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こんな落ちはどう?
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投稿者 一鍼多助 日時 2008 年 12 月 05 日 01:43:08: Ini9COu.4I8AU
 

(回答先: 死刑に代える極刑を提案します 投稿者 日 日時 2008 年 11 月 30 日 00:49:53)

死刑廃止を求める世界人権団体の圧力に抗しきれず,日本政府は実験的に終生自給自足刑を導入することを決めた。
そこで、地球のある地域を借りて(もちろん円建てで)秘密裏に実験を開始し様子を見ることにした。
場所? ・・秘密!
このプロジェクトXは「NHKの万引き」・・・ではなく皮肉を込めて「エデン」と名づけられた

日本の社会情勢は日に日に不安定化し、凶悪犯罪が数限りなく起き実験材料の凶悪犯には事欠かなかった。
また、凶悪犯が脱走して普通の人に紛れてしまうことを恐れた政府は、終生自給自足刑が「終生遠島を申しつける」
に語呂が似ていることから江戸時代と同様、腕に刺青を入れることとし 
うぬら凶悪犯はもはや人間ではないと言う意味と罪を少し絡めて「魑魅(ちみ)」という字を彫ることにした。

さて実験開始。観察を開始してみると自給自足といっても元が極悪非道な奴らばかりだから縄張り争いが
激しく、殺し合いに継ぐ殺し合い。人数が減り始め実験継続が危ぶまれたが社会情勢の不安を背景に供給側に
問題なし。

数年経ち、需要と供給のバランスがとれはじめ安定期に入り始めると「エデン」にある変化が起こり始めた。
娑婆での人殺しの後、「エデン」での殺しに継ぐ殺し、さすがの人非人極悪非道の輩も人殺しに飽きてしまい
またバカらしくなってきたのか、殺人が起こらなくなってしまったのだ。ただ問題は新人が入ってきた時だった。
新人はまだ娑婆っ気が抜けないので、「エデン」でも人殺しをしがちなのだ。古参の極悪人も身を守るために
向かってくる新人はあの世に送るのだが、もう心底面倒くさくなっていた。殺人にうんざりし始めていたのだ。
そこで古参極悪人は新人が自分たちに向かってこないような決りを作って教育することにした。
元が極悪非道な人間だから、悪人の感情、行動は熟知している。いやほとんど感性が自分と同じだから、
熟知というもおこがましい。だから、その決りの見事なこと見事なこと。どんな新人極悪人も
おとなしくなり、ついにはエデンに殺人も盗みもまったく無くなってしまい
自給自足で満ち足りた平和な暮らしがエデンに訪れたのだった。

驚いたのは日本政府だ。終生自給自足刑がうまくいったのだ。さっそく本格的に導入を決定しょうとした
矢先、だが地球に大きな不幸が訪れた。アメリカ憎しの人々が核兵器を入手し、アメリカ本土へ打ち込んだから
もう大変。報復合戦で、月探査衛星「かぐや」からみたら地球にいくつものキノコが生えたよう。
日本も報復合戦に巻き込まれ消滅、地球上に「エデン」の存在を知る人はいなくなった。

数千年後、猿の惑星となってしまった地球。社会猿類学者 名前は「エテコ」は ある奥地でで類猿人を
発見したとの報を受け、研究のため奥地に入って行った。しかし道に迷って途方にくれていると、
遠くに明かりが見える。喜び勇んで丘を駆け上がってみると、なんとそこが探し求めていた類猿人の集落だった。
恐る恐る近づいて見ると、人相がえらく悪くて、凶暴そうだったのでエテコはビビったが
振る舞いは非常に丁寧だったので、エテコは「キッキ、キー」と挨拶した。類猿人たちは顔を見合わせ
「なんじゃこれ」と言ったようにエテコには聞こえた。古代言語学の天才でもあるエテコはこれは昔、
小さな島に住んでいた類猿人「ジャップニヤ、ニッポン」の言葉だとすぐ了解した。そこで「こんにちは」
と言うと類猿人は「何だ、テメーは」と返事をしてきた。エテコは意味がよく分からなかったが、
ジャップニヤの言葉ならなんとかなるだろうと、そこに滞在して研究することにした。
すこしづつ分かったことは

1 彼らは腕に何か描く習慣があるらしく。よく観察すると「魑魅」と描いてある。

2 治安が非常に良い、争いらしき争いがない。もちろん盗みなども皆無だ。猿社会では考えられないことだ。

3 エテコの知っているジャップニヤの言葉と少し違い、訛りがある。例えば
  
  「包丁」=>「ドス」
  「薬」 =>「シャブ」
  「あなた」=>「テメエ」
  「止めなさい」=>「タタッコロスゾ」
  つまり
  「あなた そのようなこと 止めなさい」=>「テメエ ソンナコトシャガルト タタッコロスゾ」等々

数ヶ月の滞在で研究成果も充分上がり、エテコはジャップニヤの社会に深い感銘を受けながら
帰国することにした。帰り際に儀式の時に使われる歌を聞かせてやるというので、耳を澄ませていたら
ゆっくりと荘厳な音楽が流れてきて、彼らは歌い出した。

「魑魅(ちみ)が〜 よ〜は〜 ちょ〜に〜い やちよ〜に・・・」

終生自給自足刑は成功だったのだろうか。

 

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