★阿修羅♪ > 国家破産58 > 743.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
(回答先: Re: 金融安定化法案・・・市場が評価しなかった理由 <-- 金融工学と経済学の違い 投稿者 健奘 日時 2008 年 10 月 05 日 23:01:19)
経済学は、経済活動する単位として、いわゆる”経済人”を、前提におきます。経済人は、目的合理的な活動をします。
ところで、経済活動をする経済人が、そうでなければ、経済学は、前提から崩れます。
目的合理的というときは、合理的なことを測る値というか、評価軸があります。
そして、ここが肝要だと思うのですが、測れる値(評価軸)は、時代と共に変わります。新しい考え方と、それを支える技術・仕組みが作り出され、測ることができるようになります。GDPの計算を行うようになったのは、それほど古くはありません。
さて、贔屓目に見るとして、今回の金融危機を起こした主役たちは、古い尺度では、合理的だと思っていたのかもしれません。
しかし、新たな観点を導入し、新たな評価軸を持ち込めば、その範囲で、また、合理的に振舞うかもしれません。たとえば、投資を保険する量(CDSの量)を、評価軸に持ち込み、この量を制御することが、合理的だと。
それでも、次の時代が来ると、さらに新しい尺度が必要だった、ということが起こるでしょう。現時点では、神のみぞ知る、ということでしょうが。
かくして、延々と、評価軸の追加と変更が行われるでしょう。そして、合理的な振る舞いをしていますと、主張するかもしれません。
そうした意味で、経済学は、計算不可能な課題を扱っているのです。