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(回答先: 量子力学と物象化プロセス シュレーディンガーの線形劇場を通して 投稿者 松浦 日時 2008 年 6 月 27 日 16:55:00)
「世界が変わる現代物理学」竹内薫/ちくま新書‘04年より引用
〈シュレディンガーの猫・論争〉
・複素数の波が(たとえば)電子をあらわす、というとき、その波は、目の前の空間に実在するのでしょうか? それとも抽象的にしかイメージできない数学的な波なのでしょうか? 言い換えると、量子の波は、
@実在波
A確率波
のどちらなのでしょう? 実は「重ね合わせ」という…だけからは、実在波であろうと、確率波であろうと問題は生じません。ともに波である以上、重ね合わせることが可能だからです。
実在波の立場をとっていたシュレディンガーは、確率波の立場をとっていた人々に対して、猫のたとえの問題(略)をもちだして「論争」を挑んだ。
シュレディンガーは、生きた猫と死んだ猫が半々の確率で重ね合わせになっているというグロテスクな事例を提出することにより、「波動関数ψが確率の波だ、というコペンハーゲン解釈を徹底すると、幽霊のような猫ができてしまうゾ」と警鐘を鳴らしているのです。つまり実証論陣営に「反論」をつきつけているのです。
現在では、この論争には決着がついています。…放射性物質自体は量子論であつかわれますから、それが検出装置にとらえられたら、そこで量子の計算は終わりなのです。そこから先、毒ガス装置が作動して、猫が死ぬところは、量子的・確率的ではなく、古典的・確定的なのです。(第1章)
〈あえて実在論的に量子論を理解してみるボーム流の解釈〉
▼ボーム流の量子論=波と粒子の性質を兼ね備えているシュレディンガー方程式を、@粒子の部分、とA波の部分に分離した。
ボームの解釈が実在論的だといわれるのは、量子のコト的な性質である「波動性」を完全に分離してしまい、モノ的な性質であるニュートンの点粒子という「実在」を残したからなのです。
ただし、その代償として、空間に充満する目に見えないエーテルのごとき「量子の波」(=量子ポテンシャル)を仮定せざるをえなくなったのです。ボームの波は実験では測定することはできません。あくまでも、粒子の位置を乱す、という役割を通じて、その存在が感じられるだけなのです。(第4章)
〔短足〕
正確を期しました。コペンハーゲン解釈、ボーム流解釈の外に、多世界解釈、その他もあるようですが、これは量子力学の根幹を成すシュレディンガーの波動関数の「解釈」であって、量子力学の原理を言っているのではない、ということです。
飲茶さんは「コペンハーゲン解釈だろうと、パイロット解釈(ボーム流と思われる/短足)だろうと、多世界解釈だろうと、観測によって証明できない以上は、どっちも同じレベルの仮説(ヨタ話)にすぎない」と言っています↓。
(なお、最初の投稿で「波動方程式」とあのは、「波動関数」に訂正します)。
哲学的な何か、あと科学とか〜解釈問題
http://www.h5.dion.ne.jp/~terun/saiFrame.html