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(回答先: 金融安定化法案が可決されても市場が評価しなかった理由を考える。 投稿者 Ddog 日時 2008 年 10 月 05 日 12:09:42)
金融工学は、粗く言うと、観測して得ることができる数値の間における関係を見出し、関係を使う方法を生み出す。使う数値は、観測して得た値。つまり、過去の値。
経済学は、数値の裏側にある、より継続して成立するだろう法則性を見出す。
天体の運動の記述に例えれば、太陽、月、星の位置を、位置の間の関係で表すのが、金融工学。天体の位置は、球面の位置と時間で表せるが、金融の数値は、確率(あるいは統計)的に、かつ多次元で表さざるを得ない。
一方、重力なる考えを導入し、重力によって、天体の位置を求めること、これと同じように、数値の間にある法則性を見出し、経済活動の値を求めたいのが経済学。(残念ながら、物理学の域には程遠い。それだけ複雑、かつ致命的なことは、計算できない範疇の課題を扱っている)。
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金融工学が、ペテン的だと言われるのは、計算で求めていることを、丁寧に説明しなかったことかも知れない。あるいは、説明を受けて、のぼせ上がってしまったからかも知れない。
仮定
過去に観測した数値を使い、過去の数値変動が、この後、しばらくは続くとする。
リスク
今後起こるだろう数値を設定するが、その数値が、非常に高い確率で起こるようにとる。逆に、その数値が外れることは、非常にまれ。リスクは非常に小さい。
レバレッジ
リスクが非常に小さくなるように、数値が設定できるなら、その数値を設定している仕組みに、大きく賭けても良い。
金融工学は、ペテンではない。淡々と計算する仕組みと、計算の仕方を開発することでしかない。
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大切なこと、金融工学を語る人が見落としていることは、次のことだろう。
数値の間に成り立つ関係を、予測しようとすると、それは、残念ながら神の領域に入ることだ。如何に計算機を使っても、予測はできない。20世紀初頭に、数学的に証明されている。