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(回答先: 宮崎口蹄疫騒動を検証する 第21回 (一部転載) 口蹄疫そのもので死んだ家畜はゼロ? 投稿者 寅蔵 日時 2010 年 10 月 09 日 09:53:19)
URL:http://medical-confidential.com/confidential/2010/10/post-152.html
より
ーーーーーーーーーー以下転載(改行のみ改ざん)ーーーーーーー
口蹄疫対策で殺処分に狂奔した官の大罪
結論から述べる。殺処分は必要なかった。
今年4月20日、宮崎県で牛3頭への感染が確認されたことに始まった口蹄疫騒動。8月28日に東国原英夫県知事が終結宣言を行うまでに、292カ所の農場に拡大、約29万頭の家畜が殺処分された。
対策の主柱は殺処分。一般に広く流布していた口蹄疫のイメージは「凶悪な感染症だが、殺処分を適正に行えば、確実に抑え込める」というものだろう。
だが、専門家の見方はまったく異なるようだ。
厚生労働省医系技官・医師の木村もりよ氏は発生当初からツイッターやブログを通じ、農林水産省による口蹄疫対策に警鐘を鳴らしてきた。
「今回のウイルスの感染力はたいしたものではない。ただ、どんな対策を打ったとしても、封じ込めは不可能です」
終結宣言を受け、しゃんしゃんで終わったかに見える今回の騒ぎはいったい何だったのか。
いずれまた来る口蹄疫の流行に向けてどんな教訓を残したのか。弊誌の検証から浮かび上がったのは、日本の感染症対策や危機管理、畜産業界、監督官庁のどうしようもない脆弱さだった。
「口内炎」で宮崎の畜産崩壊
そもそも口蹄疫とはどんな病気なのか。木村氏の説明は明快だ。
「百百日ぜきみたいなものです。昔は伝染性口内炎といわれた」
「口内炎」がもとで宮崎の畜産は崩壊の危機に瀕しているらしい。
では、その口蹄疫の広がりを抑える手立てはあるのか。小規模でごく初期の場合、殺処分には危機管理上、意味がある。だが、一定程度以上の広がりを見せた後はどうか。史上もっともひどい口蹄疫の流行は2001年、英国で起きた。このとき政府は「疑わしきはすべて殺す」方策を取った。日本の現在の対策もこれとほぼ同じ設計になっている。
口蹄疫は成体の場合、ほとんど治る。人間には感染しない。「感染の疑い」を見極める現場の負担が大きい。経済的損失が計り知れない。以上のような理由から、木村氏は殺処分の効果に疑問を投げ掛けている。
「かかった動物は8〜15日でほぼ回復する。回復を待つことも可能性として議論していい。ウイルスの流行は必ず終息する。対策の基本はいかに早く、多方面での損失を少なく、広がりを抑えることにあります」
損失は家畜だけではない。人的、経済的、文化的なものも含まれる。
では、なぜ農水省はここまで強硬に殺処分に固執したのか。今回の対策の下敷きになった「指針」は1975年に作られた。以来、ほぼ手は加えられていない。農水技官はこの間、何をしていたのだろうか。何しろマニュアルが古すぎる。国民より業者や団体向きの姿勢は問題。
こんな話もある。5月29日、国連食糧機関(FAO)の主席獣医官、ファン・ルブロス氏は口蹄疫に感染した可能性がある種牛の全頭処分について「殺処分は(畜産)資源に大きな損失をもたらす」と経済紙に語った。にもかかわらず、国内生産者団体の全国肉牛事業協同組合(JCIC)と日本養豚協会(JPPA)は5月29日、宮崎県に対し、エース級種牛5頭の殺処分を求めている。種牛の保護は畜産業界にとって合理的な判断ではなかったのか。
JCICは、過去に輸入BSE疑惑牛の国産偽装で問題となった団体だ。専務理事は農水省の天下りポスト。協会は1989年、中小企業等組合法に基づく農林水産大臣認可組合として設立。関税割当の輸入肥育素牛や単体トウモロコシの共同購買事業を主に行っている。国内畜産業界とはいわばライバル関係。宮崎の種牛が邪魔だったのだろうか。
不可解な点はまだある。今回の口蹄疫被害の家畜は豚が牛の5倍以上と圧倒的に多い。だが、どういうわけか報道は牛のみを追い続けた。
JPPAの志沢勝会長(有限会社ブライトピック会長)は農水省と独立行政法人農畜産振興機構からの補助金問題で08年5月30
日、法廷に立った人物。ここでは「国産豚を対象として外したい」という意図がほの見えるかのようだ。
種牛の処分は輸入牛肉という既得権益護持のためだった。グローバル化が行き着くところまで行き着いた結果、冷凍精子は世界中どこに持っていくことも可能。日本で和牛を生産し、ましてや種牛を後生大事にする必然性は薄らぎかねない。海外で飼育販売し、国内向けには輸入牛をあてがう。金融をはじめ、多くの産業分野で国を売る施策に邁進した小泉純一郎−竹中平蔵コンビ。構造改革の触手は畜産にも伸びていたのか。
補償ありきで被害拡大が進む
口蹄疫対策に当たった県内の市議会議員の言葉は興味深いものだった。
「発生当初からまず補償ありきで話が進みました。補償交渉の遅れが被害拡大を誘発した面は否めない」
宮崎での口蹄疫発生は10年前にもあった。この際、故江藤隆美氏(宮崎県選出)や故松岡利勝氏(熊本県選出)といった農水族の大物議員が精力的に動いた。畜産農家への補償は総額100億円規模になった。
「このときの『成功体験』があるから、農家は市場価格より高い金額を求めて譲らない」(同前)
5月10日、赤松広隆農水相(当時)が農家への全額補償を打ち出したのも自民党への対抗上と考えればうなずける。財源不足に悩む政権とは思えない迅速な決断だった。
口蹄疫でダメージを受けたのは、生産者だけではない。流通や小売りなど、ラインすべてが傷付いた。入り口でつまずいた補償交渉の影響でこれら周辺の人への対応は8月前後にまでずれ込んでいる。
そもそも「ブランド」である宮崎牛の生産は市場だけでは成立しない。農家には陰に日に公的な助成がなされる。行政とのずぶずぶの関係なくして、国産高級牛肉は世に出ない。
今後も口蹄疫の流行は必ず起こる。いや、国内ではほとんど報道されないが、世界中でしょっちゅう流行しているのだ。最近もロシアやモンゴルで起こった。ちなみに両国とも大量殺処分など行っていない。
今後の流行に向けて何が必要なのだろう。
まず、今回の対策についての徹底的な検証だろう。相応の予算や人材は当然必要。科学的な判断を求めたい。木村氏は国内における専門家の不在を嘆く。
「公衆衛生のプロフェッショナルが集う大学院を省庁の外に作る。海外の大学の分校を誘致してもいい。医学部増設より安い」(木村氏)
殺処分の横行の中、政策に異議を唱える声は不気味なほどなかった。
エビデンスに基づき、勇気ある提言をしたほとんど唯一の存在が山内一也・東京大学名誉教授である。
「農水省所管の感染症対策は彼を責任者に据え、全権を与える。一番手っ取り早い対策です」(木村氏)
危機管理の概念を構築することから始める必要がありそうだ。
口蹄疫の後始末もそこそこに1期でとんずら
ーーーーーーーーーーーー引用終わりーーーーーーーーーー
DATE:2010/10/07
URL:http://medical-confidential.com/confidential/2010/10/post-152.html
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