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(回答先: 第43回 車社会アメリカが切り開くiPod&ネットの近未来 (2005/08/25) 投稿者 ROMが好き 日時 2008 年 12 月 06 日 20:40:02)
第44回 今どきナンセンスな公職選挙法 ネットは解禁でなく義務化せよ (2005/09/02)
http://web.archive.org/web/20051128234333/nikkeibp.jp/style/biz/topic/tachibana/media/050902_gimuka/
2005年9月2日
本日、中国上海に出発の予定。アメリカから帰国して一週間。新聞、雑誌を走り読みして、テレビをちょこちょこっと見て、その間に大きな打ち合わせを幾つかと、講演を一つこなして、一日がかりの大きな見学を一つしたので、目がまわるような忙しさだった。
アメリカでは、インターネットで、一応日本のニュースをつかんでいたつもりだったが、たまっていた新聞、雑誌を走り読みしてみると、やはりインターネットのニュースサイトでは日本の社会と政治の現実は、もうひとつわかっていなかったとあらためて思った。やはり、活字メディアには、活字の効用というか、活字の威力があると思わせられた。
政府はインターネット利用を積極的に推進すべき
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インターネットといえば、つい昨日(8月31日)の新聞で、民主党のホームページが衆院選の公示(30日)後にページを更新したということで、総務省がそのような行為は、公職選挙法上問題があると、イチャモンを付けたという記事があった。そして総務省が、「適切な対応」を要請したので、民主党はホームページから問題のくだりを削除したという記事を読んで「ナンダこれは」と唖然とした。
要するに、公職選挙法がインターネットを利用した選挙運動を禁止しているからということらしいが、いまどき、選挙にインターネットを禁止するほうがおかしい。
むしろ、政府としては、インターネット利用を積極的に推進すべきである。
街のすみずみまでポスターの掲示場を作って、そこを運動員が一つひとつポスターを汗水たらして貼って歩くなどというバカげたことは早くやめるべきだ。その代わり、インターネット空間上に公設の一大ポスター展示場と政見発表場を設けて、そこに、各候補者が自由に入力すれば、何の労力もいらずに、選挙区のスミズミまで情報が届くようにする。
それとともに、各候補者には、10メガバイトくらいのホームページ開設スペースを与えて、そこを自由に使わせ、書き替え更新も自由にして、選挙運動をサイバースペース中心にしたほうがいいくらいだ。そうすれば、あの日常三次元空間を流して歩く各候補者たちの大型マイクによる選挙騒音の日々から少しでも逃げられるというものだ。
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http://web.archive.org/web/20051128234333/http://nikkeibp.jp/style/biz/topic/tachibana/media/050902_gimuka/index1.html
サイバースペースで政策を競え
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いまの選挙運動は、運動期間が短い。候補者たちは自分の政見をゆっくりのべることなどとてもできず、ひたすら、小泉流の一言キャッチフレーズを、毎日ただ声をからして叫びたてるだけである。およそ日本の選挙くらい、中身のない政治運動も珍しい。
日本の政治にはただただ、おまつりさわぎとパフォーマンスしかないような気がする。もっと中身があるものにするためには、サイバー空間では事前運動を認めることにするとよい。半年くらい前から、次の選挙に立とうとする者に対して、一定の登録と供託金を置くことを前提に、1メガバイトくらいのページを与え、文字による政見発表だけは自由にさせるのである。
そして、事前運動のページには、どのページも選挙民との自由交流空間として、誰でも自由に質問ができ、対する候補者からの答えも万人が見える空間でなされるものとすれば、日本の政治文化はずっと向上するだろう。中身がない候補者は、おそらく1メガバイトの空間を埋めるだけの政見がないだろうし、選挙民との質疑応答でもボロを出して、どんどん不適切な候補たちは自然に排除されていくだろう。
日常の三次元空間で、マイクを使ってガアガアがなりたててよいのは、公示後の2週間だけとする。中身のある政治的議論は、それ以前にサイバー事前運動空間でガッチリやるということにすればいい。政府はずいぶん前から、21世紀は情報化の時代だとしてきた。そして、日本社会全体の情報化をスローガンとして、さまざまなプロジェクトをたちあげてきたが、まず何より先に政府が率先して、選挙の情報化を含めて、政治の情報化をすすめれば、社会全体の情報化は今の何倍も進んでいたはずである。
政治の情報化に適応できない政治家は、なるべく早くこの社会から退場していただいたほうが日本の社会のためになる。政治家(公職選挙候補者)のホームページ開設とその一定の割合での絶えざる更新などは、法律で義務づけしてしまえばよいのである。
最近、ようやく、インターネットの選挙運動利用解禁が政治家の間でも、メディアでも(日本経済新聞8月27日付社説「IT選挙解禁へ向け議論を深めよ」など)叫ばれるようになってきたが、私にいわせれば、今どき必要なのは、解禁ではなくて、その義務化だろう。
立花 隆
評論家・ジャーナリスト。1940年5月28日長崎生まれ。1964年東大仏文科卒業。同年、文藝春秋社入社。1966年文藝春秋社退社、東大哲学科入学。フリーライターとして活動開始。1995-1998年東大先端研客員教授。1996-1998年東大教養学部非常勤講師。
著書は、「文明の逆説」「脳を鍛える」「宇宙からの帰還」「東大生はバカになったか」「脳死」「シベリア鎮魂歌―香月泰男の世界」「サル学の現在」「臨死体験」「田中角栄研究」「日本共産党研究」「思索紀行」ほか多数。講談社ノンフィクション賞、菊池寛賞、司馬遼太郎賞など受賞。
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