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NHK教育・ETV特集 「2006年夏 戦場からの報告 〜レバノン・パレスチナ〜」、はまれに見る良質な番組だった。出演者が古居みずえ(レバノン報告)、綿井健陽(レバノン報告)、土井敏邦(イスラエル・パレスチナ報告)、臼杵陽(解説)だから期待してたが、予想をはるかに上回った。
例えば、ホロコーストで祖父(祖父は妻・娘など家族のほぼすべてを失った)を失った元エルサレム市議会議員メイル・マーガレットの発言を紹介したのは、出色である。
「ドイツ兵の前に立つユダヤ人は、イスラエル兵の前に立つパレスチナ人と同じ・・・」
「ホロコーストを理由に何をしても許される、何をしてもいいとイスラエル人は考えがちです、自分たちはひどい目にあった犠牲者なのだからと。それは過去の操作です。現在の行動をすべて正当化するための操作です。それはホロコーストの真のメッセージではないと思います。」
ノーマン・フィンケルシュタイン『ホロコースト産業 --同胞の苦しみを「売り物」にするユダヤ人エリートたち』(立木勝訳、三交社)にも詳しく書かれているが、ユダヤ人が体験したホロコーストが唯一無二のものだという認識の錯誤が、イスラエルをしてユダヤ・ナチの蛮行を平気で繰り返し、それをユダヤ人が熱狂的に支持する元凶なのであろう。
メイル・マーガレットのように、検問所のパレスチナ人の母の悲しい顔が、ホロコーストで殺されたユダヤ人の家族の悲しい顔と重なれば、そうそれがイスラエルのユダヤ人の多数派の行為として普遍化されるなら、パレスチナの平和はくる。しかし私は改めて不思議に思う。何でまたそんな当たり前の想像力が人に働かないのか?、と・・・。