★阿修羅♪ > 国家破産55 > 323.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
BusinessWeekの報道で利下についての対立する主張が報道されていますが、面白いのは「新たな投機(バブル)」を危惧しているにそれが「何なのか」についての報道が無い事です。
商品(コモディティ)なのか、株なのかはっきりしませんが・・・・・恐らくは株なのでしょうが、彼らは知っていてもいつも黙っていますが・・・・・
-----------------------------------------------------------------------------
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20080220/147633/?P=1
【FRB、利下げは止まらない】-----BusinessWeek(NB Online)
バーナンキ議長の周辺で政策論議が沸騰中 2008年2月22日 金曜日
Peter Coy (BusinessWeek誌、経済担当エディター)
米国時間2008年2月13日更新 「How Low Will the Fed Go?」
米連邦準備理事会(FRB)のベン・S・バーナンキ議長らが金融緩和政策の着地点を探る中、その周辺では各派が熱弁を振るっている。
「金融システムが凍りつかないように、大幅な利下げが必要だ」と横から口を出す人もいれば、「いや、景気全体としては、大胆な利下げを正当化するほど悪化の兆候は見られない」という反論の声もある。
FRBの今後の政策を巡るこの議論に関連して、過去の2003〜2004年の利下げは行き過ぎだったのではないかという超低金利政策の成否を巡る議論が持ち上がっている。
当時のFRBは、アラン・グリーンスパン前議長の采配の下、管理下にある主要短期金利、フェデラル・ファンド(FF)金利を1%にまで下げた。
その結果、IT(情報技術)バブル崩壊と株式市場下落後に、多くのエコノミストが恐れていた経済破綻を食い止めることに成功した。
反面、この超低金利によるカネ余り現象が、悪質な住宅投機を招いたという批判もある。
米モルガン・スタンレー(MS)のエコノミスト、スティーブン・ローチ氏は、当時のFRBは“連続バブル製造機”と化していたと評する。
投資家は、大幅に利下げする可能性が大きいと見ているようだ。
米ブルームバーグ・ファイナンシャル・マーケットの計算によれば、FF金利の先物は、3月18日に開かれる次回の連邦公開市場委員会(FOMC)でFF金利が3%から2.5%に引き下げられると予想し(2月13日時点)、さらに6月には2%にまで低下すると見ている。
□好材料は見つからず
米シティグループ(C)の米国経済・市場担当アナリスト、ロバート・ディクレメンテ氏は、FF金利の底を2.25%と予見しているが、もっと下がる可能性も否定しない。
「弱含みの景気と不安定な金融の間で、悪い化学反応が起きている。この負の相乗効果は、FRBがその関係を断ち切らない限り続く」。
ウォール街を代表する弱気筋の1人、米メリルリンチ(MER)の北米担当エコノミストのデビッド・ローゼンバーグ氏は、「FF金利は1%まで下がる」と考えている。
実際、金融分野では悪いニュースが続いている。
2月11日、米アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)は、住宅ローン関連金融商品の評価損として約50億ドルの計上が必要になると発表。
2月13日には、米住宅ローン保証最大手のMGICインベストメントが、過去最悪の四半期損失、14億7000万ドルを計上した。債務不履行が相次いだためだという。
信用市場でも好転の兆しは全く見えない。
銀行は買い手のつかないレバレッジド・バイアウト(LBO、相手先資産を担保にした借り入れによる買収)融資という重荷を抱え、商用不動産向け融資の基準引き上げにも乗り出した。
今まで商用不動産への打撃は居住用よりずっと軽度で収まっていた。
住宅価格の大幅な下落が貸し渋りを引き起こし、その終わりが見えないのも大きな頭痛の種だ。
□利下げは容易ではない
バーナンキ議長らはリスクを取ることにやぶさかでない。
大恐慌に関する代表的な学者でもある同議長は、経済全体が信用収縮の巻き添えになるのを断固として防ぐと何度も明言している。
影響力のあるFRB理事の1人であるフレデリック・ミシュキン氏は、1月11日の講演で、「金融当局は、混乱期には大胆に動くことも必要だ。マクロ経済の弊害が明らかになる前に予防的措置が不可欠な場合もあるからだ」と述べている。
それでも、金利の大幅な引き下げは簡単な決断とは言えない。
1月下旬の2度の利下げは満場一致の決定ではなかった。
1月22日には、セントルイス連銀のウィリアム・プール総裁、1月30日にはダラス連銀のリチャード・フィッシャー総裁が反対票を投じている。
元FRB理事で現在は米マクロエコノミクス・アドバイザーズ(本社:セントルイス)の副会長を務めるローレンス・メイヤー氏は、「FRBは0.25〜0.5%の小幅な追加利下げをした後、年末にかけて利上げに転じる」と予想する。
強硬派は、「バブル再燃というリスクを冒す必要などない。経済の基調は健全であり、景気後退よりインフレの方がリスクは高い」と主張する。
「2007年、食品とエネルギー価格を含む消費者物価指数は4.1%上昇した」と、米クリアビュー・エコノミクス(本社:オハイオ州ペッパーパイク)のケン・メイランド会長は指摘する。
2月13日には、米統計局が1月の小売売上高の0.3%上昇を発表。個人消費は景気後退の予防線になるという希望が高まった。
□数年前にも同じことが?
