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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu182.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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省力化技術の発展により営農の適正規模が飛躍的に増大した
にもかかわらず,小規模農家に農地が滞留していることである。
2008年12月29日 月曜日
年商9000万円の農家が出現、IT企業よりも
農業に参入したほうが成功する確率は高い。
◆減反政策見直しへ、廃止を含め石破農相が示唆 12月28日 読売新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081228-00000031-yom-bus_all
石破農相は28日、都内で記者団に対し、コメの作付面積を抑えて価格維持を図る減反政策を見直す考えを明らかにした。
コメの生産への政府の関与を弱める方向にかじを切るもので、2007年夏の参院選で自民党が敗北する以前の政策に近い。自民党や農協の出方次第では、難航が予想される。
石破農相は28日午前、都内で記者団に対し、「農業の持続可能性が失われている原因の一つは生産調整(減反)」と指摘した。さらに、減反をやめた場合のコメ価格への影響を試算したうえ、廃止も含めて「いろいろな角度から早急に検討する必要がある」と述べた。2009年夏までに一定の結論を出したい意向だ。
減反をやめれば過剰生産でコメの価格が下落し、農水省が育成している大規模農家ほど悪影響を受けることが想定される。このため、段階的な廃止や、所得維持のための安全網(セーフティーネット)の構築を検討する。
減反は1971年から始まった。30年以上続いてきたが、価格維持の効果が薄くなってきたことなどから、国は07年度から政策を転換した。国の役割は生産量の目安を示すだけで、農家側が実際の生産量を決める仕組みになった。
しかし、過剰生産に陥って07年産米の価格は一時大きく下落し、農家の反発は夏の参院選での自民党敗北の一因になったとされた。その反動で、自民党の主導により08年産米から再び国や自治体の管理が強まっている。
◆戦後日本の農業保護政策 (明治学院大学)神門 善久
http://www.maff.go.jp/primaff/koho/seika/review/pdf/3/primaffreview2002-3-19.pdf
戦後の日本農業における最大の矛盾は,省力化技術の発展により営農の適正規模が飛躍的に増大したにもかかわらず,小規模農家に農地が滞留していることである。本報告では,農地の滞留の原因を農業政策の歪みという観点から説明する。
機械化の普及過程や投入労働時間など,生産技術の面から戦後の日本農業を観察すると,1980 年頃には大規模農家(10ha 程度以上)が可能になっていたことを確認できる。1975 年には農用地利用増進事業が発足するなど,制度的にも大規模農業が成立する要件は整っていたと考えられる。
しかし,1995年現在で,いまだに都府県農地の四分の三は3ha 未満という農地改革以来の小規模農家に滞留している。明確な規模に関する収穫逓増が成立しているにもかかわらず,四半世紀以上にわたって農地の集積が遅れており,政策の歪みの存在を強く示唆している。
政策の歪みの典型として,減反政策,農地政策,農協政策の三つが指摘できる。減反政策は,いわば政府主導の生産カルテルである。生産効率の高低に関係なく全ての農家にほぼ一律に作付け面積の削減が課せられるため,大規模農家をとくに不利にする。たしかに,減反政策のおかげで米価が支持されるから,その意味では大規模農家ほど減反の恩恵を被っているともいえなくはない。
しかし,過去の生産関数分析の結果によれば,減反と高米価のポリシーミックスは,大規模農家を相対的に不利にすることを示している。そもそも,カルテルに頼るようでは農家の発意を減退させるから,この点でも企業的な大規模農家の存立を阻害する。
農業政策の歪みの第2 は,農地の転用規制である。表向きは,農地法ならびに農振法(農業振興地域の整備等に関する法律)によって厳しく転用が禁止されているが,実際には規制の運用が曖昧で,政治力次第で公共事業などの転用機会が発生し得る。ひとたび転用となれば莫大なキャピタル・ゲインが発生し,農家は農業経営ではなく転用期待で農地を保有し続けようとする。
所有権と利用権の分離が不完全なわが国にあって,せっかくの転用機会遭遇時に離作補償を強いられるのを避けるため,小規模農家は農地の貸出にさえ慎重になる。また,大規模農家が集落全体の農地を席捲しているよりも,小規模の多数の農家がドングリの背比べ状態をしている方が,票数も多くなるから,政治家に公共事業誘導などの圧力をかけるにも優位になる。
農業政策の第3 の歪みは,農協制度である。農協の組合長は農家間の選挙で選ばれるから,少数の大規模農家よりも多数の小規模農家の利益を優先する傾向がある。もともと金融業は政府による規制と保護が強かったが,農協の信用・共済事業の利益はとくに優遇されていた。この利益を背景に,共同販売や共同利用事業などを赤字でおこない,小規模農家を助けた(大規模農家は自力で設備投資をしたり流通チャネル開発をなしうるので,農協の共同販売・共同利用事業の最大の受益者は小規模農家と考えられる)。
このような歪んだ諸政策が採用された背景には,農水省自身が陰伏的であれ,小規模農家を滞留させたいという意図があった可能性を窺わせる。伝統的な小規模農家群は,居住地域が固定しており,用排水管理などで互いに監視し合うなど,票田としては魅力的な性格を持っている。昔ながらの小規模農家群が滞留している状態は,農業生産上は不効率であるが,政治力学上は強力である。農水省が農家と政治家の凭れ合いを促し,予算や人員確保に利用した可能性がある。
