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米大統領:政府の「過剰」な市場介入をけん制−金融サミット前に演説
11月13日(ブルームバーグ):ブッシュ米大統領は13日、自由市場を前提とする資本主義がこれまでの成長をもたらした「最善のシステム」だとして、この原則が先進国と新興国による金融危機対策の協議のなかで放棄されることがないよう、各国首脳に促した。
ブッシュ大統領は14日にワシントンで始まる20カ国・地域(G20)の緊急首脳会合(金融サミット)を前にニューヨークで演説し、当局は混乱する世界の金融・経済情勢の立て直しを図る上で市場への過剰な介入を迫られても、それに抵抗するべきだとの認識を示した。
大統領は「経済繁栄に対する最大の脅威は市場に政府がほとんど関与しないことではなく、過剰な介入であることを歴史が示している。大きい政府を目的とすべきではない。一段と賢明な政府を目指すべきだ」と言明した。
オーストラリアのラッド首相やフランスのサルコジ大統領は金融危機をきっかけに、政府による市場管理を強化すべきだとしており、投機を含む投資を抑制できなかったとして、米国に批判的だ。当局が対応すべき課題として、金融機関の幹部報酬やヘッジファンドに対する制限、銀行の自己資本拡充、格付け会社の監督強化までもが議論されている。
メリルリンチのチーフエコノミスト(ロンドン在勤)、アレックス・パテリス氏は「ここ数年、投資家は市場を考える上でおおむね政府の役割を無視することができたが、そういう時代は終わった」と語る。
「システムの前進」
ブッシュ大統領は演説で、金融サミットでは、企業会計の共通基準を推し進めることやクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)のようなデリバティブ(金融派生商品)取引における市場の監督改善などを検討すると説明。また、国境を越えて市場規制を連携させる方法や、国際通貨基金(IMF)と世界銀行の枠内で新興国の権限を強める方策も探られると述べた。
大統領は「システムを新たに考案しようというのが答えではない。現在直面する問題を解決し、必要な改革を行い、自由市場のシステムを前進させることだ」と強調した。
金融危機から市場を守るため、ブッシュ政権は今年、ベアー・スターンズとファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)、フレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)、米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)に支援の手を差し伸べた。さらに7000億ドルの金融安定化策もまとめた。
それでも大統領は、政府介入が「万能薬」にはならないと言明。危機は自由市場の経済モデルがもたらしたのではなく、投資家と規制当局、政府の失敗が招いたとの見方を示した。その上で、各国政府や中央銀行が取ってきた措置は凍結した信用市場を解かし、金融安定につながりつつあるものの「一段と困難な日々が訪れるだろう」と警告した。
「具体的」な対策
諸外国は、ブッシュ政権が推し進めた市場の規制緩和が今回の危機を招いたとして、同政権を批判している。サルコジ仏大統領は「これまでで最も効率的なシステム」だとして資本主義を擁護しつつも、「すべてを規制緩和と自由競争、市場が解決できる」と考える時代は「終わった」と指摘している。
このように危機対応で温度差があることや、ブッシュ大統領の任期切れが近いこともあり、市場強化や世界経済の勢い回復に向けて金融サミットがどの程度の政策につながっていくのか、疑問視する向きは多い。大統領は実際、規制強化を求める欧州に対し、そうした措置を取った欧州各国も「依然として問題を抱えている」として、けん制している。
ただ、ブッシュ政権内部からは、こうした隔たりを強調せず、G20が金融危機とそれが経済に与える影響を克服する「具体的」な対策を取るとの見通しも出ている。プライス大統領国際経済顧問は今週、ワシントンで記者団に「かなり具体的な一部成果を伴う重要かつ活発な議論を予想している。示唆されるよりも各国間には多くの共通の見方がある」と語った。
翻訳記事に関する翻訳者への問い合わせ先:東京 蒲原桂子 Keiko Kambara kkambara@bloomberg.net Editor:Fumihiko Kasahara 記事に関する記者への問い合わせ先: Simon Kennedy in Washington at Skennedy4@bloomberg.net Holly Rosenkrantz in Washington at hrosenkrantz@bloomberg.net
更新日時 : 2008/11/14 14:24 JST
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003001&refer=commentary&sid=a_Rp6iOQRkV0