米投資顧問クリアブルック・フィナンシャル(本社:ニュージャージー州、プリンストン)のCIO(最高投資責任者)トム・ソワニック氏は、「経済は十分な支援を受けている」と言う。
1月下旬に金利が2度引き下げられ、2月13日にはブッシュ大統領が景気刺激策に署名した。
米国の著名投資家のウォーレン・バフェット氏も2月12日、困窮した金融保証会社に地方債8000億ドルの再保証案を提示して一役買おうとしている。
ソワニック氏は、主要な金融保証会社がバフェット氏の提案を拒否して債券格下げにつながる場合や、金融機関が今回の金融危機による損失の規模をいまだ開示しきれていないと判明した場合に限って、大幅利下げが必要だと言う。
利下げに懐疑的な向きは、FRBの調整が行き過ぎ、新たな投機ブームが巻き起こることを心配する。
FRBが2003〜2004年にかけて不必要な金融緩和をして、住宅バブルの種をまいてしまったと考えているのだ。「緩和を進め過ぎたのではないかと誰もが疑っている。再び金利が1%まで下がったら、驚くしかない」とメイランド氏は言う。
金利穏健派の視点は異なる。
本当に問題だったのは、2003〜2004年の超低金利ではなく、その後の性急な金融引き締め政策だというのだ。
わずか2年間で、FRBは4%以上も金利を上げ、市場に調整する余裕を与えなかった。
振り返ると、住宅市場にとって利上げは予測していた以上の痛手となった。
新規居住用住宅への民間投資は、2005年第3四半期以降急激に落ち込むが、FRBは2006年6月まで利上げを続けた。
利下げや利上げの効き目が完全に表れるまで1年から1年半かかることから、住宅業界が本格的に落ち込んだのは、失速し始めてからずいぶん後のことだった。
□金融は引き締めて、融資基準は緩めに
当時の公式データが誤解を招くもので、住宅市場をいたずらに活況に見せたことも響いている。
例えば、グリーンスパン議長の任期中最後の利上げとなった2006年1月時点のデータでは、2005年第4四半期における新築着工数が年率換算で11%と絶好調の伸びを見せていた。
実際には、あらゆる調整を入れた後の伸び率はその半分程度にすぎなかった。
利上げは思わぬ副作用ももたらした。
金利の上昇による顧客離れをなんとしても避けたいと考えた貸し手が、融資基準を緩めたのである。
2006〜2007年に組まれた住宅ローンの焦げ付き率は、低金利時代に組まれたものと比べてかなりの高率だ。
FRBのトップは、2004〜2006年にかけて金融を引き締め過ぎたという意見に異を唱える。
インフレの加速が心配だったし、5.25%というFF金利は、歴史的に見てとりわけ高い水準とも思えなかったと主張する。
他方では、2003〜2004年の金融緩和が行き過ぎだったというローチ氏のような懐疑派とは論争を避けている。
これは重要な点だ。「景気にとって必要」と確信すれば、バーナンキ議長が利下げをためらう可能性は低いと読めるからだ。
どこまで金利は下がるのか。
答えは“必要な限り”だ。
© 2008 by The McGraw-Hill Companies, Inc. All rights reserved.
-----------------------------------------------------------------------
(コメント)
バーンキが学者出身でしかも大恐慌の研究についての権威である事はそのスジでは有名です。
まるで住宅バブルの破裂が当初から想定されていたかのようなタイミングの良さは偶然なんでしょうか・・・・・・・