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リーマン・ブラザーズ破綻の原因と今後の影響【横山 劉仁 2008年09月25日】
http://www.asyura2.com/08/hasan59/msg/846.html
投稿者 ワヤクチャ 日時 2008 年 11 月 22 日 15:54:11: YdRawkln5F9XQ
 

http://money.jp.msn.com/investor/mktsum/columns/columnarticle.aspx?ac=fp2008092500&cc=04&nt=04

リーマン・ブラザーズ破綻の原因と今後の影響
2008年09月25日


 リーマン・ブラザーズが破綻したのは、ここ最近のビッグニュースですね。でも、野村證券がリーマン・ブラザーズの部門(一部)を引き継いだのも驚きでした。
 リーマン・ブラザーズはアメリカの投資銀行ですが、そもそも「投資銀行」って何でしょう?

「投資銀行」とは?
 「投資銀行」は、金融機関の一つです。金融とは「お金を融通する」ことですから、「投資銀行」もお金を融通するサービスを提供しています。よく「証券会社と同じ」とも言われますが、皆さんが証券会社に持たれているイメージとは若干異なるかもしれません。
 皆さんが、証券会社と関わりを持つのは、株式などに投資をする時に、売買の仲介をしてもらうイメージがあると思います。しかし、投資銀行は個人向けのサービスはしていません。一般法人や機関投資家へのサービスがメインです。

「投資銀行」って何をしているの?
 では、同じ金融機関である普通の銀行(商業銀行)と違う点はどこでしょう?
 お金が欲しい人にお金を融通してあげるのは同じなのですが、普通銀行のように一般的な貸付で融通するのではありません。上場企業などに対して、株式や社債などの有価証券を発行しての資金調達を支援したりしています。また、例えば株式や投資信託を売ったりすることもあります。しかし、先ほども触れたように、個人向けではなく、機関投資家向けがほとんどです。

 日本の金融機関もこのようなサービスをしていますが、欧米の企業に比べるとまだまだで、「ノウハウ・能力がない」と言われていました。6〜7年ほど前から、日本でも大手都市銀行が合併を繰り返し、今では3つのグループになりました。規模面では世界の金融機関に肩を並べたとされましたが、そのときにも世界から「日本の銀行は収益力が低い」と指摘され、邦銀のトップは口々に「収益力の見込める投資銀行業務に力をいれていく」なんてコメントをしていました。そして、早いか遅いかわかりませんが、今が本格的な参戦と言えるでしょう。時機到来ということです。

証券会社ってなぜ破綻するの?
 アメリカでは、ゴールドマン・サックス、メリルリンチ、モルガン・スタンレーが「投資銀行の御三家」であり、今回破綻したリーマン・ブラザーズは業界4位でした。バブル崩壊後に野村・大和・日興に続く業界4位の山一証券が破綻したのを思い出させます。

 さて、今回のリーマン・ブラザーズはどのようにして破綻していったのでしょうか?
 「サブプライムローンがきっかけに」という報道をよく目にしますが、リーマン・ブラザーズはサブプライムローンを作っていたのではなく、サブプライムローンを買っていたのです。

 銀行であれば、自己資本比率の規制を守らなければいけないため、大きな損失は業務停止につながるのですが、リーマン・ブラザーズは、普通銀行ではないので、持っているサブプライムローン関係の商品が値下がりしても、いきなり破綻はしないのです(損失は出さなければいけませんが)。

 何がポイントかというと、投資銀行は普通銀行ではないので、預金を集めることで資金調達しているのではありません。サブプライムローン関連の商品を買うための資金は、金融機関が資金を融通しあう短期金融市場から借りてきているのです。
 サブプライムローンの破綻により、その短期金融市場の金利がはね上がってしまったわけです。また新たに借りにくくなったわけです。これが「信用の収縮」です。

 アメリカ政府は、今年の3月に証券会社でも緊急の場合には、FRBから資金を調達できるようにしました。ですが、今回の問題を経て、緊急の場合だけではなく、必要に応じて資金を流動的に使えるよう、ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーの両社は、銀行持ち株会社に移行することを認めたと発表しています。

リーマン・ブラザーズの破綻、日本での動きは?
 野村證券は、リーマン・ブラザーズの部門(一部)を買収しました。
 投資銀行の業務は、人とノウハウに拠るところが大きく、野村證券も「人を確保できた」とのコメントを出していましたが、今までマンハッタンを中心に動いていたバリバリ外資系の投資銀行マン達が、野村證券で大人しく働くのでしょうか?野村證券の社風を変える覚悟がないと、約3,000人の(サラ)リーマンは、跡形もなく消え去ってしまうでしょう。

 三菱東京UFJ銀行は、モルガン・スタンレーに出資を決めました。
 こちらは、20%程度ということで、経営権の取得が目的ではなく、会計上の持分法の適用会社にすることで、利益の20%を三菱東京UFJの業績にプラスすることが目的とのことです。個人的には無理しない、こちらのやり方の方が賢いと思います。

誤解してはいけないのは
 「証券化商品がダメだ」という風潮が目をひきます。これに便乗して「信用取引がダメだ」「デリバティブがダメだ」という意見も耳にします。ですが、証券化商品も信用取引もデリバティブも、すべて経済の発展とともに、必要に迫られてこの世に産まれたものです。市場・資金を効率的に、安全性を高めるために作られたものですので、今後も必要不可欠なものには変わりありません。これら自体をなくすことは不可能ですし、存在意義はまだまだあると思います。

今後の予測は?
 リーマン・ブラザーズの破綻は予測できたのでしょうか?「危ないぞ」と言っていたアナリストなどもいますが、ある欧州の大手銀行は、今年の春のレポートに「リーマン・ブラザーズは大丈夫」と、数多くの根拠をもとに言っていました。でも、結果はご存知のとおりです。ですが、それくらいプロの閧ナも予測が分かれたのです。
 今後「○○は大丈夫か?」「大丈夫そうだ」「いや、ダメそうだ」という意見は、その人の立場もあることから、話半分が良いかもしれません。

 ニュースの報道によると、リーマン・ブラザーズと経営者に詐欺行為がなかったかをFBIが捜査していると聞きます。破綻した企業は、何らかの無理が生じていることが多く、こういった場合には、かなりの割合で捜査のメスが入ります。何ごともなければ良いのですが、もし顧客に対する誤った情報の提供などがあった場合には、金融市場への信頼性が揺らぐことになり、また一気にドル安になるでしょう。
 しかし、果たして円安が良いのでしょうか?今回の、野村證券のリーマン・ブラザーズのアジア部門買収で200億円(欧州部門は不明)、三菱東京UFJ銀行のモルガン・スタンレーへの出資が9,000億円にものぼると言います。約10%の円高で、それぞれ20億円、900億円も投資資金が浮くのです。今後、世界的なM&Aが進んでいくのであれば、その部分だけで見れば、円高も悪くはないかもしれません。


コラムニスト 横山 劉仁
提供:株式会社FP総研
 

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