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http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2008-02-21/2008022102_04_0.html
2008年2月21日(木)「しんぶん赤旗」
東京湾周辺 超過密 軍艦わが物顔
出入港の日時・航路は軍事機密
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海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突事故が発生した東京湾周辺は、年間約二十八万隻の船舶が入港し(二〇〇五年、国土交通省統計)、世界有数の海上交通量を記録する“超過密水路”です。にもかかわらず、東京湾入り口の横須賀には、米軍・自衛隊の基地があり、米軍・自衛隊の艦船約五十隻が常駐しています。
過密水路に多数の軍艦が往来すること自体、異常で事故の危険を高めていました。
東京湾には国交省が定める「特定重要港湾」「重要港湾」が集中し、一万トンを超えるタンカーや貨物船を含む一日平均五百―七百隻が浦賀水道を通過します(海上保安庁)。入港を待つ船舶の「順番待ち」が、浦賀水道の日常風景です。
その入り口・横須賀に、米軍は空母キティホーク、揚陸指揮艦ブルーリッジ、イージス艦九隻が常駐。原子力潜水艦も頻繁に入港しています。自衛隊はイージス艦「きりしま」をはじめ、四十隻近くが常駐。「あたご」のように、他の基地からの入港も目立っています。横浜港には米陸軍横浜ノースドックもあり、大小の輸送艦が頻繁に出入りしています。
軍用艦船は民間船舶が航行できない制限水域だけでなく、民間の航路も往来し、出入港の日時や航路は「軍事機密」を理由に公表されません。
これら軍用艦船が行き交う海域で操業する漁船は、つねに危険にさらされています。
清徳丸が所属する新勝浦市漁協(千葉県勝浦市)の関係者によると、はえ縄漁に出る漁船は、今回の事故があった海域を通過して三宅島周辺などに向かうことが多いといいます。事故当時も、現場海域には同漁協から十七隻が操業していました。この海域は東京湾に入る船舶の航路であり、「自衛艦に限らず大型の船が多い」といいます。
衝突の危険がある場合、相手側に回避義務があったとしても、「たいがいは気をつけて、こちらからよけている」のが実態です。
漁船の“善意”の上にあぐらをかき、「軍事優先」の態度を示す自衛艦。このような実態が、今回の事故の背景にあります。
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