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(回答先: Re: コペンハーゲン解釈は間違っていた/町田茂 投稿者 短足鰐 日時 2008 年 6 月 27 日 21:39:31)
「量子力学の反乱」より引用つつき
第4章 コペンハーゲン解釈は間違っていた
〈相補性とコペンハーゲン解釈〉
ボーアの(相補性の)考え方は量子力学の「コペンハーゲン解釈」と呼ばれる考え方の核心を成しているが、細かい部分でははっきりしない点もある。ボーアの、そしてコペンハーゲン解釈の根本にある考えは次のようなものを含んでいた。
第1に、われわれはミクロの粒子を直接には観測することができないので、必ず何かの装置を介してそれを“見る”ことになる。
しかも、われわれが直接観測できるのはマクロの現象だけであるから、ミクロの対象をわれわれの知覚につなぐ一連の装置が必要となり、その少なくとも最終段階ではつねに、古典物理学によって現象が記述されることを意味する。そしてこのようなマクロの装置を使ってミクロの対象を観測するとき、ミクロの性質は−ボーアの言い方によれば−“相補的”であるとする。…ミクロの対象が古典物理学的には互いに他を排除する複数の性質をもち、実験の仕方によって一方だけが現れる(粒子または波)ことを、ボーアは「相補性」と呼んだ。同時には観測できない粒子の位置と運動量も、同じ意味で相補的である。不確定性関係と相補性とは密接な関係をもっている。
〈二人の巨人とその哲学的背景〉
相補性の考え方は、量子力学に特有な現象の一面を説明するのにかなり便利な考え方なので、その後広く使われるようになった。しかし、量子力学の抱える問題を解決する手段としては、相補性の考えには理論的に大きな問題があったばかりでなく、最近では実験によってその間違いが明らかにされつつある。