ただし,1990 年代中頃以降,農家の政治力に変化の兆しがある。新食糧法の制定やWTO 体制の発足も要因としてあげられるが,より重要なのは農家と政治家の橋渡し役をしてきた農協の経営基盤の弱体化である。従来,農協経営を支えていた信用・共済事業の収益性が劇的に低下した。
経済力を失えば農協の組織力・政治力も早晩喪失する。もちろん,一朝一夕で農業政策を巡る政治力学が変わるものではないが,1990 年代中頃以降,農業において市場原理がより強く作用する局面に移行した可能性がある。実際,農業予算面でも,公共事業の比重がゆるやかに低下しはじめるなど,政治力学の変化を窺わせる。
なお,本報告は,速水・神門「農業経済論」(岩波書店から近刊)の第9 章をベ−スにしている。
人材派遣会社も農業に参入か? 報道2001より
(私のコメント)
今年は石油と共に食料価格も暴騰して、米の輸出を禁止する国も出てくるようになり、食料自給率40%の日本において農業政策の見直しが叫ばれている。昨日の「報道2001」でも石破農水大臣や田中義剛氏をゲストに討論が行なわれていましたが、田中義剛氏は年商40億円の農家を経営しているタレント兼農家です。
年商40億円ならりっぱな中堅企業ですが、販路さえ開拓できれば農業ほど確実に儲かる商売はないと思う。少し前はIT企業が花形でありホリエモンや村上ファンドが時代の寵児と呼ばれましたが、今や金融業は破綻が続出してホームレスになるものが続出している。IT企業の社長ともなればモテモテでアイドルや女優さんとの結婚も話題になりましたが、農家には全く嫁の来手がないと言われていました。
サンプロでも以前に年商6000万円の農家の青年が紹介されていましたが、やる気さえあれば一人でも出来るしIT企業よりも儲かるのではないかと思う。にもかかわらず若者は実家の農家を継がずに都会に出てきて派遣などの仕事をしていますが、年収は200万円そこそこだ。
◆食糧自給率が40%しかない日本に大量の移民がやってきたら日本はどうやって彼らを食わせて行けるのだろうか? 2008年6月1日 株式日記
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/e/190d8b77c6ca469811482d8234bc7390
◆日本は必要な小麦、大豆、とうもろこし等、どこからも輸入できなくなり、日本国民が食べるものがなく飢えに直面するという事態に陥ります。 2008年7月22日 株式日記
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/e/8371f5902997ec96d43c2417e326ea9d
◆高齢化と飼料高。今後、廃業する生産者は増えていく。それに応えるために、はざま牧場のような大規模農家におのずと集約が進む。 2008年7月28日 株式日記
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/e/849754c48b386c9a2300480b34dbc6bb
◆現実の国際社会では、自国の国民も苦しいときにほかの国に食料を分けてくれるような国はないのだ。結局頼れるのは自国の農業しかない 2008年8月17日 株式日記
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/e/33b6fa080e570d76b926021f8a4621de
今年は食料がらみの問題が多く噴出した年であり、中国からの毒入りギョーザ事件もありましたが、汚染米の転売事件もありました。さらには世界的な穀物投機による暴動の多発などがあり、これらの事件は日本の農業を見直さざるを得ない事を示している。減反政策も食管制度の失敗からきているのですが、国民が米を食べなくなって米が余るようになったら国が買い上げる意味がなくなったのだ。
戦後教育でアメリカからパン食が強要されて給食もパンになった。米を食べるとバカになるとも言われた。アメリカの余剰作物を日本に押し付けるためだったのですが、最近になって小麦が高くなりパンも高くなって米が見直されるようになった。国内産の米と国際価格に差が無くなり、国内産の米も努力すれば輸出商品になる可能性が出てきた。
神門善久氏の記事にもあるように、日本の農家の4分の3が3ヘクタール以下の零細農家であり、生産の機械化や合理化で個人でも10ヘクタールの農地が耕作できるようになったにもかかわらず集約化が進んでいない。これは小規模農家の農地の貸し出しに慎重なためであり、農業は放棄しても農地は絶対に手放そうとはしない。だから日本全国に耕作放棄地が続出している。
これは公共事業などで転用されるようになれば農家には莫大な農地売却益が生じるためだ。例えば高速道路や新幹線が通るようになって用地買収などで農家には莫大な売却益が生じましたが、地方では高速道路に車が走ろうがどうでも良くて、用地買収による利益が目的なのだ。だから農家は絶対に農地は手放さない。人に貸すより耕作を放棄したまま持っていれば農地は農地であり税金が安く済む。
だからこれ以上高速道路や新幹線は作りませんと宣言して、農家の思惑を潰す事だ。むしろ農地法を改正して農業をやりたい人が参入しやすくする政策が必要ですが、農地法の改正は先送りにされている。大規模農家が農地を借りて耕作できるようになれば米の単価も下げられて、大規模化が一気に進むだろう。
マスコミでは農家の人口が減っていると問題にしていますが、大規模化には好都合な話であり、若い人が農業を継がないのなら農地は大規模農家に貸して収入を得るようにすればいい。しかし政治の怠慢が農業の近代化を遅らせているのであり、政策の歪みの典型として,減反政策,農地政策,農協政策の三つが指摘できる。
これからの日本の農業政策は大変動が起きて、新規参入や大規模化の競争が起きて、日本の米作りは一変するだろう。先進国ほど農業の合理化が進んで生産性が高くヨーロッパの国も食料輸出国になっていますが、日本の農業は後進国のままだ。石油が高くなり食料も高くなり国内と海外とのコスト差が無くなりつつあって、思い切った農業政策の転換で農業も輸出産業の仲間入りが出来るようになるだろう。