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(回答先: 「総合」も「選択授業」も きちんとできない中学校の現状。役人は現場を知れ。 投稿者 東京音頭 日時 2008 年 2 月 02 日 16:28:28)
>もっと現実を見て、危機感を持ち、理想が掲げ、社会全体で対応するべきだといいたい
私も、そう言いたい。
手本が無ければ動けないというのも情けない話だが、手本は無いよりはよいだろう。「フィンランドの教育は、わが国の“旧き良き時代”の教育に似ている」というのが肝かもしれない。
http://www.aba.ne.jp/~sugita/160j.htm から抜粋
160. フィンランドは国際テストで、何故そんなに優れているのか
杉田荘治
はじめに
最近の二大国際テストでフィンランドは世界のトップにあり、またその理由にについても、いろいろと論じられている。 しかし納得できる説明が今一つ足りないように思われる。
そこで、ここではフィンランド教育省のWWW上の各種資料によって、それを探っていくことにしよう。
・・・
国際テストPISAで成功した理由
フィンランド政府自身はその理由を総合教育にありとして、次のように説明している。
○ どんな処にすんでいても、また性別や経済的な事情、母国語の違いなどには関係なく平等な教育を受けている。
○ 生徒は近くの学校に通う。
○ 教育は全体として無料である。
○ “選んで教育する”という教育ではなく、平等な総合教育である。
○ 中央が大綱を決め、地方が実行するという弾力的な行政である。
○ すべてのレベルが相互に作用し合い、協力している。 また共通な理念を持っている。
○ “一人一人が向上する”という方針に基づいて生徒を評価する。 したがって、いわゆるテスト主義(点数主義)でもなく、ランキング付けもしない。
○ 高い教員の資質、自主的な教員であることを基としている。
○ “皆で社会を築いていこう”という学習概念に拠っている。
・・・
【コメント】この論考を読まれた人の多くは、フィンランドの教育は、わが国の“旧き良き時代”の教育に似ていると思われるかもしれない。 教員を「先生」として尊敬し大切にして、これに教員も良く応えようとして努力した。 学習塾や予備校など殆ど皆無であり、学校は正規の授業の他、課外授業でも一生懸命であり、教育のすべてを“自前え”で行なっていくという自負と気概があった。
しかし今はどうであろう。“先公”、“あの教師が、この教師も”と教員を小馬鹿にし、また学習塾は花盛り。 予備校でも高Tコース、高Uコースが普通のことになってきている。教育改革論議もこの点には目をつむっているように思われるが、教育行政も教員も管理職や親も多少の危険負担は覚悟する論が進められることを期待したい。
またフィンランドの教育は確かにテスト主義・点数主義やランク付けでもない。わが国でこの点を利用している論説も多いが、しかしそこには厳しい教員のトレーニングがあり、また実社会と協力し合って、生徒一人一人の能力を高めるための木目細かい指導がなされていることを見落としてはならない。 たんにテストの弊害を強調するだけではすまされまい。 第一、高校卒業認定試験が全国的に確実に行なわれている。
教員の自主性、自立性についても然り。ITの活用、インターネットの利用、英語など外国語の能力など実際に使うことを想定して、その自主研修が問われていくのであるから厳しいものといわなければならない。コンピューターもさわったことがない、英語も話す、聞くことはもとより読むことも、さっぱりでは到底勤まらないのである。
年間わずか188日の授業日、また近くの公立学校へ通うことが普通であり、標準テストで生徒や教員を追い廻すこともなく、普通に授業を行ないながら、それでいて国際テストでは常にトップ。 不思議といえば不思議であるが、案外わが国の教育の原点とも似ていよう。これにIT技術、使える外国語を鍛えれば、それこそ鬼に金棒であろう。