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(回答先: 「あっしら」という男の詐術の手口を改めて暴露しておく 投稿者 短足鰐 日時 2011 年 4 月 24 日 21:29:48)
ここに総まとめし、一応の締めくくりとしたい。
2号機チェンバーの損壊原因について今特定できる決定的データはない。ゆえに論証し切ることも反証も不可能な現実である。にもかかわらずA氏があえて事故原因を推論したのはそれはそれで良い。だがこれは「仮説」であることを明確に自覚し、仮説扱いすべきであった。このことは文系でもすぐ判断がつくはずのことである。損壊原因にただちに決着をつけなければ今後の事故対策に支障をきたす問題でもなかった。
だがA氏は自説を確定的なものとし、論をさらに飛躍させていったところに大きな粗忽があったと言わねばならない。事故対策チームは「判断ミス」をしたと断じ、「たいした能力があるとは思えないひとたち」なので「大失態を犯した人たちに全面的に任せるわけにはいかない」と展開したのである。これは言い過ぎであり、不遜であろう。
対策チームの原発技術者を侮り、A氏の知見は彼等の上を行くのである。そのことは、「対策チームはRCICが長時間動くことで引き起こされるサプレッションチェンバーの水枯渇問題を失念していたのではないかという疑いです」という言葉にも表れている*。
「疑う」のは結構だがそれがいつの間にか「確信」にすり替わって、この理由をもって事故対策チームを早々と断罪するのである。「任せるわけにはいかない」とは、対策チームのメンバーの入れ替えを要求するのか、自ら外側から指揮を執ろうとするのか。常軌を逸した発言ではないだろうか。
RCICは電源喪失から電源回復まで短期間をつなぐシステムと見られる。今回のような長期間の電源喪失の場合ではないので、プラントの運用に携わるスタッフはRCICの運用について日常心得があり、訓練なども行っていたと見るのが普通ではないだろうか。
だが、A氏は自分はチェンバーの水の枯渇に気が付いたが、「事故対策チームに“警戒感”が薄かったのだろうと推測」し、対策チームでは思いつかなかったこの隘路を探し当てたことになるのである。事は大げさに構えるほど詐術は通用し易い。
事故対策チームの「判断ミス」による「政府・東電の大罪:…極めて深刻な失態」という刺激的かつ大上段に構えた謳い文句は、再登場を飾るにふさわしい格好の手柄話のはずだったのではないか(だから白黒の決着を急いだ)。
2号機チェンバー損壊の原因についてのA説は、現在では多数考えられるシナリオの一つであることは確か。が、地震そのものが関与した疑いも指摘されてきている(シナリオの幅も広がっている)。
A氏は自分でも、自説が「デマ」となる可能性を残しているのを認めながら、自説を前提に今も煽っているように見える。奇怪なキャラクターである。
*)5月1日のテレビ朝日の番組に登場した現場の吉田昌郎・所長はしっかりした技量を持ったリーダーと見た(青山繁晴の現地取材番組)。A氏はこういう人たちを平然と貶めているのである。早々と、「たいした能力があるとは思えないひとたちが」などと言ってのけるのは、許し難い暴言である。
(付言)
田中三彦氏の動画を見たが、チェンバーに水があっても圧力容器から300度近い高温・高圧の蒸気がここに逃されると20度ぐらいの水で冷やされるというより、この水そのものが100度を超える蒸気になる可能性が指摘されている(2号機に限らない一般論として)。言いかえれば、チェンバーに水があるとかえってこの水が沸騰蒸気となってチェンバーとそれにつながる圧力容器内の圧力を高めることに加担することになる。
通常の運転状態なら、チェンバーの水で圧力容器からの蒸気は十分冷やせるぐらいの量であろう。だが、本件は原子炉の冷却機能が失われて圧力容器内の圧力が異常に上昇していたのだ。チェンバーには水があるべきだ断言できないのは明らかだろう。
チェンバーの損壊原因が格納容器を一瞬に満たした高圧蒸気っであったとしても、原因を遡れば、圧力容器から冷却水が失われ圧力容器を破壊しかねないほどの蒸気圧が高まったことによる。
このように現時点で2号機チャンバーの損壊原因を特定することは一筋縄ではいかない。A説がいかに蟻の背渡りをつないだ推論であるかということが見えてくる。仮説の一つとして認めてきたところであるが、すでに仮説としての価値もほとんどゼロと言ってもよいのではないだろうか。事実上破たんしているということ。
・後藤政志さん、田中三彦さん 記者会見部抜粋
http://www.ustream.tv/recorded/13269017/highlight/156880
(付言2)
田中三彦氏の別の動画では、2号機はチャンバーの外壁の近辺で水素爆発を起こしたとしている。つまり地震によってチャンバーのどこかの一部が破損していてそこから水素が漏れ出し爆発したのではないかという推論であること(圧力容器内で発生した水素は蒸気とともにまずチェンバーに来る)。言いかえれば2号機の場合、爆発の前にすでに地震によって(小さいかも知れない)チャンバーの破損が起こっていたのではないかという推論である。
・http://www.ustream.tv/recorded/13590008
現時点では、2号機チャンバーの損壊原因のシナリオとして田中説が最も有力ではないかと考えられる。
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