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(回答先: Re: バーナンキが大恐慌の勉強しとったんは防ぐためやのうて、もう一度やるためや。 投稿者 薬痴寺 日時 2008 年 2 月 24 日 03:50:28)
昨年の年末に、金融機関の資金繰りが苦しくなりました。各国中央銀行が何もせず、金融機関の資金ショートを起こさせればかなり大変なことになったでしょう。しかしFRBはTAFという割引窓口の一種を導入して、資金を欲する金融機関の匿名性を守りながら必要な資金を直接供給することでこれを乗り切りました。今年に入って割引窓口は通常の規模に減少していますが、金利(LIBOR)は低下しており、とりあえず資金繰りの点では問題ないようです。
こういった対策を採っていることから考えると「恐慌を起こしたい」わけではないと思います。何もしなければめでたく恐慌にできた大チャンスを潰したわけですからね。
あと1930年代の恐慌と現在は、条件がかなり異なるので比較は出来ないと思いますよ。1930年代の恐慌は、そもそも金融危機が起こる前(株価は高騰を続けていた)から卸売物価が全く上がらない状況であり、実体経済の点でも景気減速していたわけです。今回の景気減速は金融→実体経済という経路で起こったものでこの点が異なります。
また当時は金本位制であった上、これを守ろうとしたため恐慌にしてしまったのでしょう。つまりアメリカから金が流出したのを食い止めるために利上げをしたため、経済を落ち込ませてしまったのです。
さらに言うと、農作物などは大暴落しましたが、労働組合の力がある程度あったため、賃金はあまり下がらず労働分配率が急上昇して、企業の投資意欲が極端になくなったことも恐慌に導いたのだと思います。現在のアメリカは当然ながら管理通貨制度ですし、労働分配率も低いし物価も上昇しているわけで、再び金融バブルを創り出すことにより危機はとりあえず乗り切れると考えます。ただしアメリカ経済の神話−株式と住宅価格は長期的には必ず上昇し続ける−が今後維持できるかどうかはわかりませんけど。