http://www.asyura2.com/09/dispute30/msg/432.html
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(回答先: 〔まとめ〕現場で奮戦している原発技術者たちに平然と暴論を吐く男の説は、事実上破たんしていると見られる 投稿者 短足鰐 日時 2011 年 5 月 07 日 10:05:32)
小生がアグレッシブになるとすれば、このタイトルの前半の意味においてでり、加えて技術者たちへの許し難い暴言がある。腹の虫が一旦収まっも、この虫は気まぐれだ。
念のためこの男の主張の根幹部分を復習すると、
http://www.asyura2.com/11/genpatu9/msg/550.html
>炉心の冷却機能がなくなってしまい、原子炉圧力容器の温度と圧力が上昇していく。
このため、主蒸気逃がし…主蒸気が逃げる先は圧力抑制室であり、…水がない圧力抑制室ということを考えれば、それは、温・高圧の蒸気が水で冷却されることなく、いちばん壁が薄いといわれる圧力抑制室を直撃することを意味する。圧力抑制室が損壊してしまうのも当然であろう。
と、さも当たり前のごとく言ってのける。高名だった男の言うことだから、「あ、そんなものか」と鵜呑みする読者もいるのは想像に難くない(中には誤読しながら賞賛しているのもいた)。
だが、この場合は田中三彦氏が指摘しているように、圧力抑制室(チャンバー)の水が沸騰蒸気となって、かえってチャンバー内の圧力を一層高めることになる。それが考慮の外になってしまったのは非専門家の不覚であった。
この男の説に従い、チャンバーの水蒸気圧でその損壊が起こったとしても、水があった方が損壊確率は高くなる、異常事態になっている原子炉では、そう考えるのが妥当である。自縄自縛、とんでもない陥穽に嵌っているのだ。
この男の主張のコアはここに再引用した部分だが、さらに要約すると、
「圧力容器の高圧蒸気を水のない圧力抑制室に逃すと圧力抑制室を直撃し損壊する」となる。
たったこれだけの主張の裏付けに、「2,500m3くらいの容量」「定格流量は100m3/h程度」「53時間で枯渇」などの物理的数字は何の足しにもならないことに読者はお気づきになっただろうか。主張の周辺を飾るだけの読者を幻惑する詐術の具でしかなかったのである。
物理数字を持ってくるなら、高圧蒸気の圧力は単位面積当たり何トンで、圧力抑制室の壁が耐えられる圧力は単位面積当たり何トン、という数字を持ってこなければならない。
本来この数字を付き合わせて初めて、主張のコアを言い切ることができる。こう考えてくると、なんと杜撰で無謀な見解であったことか。
この根拠薄弱な自説をもって、
>事故を「レベル7」まで深刻化させた政府・東電の大罪:2号機圧力抑制室損壊は事故対策チームの極めて深刻な失態
と関係者を早々に断罪するのである。上の意味は、
>そもそも(時の)政府・東電が「電源の喪失想定せぬ」プラントを建設したこと自体が「深刻な大罪であり失態」なのである。
なら今すぐ通用する。
この男は対策チームの判断ミスで2号機チェンバーの損壊が起こった、という内容に限定して「極めて深刻な失態」としていることを明確に区別して見ておく必要がある(もちろん初稿に限ってだが)。
こうしてA説の厚化粧を一つひとつはぎ取って行くと(燃料棒の剥きだし)、A説というのは反証するまでもない単なる「御託ゴタク」であったと言っても過言ではないだろう。
この男特有の方法なのだろうが、衒学じみた迷宮論で自説を展開した(ヘリクヅム)。読者のなかにはこれに幻惑されて有り難く分かった気分になったものもいたようだ。だが、「御託」を以て、関係者を早々と断罪するとは大失態であった。『ウッカリヅムでした』では済まないだろう。
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- Re: ♪ 錦は着てても、心はボロだ〜/近来になかった椿事か!? 短足鰐 2011/5/12 19:52:44
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