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そのために小沢一郎が代表の座にとどまっていた方がよいかどうか、広い視野と戦略で判断されるべきだろう。
植草氏は、明らかに秘書の不当な起訴だから辞めるべきでないとしているが、これは視野狭窄の議論ではないかと思う。植草氏が立派な言論人であることは重々承知の上にしてもである(官憲によって立派に成長させられた)。秘書が無罪を勝ち取るとして、結果が出るのは向こう1年単位の時間がかかるのではないか。その間、民主党が勝ちを納めず、政権奪取に失敗すれば、「相撲に勝って勝負に負けた」ようなものになる。
不当な国策捜査に断固戦うのは当然だが、代表の座を降りることが即検察への敗北だと短絡することは了見が狭いと思う。匹夫の正義感という考え方もある。
その点で百戦錬磨の森田氏の見解には「大人(おとな、うし)」を感じてしまうのである。小沢の抵抗権を十分に認め、小沢とその同士たちが検察と戦えばよい、しかしその問題は「党」と分離すべきだ、としている。そこにあるのは冷厳な政治力学であり感情論は微塵もない。だから感情論に流されることなく、こちらの考え方の方が「実践的」であると思う。
西松献金は結果的に「合法的」なものであったと判決されるかもしれないが、森田氏も指摘する「国民は、小沢代表が巨額の政治献金を集めていることに驚いている」という道義的な問題があることから目を逸らしてはならないと思う。言い換えれば民主党の選挙参謀はあらゆる条件を考慮しながら自民党との戦闘態勢に入っていかなければならないわけである。都合の悪い条件を思考の外に追いやる参謀の指揮では戦争に負けるであろう(日本軍を見よ)。
森田氏も指摘しているが、検察との(本格的な)戦いは、政権を取ってからやればよい。今、民主党を道連れに検察との全面対決というのは戦術的にも稚拙ではないかと素人目にも思ってしまう。
世には熱烈な小沢信奉者のほかに「ダーティ小沢」を十分承知の上で、「毒を制するには毒を以ってする」という立場で小沢を支持している人々も多いと考えられる。筆者は小沢ファンではないが、「毒を制するに毒を以って」という気分は多少なりともある。森田氏も「小泉政治をつぶすには小沢は役に立つと思い、あぶなさは知っていたが、小沢民主党を応援した」こともあるとしている。
「正義感」というのは「感」があるように感情が入りやすい。「正義」という法的倫理と「感」という感情をよく区別してかからないと、かえって戦略を誤る恐れがあると考える。つまり「小沢フィーバー」に一抹の危惧を感じるのだ。(兼継が領土の一部を割譲してまで武田と和平を図ったのは、客観情勢を十分考量して、莫内の強烈な感情論を抑えての決断だった)
世の中、正義や道理が直に通ればなにも苦労することはない。直に通らない構造になっているから大概は回り道を余儀なくされる。その困難な回り道で遭遇する数々の難題をどう忍耐して克服していけるか、そこに未来がある(カッコウつけたつもりはない)。
・森田実2009.3.24(その2)
民主党は道を誤ってはならない――総選挙の中心テーマは「不況克服」である。小沢代表への検察当局の強制捜査という一つのテーマにのみこだわっていては民主党が政権をとることはむずかしいのではないか
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C05144.HTML
・森田実2009.3.24(その4)
自民党と民主党に問う――本気で「麻生対小沢」で総選挙をやるつもりですか?
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C05146.HTML
・森田実2009.3.25(その1)
小沢一郎衆議院議員の公設第一秘書で陸山会の会計責任者が起訴されてなお民主党代表を辞めようとしない小沢代表を支持しつづける民主党議員に問う――民主党は小沢氏一人のための政党であってはならぬ。国民の政党になれ!
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C05147.HTML
・森田実2009.3.25(その2)
【短期連載A】新たな政治を創造するために・道義なき政治との訣別――小沢氏がいままで得てきた巨額の企業献金に対して肯定的な判断をしたままでの「企業団体献金禁止」への転換は倫理観の欠如との謗りを免れえないであろう。「禁止」を主張する前になすべきことがある
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C05148.HTML
・森田実2009.3.29(その1)
いま民主党は何をなすべきか――新体制にもとで日本経済再建策を示し、不況克服・失業対策のために全力を尽くすことである
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C05168.HTML
・森田実2009.3.29(その2)
小沢民主党を応援してきた政治記者M氏との対話――「小沢代表への支持をつづけるべきか否か、悩んでいます。あまり粘らずに一日でも早く代表を辞めることを願っています」
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C05169.HTML