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750億円の時限爆弾 〜ソフトバンク中間決算に思う  財務アナリストの雑感
http://www.asyura2.com/08/hasan59/msg/528.html
投稿者 TORA 日時 2008 年 11 月 08 日 20:26:41: CP1Vgnax47n1s
 

(回答先: 経営不安説が浮上しているソフトバンク。 ソフトバンクのCDSの参考値は、29日時点で破綻を強く意識させる「900」に達し 投稿者 TORA 日時 2008 年 11 月 08 日 15:34:20)

750億円の時限爆弾 〜ソフトバンク中間決算に思う ■財務アナリストの雑感■
http://blog.goo.ne.jp/dancing-ufo/e/6cf1d3ad284e6a803dec9d8497a1c795


おなじみソフトバンクが決算を発表。

「携帯ウォッチ」というサイトで説明会の状況を詳しく伝えておりましたので、
自分の頭の整理のために勝手に要約してみました。


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■売上高は前年同期比で約2.6%減少も、営業利益は同7.3%増で減収増益。

 連結ベースでの売上高は1兆3289億9800万円で、前年同期より約357億円減少。
売上高の減少は、携帯電話端末が前年同期比で20%減少したことが主要因。
一方、営業利益はヤフーでの利益拡大やソフトバンクテレコム、ソフトバンクBB
でのコスト削減で前年同期よりも7.3%増加し、1800億円。
経常利益は1173億円(前年同期比5.5%増)、当期純利益は同11.5%減の411億円。


 今期の売上高減収要因は端末販売数減少にあるものの、同時に端末販売数減少
は特別割引の発生を抑えて利益に繋がることから、
孫氏は「経営状況には良い影響を与えつつある」とした。
端末販売数は前期より20%減少しており、今後も同様の傾向になることを
経営方針で示したとも言えるが、端末ラインナップに与える影響や
在庫管理体制などについては触れず。

■キャッシュフローが大きく改善して手元流動性も豊富にある。
 そして数年ぶりとなる業績予想値の公表


・2007年度の営業利益は3242億円、営業キャッシュフローは1582億円、
投資キャッシュフロー(設備投資)がマイナス3224億円、
フリーキャッシュフローはマイナス1642億円。

・今回明らかにされた業績予想によると、2008年度の営業利益は3400億円、
営業キャッシュフローは4200億円、投資キャッシュフローはマイナス2800億円、
フリーキャッシュフローは1400億円とされている。

・また2009年度は、営業利益4200億円、営業キャッシュフロー5000億円、
投資キャッシュフロー2500億円、フリーキャッシュフロー2500億円との予想。

この予想に従えば、フリーキャッシュフロー(営業キャッシュフロー+投資
キャッシュフロー)は年々潤沢になるとされ、その余剰資金は携帯事業買収で
発生した借入金の返済に充当。 (注釈:本当かよ?)

■ボーダフォンジャパン買収時の借入金返済が順調だとか

「ソフトバンクの借入金の大半はボーダフォンジャパンの買収に関わるもの。
買収は2兆円規模だったが、証券化したのは1兆4000億円。既に数千億円の返済は
終了しており、このまま順調にいけば、4〜6年で返済し終わる」と説明。

また、「一部で、銀行に対して約束している返済額、あるいは条件に違反して
いる、あるいは違反しそうになっているという報道があるが、完全に
(そういった報道内容は)間違い」とした。
ただし、「銀行側がよければ私どもはいつ公表してもかまわない」(孫氏)と、
具体的な返済額や、残額については金融機関の合意が得られていないため、
非公表。

■しかしワケの分からん損失も

 現ソフトバンクモバイルでは、ボーダフォン時代に750億円の公募社債を発行。
買収時、ソフトバンクでは「公募社債買戻しと同じ効果を得るため」(孫氏)
750億円分の投資を行った。

・しかし、昨今の金融危機を受け、この投資が全て損失計上しなければならない
可能性が出てきた。孫氏は「投資は160銘柄のパッケージだったが、そのうち
6銘柄までのデフォルト(債務不履行)は、損失計上する必要ない。
ただ7銘柄目になると456億円、8銘柄目になると750億円の特別損失を
計上しなければならない。
今日の時点では6銘柄まで来ており、まだ損失は0円だが、今後7、8銘柄となると
損失になる。


・また、割賦販売をスタートした当初、信用調査を十分しなかったため、
割賦代金を支払わない契約が続出し、累積で500億円の焦げ付きが発生したと。

                      (以上 引用・要約終わり)
----------------------------------------------------------------------


それでは決算短信を見て、簡単にツッコンでみますか。
     ↓
   決算短信


まず、表紙。
いつも思うんですけど、
この会社で経理部長と内部統制室長兼務ってマズイんじゃないですかね?
粉飾リスク高いのに。


続いて、p.20 貸借対照表の資産の部。
将来節税できると見積もった「繰延税金資産」が2,179億円。
無形固定資産で燦然と輝く「のれん」が9,890億円。
この2つの危険な資産を無事に計上しつづけることが当社の財務上の最大のテーマ。
のれんの半分が減損するだけで債務超過になりますからね。

そのためにも、裏付けとなる利益を無理やりでも出し続けないといけない。
それがこの会社の宿命です。


P.21 貸借対照表の負債の部
有利子負債は確かに減りました。
2兆5,330億円から2兆4,950億円まで、たったの380億円。比率にして1.5%。
返済への道はまだまだ険しい・・・・・というより短期の借り換え、大丈夫ですか?


P.21 貸借対照表の純資産。
孫社長は、配当云々言っておりましたけど、連結欠損金ですから。
配当なんて夢のまた夢(単体は知りませんけど)。
要は、この会社の事業はこれまで儲かっているようで、実は儲かっていない。

損益計算書風に言いかえますと、「営業利益」は計上しながらも、
特別損失もデカくて結局、最終赤字。


p.22 損益計算書
芸術的な数字ですよ〜。営業利益。180,000百万円ぴったしカンカンです。
この数字を出発点に数字を作りこんだんでしょうね・・・・わかりやすい。


P..24 キャッシュフロー計算書
上期の営業キャッシュフローは1,772億円、投資活動1,651億円。
 フリーキャッシュフローは何と!・・・121億円。
上記の通期計画ですと、営業キャッシュフローは4200億円、投資キャッシュフローはマイナス2800億円、
フリーキャッシュフローは1400億円としております。
特に下期の営業キャッシュフロー2,400億円。どういうマジックで捻出するか注目ですね。


p.26 注記
偶発債務。信託型デットアサンプション。
先ほどの謎の損失750億円の説明をしています。
表題の意味は、もうおわかりですよね。
しかし、この会社、ホント、いつもタイムリーな話題を提供してくれます。
(今回はCDS)
ファンが多いワケだ。

p.28 注記
貸倒引当金繰入額  第1四半期  98億円(差額)
          第2四半期 130億円
順調に増えております・・・・・踏み倒しが・・・・。
無理な販売で顧客の質も低下しているのかも。

・・・・・・・とまぁ、
要は・・・・・

「上期はイマイチだったけど、下期は頑張るからさぁ、株売らないでよ!」

と訴えているような説明会と決算短信。


おつきあいはほどほどに。

直訳すると「軟弱銀行」なんだから、
ドサクサに紛れて公的資金でも注入してもらって、
まずは財務を健全化して欲しい!

というのが私の印象でござんした。

 

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