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(回答先: オラの体験的世代論 変化するアメリカの老後事情(ダニエル・カール)(1) 投稿者 そのまんま西 日時 2008 年 4 月 15 日 22:55:39)
オラの体験的世代論 変化するアメリカの老後事情(ダニエル・カール)(2)
【やっぱりアメリカは個人主義の国だ】
−−−−−なるほど。アメリカでも、世代間の相違ということがあるのですね。
アメリカ人は引退してから、暖かい南部に移動することが多い。カリフォルニア南部、ネバダ、アリゾナなどの砂漠っぽい地域が、実は不動産バブルになっていたんだ。
不動産会社が、土地が安いから、じいちゃん、ばあちゃん向けの街「退職者村」を作った。どんどん住宅を建てて、大量に売り出したんだ。しかも、買う人はみんな、もともと自分が住んでいた家を売ってきている人たちだから、高めに販売したんだ。
でもそれは、言い換えれば、老後を余裕を持って楽しめるようになってきた、ということでもあるんだ。オラのお爺さんの世代は大変だったんだ。余裕はなかった。オラのお父さんの世代では、アメリカという国も豊かになって生活に少し余裕が出てきた。すると、老後の世話は家族に頼みたくねえ、子供に迷惑をかけたくねえ、と考えるようになってきた。それに、そんな街は若者がいねえから犯罪も発生しにくく、治安がいいんだ。
−−−−−日米で似通っている部分があるわけですが、
当然、異なる部分もありますね。
もちろん、国の歴史が違うから、違う点も一杯あるよ。
アメリカは、人が動く社会だ。
「転がる石に苔は生えぬ(A rolling stone gathers no moss) 」という感じ。
だから家族が一緒に住むといういう意識は、日本に比べると弱いんでねえか。100年前は今とは違うけんど、それでも当時の基準からすればやっぱり遠いところに住んでいるよ。それに、長男だからどうのこうの、ということはねえ。やっぱり、個人主義の国だから。もちろんオラは長男だし、本当はお父さんを日本に呼びたいけんど、それも難しい。でも、電話はしょっちゅうしているよ。
山形では、親が長男と一緒に暮らすのは、当然と言う考えだなあ。これは、農業と言うか農耕民族の考え方でねえか。オラたちの子供の世代になると、また変わるんだろうな。山形県も三世代世帯の比率が日本一高かったんだ。それが何年か前に、2位になった。大家族から核家族へ変わってきてるんだ。
ところで、オラのお父さんは、最近3回目の結婚をしたんだ。日本だと、「年寄りがみっともねえ」とか「ええ年をして」という考え方がまだ強いけんど、アメリカではそんなことはねえ。みんなは、「お、やるじゃねえか」という考えだ。家族に対する考え方が、やっぱり日米で違うんだな。アメリカはさっきも言ったように、個人主義の国なんだ。両親が離婚したのは、オラが9歳の頃。その後、2回結婚したわけだけど、「親父が幸せならそれでええじゃないか」とオラは思ってる。
反対に、日本では、子供が親の所有物という考えが強いな。親子心中なんてその典型だ。それに、親が子供を殴ったりいじめたりしていて虐待問題があることがわかっていても、子供を保護したり親をつかまえたりは、なかなかしねえな。やっぱり、あの子は
あの親のものだから、という考えがあるんだなあ。
−−−−−(3)へ続く