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(回答先: Re: やはり、そういう国なのですかね。 投稿者 Narongchai 日時 2008 年 4 月 18 日 02:34:54)
Narongchaiさん、こんにちは。
>勝海舟あたりが、渡米して別世界を見た時に、きっと観念したのでしょうか?(笑)
しかも明治の片意地張ったへんてこな政治家だけだし、「こりゃしょうがいない。奴隷として売られない程度にはなろう。」なんて思ったかも知れません。
おそらく、観念するところまでには至らなかったのではないでしょうか。長州五傑でさえも実質的には5年足らずの滞在でしたので、欧米世界の全貌を掴むことは到底困難だったでしょう。
>今のEUを見ていると、また観念しちゃいそうです。ひとつの経済圏なったのに、国際社会での票は各国分持ってます。そして日本の官僚や政治家を見ると、本当に、心底情けないです。
遺憾ながら、日本には国際的に通用するような政治的プラグマティズムは育たなかったようですし、今尚も質量的にみても外交の担い手が十分育っているようには思えません。二世議員や松下政経塾出身者程度の実力では彼等EU諸国の政治家にたいして歯が立たないでしょう。
例えば、GHQ指令を先取りして婦人参政権や大選挙区制の成立を主導して日本側の自主性を示した内務大臣堀切善次郎のような政治家が少なくとも二桁以上は出て来なければ駄目でしょう。それには先ず、相当な人数の官僚を入省して間もない時期に最低でも修士課程修了を目標に、米国だけではなく世界各国に留学させる必要があります。また、帰国後には彼等をコアにして対国別サブジェクトを構築する必要があることは謂うまでもありません。
>昨年末、久しぶりにロンドンに仕事で行ったのですが、とにかく物価の高さに驚きます。なんでそんなに金持っているの?って肌で感じます。あそこで低所得者層は、どうやって生きているのだろう???と思いました。
階級社会の確定度に揺るぎがなければないほど、人々は智慧をはたらかせて強かに生き延びていくものではないでしょうか。勿論、やがて臨界点に達することになると想われますが、それがどのように終息するのか、しかし英国人はそれさえも既に織り込んでいるのかも知れません。
>なので私はどうしても大東亜として動いてしまうのですが、その国々で又、階級差別を見てしまうと、自分のやっていることが解らなくなります。
社会的に優位にある者による下位者にたいする排他性を表象し、それが構造化したものが階級差別であると謂ってもよいでしょう。果して、古のアジア主義の流布が解決(差別解消)の処方箋になるのかどうか、私などは“大東亜”は過去に日本によって検証済のことでもあり、とうの昔に賞味期限切れになってしまっている代物であると思っています。
そして、国々は其々に発展途上であることに纏わる政治的問題を抱えていますし、嘗てのインドのように宗主国の英帝であっても階級制度の解体は成し得ずに、却って統治のために利用せざるを得なかったケースもあります。こうなると、事実上は部外者である私達日本人にとっては手の届きそうもないのが他国の階級差別の問題であり、Narongchaiさんの悩みが深いのも宜なるかなと察せられます。
現状の、“パンとサーカス”に現を抜かしているような民度の低さでは他の国の人々が抱える階級差別の問題の本質を捉えることなどは殆ど不可能でしょう。また、それが戦後60年を経ても変ることのない日本人の政治意識の未成熟さを物語っていると云われますが、元を質せば戦前から引き摺って来ているものなのです。この状態を克服するためには、前述しましたように遅蒔きながらも政治学修士レベル以上の海外留学経験者の官僚や政治家を三桁或いは四桁以上の規模で輩出することや、並行して彼等の受け皿(活躍の場)を創っていくことが肝要に思います。極端なエリート主義が横行することは望みませんが、暫定的な措置として受け入れざるを得ないのかも知れません。しかし同時に、彼等をコントロールしていくべき主権者たる国民の私達が主権者リテラシーを十二分に発揮することができるのか否か、まさに国民の民度が問われることになるでしょう。
Auf Wiedersehen.