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http://www.amakiblog.com/archives/2008/05/01/#000854
2008年05月01日
アフリカ開発会議という名のままごと遊び
こういう記事を書くことは私の本意ではない。読者にとって得るものがないからだ。外務省の仕事にケチをつけるだけの話だからだ。
しかし、かねてから一度は書いておかねばならないと思っていた。外務省のやり方があまりにも目に余るものがあるからだ。その事を指摘できるのは私しかない。それに免じておつきあい願いたい。
4月29日の各紙は、「『日本・アフリカサミット』とあえて言わせていただく」という藪中事務次官の記者会見での唐突な発言を紹介していた。
5月末に横浜市で開催予定の第4回アフリカ開発会議の名称を、外務省が、突然変更したのだ。
第4回アフリカ開発会議は、40カ国のアフリカ首脳が参加する今年の日本外交の目玉行事である。
それにもかかわらず、「国民にほとんど知られていない」。だから7月のサミットにあわせて、急遽「日本・アフリカサミット」と呼称して、分かりやすさを狙った。すでにポスターなど印刷済みで、事務局は戸惑っている、というのにである。
実は外務省はこのアフリカ開発会議を外務省OBや御用学者を使ってやたらに宣伝してきた。
4月30日の産経新聞では岡本行夫氏が「人界観望楼」というコラムで、「アフリカが歩き始めた」などと持ち上げている。
五百旗頭真防衛大学校校長(神戸大学名誉教授)や北岡伸一東大教授など、外務省御用達の連中が、最近新聞や雑誌でやたらにアフリカ外交の重要性を書いている。
笑止千万である。藪中といい岡本といい、五百旗頭、北岡教授といい、彼らはおよそアフリカなどには関心も知見もない対米重視一本やりの連中である。それがここへきてにわかにアフリカ外交の重要性を訴えている。明らかな宣伝活動である。
米国研修を終えて私が最初に勤務したのがナイジェリアだった。72年の事だ。そして85年に外務省で課長になったのが英語圏アフリカ諸国を担当するアフリカ二課であった。さらには経済援助を担当してアフリカ諸国の殆どを訪れている。だからアフリカ外国について発言する資格はあるだろう。
日本の外交の中でアフリカは不在である。外務省幹部で誰もまともにアフリカの事を考える者はいない。そういう連中が日本・アフリカサミットの重要性を訴える。
この財政難の時代に、アフリカ地域に援助をばら撒き、アフリカ諸国に日本大使館を増設して税金の無駄遣いをする。
このいかさま外交を、鈴木宗男の秘書をしていたムルアカ氏が月刊誌レベラルタイムス5月号で見事に言い当てていた。
当時外務政務次官(今の副大臣)の鈴木宗男議員を利用して関心のないアフリカに脚光を当てようとしたのが外務官僚であった。その外務官僚が思いついたのがアフリカ開発会議であったのだ。
以来5年に一回のペースで開かれてきたこのアフリカ会議でやった事は、援助をばら撒いただけである。アフリカ開発会議は、アフリカの自立と発展にはなんら貢献しなかった、と、アフリカ諸国の間で失望と不満が出ているというのだ。
アフリカ諸国は見抜いている。外務省は本気になってアフリカの開発や生活向上のために支援する気はないと。
日本の外務省が求めているのは、国連の一票であり、アフリカの資源でしかないと。そして援助をばら撒いて日本企業に仕事を与えてる事であると。
5月末に開かれる日本・アフリカサミットは、大挙して押しかけるアフリカ首脳とその一行の世話とホテル、観光業者を喜ばすだけの壮大なパフォーマンスに終始するだけのままごと遊びでしかない。
そんなエネルギーと経費があるのなら、頭を使うもっと重要な外交があるはずなのに、である。
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