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(回答先: tk さん、人頭税的要素の強い、消費税←といわれるこの言葉は真実でしょうか? 投稿者 秋吉悠加 日時 2008 年 1 月 16 日 05:32:59)
>一人あたまで(人頭税的に計算すると)、7で割るので 2,257円になり
>7人の消費税額の平均額は 2,257円という計算になります。
>10%の消費税と云えども、各人が支払った税率は
>一人目の消費税額は 150円なので,平均額の 7% (4捨5入)
・・
>七人目の消費税額は6,500円なので平均額の 約3倍 (2.9)
>(ない頭で徹夜で色々と計算してみたのですが)
>消費額が多いほど税額が多いのは勿論のことですが
>税率もはね上がる?計算になるようですよ。
えっと。税率というのは「税額/所得額」または「税額/支出額」なので
上で計算している「税額/税額」「比例税的消費税額/人頭税的消費税額」は、一般には「税率」とは言いませぬ。
人頭的消費税の場合の税率は次のようになります。(割り勘にした場合ですね)。
7人の消費税額の平均額は 2,257円という計算で、
一人目は 1,500円で消費税額は2,257円なので,税率は150%
二人目は 3,500円で消費税額は2,257円なので,税率は 64%
三人目は 8,000円で消費税額は2,257円なので,税率は 28%
四人目は15,000円で消費税額は2,257円なので,税率は 15%
五人目は25,000円で消費税額は2,257円なので,税率は 9%
六人目は40,000円で消費税額は2,257円なので,税率は 6%
七人目は65,000円で消費税額は2,257円なので,税率は 3%
−−−−
消費税が「人頭税的要素の強い」と言ったのは、一般には「消費税の逆進性」と言われていることです。
一般に、金持ちほど所得の中から消費に回す割合は少なくなります(※1)。所得の中でどの程度消費に回っているかを「消費性向」(=消費支出/可処分所得)と言います。
仮に、消費性向の計算での消費支出に全部消費税がかかったとすると、消費支出*消費税額で消費税の実効税率がでます。
「消費税の実効税率」=「消費税額/可処分所得」=「消費支出*消費税率/可処分所得」
年収300万円だとすると、ほぼ100%消費に回さないと生きていけないので300万円全部を消費したとし、その全部に消費税がかかったとすると、15万円の消費税額になります。つまり、消費税の実効税率は名目税率と同じ5%ということになります。
それにたいして、
年収1000万円の人が600万円を消費して、400万円を貯蓄(金融資産の購入)や土地や株の購入(資産の購入)に当てたとすると、600万円の5%、30万円の消費税を支払うことになる。すると、1000万円の所得の人の消費税の実効税率は3%になる。
つまり金持ちの所得に対する消費税の実効税率は、消費性向の減少に応じて、小さくなる、ということです。
* 上で計算した人頭税的消費税の結果と似ているでしょ。
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一般に、「税の公平」には、いろいろな概念があるのですが、宴会の割り勘にたとえて説明してみます。
まず、形式的な分類では、次のような分類がなされている。
(α)水平的公平・・同じ収入なら同じ税金。脱税・節税は不公平。宴会で同じだけ飲み食いした人は、同じだけ支払うべき。
(β)垂直的公平・・「担税力の異なる者は異なる額の租税を負担するべき」http://ja.wikipedia.org/wiki/租税公平主義(応能負担の垂直的公平)。宴会で大酒を飲んだ人は飲まなかった人よりたくさん払うべきだ(応益負担の垂直的公平)。
また、何を基準にして公平を考えるかで、次のように分類できそうだ。
(a)応益負担・・利益を得た量に応じて負担すべき。宴会で、大酒を飲んだ人はより多く負担すべき=比例税的公平。
(b)応能負担・・支払能力に応じて負担するべき。宴会で、貧乏学生より、金持ち社会人がより多く負担すべき
(c)応人負担・・人数に応じて負担すべき。宴会で、頭割りで支払うべき。(この概念は税金では一般的ではない。が、宴会の割り勘では一般的(^^;)。
最後に、どのような割合にするのが公平か、という観点から、は次のような分類になる。
(A)人頭税的公平・・「みんな一律に一人xx円」という負担。学級会費、町内会費。宴会での割り勘(出席者数に応じた比例税的公平=人頭税的公平)。定額制。
(B)比例税的公平・・「みんな一律に収入の(儲けの、利用量の)xx%」という負担。宴会で多く飲んだ人は多く払うべき(応益負担の比例的公平)。定率制。
(C)累進税的公平・・「負担する能力に比例して」負担するというもの。収入が多いヒトは、租税を負担する能力が大きいので、より多く負担すべき、という考え方。宴会で、貧乏学生より金持ち社会人のほうが多く払うべき(応能負担の累進税的or比例税的公平)。
人頭税と言えども、常に不公平だというわけではなく、場面によってはそれが「公平」と考えられることも多い。学級会費や宴会の割り勘では、頭割りで同じ料金、というのが一般的ですね。これは、(A)の人頭税的な公平観念に基づいていると言えます。
消費税は、所得階層ごとの消費性向を考慮に入れると、(A)と(B)との中間の形態になる。一応所得に比例して増えていくが、所得が多くなるに従ってその割合は減っていくという「逆進」的な税ということになる。つまり、消費税は(B)の比例税に比べると「人頭税的」ということになります。
* (B)比例的公平であれば、1000万円の人も50万円の消費税にならなければならないですよね。
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なお、《ベーシック・インカム》で「一律50%」と言った場合には、負担だけをみると「(B)比例税」そのものということになる。しかし、負担+受益でみると「(C)累進税的」になる。
《ベーシック・インカム》を200万円、税率を50%とすると
当所所得 300万円。再配分所得 (300+200)*50%=250万円、実質税額 50万円、実行税率 (50/ 300)=17%。
当所所得1000万円。再配分所得(1000+200)*50%=600万円、実質税額400万円、実効税率(400/1000)=40%。
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※1:所得階層ごとの消費性向の違いは、
http://wp.cao.go.jp/zenbun/keizai/wp-je76/wp-je76bun-1-26z.html
http://www.meti.go.jp/report/downloadfiles/g11015fj.pdf
に出ていました。これをみると、5段階に分類して、
第1分類(低所得者層)では100%〜85%
第5分類(高額所得者)では70%〜65%
と言った数字になっています。ただ、第5分類は、人口の20%なので、それほどの大金持でない人が多く入っている。大金持になればもっと消費に回る金の割合は減ると思う。