮をとった東電幹部が証言しているが、抽象的なまわりくどい言い回しながら、暗にこのことを認めている、と受け止めた。NHKのインタヴューがここまでの発言を引き出した労は評価してやるべきだ。
*)現場検証で確認されたわけでもないのに、S/Cが損壊したなどと断言することが粗雑で乱暴である(しかも「政府・東電の極めて深刻な失態」とまで断罪しているのである)。
NHKの番組では番組構成の自然の流れとしてS/Cにつながるベローズの部分に亀裂が入り蒸気が噴き出している映像を出していたが、これとて一つの推測に過ぎない。どの部分がどのように損壊したのか、本当のところは現時点では不明なのだ。数十年後、現場に人でもロボットでも足を踏み入れない限り分からない。その時でも損壊した事故部分が現状ののままの態様で保存されつづけているいるかどうかも怪しいのだ。
**)この指摘は功績だが、これを言いたいがために勇み足をした疑もある。
(補足)
S/C方式はそもそも格納容器全体をコンパクトにするために生み出された苦肉の策だと言う。だからS/Cとその上部のドライウェルとは厚さ数ミリの8本ぐらいのステンレス性の蛇腹(ベローズ)で結合されている。この部分が脆弱なのは明らかだ(田中三彦氏は2号機の「ベローズが、あるいはトーラスの現地溶接部が、地震発生直後に、長く激しい地震動で破損」していた可能性を指摘している)。
こんな経済効率を優先したいわば手抜き設計の格納容器に、原子炉の暴走という非常事態時に水さえあれば、正常に作動したなどという大前提の上に議論を立てるのが狂っているのだ(意図はしていなくてもこの方式の原発の設計に問題ないという前提にたっていることになる)。この大前提そのものを根本的に疑ってからなければならない。
水の問題に関して言えば、GEの元技術者も後藤政志氏もS/Cに水がある場合の危険性について言及していることにも注目したい↓。
GEの元技術者が、圧力容器からの蒸気がチャンバーの水に作用して泡が発生することを問題視しているのが重要
http://www.asyura2.com/11/genpatu19/msg/186.html
http://www.asyura2.com/09/dispute30/msg/526.html#c3
03. 短足鰐 2012年1月05日 21:30:08 : 1dEIvwQCPSw5M : zqw7Lv8Ckk
>10月8日の言い分では「福島原発第一 2号機の水素爆発について 後藤政志が語る、福島原発事故と安全性」(http://www.asyura2.com/11/genpatu17/msg/211.html)で紹介されている後藤さんの2号機S/C損壊に関する説明は、小出さんよりもまじめに考え「圧力損壊」にも触れている」とある。
小出氏よりカスを自任する者が、小出氏より後藤氏のほうが「まじめだ」と評するのがまず笑止だ。面倒だが、後藤氏の主張をたどると概略次のようになる。
地震によりベント管等(リングヘッダ、ダウンカマ)やS/Cシェルが損壊しそこから水素がトーラス室に漏れたのではないか(そして爆発)が第一の主張である。次に考えられるのは、ベント管を通して蒸気がS/Cに入ると内部の水面が持ち上がって振動する。その水力学的動荷重でS/Cが損壊した可能性である。
最後の方に「圧力損壊」ともとれることに触れている。が、これは真空破壊弁(S/Cの圧力をドライウェルに逃す弁/ドライウェルの減圧クラッシュを防止する部品)等の周辺部品の故障・損傷を前提にし、さらにS/Cにある水が地震で揺れることを前提にした解説である。この部分をあの人はS/Cが空の場合に援用してグチっているのである。
自分に都合のよい部分をわずかにつまみ食いする天性の詐術師である。
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