★阿修羅♪ > 国際2 > 258.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
(回答先: チベット大虐殺 まとめwiki 投稿者 ワヤクチャ 日時 2008 年 3 月 22 日 23:08:15)
ワヤクチャさん、こんにちは。
中国当局によるチベット自治区での武力弾圧のニュースが巷間を賑わせていますが、情報が錯綜していればいるほど我々には冷静な観察と分析が求められるでしょう。さらにこれを国際問題の一つとして広角的に捉え直すためにも、文末に掲げた論考(考察)は大いに参考になると想われますので、それ等を含めてワヤクチャさんの所感を拝することができればと考えています。
さて、概観的には中国当局の強硬策は愚行以外の何物でもなく、武力行使は直ちに停止し、防御のための実力行使も現状の保全に留めるべきだと考えます。しかし、チベット問題の再燃が北京オリンピック開催にどの程度影響するのか中国政府も想定してはいなかったのではないかと見られることからも、各国の市民運動家レベルの人達がボイコットを唱えたとしても中国当局は無視を決め込むだけでしょうから、それが直ちに武力行使の停止に結びつくとは想われません。モスクワオリンピックの開催を控えながらもロシアがチェチェンに武力侵攻した場合のように、あくまでも国内問題であると中国政府は突っ撥ねるのではないでしょうか。
あらゆる武力弾圧に私は反対ですし、とかくこうした事件が国内問題に矮小化されていくことにも忸怩たる思いを禁じ得ませんが、問題の周辺や歴史を探究すればするほど、発生原因が利権絡みの争奪戦に収斂していくことには予想してはいるものの、いつも幻滅させられます。
今回の騒乱が中国の経済発展に伴なう恩恵に浴することができないチベット民衆の鬱憤が噴出したものと考えれば、国内問題と謂えないことではありません。過去については判りませんが、現在のダライ・ラマ14世はチベット民衆の利益代表を自認しているわけではないと想います。それにも拘わらず、チベット民衆からは中国におけるチベット人の失地回復の象徴であること求められ、それが宗教指導者ダライ・ラマ14世の心を悩ませているのではないでしょうか。そう考えると、中国側がダライ・ラマ14世を名指しして暴動の主導者と非難したことは間違いであり、中国政府は問題解決のための有力な糸口の1つを自ら断つことになってしまったのではないかと想われます。
何れにしても問題解決の当事者能力は第一義的には中国政府にあるのですから、逸早くこのことに気づいてできるかぎり穏便な解決を図るべきであり、それが中国の利益にも繋がる筈です。
12,3年程前に商用で、3年程前に旅行で中国に行きましたが、年毎に人々のエネルギーのうねりが高まっていっているように感じました。中国政府はそれをどう受けとめ、どのようにコントロールしていくのか、そんなことに想いを馳せながら言い知れぬ不安に襲われたことがあります。日本国内にいるとなかなか実感が湧いてきませんが、まさしく日々人々は形振り構わず何かと闘っている、それが今でも変ることのない率直な中国の印象です。今回の問題を含めて中国という奔流がこの先どこに落着いていくのか、全く予断を許さないと考えています。
Auf Wiedersehen.
<参考URL>
中国は何故、ダライ・ラマ14世を『首謀者』に仕立てたがるのか?・・米英印謀略組織と「ダライ・ラマグループ」との切り離し? 投稿者 tk 日時 2008 年 3 月 22 日
http://www.asyura2.com/07/asia10/msg/567.html
2008.03.17 チベット「騒乱」の背景(リベラル21) 投稿者 gataro 日時 2008 年 3 月 17 日
http://www.asyura2.com/07/asia10/msg/487.html