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http://mainichi.jp/select/world/news/20080223ddm007030121000c.html
◇慎重派、綿密に事前調整
「政治宣言に署名する」。日本代表の思いがけない一言に会場は静まり返った。日本を「後ろ向き」と非難した非政府組織(NGO)から割れるような拍手がわき起こった。
不発弾が市民に被害をもたらすクラスター爆弾について、ニュージーランドで開かれていた「クラスター爆弾ウェリントン会議」。日本は22日、今年中に禁止条約を作るとの政治宣言に署名した。
「日本の署名は難しい」。それが外交筋の下馬評だった。主要国で唯一、態度を留保していた日本には「条約を骨抜きにしようとしている」との悪評も流れ、被害者の集会では名指しで非難された。
ところが22日の会議最終日で日本はひょう変。初めて禁止条約への賛成を明確にした。
「想像以上に多くの国が賛成した。日本も加わったことは喜ばしい」。議長国ニュージーランドの外交官は興奮を隠さない。安全保障上の懸念を抱える日本の賛成は、他のアジア諸国への影響も大きく、期待は膨らむ。
実は日本の賛成の陰には高性能の爆弾を禁止対象から外す「部分禁止」を求める国との綿密な調整があった。
22日早朝。会場となったウェリントン市庁舎1階の小さな会議室に日英仏独などの代表団が次々集まった。「部分禁止派」約20カ国が毎日のように開いた密談だ。爆弾を例外なく禁止することを目指す「全面禁止派」への対抗が密談の動機だ。この日は「提案の扱いがバランスを欠く」との意見が集まり、仏が本会議で読み上げた。
各国はこの場で政治宣言への態度も報告し合った。「署名しないことは非常に大きな政治的リスクとなる」(参加国)。欧州各国の世論はクラスター爆弾に厳しく「後ろ向きと取られる行動は取りにくい」(同)。政治宣言は禁止対象を定めず、今年中の条約作りのみをうたっており、各国は署名に傾いていった。
部分禁止派は、自分たちの意見が、5月のアイルランド・ダブリンでの会議で取り上げられる見通しがつき、矛を収めた。日本を含めた部分禁止派が足並みをそろえれば「全面禁止派」から主導権を奪い返せる。日本の賛成は「次の一手」を視野に入れた作戦の一環でもある。
◇
日本の禁止条約賛成の背景を探った。【ウェリントン澤田克己】
毎日新聞 2008年2月23日 東京朝刊
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