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http://www.asyura2.com/09/wara9/msg/416.html
現在のイラン情勢について、何の確たる根拠も示さずに「不正選挙」のイメージを流布し、「イラン民衆の正義の戦い」「民主化の闘争」というデマを垂れ流し続ける西側マスコミの中で、小さな記事を通してですが、スペインで最大の発行部数を誇るエル・パイス紙は、まだしもいくぶんか冷静な視点を維持しているようです。
翻訳の時間が取れないのですが、大筋をご紹介します。
現在のムサヴィ支持者が起こしている騒動の背後に控えるのは、アリ・アクバル・ハシェミ・ラフサンジャニとモハメド・ハタミであり、彼らは、1979年の「ホメイニ革命」後のイラン内部にある新欧米・進歩派を代表して、イスラム保守派と対立している。80年代を通してイラン・コントラ事件にも関与し、ラフサンジャニは世界でも有数の金持ちとして知られている。彼の息子メーディは不正な蓄財をうわさされている。そしてムサヴィはこれらのサークルとつながり、かつぎだされたものである。
残念ながらエル・パイスは、このラフサンジャニとハタミ、そしてムサヴィの、さらに背後に控える外国勢力については書いていません。しかし、イラン・コントラ事件の主役の一部を成している以上、もはや誰の目にも明らかでしょう。
ムサヴィ(イラン大統領候補)はレディーンらとともにイラン・コントラ事件がらみ?(モロに例の国やがな!)
まあ、いまの「民主化闘争」の背後に腐敗した巨大な権力があることを明らかにしているだけ良心的としましょう。これをあたかも「ファシズムに対する正義の戦い」ででもあるかのように描き、誤誘導に余念の無い西側マスコミの中では、ちっとはマシな部類といえます。
そもそもが、テヘランなどの大都市部にいる上流〜中流家庭の子弟である学生達がイランの国民を代表するかのような幻覚をばら撒くことは、単に大嘘つきのプロパガンダにすぎません。2002年のベネズエラでもそうでした。チャベスを最も殺したがっていたのが誰だったのかは、じきに明らかになりました。
「国家権力による強圧」という意味では、もし同様のことが米国や英国や日本で起こったなら、はるかに大規模で強圧的で残虐な「事態沈静化」が遠慮なく実行されるでしょう。テヘラン付近で大規模な放火、破壊、略奪を行っているのはムサヴィ支持派なのです。私はむしろ、アフマディネジャッドはずいぶん我慢しているな、と感じています。
もちろん、「右・左」の差はあっても、アフマディネジャッドはチャベス同様に「ポピュリスト」といえるでしょう。その点から極右ネオコンのアーキテクチャーであるマイケル・レディーンがいう「イスラモ・ファシスト」のイメージが結び付きやすいでしょうが、それにしても、イラン内部の大資産家と中産階級の不満を代弁する者達による扇動行為を、あたかも「宗教的権威に対するイラン国民の正義と民主主義を要求する運動」であるかのように表現して広めるのは、単にピント外れであるだけではなく、多くの人々をとんでもない方向に誤誘導することにつながります。
これはむしろ、大資本家階級と中産階級による権力奪回計画、クーデター計画の一部に過ぎないものといえるでしょう。
これは、追い詰められる米欧イスのネオリベラル派、イラン政権転覆と中東〜中央アジア不安定化を目論む者達の悪あがきでもあります。そして同時に、西側のメディアがいったい何に操られてキャンペーンを張っているのかを、またしても浮き彫りにしているものといえます。
(ご注意:私は、イラン情勢に関して多くの方向からの情報を阿修羅に投稿してくださる方々について悪口を言っているのではありません。)