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(回答先: 読売【フセインの死刑執行、住民虐殺「人道に対する罪」】 投稿者 木村愛二 日時 2006 年 12 月 31 日 08:35:31)
サダム・フセイン元大統領（６９）が処刑された。イスラム教シーア派住民を虐殺した「人道に対する罪」で死刑が確定してから４日。イラク政府は３０日午前６時（日本時間同日正午）ごろ、バグダッド市内で絞首刑による死刑を執行した。同国政府系テレビ「アルイラキーヤ」は執行直前のショッキングな映像を公開。元大統領支持のスンニ派武装勢力の攻撃激化など、治安悪化を懸念する声が上がっている。
衝撃的な映像だった。かつての独裁者は黒い覆面をした男らに促され、黒い上着姿で後ろ手に手錠をかけられ、処刑室に入った。ゆっくりと前に進み、絞首台の前で首に黒い布を巻かれた後、死をもたらすロープを首にかけられた。その間、抵抗する様子を全く見せなかった。映像はここで途切れた。
ＣＮＮなどによると、聖典コーランを持参して処刑室へ。死刑囚の恐怖を取り除くために使用される黒いフードをかぶることは拒否。執行の直前「神は偉大なり。イラク国民は勝利する。パレスチナはアラブのものだ！」と叫んだ。共同電によると、アルイラキーヤとは別のテレビは絞首刑後、白い布に包まれ、首を横に向けて横たわる姿を放映した。遺体の周りで踊る人もいたという。
約４半世紀にわたりイラクを恐怖で支配し、０３年のイラク戦争で政権の座を追われた独裁者は、犯罪者として生涯を閉じた。今年１１月５日にシーア派住民虐殺で死刑判決が下され、今月２６日に高等法廷が控訴を棄却し、判決が確定。それからわずか４日の死刑執行。イラク政府は、反政府勢力に、奪還闘争などの形で活動を拡大させる余裕を与えたくなく、また３０日正午からイスラム教最大の祝祭、犠牲祭が公式に始まったため、それ以前の執行を目指したとの見方ができる。
また、「米政府側の都合」という指摘もある。成果のなかったイラク戦争を「意義があった」と主張できるのはフセイン元大統領の排除だけ。ブッシュ大統領は年明けにも対イラク政策を発表するとみられ、そのための舞台づくりとして死刑執行が必要だったとされる。
０４年にイラクを取材をしたジャーナリストの鳥越俊太郎氏は「最期の映像は米国軍の検閲を受けているはずだが、元大統領を支持する人の間では殉教者のように映る。また、しっかり審議されずにバタバタと死刑となった印象はぬぐえず、反発を招くだろう。さらなる治安悪化が心配だ」と話している。
[ 2006年12月31日付 紙面記事
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2006/12/31/01.html
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