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オラの体験的世代論 変化するアメリカの老後事情
(ダニエル・カールさん、山形弁研究家)
(介護サービスガイド帳 2008 より 転載)
アメリカ人なのに山形弁を駆使するユニークな外人タレントとして、テレビや公園にひっぱりだこのダニエル・カールさん。日本とアメリカのさまざまな事情に精通している
ダニエルさんに、アメリカにおける世代間の相違や個人主義から日本国の将来まで、御自身の体験や経済の話題なども交えつつ、思う存分に語っていただきました。
(聞き手:編集長 内田圭二)
【アメリカにも世代間の相違はあるんだ】
−−−−−日本人のお年寄りについては、どんな印象をお持ちですか。
今は東京に住んでるけんど、アメリカの大学を卒業して山形に英語教師として赴任してから、日本での生活はもう25年になるんだ。
昔は日本のお年寄りというと、謡曲の高砂(たかさご)のイメージがあったな。おじいちゃんとおばあちゃんが仲良く庭を掃除しているような。山形でも掛け軸に、着物を着ているお年より夫婦が熊手を手にしているような絵をよく見かけるよ。年は取っているけれど、夫婦一緒に元気で末永く、というのが日本の老いのイメージ。人生を楽しみながら、でも遠出などはせずに無理をしないで、という感じかな。
ところが、今の日本のじいちゃん、ばあちゃんは、ちょっとアメリカっぽくなってきているな。60代や70代といっても、パックツアーで国内外の旅行にどんどん出かけたりして元気がいいし、もう昔のお年寄りのイメージではねえな。中年と言う言葉も意味がなくなってきている。オラもそういう自覚はねえし。精神的にも肉体的にも、みんな若くなっていると思うよ。
−−−−−アメリカっぽくなってきているというのは、面白いですね。
いや、実はアメリカでも、オラのお爺さんの世代とお父さんの世代で、老後への考えが変わってきてるんだ。オラが小さい時、つまりオラのお爺さんの時代は、アメリカでは62歳から65歳くらいで定年を迎え、引退して年金生活に入るのが一般的だった。
ところが、オラのお父さんは今、77歳だけんど、55歳で消防所長を退職した後も仕事をやめないで、今度は72歳まで消防関係のコンサルタントとして働いていたんだ。
アメリカでも、お爺さんの世代とお父さんの世代で、こんなに違いがあるんだ。もちろん、医療的な進歩の影響は大きいよね。元気なおじいちゃん、おばあちゃんとして、活躍できるようになってきた。昔ならば、例えばガンといわれたら、もうあきらめていたけれども、今ではいろんな治療法にチャレンジするようになってきた。とにかく、”生き方”が変わってきたんだ。
−−−−−(2)へ続く